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“WQHD”でリッチな「モンハンワイルズ」ライフに! BenQの最新ゲーミングモニター「EX271Q」を試す

【MOBIUZ:EX271Q】

2024年12月20日 発売

価格:オープン

直販価格:66,400円

 2月28日に発売されたカプコンのハンティングアクションゲーム最新作「モンスターハンターワイルズ」。オープンベータテストの時からグラフィックス負荷の高い“重量級タイトル”として知られており、PCユーザーの中には「モンハンワイルズ」をきっかけにゲーミングPCやモニター環境を一新したいと思っている方も多いだろう。

 だが4K(3,840×2,160ドット)環境を整えようとするとPCの要求スペックが高く、モニター本体も高額になってしまう一方で、フルHD(1,920×1,080ドット)環境だと「今と変わらない」という方も多いはず。そこでオススメなのが、4KとフルHDの中間となる“WQHD(2,560×1,440ドット)”解像度のゲーミングモニターだ。

 BenQが展開するゲーミングブランド「MOBIUZ」のWQHD/180Hzに対応した「EX271Q」は“すべてのゲーム体験に、究極の映像美を”とテーマに掲げ、ただゲーム映像を表示するだけでなく、ゲーマーに嬉しい様々な独自機能を備えながら、実売6万円台からとコストパフォーマンスに優れたゲーミングモニターとなっている。

 そこで本稿では「EX271Q」をお借りして実際にPC版「モンスターハンターワイルズ」をプレイ。最新のWQHDゲーミングモニターとミドルレンジGPU、そして独自機能によってどこまでリッチに「モンハンワイルズ」をプレイできるのか検証しながら、本製品の魅力を紹介していこう。

WQHD/180Hz対応! ミドルレンジGPUと相性がいい「EX271Q」

 まずは「EX271Q」のスペックを確認していこう。画面サイズは27インチで、解像度は4KとフルHDの間となるWQHDに対応。視野角の広さに優れるIPSパネルを採用しており、リフレッシュレートはHDMI接続時で最大144Hz、DP接続時で最大180Hzとなっている。昨今のゲーミングモニターのトレンドを確実に押さえてきている印象だ。


    MOBIUZ「EX271Q」のスペック
  • 画面サイズ:27インチ(アスペクト比16:9)
  • パネル:IPS
  • バックライト:LED
  • 解像度:2,560×1,440ドット(WQHD)
  • 輝度:標準 350cd/m2、最大・HDR 400cd/m2
  • 視野角:178度/178度(水平・垂直)
  • 応答速度:1ms
  • コントラスト比:1000:1
  • 表示色:10.7億色
  • リフレッシュレート:HDMI・144Hz、DP・180Hz
  • 可変リフレッシュレート:FreeSync Premium
  • HDR:HDR10、VESA DisplayHDR 400
  • 映像入力端子:HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×1、USB Type-C(DP Alt Mode、65W給電、データ転送)
  • USB端子:USB Type-C 上りポート(USB 3.2 Gen 1、5Gbps、データのみ)、USB Type-A 下りポート×2(USB 3.2 Gen 1、5Gbps、パワーチャージング4.5W)
27インチ/WQHD/180Hzと昨今のトレンドを押さえている「EX271Q」

 筐体は宇宙船をモチーフにした「MOBIUZ」の新しいデザインコンセプト「MOBIUZ Gen1」に沿ったものとなっている。ホワイトを基調としたカラーリングと曲線を活用したデザインの効果もあって、近未来的で非常にカッコイイ。背面にはクロムカラーの「MOBIUZ」ロゴが輝くが、パネル側は左下のさりげない「BenQ」ロゴだけで、プレーヤーの集中力を削がない配慮がされている。

 スタンドはツールレスで組み立て可能で、100mmの高さ調整や-5度~15度のチルト、左右15度のスイーベル、90度のピボットを備える。もちろん100mm×100mmのVESAマウントもあるため、モニターアームなども使用可能だ。

宇宙船をモチーフにした「MOBIUZ」の新デザイン。ホワイトカラーでシンプルだが、どこか近未来的な印象を与える
背面左上にはクロムカラーの「MOBIUZ」ロゴを配置
一方のパネル側は左下のさりげない「BenQ」ロゴだけ。プレーヤーの集中力を削がない配慮だ
100mm×100mmのVESAマウントも備えており、モニターアームも使用可能だ

 映像入力端子はHDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×1、USB Type-C×1の計4系統。ゲーミングPCはDP接続、コンソール機をHDMI接続、スマートフォンやノートPCをUSB Type-C接続といった感じで、多彩な機器を接続可能だ。そのほかにもヘッドホン端子を備えるほか、電源は内蔵しているため、ACアダプターの置く場所に困ることはない。

 またUSB Type-Cのアップストリームポートを2基(内1基は映像入力と兼用)、USB Type-Aのダウンストリームポートを2基搭載しており、最大2台まで映像入力・キーボード・マウスを切り替えられる“KVMスイッチ”機能を備えている。そのため、モニター側のUSB Type-Aにキーボードとマウスを接続しておけば、簡単にデスクトップPCとノートPCを切り替え可能だ。

映像入力端子はHDMI×2、DP×1、USB Type-C×1の構成。また別途USB Type-Cのアップストリームポートも備える
電源は内蔵式。ACアダプターの置く場所に困ることはない
底面にUSB Type-Aのダウンストリームポートを備え、KVMスイッチ機能に対応。ヘッドホン端子も備えている

27インチ×WQHDは相性抜群! 「EX271Q」でPC版「モンハンワイルズ」をプレイ

 ここからは「RTX 4060 Ti」を搭載したゲーミングPCを使用して、実際に「EX271Q」で「モンスターハンターワイルズ」製品版をプレイしてみた。今回は付属のHDMIケーブルを用いて、WQHD/144Hz/HDR環境で検証を行なった。

 「モンハンワイルズ」は先述のように“重量級タイトル”で、4K解像度でグラフィックプリセット「ウルトラ」に設定した場合、GPUは「GeForce RTX 4070 Ti/Radeon RX 7800 XT」以上が推奨スペックとなる。これらのGPUを搭載したグラフィックボードは2025年2月現在で10万円以上と高価なほか、4K/高リフレッシュレートなゲーミングモニターもまだ高価なため、なるべくコストを抑えたいというゲーマーには少し厳しい。

 だがWQHD解像度でグラフィックプリセットを「高」にすると、GPUは6万円台から購入可能なミドルレンジの「GeForce RTX 4060 Ti/Radeon RX 6700 XT」以上が推奨スペックとなる。様々な影響でCPUやGPUなどの高性能パーツが高騰する中、WQHD環境は比較的低コストで構築しやすく、長い間主流であったフルHD環境からのスペックアップにちょうどいいのだ。

4K・ウルトラ設定の場合ハイエンドGPUが必要となり、4Kモニターも高額になるため、導入コストが高い
WQHD・高設定はミドルレンジGPUで動作するため、「EX271Q」と組み合わせても導入しやすいのだ

 最初に結論を言っておくと「EX271Q」でのプレイはドット感を一切感じず、滑らかで快適な狩りを楽しむことができた。まずゲーミングモニターは24インチが主流だが、「EX271Q」は一回り大きい27インチパネルを採用。「モンハンワイルズ」の広大なフィールドやモンスターたちの迫力を損なうことなくプレイでき、かつデスクに置きやすいサイズ感を保っている。

 そして27インチというサイズは、WQHDとの相性もいい。27インチ・フルHDのモニターは少し粗さを感じることもあるのだが、「EX271Q」の27インチ・WQHDという組み合わせは、近い距離でも粗さを感じることがない。以下の画像はスクリーンショットではなく、モニターのゲーム画面をカメラで撮影しているのだが、この画像のように解像感のあるリッチな映像を楽しめた。

こちらは「EX271Q」でのプレイ画面を撮影したもの。モニターとの距離が近くても、粗さを感じることはない
解像感のある映像を楽しめる

 今回使用した「RTX 4060 Ti」は、WQHD・高設定・フレーム生成オンの状態で80~110FPSと高いフレームレートをキープでき、「EX271Q」の性能を活かすことができる。また可変リフレッシュレート「G-Sync Compatible」も使用できるため、ティアリングやスタッタリングを感じずに狩りに集中でき、カットシーンから戦闘シーンまで全体的に滑らか映像が楽しめた。

 ミドルレンジのゲーミングモニター×ゲーミングPCという構成ではあったが、結果としてはミドルレンジとは思えないリッチなプレイ体験が楽しめた。続いては「EX271Q」に搭載されている機能を見ていこう。

「EX271Q」はミドルレンジとは思えないリッチなプレイ体験を味わえた

「モンハンワイルズ」専用カラープロファイルも! 「EX271Q」のオススメ機能を紹介

 「EX271Q」は「MOBIUZ」ブランドの中でもミドルレンジのゲーミングモニターではあるが、上位モデルに引けを取らない様々な機能が搭載されている。ここからは「モンハンワイルズ」でも活かせる「EX271Q」の搭載機能を一部紹介していこう。

カラープロファイルで一気に深みが増す! PC専用ソフトウェア「Color Shuttle」

 最初に紹介する「Color Shuttle」は、PCと「EX271Q」をUSBケーブルで接続して使用する専用ソフトウェアだ。実はBenQ公式ページでは、様々なタイトルに最適化されたカラープロファイルが用意されており、このカラープロファイルを「Color Shuttle」を通じてモニターに転送できる仕組みになっている。

 まずはPCに「Color Shuttle」をインストールしたあと、公式ページからカラープロファイルをダウンロード。そのカラープロファイルを「Color Shuttle」で読み込むと、モニター側へ転送可能となり、カラーモードの「ゲーマー1・2・3」のいずれかに割り当て可能となる。一度割り当てれば、その後はOSDからカラープロファイルを変更可能だ。今回は「モンスターハンターワイルズ」のHDR時専用カラープロファイルを試してみた。

□「Color Shuttle」のページ

今回は「Color Shuttle」で「モンスターハンターワイルズ」専用カラープロファイルを試した
モニター側にプロファイルを転送。一度設定すれば、次からはOSDでプロファイルやカラーモードを変更可能だ

 まずデフォルトである「Sci-Fi HDRi」で「モンハンワイルズ」をプレイしたところ、全体的に明るく表示され見やすい一方、砂漠が広がるシーンでは少し白飛びを確認できた。一方「モンハンワイルズ」専用プロファイルは全体的に少し暗くなりつつ、一気に色に深みが出て、まるで映画を見ているような印象だ。モンスターの肌の生々しさも伝わってきて、架空の生物にも関わらず現実のようなリアルさが際立つ。

 筆者としても専用プロファイルでこんなに映像品質が変わるとは思ってもいなかった。これらのカラープロファイルはBenQのエキスパートが作成しており、プロの確かな目によって「モンスターハンターワイルズ」に最適化されている。ゲーミングモニターを長く手掛けているBenQだからこそできる独自機能だ。

デフォルト設定「Sci-fi HDRi」でのタイトル画面。明るく見やすい印象で、このままでも十分プレイはできる
「モンハンワイルズ」専用プロファイルを適用したタイトル画面。一気に深みが出て、本物の砂漠のような雰囲気を醸し出している
「Sci-fi HDRi」でのワンシーン。暗い場面でも視認性が高い
「モンハンワイルズ」専用プロファイルに変更。洞窟の暗さを再現できていて、服や肌の質感が上がっており、まるで映画を見ているような気分だった
「Sci-fi HDRi」でのワンシーン。砂に覆われているのだが、少し白飛び気味な印象
「モンハンワイルズ」専用プロファイルに変更。本物の砂漠に近い色合いとなり、白飛びも抑えられ、風景の陰影がはっきりしている
「モンハンワイルズ」専用プロファイルを適用した状態のチャタカブラを至近距離で撮影した様子。ゴワゴワとした肌の質感が生々しく伝わってくる

「HDRi」でどんな環境でもHDR効果を最大化! 新機能「Shadow Phage」も搭載

 次はBenQのゲーミングモニターでお馴染みの「HDRi」だ。本機能は、周囲の照明環境や表示されているコンテンツに応じて輝度やコントラストを調整し、どんな環境でもHDRの効果を最大化させることができる。例えば、暗い環境でHDR映像を見るとまぶしいくらいに明るいが、「HDRi」があると単に輝度を暗くするだけでなく、黒潰れが発生しないように映像のコントラストも調整してくれるのだ。

 さらに「EX271Q」では新しい「PixSoulエンジン」を搭載。今回は検証時間の都合上体験できなかったのだが、AIによって暗部のディテールを引き立てながら明暗のバランスを調整してくれる新機能「Shadow Phage」のほか、色の鮮やかさを20段階から調整できる「Color Vibrance」や画面の明暗を20段階から調整できる「Lght Tuner」を備えている。

「HDRi」はベゼルに搭載された照度センサーを活用。どんな環境でもHDR映像を美しく見られる
「Shadow Phage」はAIを活用して、暗部のディテールを引き立ててくれる
それぞれの機能はOSDからオン・オフも可能だ

ESS「SABRE DAC」で高音質! 慣れ親しんだヘッドホンでゲームをプレイできる

 「EX271Q」はスピーカーが搭載されていない代わりに、ヘッドホン端子をこだわっている。というのも高音質なデジタルオーディオプレーヤーにも採用されているESS社の「SABRE DAC」を搭載しており、デジタルノイズの少ない高音質なオーディオをモニターのヘッドホン端子で楽しめるのだ。

 さらにOSDからオーディオモードを「サラウンド」、「シネマ」、「標準」の3つから切り替え可能。ほとんどのゲーマーはPCにUSB接続のゲーミングヘッドセットを接続すると思うのだが、「EX271Q」は普通の有線ヘッドホンやイヤホンを接続してゲーム用途に使用することができるのだ。

 実際に筆者所有の音楽向けヘッドホンを「サラウンド」モードで使用したのだが、低音から高音まで豊かに響き、モンスターの鳴き声や足音の方向、NPCの声、壮大なBGMをちゃんと聴き分けることができた。「サァー」というようなホワイトノイズも全くなく、ゲーミングヘッドセットでなくとも「EX271Q」×有線ヘッドホンで問題なくゲームをプレイできた。

今回は筆者所有の有線ヘッドホンで「モンハンワイルズ」をプレイ。オーディオモード「サラウンド」を使用した
音の方向がしっかりとわかり、ホワイトノイズもなし。しっかりとゲームを楽しめた

もう“ボタンどこだっけ……。”とは言わせない! 付属リモコンで快適にOSD操作

 最後は細かいながらも嬉しいユーザーフレンドリーなポイントとして、付属品の「リモコン」を紹介しよう。ゲーミングモニターは様々な設定項目があるため、モニター本体のOSDを使用する頻度が多い。そして、大体のゲーミングモニターは背面や側面に設けられたボタンでOSDを操作するのだが、どのボタンかわからなくなることも多く、手探りで操作している人がほとんどだろう。

 だが「EX271Q」はOSDや入力切替を付属の「リモコン」で操作可能。受信感度は非常に良好で、快適にOSDを操作できるほか、ワンタッチでカラープロファイルやオーディオモード、輝度、音量を変更できるので、「モンハンワイルズ」のみならず他のゲームをプレイする時にも役立つ。わざわざモニター裏に手を伸ばしてOSDを操作する生活とはもうお別れだ。

付属のリモコン。OSDの操作だけでなく、カラープロファイルやオーディオモードなどもワンタッチで変更可能
受信感度は良好で非常に快適。モニター裏に手を伸ばして、OSDを操作する生活とはおさらばだ

「MOBIUZ Gen1」で快適かつリッチなハンターライフを!

 ここまでBenQ「MOBIUZ」の最新WQHDゲーミングモニター「EX271Q」を検証してきた。昨今はミドルレンジGPUの性能向上もあり、WQHDでのゲームプレイがカジュアルゲーマーの手の届く範囲になってきた。そんな中で「EX271Q」はWQHDゲーミングモニターの中でも性能と価格のバランスがよく、「Color Shuttle」をはじめとする他にはない機能を多数備えているため、快適に「モンスターハンターワイルズ」をプレイできる。

 一方で既に4K環境が整っているという方には、4K/165Hzに対応した「EX271U」がラインナップされているほか、フルHDでもいいからもう少し価格を抑えたいという方には、先日フルHD/180Hzに対応した「EX271」が発売されたばかりだ。また一回り小さい24.5インチ/フルHD/220Hzに対応した「EX251」もラインナップされている。

 今挙げたモデルは全て「MOBIUZ Gen1」と呼ばれる「MOBIUZ」の新世代ゲーミングモニター。解像度やリフレッシュレート、「Shadow Phage」の有無などの違いはあるが、全てのモデルで「Color Shuttle」に対応しており、「モンハンワイルズ」専用カラープロファイルを使用できる。ぜひ「MOBIUZ」のゲーミングモニターでリッチなハンターライフを送ってほしい。