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“最強”の看板に偽りなし! ゲーミングプロジェクター「HORIZON 20 Max」レビュー

高リフレッシュレート、応答速度1ms、VRRのすべてが揃った新時代の一台

【HORIZON 20 Max】
発売中
価格:450,900円

 近年プロジェクター市場で急速に存在感を高めているXGIMI(エクスジミー)。家庭用のプロジェクターに強さを誇っており、グローバルなプロジェクター市場において2023年と2024年に2年連続で出荷量世界第1位を記録しているプロジェクターのリーディングカンパニーだ。

 今回紹介するプロジェクター「HORIZON 20 Max」は、“最強のゲームプロジェクター”を謳った高性能プロジェクター「HORIZON 20」シリーズのフラッグシップに位置するハイエンド機だ。

 なぜゲーミングプロジェクターとして“最強”なのかは、機能を見れば理由がわかる。本製品はプロジェクターとしての多彩な機能はもちろん、ゲーミング製品として、最高1msの応答速度や120Hzのリフレッシュレート、VRRなどゲームを快適に遊ぶための低遅延機能が盛り込まれているからだ。

 では実際はどれほどの実力なのだろうか。今回は「Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)」、「STREET FIGHTER 6(ストリートファイター6)」、「Clair Obscur: Expedition 33(エクスペディション33)」の3タイトルを使って、本機で試してみた。

置き場所を選ばないコンパクトなサイズ

 まずは今回テストした「HORIZON 20 Max」の基本スペックを紹介したい。

【HORIZON 20 Max】
【基本的なスペック】
HORIZON 20 Max
光源RGB 3色レーザー
ランプ寿命20000時間
ディスプレイ技術DLP
ディスプレイチップ0.47インチ DMD
3D対応
対応フォーマットHDR10+、IMAX Enhanced、Dolby Vision
輝度5700 ISOルーメン
標準解像度3,840 × 2,160(4K)
色域BT.2020 110%
コントラスト比20,000:1(DBLEオン)
レンズ高光透過コーテッドレンズ
アイ・プロテクション対応
台形補正中断のない自動台形補正
フォーカスオートフォーカス
スクリーンへの自動アジャスト対応
障害物自動回避対応
レンズシフト垂直 ±120% / 水平 ±45%
光学ズーム対応
スローレシオ1.2~1.5 : 1
アスペクト比16:9
投影サイズ40~300インチ
CPUMT9679
GPUMali G52
RAM4GB
ストレージ128GB
OSGoogle TV
ミラーリングGoogle Cast / DLNA
スピーカー12W × 2(Harman/Kardon)
DTS Virtual:X対応
DTS-HD対応
Dolby Audio対応
Dolby Digital(DD)対応
Dolby Digital Plus(DD+)対応
Wi-FiWi-Fi 6(2.4GHz / 5GHz、802.11 a/b/g/n/ac/ax)
BluetoothBluetooth 5.2
製品サイズ(高さ × 幅 × 奥行)249 × 298 × 190 mm
製品重量5.4kg
価格450,900円

□「HORIZON 20 Max Standard Kit」製品ページ

 パッケージの中には発泡スチロール製の保管用ケースが入っている。使わない時や移動させる時には、この保管ケースで安全に動かすことができる。

箱の中に入っている保管ケース
プラスチック製の留め金と取っ手がついている
本体とACアダプター、付属品をすべて収納できる

 サイズは横幅がA4サイズの紙と同じくらいとコンパクト。本体は、360回転する台座と自由な位置で停止できるアームで支えられており、設置した後でも簡単に上下左右の角度を調整することができる。

 端子はHDMIが2つ。うち1つはeARCに対応している。USB 3.0が1つ、USB 2.0が1つ、イヤフォンジャックが1つと光デジタルケーブル用のオプティカルポートが1つ備えられている。

正面から。上にレンズ、下はスピーカーになっている
奥行は約19cm
背面は全面が排気口になっており、上部にI/Oポートや電源スイッチが並んでいる
上面にはXGIMIの刻印が刻まれている
左からオプティカルポート、USB 2.0、USB 3.0、HDMI(eARC対応)、HDMI、イヤホンジャック、電源
電源は台座の右下最下部にあり、プロジェクターの動きを邪魔しない

 付属品箱には、Bluetoothリモコン、リモコン用の単四電池が2つ、レンズを清掃するためのブロア、ブラシ、クリーニングクロスと取扱説明書とACアダプターが入っている。

Bluetoothリモコン
入力切替や機能、ホームボタンなどよく使うボタンにはバックライトがあるため暗所でも使いやすい
レンズのクリーニングキット
ACアダプター

 室内への設置は好きな場所に置くだけ。ネジ穴があり三脚などに据え付けることもできる。また、XGIMIからはACアダプターとケーブルを隠せる専用のスタンド「XGIMI フロアスタンドUltra」が発売されているので、インテリア性を重視したいなら購入を検討してみるのもいいだろう。

 強力な自動補正機能があるので、やや斜めや下からの投射でもきちんと適正な形を保ってくれるため、設置する高さはあまり心配する必要がない。ただし、大画面を楽しむにはある程度の投影距離が必要だ。投影距離と投影されるサイズは以下の表を参照して欲しい。たとえば100インチの画面ならすくなくともプロジェクターから投影面まで2.66m以上は必要ということになる。

【投影サイズと投影距離の関係】

投影サイズ投影距離範囲
65インチ1.73~2.16m
80インチ2.13~2.66m
90インチ2.39~2.99m
100インチ2.66~3.32m
110インチ2.93~3.65m
120インチ3.19~3.99m
150インチ3.99~4.99m
200インチ5.31~6.64m
300インチ7.97~9.96m

 投影先については、壁や天井に映すという方法もあるが、専用のスクリーンはやはり美しさが段違いなので、プロジェクターの性能をフルに活かすならスクリーンへの投影がおすすめだ。ただ、もしスクリーンを置くなら、そのためのスペース確保が必要となることは押さえておきたい。

 今回のレポートのために用意した100インチスクリーンは横幅約2.3m、縦幅約1.4mがあった。さらに投影距離2.66mを確保するとなると、それなりの空間が必要になる。筆者が撮影に使ったリビングルームでは、長方形で言うと短辺側にスクリーンがぴったり収まってくれた。100インチの投影が可能となったほか、ミニシアターのような雰囲気も出て、設置自体は上手く行ったと思う。部屋の広さに合わせて、購入前にスクリーンのサイズや、必要な投影距離を確保できるのかをしっかり測定、検討することをおすすめしたい。

壁幅ぴったりのスクリーン。壁全体がスクリーンなるのは、ミニシアターのようでとても楽しい

フラッグシップ機では業務用クラスの輝度を実現

 では、実際に試してみる。プロジェクターを選ぶ時、最初に注目する指標は輝度だろう。プロジェクターはモニターよりも環境の明るさに影響を受けやすい。モニターは光源を消すことで黒を表現するが、プロジェクターの黒は周囲の環境の暗さに依存している。つまり、真っ暗な部屋の中で「黒」は「真っ黒」になるが、明るい部屋ではスクリーン(または壁)の一番暗い部分よりも黒くすることができない。そのため、明るい場所でプロジェクターを使うと、なんとなくぼんやりしたグレーの色味になってしまう。

 映像の鮮明さは、一番明るい色と一番暗い色の差、つまりコントラスト比で決まるため、高い輝度を確保できれば周りが明るい環境でもクッキリと鮮やかに感じられる。大きな画面であればあるほど、鮮やかな色彩を表現するためには高い輝度が求められる。

 その点で、「HORIZON 20 Max」は非常に高い輝度がある。最初に起動したときに驚いたほどだ。部屋の灯りを消して真っ暗にした状態ではもちろん、紙に書いた文字を問題なく読むことができる程度の明るさであれば、まぶしいほどのコントラスト比で鮮やかに色彩を表現してくれる。

 プロジェクターの明るさを示す基準には、ANSIやlm、nitなど様々な単位がある。その中でも世界最大の非政府標準化団体である国際標準化機構と、電子・電気・通信技術に関する国際規格を策定する国際電気標準会議が定めたISO(ISO/IEC 21118)は、色の再現性や入力電圧の安定性など厳しい基準が定められており、実用的な美しい映像の基準として、世界的に標準の尺度として用いられている。

 フラッグシップ機となる「HORIZON 20 Max」はISO5700と業務用クラスの輝度を誇る。ミドルレンジの「HORIZON 20 Pro」はISO4100、スタンダードクラスの「HORIZON 20」でもISO3200と、いずれも家庭用としては高い輝度で鮮やかな色彩を楽しむことができる。この輝度を活かして3機種とも20,000:1という高いコントラスト比を実現している。

 以下の画像では、100インチのスクリーンに約3mの距離から投影した状態で、部屋のシーリングライトの明るさを100%と50%、オフにしてそれぞれ比較している。シーリングライト50%は、上に記載した「紙に書いた文字を問題なく読むことができる明るさ」だ。見比べると、50%とオフではほとんど鮮やかさが変わらない。この中で、最新のゲーミングモニター並みに鮮やかな画面を100インチという巨大なサイズで楽しむことができる。

 映画などをじっくり楽しむなら真っ暗でも構わないが、食事をしながら、または誰かとワイワイ楽しみながら画面を見るようなシチュエーションではやはり灯りがあったほうがいいだろう。本機種は例えばカーテンを閉め切った室内、夜に部屋の明かりを少し落としたような周囲が十分に見えている環境でも、まぶしいほどのコントラスト比で鮮やかに色彩を表現してくれる。

 またピントや台形補正など、投影時の画面補正はすべて自動で瞬時に行なわれる。本体を動かして、台形がずれるとすぐに正しい形に補正される。もちろんリモコンを使って微調整も可能。画質やコントラスト比なども細かく設定することができる。

シーリングライト100%。やや見づらいが、プロジェクターの特性上当然だ
シーリングライト50%。感覚的には普段の生活に困らないレベルの明るさだが、ゲーム画面は鮮明に映し出される
シーリングライトオフ。画面は当然鮮やかだが、生活空間としては暗すぎるので少々不便
50%での実際の部屋の明るさはこれくらい。料理をしたり、PCを使ったりと、作業に困らない十分な明るさである

 投影方式は3色レーザーを使ったDLP方式。DLP方式には本体をコンパクトにできるというメリットがある。さらに3色レーザーによって、従来の単色レーザーをカラーホイールでフルカラーにする方式よりもはるかに高速に色を切り替えることが可能になっており、DLPの弱点と言われるレインボーノイズはほとんど感じることがなかった。

「ゴースト・オブ・ヨウテイ」オープニング画面。100インチでも高密度な4Kの色鮮やな画面はまるで映画
アップにすると細かい部分まで鮮明に描写されているのが分かる

4K解像度を劣化させない光学ズームと、場所を選ばないレンズシフト

 光学ズームとレンズシフトを採用しているのも本機の大きな強みだ。ズーム機能はプロジェクターの位置を動かすことなく、画像を拡大縮小する機能だが、その方式には光学ズームとデジタルズームの2種類がある。

 デジタルズームでは本来の解像度よりも拡大する場合は、内部的な処理でピクセルを引き延ばして表示する。縮小する場合は、チップの周辺部を敢えてオフにすることで解像度を落として画面を小さくする。つまりどちらの処理の場合も適正な解像度ではなくなってしまう。つまり画像のボケに繋がってしまう。

 光学ズームの場合は、レンズの焦点距離を物理的に替えることで、投影画面の大きさを拡大縮小しているので本来の解像度や明るさに影響を与えない。サイズを変えても変わることのない美しい4K映像が楽しめるのだ。

 レンズシフトはプロジェクターを据え付けたまま、レンズ内部の機構を動かすことで、投影位置を上下左右に移動させることができる機能だ。レンズを直接動かすことでどの角度からでも歪みのない映像を作り出す。台形補正などに頼らない方法なので、遅延や画質の劣化、ボケが発生しない。

光学ズームとレンズシフト機能で正確かつ高解像度の投影が可能

 こういった機能がないプロジェクターでは、投影したい位置に画像を表示するためプロジェクターを前後左右に動かしたり、支えの高さを変えたりと細かい調整に時間をとられた経験を持つ人もいるだろう。

 本機は左右45%、上下120%という広い範囲を自動で調整してくれる。本機をスクリーンの前に置くだけで、斜めになっていても、上や下にずらした位置からでも即座に歪みのないキリリとした美しい画面を手に入れることができる。

複数のレンズで構成されたレンズ部分。本機の心臓部ともいえる場所だ

VRRをプロジェクターとして初搭載、多彩なゲームモードも

 続いて、応答速度はどうだろうか。本機にはPS5などのゲーム機を接続して画面を切り替えると、自動的に「ゲームモード」に切り替わるALLM(自動低遅延モード)という機能が備わっており、デフォルトで「ON」になっている。

 画面を切り替えると「ゲームモードに入ります」という短い表示があるだけで、何もする必要がない。ゲームモードではMEMC(フレーム補間処理)や画質補正など動画を視聴する際に滑らかに表示するための機能を自動でオフにすることで、入力の遅延を最小化する。

 ゲームモードで選べる画面プリセットは6種。「標準」、「FPS」、「RPG」、「RTS」、「Sports」に加えて、「アサシンクリード」というプリセットが用意されていた。「アサシンクリード」はユービーアイソフトのアクションゲーム「アサシン クリード」シリーズを遊ぶことを想定したモードで、暗いシーンの視認性が向上するほか、映像処理の最適化によって全体的な動作の滑らかさも向上する効果がある。

標準
FPS
RPG
RTS
Sports
アサシンクリード

 さらに本シリーズ機種には高級ゲーミングモニターでは定番となっているVRR(可変リフレッシュレート)が搭載されている。リフレッシュレートを可変にすることで、ゲームのフレームレートとリアルタイムに同期させることで、ティアリングやカクつきを防止する。

 VRRはデフォルトではオフになっているため、「機能」>「表示」>「詳細設定」の中にある「プロジェクタースーパーフレーム」と「VRR」をオンにすることで使えるようになる。

 公称の解像度とリフレッシュレート、応答速度はそれぞれ1080p/240Hzの時1ms、1080p/120Hzの時2.2ms、4K/60Hzの時3.2msとなっている。事務用などのプロジェクターでは応答速度は2桁程度のものが一般的だったが、ゲーミングを銘打つプロジェクターでは近年高リフレッシュレートのものが登場してきており、本製品も十分にゲーミングと言える応答速度となっている。

 他にも暗いシーンでガンマ値を補正する「ブラックイコライザー」機能や、「バーチャルクロスヘア」の表示機能などゲーム専用の機能が用意されている。ブラックイコライザーはオンにすることで暗部を引き上げて、FPSなどで敵の視認性を高めることができる。バーチャルクロスヘアは任意の場所にクロスヘアを表示することができる機能。クロスヘアは14種類から選ぶことができる。

【ブラックイコライザー】
オフ
オンにすると、黒が引き上げられて、壁の辺りが明るくなっているのが分かる
【バーチャルクロスヘア】
FPSやバトルロイヤルゲームでの照準をアシストしてくれる

「ゴースト・オブ・ヨウテイ」、「ストリートファイター6」、「エクスペディション33」で遊んでみた

 実際に「ゴースト・オブ・ヨウテイ」や「ストリートファイター6」、「エクスペディション33」の3タイトルを遊んでみたが、少なくとも筆者の体感では操作の遅延を感じる瞬間は皆無だった。

 「ゴースト・オブ・ヨウテイ」は江戸時代が始まったばかりの1603年、蝦夷地で鍛冶屋の家族と暮らしていた少女、篤(あつ)は、家族を「羊蹄六人衆」に殺される。16年後、篤は復讐のため再び蝦夷地の土を踏む。

 オープンワールドとして再現された雄大な江戸時代の北海道を旅しながら、復讐の旅路の中で多くの人に出会っていく。映画のようなカットシーン、重厚な音楽、プレイステーション 5の能力を遺憾なく発揮して作られた北の大地はすべてが大スケールだ。

 そんな「ゴースト・オブ・ヨウテイ」のオープニングでは、最初の仇がいる東屋が燃え上がるシーンがある。「HORIZON 20 Max」の高い輝度で見ると、炎はまぶしいほどに鮮やかで、そんな光が壁や天井に反射して部屋全体が紅蓮の炎に包まれたかのように赤く染まって見えたのが非常に印象的だった。

【ゴースト・オブ・ヨウテイ】
輝度が高いため、燃え上がる炎のまぶしさが際立つ

 「ストリートファイター6」は、言わずと知れたカプコンの対戦格闘ゲーム。対人戦だけではなく、アーケードモードやオンラインマッチ、チーム戦やランキングマッチなど多彩なモードで対戦を楽しめる。入力遅延にシビアなゲームの代表格ともいえる対戦格闘ゲームだが、1msの応答速度があれば対人戦で十分なアドバンテージを持って試合に挑める。

 また、今作から自分のアバターを作って街を探索するストーリーモードである「ワールドツアー」という新機軸のモードが登場した。このモードではカプコンのアクションゲーム「ファイナルファイト」シリーズの舞台となったメトロシティを皮切りに、世界中を巡ってレジェンドな格闘家に出会っていく。

 「ストリートファイター6」にはオフライン対戦モードもあり、家に集まった友達同士でワイワイと楽しみながらプレイすることができる。そういうシーンでは、プロジェクターの大画面と「HORIZON 20 Max」の高輝度が最大の威力を発揮するはずだ。

【ストリートファイター6】
プロジェクターは遅延が大きいという常識を覆す反応速度の速さが対戦ゲームで活きる

 「エクスペディション33」はフランス発のターン性リアルタイムRPG。毎年同じ年齢の人間を削除していく「ペイントレス」の死の呪いから大切な人を守るために、決死の覚悟で出発した遠征隊33の戦いを描く。

 日本のRPGに影響を受けたターン性のバトルを採用しており、多彩な回避を駆使しながら様々なスキルを組み合わせて戦う戦術性の高い戦闘が楽しめる。だが、本作の魅力はなんといってもアートを感じさせる不条理で退廃的な世界そのものだ。

 廃墟と自然が入り混じった不思議な風景の中にいる敵も、不気味ながらユーモラスであり、その唯一無二の雰囲気が人を虜にする。本作はインディーゲームとして開発されたからか、大作では感じにくい個人のこだわりを随所に感じることができる。

 100インチの大画面で遊ぶ「エクスペディション33」は、小さなモニターでは見逃してしまいそうな細部までしっかり楽しむことができる。世界を視野一杯に見渡しながらのプレイすると、その間は確かに自分もその世界の一員になっていると感じられるほどだ。

 また、本作の見どころであるカットシーンでの小さな表情の演技など、細かい演技も見逃すことなく楽しめるのも大画面ならではだろう。

【エクスペディション33】

 これまであまり音には言及していなかったが「HORIZON 20 Max」にはHarman/Kardonの12Wスピーカーが2基、内蔵スピーカーとして搭載されている。普通の家のリビング程度の広さであれば、問題なく立体的なステレオサウンドが楽しめる。

 ただ、十分高品質ではあるのだが、プロジェクターの正面から聞こえるため、テレビに慣れていると画面から聞こえてこないことに少し違和感を感じることもあった。本機種はeARCに対応しているHDMIポートがあるので、ここからAVアンプやサウンドバーに接続することで簡単にシアターシステムを構築することができる。

 音にこだわりがある人ならフルスペックの5.1サラウンド環境を整えてもいいが、スピーカーの良さを活かしてサブウーハーだけを追加するといった方法でもいいかもしれない。

Google TV搭載YouTube、Netflix、Amazon Primeにネイティブ対応

 ここで、ゲーミング以外の機能もご紹介しておこう。

 本機はGoogle TVを搭載しており、YouTube、Netflix、Amazon Primeにネイティブ対応している。リモコンにもこの3アプリの起動ボタンがあり、初期設定後にはワンボタンで起動することができる。もちろんディズニープラスやAppleTV、U-NEXTなど多くのサービスを1カ所で操作することができる。

 リモコンにはGoogleアシスタントを操作するためのマイクボタンがあり、ボタンを押しながら話しかけることで簡単に操作できる。

 青い「Live TVボタン」はショートカットを作成するためのボタン。Google Homeと連携したり、呼び出したいアプリをここに登録するとワンボタンで呼び出せるようになる。

 入力切替ボタンや機能ボタンなどよく使うボタンはバックライトで光るので、真っ暗な環境でも使いやすい。サークル状のボタンには、手触りだけで分かるようヘアライン加工が施されている。

以前のAndroid TV OSからGoogle TVに完全移行。Netflixにネイティブ対応が可能になった
例えば「東京の天気は?」とGoogleアシスタントに話しかけると、すぐに週間天気が表示される

 画面設定には「標準」、「映画」、「ビビッド」、「IMAX Enhanced」、「ゲーム」、「スポーツ」と非常に明るい場所で使う場合の「ハイパワー」モードがある。ハイパワーモードは限界まで輝度を追及するモードだが、負荷が高くプロジェクターの排気音がかなり大きくなるものとなっている。

 下の画像は「ストリートファイター6」のワールドツアーモードで各モードを切り替えてみたものだ。映像よりのモードでは色温度が暖色系になり、画面が柔らかくなる。逆にゲームやスポーツモードでは視認性を巡視したきりりとしたエッジが立った寒色系の画面になる。

【HDR時の各モード】
「ストリートファイター6」のワールドツアーでテスト。こちらは標準モード
映画
ビビッド
IMAX Enhanced
ゲーム
スポーツ

一家に一台欲しいレベル。生活のゲームチェンジャー

 今回、紹介のために借りている機材はもちろん終了後には返却せねばならない。しかし「HORIZON 20 Max」は手放すのが惜しいと思えるくらい魅力的だ。

 もちろん決して安くはない買い物で、さらに歪みの少ない大画面スクリーンを用意したり、投影するために距離を確保したりと下準備やそれなりの工夫も必要だ。だが、そうするだけの価値は十分にある。“最強”の名は伊達ではない。

 Google TV対応で、見たい時にワンボタンでYouTubeやNetflixを起動できる手軽さはもちろん、PCもPS5もSwitch 2もここに繋ぐだけですべて100インチの大画面、4K画質で楽しめる。もちろん液晶テレビでも100インチを実現することはできるが、まだまだ100インチテレビは価格が高い。そしてプロジェクターにはテレビにくらべて大幅に消費電力が小さいという大きなメリットがある。ランプ寿命も20,000時間と長く、1日5時間毎日使用しても15年程度は交換なしで稼働する計算になる。コストパフォーマンスでは圧勝だ。

 といっても100インチにこだわる必要はない。本機種は光学ズームによって、65インチ(投影範囲1.73m~2.16m)から300インチ(投影範囲7.97m~9.96m)まで鮮明な画像を維持したまま投影サイズを変えることができる。

 どうしても予算的に厳しいという場合は、同シリーズの「HORIZON 20 Pro」や「HORIZON 20」を検討するという手もある。これらのシリーズは輝度が違うだけで、それ以外の機能はすべて同一だ。個人の部屋での利用や、最初から暗いシーンでの利用を想定しているなら、十二分な性能を持ち合わせている。

 専用ケースに入れて持ち運ぶことで、家での個人的な使用はもちろん、大勢が集まる会議など多彩なシーンで活躍してくれる「HORIZON 20」シリーズ。プロジェクターの導入を検討しているなら、ぜひ本機も検討リストに入れて欲しいと思う。