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ガンダムゲームのeスポーツ大会「GGGP×RAGE」OPEN部門本戦レポート。ベルサール秋葉原で「イニブ」最強チームが決まる!

【GGGP×RAGE 機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 インフィニットブースト Supported by SANKYO】
開催期間:11月1日〜11月3日
開催場所
予選:namco松戸店/namco巣鴨店/GiGO新宿西口/新宿スポーツランド本館
本戦:ベルサール秋葉原

 11月2日、バンダイナムコエクスペリエンスより稼働中のアーケード用チーム対戦アクションゲーム「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 インフィニットブースト(以下、「イニブ」)」の最強プレイヤーを決めるeスポーツ大会「GGGP×RAGE 機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 インフィニットブースト Supported by SANKYO」OPEN部門の本戦がベルサール秋葉原にて開催された。

 この日はガンダムゲームの頂上決戦にふさわしい、予選を勝ち抜いてきた精鋭8チームが会場に集結。会場現地は「イニブ」の王者誕生の瞬間を目撃しようと、多くのファンが詰めかけている。当日は午前10時から開場し、夜19時過ぎに終了するという長丁場なイベントにも関わらず、現地の立ち見席ですら来場者によって埋め尽くされる盛況ぶりとなっていた。

 本記事ではそんな大会当日の試合の様子とハイライトシーンを要点的に交えつつ、その様子をレポートしていく。

【【GGGP×RAGE 機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 インフィニットブースト Supported by SANKYO】OPEN部門本戦】

「GGGP×RAGE」初コラボ開催!ガンダムゲームの頂上決戦が秋葉原で幕を開ける!

 「ガンダムゲームグランプリ(GGGP)」は、2018年から続くガンダムゲームの競技シーンを象徴する賞金制大会を中心としたイベントだ。そんなGGGPが、今回は数々のゲームタイトルを取り扱ってきた、日本最大級のeスポーツイベントブランド「RAGE」とタッグを組むことが話題となった。

 本コラボは、競技シーンの規模を単に拡大するだけでなく、参入間口が広いガンダムゲームとeスポーツの魅力をより広げる意味でも期待されている。OPEN部門の本戦におけるトッププレイヤーたちの頂上決戦はもちろん、後日11月3日には、プロゲーミングチーム所属の著名ストリーマーたちが競い合うINVITATION部門も開催された。

 本戦当日は、会場となったベルサール秋葉原に、入場するためのファンによる待機列が形成され、さらに会場限定のグッズ販売も賑わいを見せた。会場入り口には巨大な「ガンプラ1/1ガンダムヘッド」が設置され、現地に訪れたファンから通りすがりの外国人観光客まで、秋葉原を行き交う多くの人々の目を引いていたのが印象的だ。

 さらに会場の前では、リサイクル素材を用いて成型されたプラモデル「エコプラ」を無料配布する「ガンダムR(リサイクル)作戦」を実施していた。本大会のオープニングアクトを飾った、女性アイドルグループ「LINKL PLANET(リンクルプラネット)」のメンバーたちが日にち・時間によっては手渡しもしており、「LINKL PLANET」とエコプラを目当てに、寄り道する通行人が後を絶たなかった。

 また、会場の物販エリアに併設される形で、「イニブ」を無料体験できるコーナーも置かれ、試合の熱気に感化されたガンダムファンがいつでもゲームを体験できるようになっていた。

会場入り口前に置かれた「ガンダム」の頭部。両目がライトアップする
会場で販売されていたグッズ
お昼の時点でいくつかグッズが完売状態に
会場の前では「エコプラ」を配布
エコプラを貰うために並ぶ観光客も多かった
無料体験コーナー

 大会のMCを務めたのは、格闘ゲームの実況で知られるeスポーツキャスターのアール氏に加えて、「Fate/stay night」の「遠坂凛」や、「原神」の「宵宮」を演じることでも知られる、人気声優・植田佳奈さんだ。

 植田さんと言えば、声優でありながらも大のゲーム好きとして知られている方だが、過去eスポーツ大会「EVO」のサイドトーナメント(コミュニティ団体やサークルの有志によって催される)には選手として出場している。「機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST」では世界3位、「GUNDAM VERSUS」では世界5位に入賞するなど、「エクストリームバーサス」シリーズのコアなファンでもある。

 そんな植田さんと共にMCを担当することになったアール氏だが、大会スタッフからは、事前に予習しないでほしい旨を伝えられていたとのこと。アール氏は、「真っ白で来てくださいって言われて逆に不安(笑)」と、その心境を明かし、実況担当のなかお氏頼りの様子だった。

 大会は創通の常務取締役であり、GGGPエグゼクティブプロデューサー・田村烈氏による開会宣言で幕を開けた。田村氏は、RAGEとの初のコラボレーションや、ガンプラ45周年を記念したコラボなど、本イベントが持つ多角的な魅力に触れ、ガンダムコミュニティにとって特別な一日になることへの期待感を煽り、スタートを迎えた。

アール氏(左)と植田佳奈さん(右)
なかお氏に頼るアール氏
創通 常務取締役 田村烈氏

8チームが激突する。トッププレイヤーたちによる本戦トーナメント開幕

 精鋭8チームによる本戦トーナメントは、シングルエリミネーション方式を採用。2マッチ先取制だ。準々決勝では初回の「真・雨宮家族」と「毎日ガンダム健康生活」の対戦から、スコア差によるタイムアップを狙った実力僅差の試合展開で白熱した。結果として勝利を掴んだのは「真・雨宮家族」となった。

 第2試合「あいつら全員同世代」と「永田小隊」の対戦では、一部のステージにおいて不具合が起きる可能性が見つかったため、選手同意のもと、急遽ステージがランダム選択から「サイド7」固定に大会ルールが変更されることがアナウンスされた。

 この試合では「永田小隊」こたんぐ選手のガンダムAGE-FXが、残り時間約2秒における怒涛の猛攻を防ぎ切り、会場が熱狂する盛り上がりを見せた。このハイライトから不利な展開を巻き返し、「永田小隊」は見事に準決勝進出を迎えることとなった。

第1試合から展開の読めない試合が続いた
残り時間僅かでシーソーゲームのようにスコアが入れ替わる中、最後の巻き返しを耐え抜いたこたんぐ選手
不利を打開して次の試合に繋いだ「永田小隊」

 第3試合では「ライフリ村」と「モトハ@目指せ200km」の対戦カードとなった。「ライフリ村」のあじま選手が、ケルディムガンダムで的確に相手を撃ち抜く。ケルディムガンダムは射撃に特化した機体ではあるが、それゆえに自衛力は乏しい。そんな中でもGNライフルビットとGNシールドビットを使い分ける見極め力の高さは特に印象的だった。終始弾幕を絶やすことなく、自機の自衛力をプレーヤースキルで補い、堅実な勝利を掴んだ。やがて「ライフリ村」の準決勝進出が決定的なものとなった。

 準々決勝最後の試合となる「譲った」と「アオちゃまダディダディ」の試合では、「アオちゃまダディダディ」のキヨ選手&みねぎし選手の仲の良さが見どころのひとつとなった。また、「譲った」のえんま選手が使用するマイティーストライクフリーダムガンダムと、キヨ選手が使用する同機で、明確にプレイングが異なる点も実況中継の話題になった。勝利を手にしたのは「アオちゃまダディダディ」。試合後のインタビューではみねぎし選手がキヨ選手に公開説教される場面もあり、会場の笑いを誘った。

「譲った」(左)「アオちゃまダディダディ」(右)

「永田小隊」が悲願の優勝!仲間と共に掴んだアーケード王者の座

 インターバルを挟んで準決勝が開始された。「真・雨宮家族」と「永田小隊」の試合では、「真・雨宮家族」が残り1勝で決勝進出の展開にまで持ち込む。しかし、「真・雨宮家族」に食らいつくようにして「永田小隊」が粘り強さを見せていった。どちらが決勝に進んでもおかしくない中、「真・雨宮家族」の運ゲーマン選手が駆るガンダム(Gメカ)が撃墜され、「永田小隊」は決勝行きとなった。

 準決勝第2試合「ライフリ村」vs「アオちゃまダディダディ」の試合では、「ガンダム・エアリアル(改修型) パーメットスコア・エイト」と、「マイティーストライクフリーダムガンダム」のミラーマッチが激戦を展開していった。最終試合のお互いが大きく消耗している終盤戦、みねぎし選手の攻撃を誘発させて、そこにちゃんるい選手がマイティーストライクフリーダムガンダムの攻撃を差し込み、フィニッシャーとなった。こうして決勝戦は「永田小隊」と「ライフリ村」の決戦が確定した。

 本大会もいよいよ大詰め。激戦の末に優勝を飾ったのは「永田小隊」だった。序盤から「ライフリ村」優位の試合展開になるも、後半戦で「永田小隊」が追い上げを見せる。ラストは両チーム至近距離での乱戦状態となるが、「永田小隊」のSHO∞選手がマイティーストライクフリーダムガンダムでちゃんるい選手に格闘攻撃を決めて、勝敗を決した。

 表彰式では、RAGEプロデューサー・大友真吾氏から優勝トロフィーが「永田小隊」へと授与。悲願の優勝を成し遂げた「永田小隊」の選手たちは、インタビューで「こういうアーケードバージョンの大会で優勝するのをずっと目標にしてきたので、それをこの最高の仲間と成し遂げられたのが本当に嬉しいです」と、その喜びを爆発させていた。

 大会の最後には新機体「キュベレイパピヨン」の実装発表のほか、「ガンダム」の機体モデルがリファインされること、さらに実装済みの14機体にバランス調整が加えられることなど、最新のアップデート情報がサプライズ的に発表されていた。

 「イニブ」は、来年8月に両国国技館にて、賞金総額1,000万円のGGGP2026賞金制大会への採用が決定している。今回の大会ではゲームのシリーズを知らない人でも、実況解説の補足と、選手同士のスピード感溢れる駆け引きが分かりやすく楽しめるポイントになっていたことだろう。本大会の配信を機に、いちガンダムファンの筆者も、久しぶりに本ゲームシリーズに触れてみたくなるほどの盛り上がりを見せていた。今後追加されていく新機体の話題性にも引き続き注目したい。