「電遊道」~Way of the Gamer~ ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ
ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ【第31幕】
みんなのGAME SHOP~イタリアのゲームショップの1日を覗いてみよう!~
ローマを中心にしたイタリアの有名なゲームショップに訪問し、店長やお客さんと話をしながら1日を体験します!イタリア人プレーヤーが注目している新作とは?最も売れたゲームは?日本のゲームショップとの違いは?360度あますことなく取材していきたいと思います!
ローマのショッピングモールの中にある、イタリアの有名なチェーン店のゲームショップ。店内にはプレイステーション 3、Xbox 360、Wii Uなどの新作がずらりと並ぶ。とうとう、イタリアでも念願の「Monster Hunter 3 Ultimate」(モンスターハンターポータブル 3rd HD Ver.)が発売された。同時にWii U版と3DS版が導入されたので、カプコンのシリーズは知名度的にも大きな進歩を遂げそうだ。
3月、4月、3DSはキラーアプリケーション的なゲームソフトに恵まれた。待望の人気ゲームの続編「ルイージマンション2」、発売されたばかりの「Fire Emblem Awakening」で、これからも注目が集まるだろう。
PlayStation Vitaはプロモーション価格で販売されるケースが増えており、そのおかげで、販売台数は増えつつある。いよいよイタリアでも発売される「Soul Sacrifice」が、PS Vitaのさらなる普及に繋がることを願っている。イタリアゲーム雑誌での評判がとても高く、マルチプレイ要素の高いアクションRPGファンは、本作でPS Vitaを買うのではないかと予測している。
早速店長インタビュー! 今月の目玉タイトルやこれからの注目ソフトとは?
今月よく売れたゲームソフトを教えて下さい
マルツィオ:店によって販売本数は変動したそうですが、こちらでは「TOMB RAIDER」はよく売れました。「ASSASSIN'S CREED 3」も売れ続けていますね。ちょうど今、プロモーション価格、39.90ユーロで販売されているので、さらに魅力的な商品になっています。
任天堂のゲーム機に関してはグッドニュースばかりです。3DS用の「ルイージマンション2」も「Monster Hunter 3 Ultimate」も完売しました。入荷分はそんなになかったが、すべて予約されていました。Wii U用の久々の新作、「LEGO CITY UNDERCOVER」もヒットしました。Wii U用「Monster Hunter 3 Ultimate」もよく売れています。本シリーズの魅力が口コミで伝われば、売り上げはさらに伸びるのではないでしょうか。
アニメゲームも結構注目されました。「Ken's Rage 2」(真・北斗無双)のゲーム雑誌での平均点はそれほど高くなかったけど、それでも110.00ユーロで販売されていたLimited Editionはあっという間に完売しました。「One Piece Pirate Warriors」(ワンピース 海賊無双)も子供への誕生日プレゼントとしてよく選ばれます。アニメが放送される時のテレビCMのおかげで、結構知られていますね。
Wii U、PS Vita、3DSの売り上げはどうなっていますか?
マルツィオ:今月、Wii UのBasic Modelは特別価格の199.00ユーロで販売しました。今は通常の価格に戻っていますが、期間中は平均よりよく売れました。「Monster Hunter 3 Ultimate」や「LEGO CITY UNDERCOVER」など久々の新作発売で、ハードの販売台数も伸びた感じですね。
PS Vitaもプロモーション価格で安くなったおかげで、売れていますね。今月の新作は「Sly Cooper Thieves in Time」だけだったのですが、もう少し魅力的なゲームソフトが揃えれば、状況はよくなると思います。5月上旬に発売予定の「SOUL SACRIFICE」が注目されれば、ハードの普及にも大きく繋がるでしょう。
3DSに関しては、完全に軌道に乗っている印象ですね。「Fire Emblem Awakening」の3DS Limited Editionが発売されたばかりで、これからも売れて行くでしょう。
5月、6月発売予定のタイトルの中で、特に期待しているゲームソフトは?
マルツィオ:まず、「Resident Evil Revelations」ですね。3DSの作品が、PS3やXbox 360でどのように生まれ変わるのか、シリーズのファンはすごく楽しみにしていると思います。レースゲームのファンはcodemastersの「GRID 2」を期待しているようです。Wii U用のバージョンも発売されるから、Wii U GamePadの使い方が気になりますね。
SCEのゲーム機に関しては、発売間近のPS Vita用の「SOUL SACRIFICE」、6月14日にPS3で発売される「The Last of Us」が最も注目されているのではないでしょうか。特に、Naughty Dogの新作はものすごく売れるだろうと予測しています。ファンが増加中の「Persona 4 Arcade」も注目されているようです。最後に、カプコンの「Remember Me」も買い物リストに入れるべきタイトルだと思います。
この店のお客さんの間でPS4はすでに話題になっていますか?
マルツィオ:この店では予約はまだ受け付けていません。ほかのゲームショップチェーン店ではすでに予約が始まっているらしいですが、僕達は発売日や価格などの正確な情報が正式に発表されたら、次のステップに進みたいと思っています。もちろん、この店のお客さんの間では既に話題になっています。
みんなが1番楽しみにしている要素はPS4の持つソーシャル性ですね。マルチプレイ要素の高さが人気の1つになっていると思います。しかし、グラフィックスだけでなく、次世代という言葉に合うような深いゲーム性も求められているでしょう。価格に関しては、400.00ユーロ前後で販売して欲しいですね。
デジタル版の市場はゲームショップにとって、どんな存在なのですか?
マルツィオ:PlayStation Network Cardの販売率はすごく増えています。デジタル販売がビジネスの未来であることは否定できないのですが、30歳以上のゲーマーがLimited Editionやパッケージ版を求め続けているというのも事実です。しばらくの間、2つのビジネスモデルが、お互い邪魔すること無く、共存していくでしょう。
逆に、ゲームショップにとってデジタル販売が、もっと味方のような存在になって欲しいですね。お互いのマーケットが補い合えば、ゲーム市場の活性化に繋がり、誰も文句を言うことはないでしょう。デジタルだけになったら、ゲームショップという存在の必要性がなくなるので、少し心配もありますね。
イタリアのゲームショップでは、中古ゲームソフトはどのぐらい大切ですか?
マルツィオ:中古は新品と同じぐらい、常に求められています。PS3用ソフトの新作の、現在の平均価格は69.90ユーロですが、その金額を払って購入するお客さんがほとんどいません。2つのゲームを持ってきて、20.00ユーロの追加料金を払えば、新作を購入できるというシステムがどこでも流行っています。不景気のイタリアで中古の販売が禁じられたら、ゲーム市場の存在自体が危うくなると思いますね。
ですから、イタリア人はずっとデジタルよりもパッケージ版を好み続けるでしょう。何故なら、クリアしたゲームをゲームショップで売却することで、次の買い物の足しになるからです。デジタル版の価格はまだ高すぎます。パッケージ版の半額以下になったら、状況は変わるかもしれませんね。パーセンテージで言うと、現在のイタリアのゲームショップのビジネスは60パーセントぐらい、中古の売買で成り立っていることが断言できますね。
マルツィオさん、大切な情報、ありがとうございます!