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今回から5週に渡って、窓の杜とGAME Watchによる初の合同企画、「夏休み! ゲーム祭!!」。この企画は、「夏は思いっきりゲームを楽しみたい!」というゲームファンのために、暑い夏の季節にぴったりな新作ゲームタイトルを、わかりやすく見やすい内容で紹介していくのが目的である。GAME WatchではPCゲームを、窓の杜ではオンラインソフトをそれぞれ取り上げていく予定だ。 さて、この企画では“夏”をテーマに、毎回違ったキーワードで作品を選んでいく。夏といえば合宿。合宿といえば肝だめし。肝だめしといえば暗い夜道……というわけで、ちょっと強引だが、第1回目となる今回は“暗闇”をキーワードに2つの作品を紹介しよう。GAME Watchでは、暗闇の中をたった一人でさまよう3Dアトベンチャー「アローン イン ザ ダーク ~新たなる悪夢~」を、そして窓の杜では、暗闇の中で斬りあう必殺バトルアクション「宝永噴煙禄」を紹介するので、2本あわせてお楽しみあれ。
【第1回】
怪物たちの棲む島で、血塗られた悪夢がいま再び蘇えるアローン イン ザ ダーク
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キャラクターの移動にあわせてカメラの視点も変わる。吸い込まれそうな螺旋階段の描写がすごい |
シナリオにはいくつか伏線も用意されていて、たとえばアリーンの父親は不明とされている。シナリオを進めるうちに彼女の父親、そして彼女自身の過去が少しずつ明らかになっていくわけだが、その秘密を解くカギは血塗られた「悪夢」の向こう側にしかない。
2人の主人公の中からどちらか1人を選んでプレイ。左は27歳の女性民俗学者、アリーン・セドラック。右は33歳の私立探偵、エドワード・カービー |
エドワードと合流することができた。しかし再び別々のルートで調査を続ける2人 |
一方、エドワードを選ぶと最初から拳銃を持って始まるが、屋敷の外側から始まるために、ちょっとハードなルートを通らなければならない。どちらもそれなりに大変だが、シンプルに冒険を楽しみたいのであればエドワード、謎解きを満喫したいのならアリーンというところだろうか。
キャラクタの操作は、キーボードとマウスを併用して行なう。カーソルキーで移動。マウスの左ボタンで武器の照準を合わせて、右クリックで発射だ。武器は拳銃のほか、ショットガンやグレネードランチャーなども用意されている。無理に怪物と戦う必要はないが……つまり避けて通れるならそのほうがよいのだが、倒さなければ先へ進めないところもある。いざというときのために、ムダ弾を使ってしまわないよう注意したい。
屋敷の喫煙室でリボルバーを発見。ようやくこれで戦えるようになった。武器の装備や弾丸の装填は、インベントリーモードで行なう |
地下水道を使って屋敷の地下室へ侵入。光の描写と水面の波紋が美しい |
光源の処理も見事なもので、たとえば手にしたフラッシュライトの輝きや水面に浮かぶ波紋、鏡に反射する映像がリアルに再現されている。解像度の点で若干不満も感じるが、PC用の作品としては、現在最高水準にあるといっていいだろう。
キャラクタの動きも悪くない。とくに、アリーンの動きが秀逸だ。「モデル歩き」というのだろうか、胸の位置を固定しながら腰を揺らせて歩く様はなかなかカッコいい。ショットガンを手に入れたあとに、低く腰だめで歩く姿もよかった。
屋敷の奥にあるアトリエのような場所。明るく光輝く扉を発見した |
意識を失ったアリーンが見た悪夢。この少女は幼い頃のアリーン自身なのだろうか? |
正直なところ、のけぞるような怖さや鳥肌が立つほどの恐怖を感じることはなかった。ホラーといっても、実際は謎解きを中心とした、正統派のアドベンチャーゲームだからだろう。モンスターのデザインも、それほどおぞましくはない。もっとも、これだけ薄気味悪い場所を動き回るわけだし、背後から突然怪物に襲われる場所もあるので、何度かドキリとさせられることはあった。サウンドエフェクトの「うまさ」もあり、ホラー系のアドベンチャーゲームとしては、かなり上手に作られた作品だと思う。
ただ残念だったのは、ムービーシーンに字幕がなかったこと。サイバーフロントが発売するパッケージには日本語のマニュアルが添付されているが、ゲーム中に交わされる会話はどうしようもない。音声を流せるようになった現在、あえて字幕を付ける必要はないのかもしれないが、筆者のように英検3級程度のヒアリング能力しかないゲーマーにはつらい試練だ。英語でもかまわないから、字幕表示できるオプションが用意されていればよかったのにと思う。非英語圏のゲーマーや耳の不自由な方のためにも、クローズドキャプションが使えるようなシステムを検討してもらいたいものだ。
首尾よく屋敷にもぐりこむことができたが、ゾンビたちが待ち受けていた |
ネイティブアメリカンの老人に出会う。壁には無数の肖像画と写真が。彼はいったい何者なのか? |
豪華客船の模型とその写真。両者を比較すると、微妙に違いがあることがわかる。天秤の上に乗っているのは水筒のようだ |
画面上で青白く光る部分に、なにかの仕掛けやアイテムがある。どうやらこれは科学雑誌のようだ。「モートン教授のプレゼンテーション」という内容の記事だが、この物語にどんな関係があるのか? |
『アローン イン ザ ダーク ~新たなる悪夢~【日本語マニュアル付英語版】』
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(2001年7月27日)
[Reported by 駒沢 丈治]
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