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「GALLERIA XA7R-R46T 9700X搭載」レビュー

4K/最高設定でも60fps超え! 「CoD:BO6」オープンβをZen5世代の「Ryzen 7 9700X」搭載機で最速プレイ

 PCのCPUメーカーといえばインテルとAMDだが、最近AMDの人気が高い。もともとAMD製CPUは、コストパフォーマンスがインテル製CPUより高いことで人気があったが、最近のAMD製CPUは絶対的な性能においても、インテル製CPUに引けをとらなくなっており、ゲーミングPCでも、コストパフォーマンスを重視するモデルではAMD製CPUの搭載が増えてきた。

 そのAMDの最新CPUが、2024年8月10日に日本で発売が開始されたRyzen 9000シリーズである。今回は、そのAMDの最新CPU「Ryzen 7 9700X」を搭載したミドルレンジモデル「GALLERIA XA7R-R46T」を試用する機会を得たので、「Call of Duty」シリーズの最新作「Call of Duty:Black Ops 6」オープンβをどこまで快適にプレイできるか検証してみたい。

【GALLERIA XA7R-R46T】
最新のRyzen 7 9700Xを搭載したミドルレンジモデル「GALLERIA XA7R-R46T」

AMD最新CPU「Ryzen 7 9700X」とNVIDIAの「GeForce RTX 4060 Ti」を搭載

 今回試用したXA7R-R46Tは、GALLERIAシリーズのデスクトップPCの中では、ミドルレンジとなるモデルで、コストパフォーマンスの高さが魅力である。まずは、スペックから見ていこう。

【GALLERIA XA7R-R46T】
CPU:AMD Ryzen 7 9700X(8コア/16スレッド、3.8GHz~5.5GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti(8GB)
チップセット:AMD B650
メインメモリ:32GB DDR5-4800MHz DIMM(16GB×2)
ストレージ:1TB NVMe Gen4 SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:259,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/TC30/MC15416.html

 GALLERIA XA7R-R46Tは、CPUとしてAMDが2024年8月10日に発売したばかりの最新CPU「Ryzen 7 9700X」を搭載していることが特徴だ。Ryzen 7 9700Xは、Zen 5と呼ばれる新世代アーキテクチャを採用しており、従来のZen 4に比べて同じクロックでも性能が16%向上している。Ryzen 7 9700Xは8つのコアを搭載しており、1つのコアで最大2スレッドを同時実行できるため、最大16スレッドの同時実行が可能だ。基本動作クロックは3.8GHzと高く、最大ブーストクロックは5.5GHzに達し、CPU性能はゲーミングPCの中でも上位に位置する。

 GPUとしては、NVIDIAのGeForce RTX 4060 Tiが採用されている。NVIDIAの最新GPU「RTX 40シリーズ」の中ではミドルレンジに位置するGPUであり、GPUへの負荷が高い最新ゲームも快適にプレイできる性能を実現している。

【内部パーツなど】
左サイドパネルを外したところ
「GeForce RTX 4060 Ti」搭載ビデオカードを採用。試用機では長さが短いビデオカードが採用されていた
ビデオカードの出力はHDMI×1とDisplayPort×3という仕様だ
OSからは16コアCPUのように見えており、最大16スレッドの同時実行が可能

PCIe 4.0対応高速SSDを搭載。シーケンシャルリードは5,000MB/s超え

 メインメモリも32GBと大容量で、高速なDDR5メモリを採用している。ストレージは、PCIe 4.0対応NVMe 1TB SSDを搭載する。メモリもストレージも余裕があり、ファイルサイズの大きなAAAゲームも余裕で遊べる。

 「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測したところ、SSDのシーケンシャルリード(Q8T1)は5,002.35MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が3,778.24MB/sと非常に高速であった。PCIe 3.0対応NVMe SSDと比べて、リードは1.7倍程度高速であり、ゲームの起動やデータサイズの大きなマップの読み込みも短時間で終わるので、快適にゲームをプレイできる。

【「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果】
「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

メンテナンス性や拡張性に優れたオリジナルケースを採用

 GALLERIAのデスクトップPCでは、オリジナルタワーケースが採用されている。サイズはいわゆるミドルタワーサイズで、左サイドパネルの一部が透明になっており、中が見えるようになっている。内部のスペースも広く、十分なエアフローを確保しているだけでなくメンテナンス性や拡張性も優れている。フロントパネルの周囲にはRGB LEDが配置されており、電源を入れると美しく点灯する。

【フロントパネル周囲にLEDを搭載】
GALLERIA XA7R-R46Tのフロントパネル
電源を入れるとフロントパネルの周囲に配置されたRGB LEDが青色に光る

 また、フロントパネルの上部手前側が斜め45度にカットされており、そこにフロントI/Oポートや電源スイッチなどが配置されていることも特徴だ。フロントのUSBポートへのアクセスがしやすく、USBメモリなどの抜き差しも容易だ。

 フロントI/Oポートとしては、USB 3.2 Gen1 Type-A×4とサウンド入出力端子が用意されている。バックパネルのI/Oポートも豊富で、USB 2.0×4、USB 3.2 Gen1 Type-A×5、USB 3.2 Gen2 Type-C、サウンド入出力端子、LANポートが用意されている。

 本体底面には、電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、掃除などのメンテナンスも楽に行える。最近は使われることが少なくなった光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、BDドライブなどをBTOで追加搭載することも可能だ。

【本体外観など】
フロントパネルの上面が斜めにカットされており、USBポートなどへのアクセスがしやすい
GALLERIA XA7R-R46Tの右サイドパネル
GALLERIA XA7R-R46Tの左サイドパネル。中を覗ける透明な窓がある
GALLERIA XA7R-R46Tのトップパネル。格子状の穴が空いた樹脂パネルとメッシュパネルから構成されている
GALLERIA XA7R-R46Tのリアパネル
リアパネル部分のI/Oポート(試用機ではLANが2.5G対応になっていたり、USBポートの数がサイトのスペックよりも多くなっていた)
GALLERIA XA7R-R46Tの底面。底面には電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている
底面のフィルタはこのように引き出せる

合計3つのケースファンで冷却性能も十分

 CPUの冷却には、サイドフロータイプのCPUクーラーが採用されている。CPUファンは120mmと大きく、静音性と冷却性能を両立させている。また、リアに140mm高速ファンが1つ、フロントにも140mm高速ファンが2基搭載されており、十分なエアフローを実現している。なお、スペックでは高速ファンとなっているが、通常時のファンの音はかなり小さくほとんど気にならない(ゲームなどでGPUに高い負荷がかかるとビデオカードのファンの音が気になってくる)。

 マザーボードには、拡張スロットとして、PCIe 4.0 x16スロットが2基とPCIe 3.0 x1スロットが2基の合計4基が用意されている。GeForce RTX 4060 TI搭載ビデオカードがPCIe 4.0 x16スロットに装着されており、3スロット分のスペースを占有しているため、利用できるPCIeスロットはPCIe 4.0 x16スロットとPCIe 3.0 x1スロットが1基ずつの合計2基となる。さらに、6Gbps対応のSATAポートが4基とPCIe 5.0 x4対応のM.2スロットが1基、PCIe 4.0 x4対応のM.2スロットが1基、PCIe 4.0 x2対応のM.2スロットが1基マザーボード上に用意されている。

【CPUクーラーと冷却ファン】
CPUにはサイドフロータイプのCPUクーラーが装着されている
M.2スロットにPCIe 4.0対応NVMe 1TB SSDが装着されており、ヒートシンクも搭載されている
リアには140mm静音ファンが1つ搭載されている
フロントにも140mm静音ファンが2つ搭載されている

「Call of Duty」シリーズの最新作「Call of Duty:Black Ops 6」で性能を検証

 XA7R-R46Tは、AMDの最新CPU「Ryzen 7 9700X」とNVIDIAのミドルレンジGPU「GeForce RTX 4060 Ti」を搭載したゲーミングPCであり、コストパフォーマンスの高さが売りだ。

 そこで今回は、2024年10月25日にリリースを控えるAAAタイトル「Call of Duty:Black Ops 6」(以下CoD:BO6)を利用して、パフォーマンスを計測してみた。「CoD:BO6」は、シリアスなFPSゲームとして人気の「Call of Duty」シリーズの最新作であり、2020年に発売された米ソ冷戦をテーマとした「Call of Duty: Black Ops Cold War」の続編となる。レーティングはCERO Zであり、ゾンビモードなどの描写は比較的ハードだ。

 「CoD:BO6」はまだ発売前だが、2024年9月7日~10日にオープンβテストが実施されたため、今回はこのオープンβテストを利用して、パフォーマンスやプレイ感覚を検証してみた。「CoD:BO6」はWindows版以外にプレイステーション 5/4やXbox Series X/S、Xbox Oneでもプレイ可能なタイトルだが、Windows版の推奨環境はCPUがIntel Core i7-6700KまたはAMD Ryzen 5 1600X、GPUがGeForce GTX 1080 Ti/RTX 3060またはRadeon RX 6600XT、Intel Arc A770とそこそこ高い。4Kで快適に遊ぶには、さらに高いスペックが必要となるだろう。

 ここでは、NVIDIA FrameViewを利用して、フェイスオフゲームモードでの1分間の平均フレームレートと最高フレームレート(10%High)、最低フレームレート(1%Low)を計測した。計測は5回行ない、その平均を採用した。

 まず、4K解像度で、グラフィックのプリセットを一番上の「極限」に設定し、DLSSフレーム生成をオフにした状態でフレームレートを計測したところ、平均フレームレートは61fps、最高フレームレートは74fps、最低フレームレートは29fpsという結果になった。実際のプレイフィールも平均60fps出ているので、素早い移動時にも残像感はあまり感じず、エイミングも快適だった。

 次に、グラフィックのプリセットはそのまま、DLSSフレーム生成をオンにして計測したところ、平均フレームレートは67fps、最高フレームレートは87fps、最低フレームレートは27fpsとなった。最低フレームレートは多少落ちたものの、平均フレームレートや最高フレームレートは向上している。特に最高フレームレートは13fps向上している。ただし、DLSSフレーム生成オフ時と比べて、特にプレイフィールに違いはなかった。

 そこで今度は、4K解像度でグラフィックのプリセットを一つ下の「ウルトラ」に変更し、DLSSフレーム生成をオフにして同じようにフレームレートを計測したところ、平均フレームレートは72fps、最高フレームレートは87fps、最低フレームレートは40fpsとなり、プリセット「極限」に比べると、全体的にフレームレートは向上している。さらにこの設定で、DLSSフレーム生成をオンにしたところ、平均フレームレートは73fps、最高フレームレートは91fps、最低フレームレートは37fpsとなり、やはり平均フレームレートや最高フレームレートは多少向上しているが、その差はあまり大きくはない。

 同様に解像度をフルHDまで下げて、フレームレートを計測してみた。フルHD/極限/DLSSフレーム生成オフでは、平均フレームレートは148fps、最高フレームレートは186fps、最低フレームレートは91fpsとなり、4K解像度に比べてフレームレートは大きく向上している。フルHD/極限/DLSSフレーム生成オンでは、平均フレームレートは202fps、最高フレームレートは247fps、最低フレームレートは107fpsとなり、平均、最高共に大きく向上している。

 また、フルHD/ウルトラ/DLSSフレーム生成オフでは、平均フレームレートは163fps、最高フレームレートは205fps、最低フレームレートは84fpsとなり、プリセット「極限」よりも全体的にフレームレートが向上している。この設定で、DLSSフレーム生成をオンにすると、平均フレームレートは206fps、最高フレームレートは258fps、最低フレームレートは105fpsとなり、こちらもオフの場合と比べてかなり向上している、DLSSフレーム生成の効果は4K解像度ではあまり出なかったが、フルHD解像度では、DLSSフレーム生成の効果は大きい。

【「CoD:BO6」のベンチマーク結果】
「Call of Duty:Black Ops 6」のトップメニュー画面
ゲームモードは「フェイスオフ」を選択
まず、4K解像度でグラフィックのプリセットを「極限」、DLSSフレーム生成はオフにして計測を行なった
次に、DLSSフレーム生成をオンにして計測を行なった
さらに、グラフィックのプリセットを一つ下の「ウルトラ」にして、同様に計測を行なった
ベンチマーク結果のグラフ(4K解像度)
ベンチマーク結果のグラフ(フルHD解像度)

4Kの最高画質でも快適にプレイ可能

 このように、XA7R-R46Tは、最新FPS「CoD:BO6」でも4K解像度の最高画質で、60fps以上の平均フレームレートを実現しており、美しいグラフィックスと快適なプレイフィールを両立できる。フレームレートを重視するなら、フルHD解像度にすれば2倍以上の平均フレームレートを達成できるが、そこまでフレームレートを高くしなくても、十分快適だ。画質重視なら4K解像度、フレームレート重視ならフルHDでプレイすればよいだろう。

 「CoD:BO6」は、発売前の最新ゲームだけあり、砂漠などの空気感がよくわかる美しいグラフィックも魅力だ。磨かれた床への景色の映り込みや光と影の表現なども美しい。新しい移動方法オムニムーブメントを駆使すれば、アクション映画みたいな動きも可能であり、よりダイナミックな戦いを楽しめる。

 以下に、4K/極限でのスクリーンショットをいくつか紹介したい。

【「CoD:BO6」4K/極限画質スクリーンショット】
ライフルによる遠距離からの狙い撃ち
窓ガラスの透けている感じや反射も美しく表現されている
濡れている地面への周囲の映り込みもリアルだ
水中に潜って移動するシーンもある
光と影のコントラストも美しい
建物の中の様子も細かく描写されている
敵と急接近したところ。レーティングはCERO Zでありダメージ表現もしっかりある

4K/最高画質で最新ゲームを快適に楽しめるコストパフォーマンスの高いマシン

 XA7R-R46Tは、AMDから登場したばかりの最新CPU「Ryzen 7 9700X」とNVIDIAの「GeForce RTX 4060 Ti」を搭載したコストパフォーマンスの高いゲーミングPCであり、最新の「CoD:BO6」も、4K/最高画質で快適にプレイすることができた。

 この性能で26万円を切るという価格は、かなりお買い得といえるだろう。初めてゲーミングPCを買う人はもちろん、以前購入したゲーミングPCのスペックが物足りなくなってきたので、買い換えを考えているという人にもおすすめしたい。

【GALLERIA XA7R-R46T】