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8月に入って日本全国夏真っ盛り。すでに休みに突入し、自宅や帰省先でハネを伸ばしている方も多いのではないだろうか。いつもよりのんびりとした時間が流れるこの数日間は、日々の喧騒に疲れた心をいやす貴重なリストアタイム。寝てよし、食べてよし、遊んでよし……ということで、時計にしばられない自由な時間を過ごしたいところだ。 さて、「夏休み! ゲーム祭!!」の2回目は「爽快感」をキーワードに、蒸し暑い真夏の夜でもスカッと爽やかに楽しめるシンプルなフライトシューティングでいってみたい。GAME Watchでは、第二次世界大戦当時の戦闘機や爆撃機に乗って大空を駆け巡るフライトシミュレーション、「B-17 フライングフォートレスII 完全日本語版」を。窓の杜では、超美麗な3D画面で戦う「Last Dimension」を選んでみた。撃って撃って撃ちまくる、壊れるような快感をあなたに。
【第2回】 ヨーロッパ上空で繰り広げられた、壮絶な空中戦を体験B-17 フライングフォートレスII
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旧式のパネルをイメージしたメインメニュー |
第二次世界大戦当時、アメリカがドイツに対する戦略爆撃の主力として使用したのが、大型爆撃機B-17フライングフォートレスだった。イギリスの空軍基地から編隊を組んで飛び立ち、ドイツ本土の工場や生産拠点を爆撃して再びイギリスに引き返すという飛行ルートで行なわれたが、当然ドイツ側の反撃も熾烈を極め、帰還率はかなり低かったらしい。
「B-17 フライングフォートレスII 完全日本語版」は、そのドイツ爆撃作戦を、そっくりそのまま再現したフライトシミュレーションだ。プレーヤーはB-17で編成された爆撃隊長、あるいはクルーとしてミッションに参加し、施設の破壊と生還を目指して戦わねばならない。
ブリーフィングルームで作戦内容と飛行ルートを確認する。爆撃目標はドイツ本土の奥深くにある化学工場だ |
史実に添って戦うモードやショートミッションを楽しむモードが用意されている |
まずはチュートリアル代わりに「トレーニング・ミッション」からスタートし、少しずつシナリオを楽しむようにしたほうがいいかもしれない。またプレイモードによって、微妙にその目的が変わるところもユニークだ。「クイック・ミッション」では、指定された施設の破壊が第一の目的となるが、機長として戦う「ヒストリカル・キャンペーン」ではクルー全員の生還と帰国が、飛行大隊の隊長を演じる「スコードロン・キャンペーン」では、自分自身の昇進が目的となる。
操作はキーボードとマウスを併用して行なう。飛行や爆撃、銃撃はキーボード、視点の変更はマウスという役割だ。なんせ計器類が多いので覚えなければならないキーがたくさんあるが、とりあえず離陸するところから始めて、操縦→銃撃→爆撃という順にマスターするといいだろう。もちろん、操縦をパイロットに一任し、自分は銃撃手や爆撃手の役割に専念することもできる。離陸後は目的地の上空まで退屈な時間が過ぎることもあるが、時間の流れを2倍、4倍、8倍に加速することもできるので、早送りでプレイすることも可能だ。
編隊を組んで目的地を目指す。護衛戦闘機の支援が頼みの綱だ |
「B-17 フライングフォートレスII 完全日本語版」はB-17に乗って爆撃に出るだけでなく、爆撃隊を護衛する戦闘機隊や、それを迎え撃つドイツの戦闘機隊の一員としてプレイすることもできる。用意されている機体は、アメリカ側がP-38ライトニング、P-47サンダーボルト、P-51マスタング。ドイツ側がフォッケウルフ Fw-190、メッサーシュミット Bf-109、メッサーシュミット Me-262。いずれも第二次世界大戦当時の名機ばかりだ。
B-17でのミッションは、どちらかというと受け身の状態で、敵機が迎撃に現れないことを祈りながら飛ぶ時間が長い。ひとたび敵機と出会えば壮絶な銃撃戦に突入するわけだが、機体が大きくて重いこと、また正確な爆撃を行なうために水平飛行が原則であることから、たいていの場合は苦しい防御戦を強いられる。もちろん、それが“フライングフォートレス=空の要塞”と名づけられたこのゲームならではの醍醐味でもあるのだか、ときには空をもっと自由に飛びたくなることもあるだろう。護衛戦闘機や迎撃戦闘機に乗って戦う空中戦は、爆撃ミッションを違う角度、違う立場から楽しむことができる。
アメリカの護衛戦闘機、P-47サンダーボルト。12.7mm×8門の機関銃で敵機を屠る |
ドイツの迎撃戦闘機、Fw-190。20mm×4門の機関砲は、B-17にとって恐怖以外のなにものでもない |
B-17に登場する10名のクルーを選ぶ。士気や能力が異なるので、適材適所を考えよう |
ハードウェアT&Lに対応した映像の美しさ、そして辺りを包み込むように響く立体音響もすばらしかった。P-47サンダーボルトのメタル部分の凹凸やFw-190のくすんだカーキ色の表現は、職人芸としか思えないワザとコダワリを感じる。翼端から吹き上がる霧や、被弾した個所から漏れる黒煙の描写もリアルだ。こうしたビジュアル面のすばらしさを最大限に楽しむためにも、ハードウェアが許す限りの解像度でプレイすることをオススメしたい。
編隊を組んで目的地を目指す。護衛戦闘機の支援が頼みの綱だ |
攻撃目標の上空に到達したら、ノルデン照準器を使って爆撃開始。敵戦闘機の攻撃を受けて機体はボロボロの状態だ |
最後にちょっとだけ補足を。「B-17 フライングフォートレスII 完全日本語版」は、Windows 95/98/Me対応だが、Windows Meアップグレード版とPC-9821シリーズには未対応だ。今回筆者はWindows Meへのアップグレード環境(PC/AT)でプレイしたのだが、説明書を読まずに始めてしまい、そのせいか起動直後に解像度が512×384ドットの超低解像度に固定されてしまい、ひどいめにあってしまった。
結局、プルダウンメニューを開くのではなくカーソルキーを使うことによって無事解決することができたが、インターネットで調べたところ、同じトラブルに悩んだユーザーは結構多いようだ。いまのところ他にトラブルらしいトラブルはないが、できればアップグレード版のユーザーを切り捨てることなく、正式に対応してもらいたいところだ。
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「B-17 フライングフォートレスII 完全日本語版」
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(2001年8月10日)
[Reported by 駒沢 丈治]
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