「電遊道」~Way of the Gamer~ ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ

ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ【第26幕】


みんなのGAME SHOP~イタリアのゲームショップの1日を覗いてみよう!~

ローマを中心にしたイタリアの有名なゲームショップに訪問し、店長やお客さんと話をしながら1日を体験します!イタリア人プレーヤーが注目している新作とは?最も売れたゲームは?日本のゲームショップとの違いは?360度あますことなく取材していきたいと思います!

11月30日10時:ローマのとあるゲームショップ

 日本に先駆け、本日、イタリアのゲームショップで待ちに待った任天堂の新ゲーム機、Wii Uが発売される。というわけで、僕は報道者、購入者の1人として、ゲームショップに漂っていたムード、そして、お客さん達の気持ちを感じ取る為に、ローマのゲームショップに足を運ぶことにした。

スクウェア・エニックスがプロデュースする「HITMAN ABSOLUTION」。リボーンといえる本作が、イタリア人ゲーマーの間で高く注目されているようだ
魅力的なキャラクターで話題になっている「FAR CRY 3」。クリスマス商戦で主人公の1人になるだろう
そして、もちろんWii UのPremium Packが紹介された看板も店頭に置かれていた

 任天堂による正式な体験コーナーがまだ設けられていなかったので、店側が1台のゲーム機をセットし、お客さんにWii U GamePadの魅力をアピールしていた。ほとんどのお客さんは親子だったが、Wii Uが発売されたという事実を知らなかったので、体験できるということを知ったとき驚いた様子だった。やはり、全く新しい操作方法を提供するからこそ、その良さを実感させる為にお客さんに体感させることが何より大切だろう。

 息子にクリスマスプレゼントとして3DSを買ってあげようと決めていた父親が、Wii Uを試してみて、「Wii Uにしようかな」と考え直したようだった。本物の携帯ゲーム機ではないが、Wii U GamePadが家で携帯ゲーム機としても使用できる点が、とても魅力的に思えるだろう。「349ユーロで、2つのゲーム機を持ち帰るような感じですね!」と、父親は納得した顔でコメントした。その間、息子はずっと黙って「New スーパーマリオブラザーズ U」で遊んでいた。その沈黙は「サンタクロース、お願い、クリスマスにWii Uを持ってきて!」という意味だったのだろう。

 僕も早速、Wii U GamePadを握って、マリオを操作することにした。まず、Wii U GamePadの軽さや操作性の快適さにびっくりした。もっと重たいものだと思っていたが、手のひらにぴったり収まるサイズだし、ボタンやスティックの位置はパーフェクトという印象を抱いた。

 忘れかけていた幸せを感じながら遊んでいた僕の側に、1人の30歳後半の女性が近づいてきた。僕のことを任天堂の人間だと勘違いしたようで、ゲーム機の特徴についていろいろ訊いてくるわけだ。僕が正確な情報や、ゲームの魅力を伝えたら、彼女は「じゃあ、Premium Packを下さい!」と頼んできた。僕が、自分はジャーナリストで販売員ではないことを伝えると、彼女は「販売員という職業にとても向いていると思いますよ!」と褒めてくれた。これこそが、口コミのパワーだ。ゲーマー達がお互い、ゲーム機の魅力を伝えていく。そしてそれが、ゲーム機の販売に良い影響を与えるわけだ。

Wii U Premium Packと同時発売のゲームソフトがずらりと並んでいた。「ZombiU」と「Wii U Pro Controller」が同梱された「ZombiU Premium Pack」が最も売れたという
親子がWii Uを体験中。今月のサンタクロースは息子に何をプレゼントするのだろう……
体験者の9割が親子だった。Wiiというブランドがイタリアの家族でも安心な遊びとして認められているということの証明だろう
女性ゲーマーも、Wii Uの美麗なHDグラフィックスに魅了され、Premium Packを即刻購入した
店頭のポスターにひかれ、「New スーパーマリオブラザーズ U」を体験する為に、親子や高校生が来店する。女性の間でも「マリオ」シリーズが愛されているということを再認識した
名前:マルコ
年齢:27歳
職業:自営業

 14時になると、1人の男性が店内に入ってきた。彼は僕がまだいなかった開店時(朝の9時)にWii Uを購入し、13時までずっと家で遊んだというのだ。再び来店したのは、Wii Uのゲームソフトをもう1本購入する為だった。そこで、彼の第一印象について訊いてみた。

Q. Wii Uについて、どう思いますか?

 Wii U GamePadは使いやすく、操作性もとても直感的だと思いました。インターネットブラウザーの快適さにもびっくりしました。ニンテンドーeショップはWiiバージョンと比べてよくなったとは思いますが、3DSやWiiなどとアカウントを共有できないというのは本当に不思議に思います。あと、最初の更新作業が長過ぎましたね。ソフトを起動したり、中断したりするときのロード時間も少し気になりました。次の更新ではその課題がクリアされることを願っています。

Q. ラインナップに関してはどう思いますか?

 確かに、前のゲーム機よりも、PS3の移植版が目立ちますね。僕は、これまでやってきたように、任天堂のゲームソフトだけを買おうと思いますけどね。やっぱり、任天堂ゲーム機の強さは任天堂のゲームで発揮されますね。

Q. 来年、ライバル会社の次世代機が発売されたら、Wii Uはどうなると思いますか?

 何も変わらないと思いますよ。何故なら、任天堂のゲームの魅力はグラフィックスではなく、ゲーム性だからです。元々、ゲームは抽象的なものですし、現実の再現ではないからね。

Q. これから、どんなゲームを楽しみにしていますか?

 「ピクミン3」ももちろん期待していますし、「スーパーマリオギャラクシー」の新作もすごく気になります。初のHD作品ですしね。そして、僕は「ゼノブレイド」の大ファンですから、Wii U用に開発中というモノリスソフトの新作RPGもとても楽しみにしていますよ。

マルコさん、ありがとうございました!

 今日、このゲームショップでは10台のWii Uが売れたそうだ。まだクリスマス前だし、テレビCMによるプロモーション効果が出ていないが、クリスマスが近づいてきたら、きっとWii Uを買い求めるお客さんの数が圧倒的に増えると思われる。クリスマスは、家族と一緒に家で過ごす時期なので、Wii Uにとっては絶好のチャンスなのではないだろうか?

 家に帰る前、ゲームショップの店員であるカルロとマルツィオの2人に、Wii Uやクリスマス商戦について、短いインタビューを敢行することにした。

カルロ。日本の格闘ゲームが大好きだそうだ
マルツィオ。息子と一緒に任天堂のゲーム機でよく遊んでいるそうだ

Q. Wii Uの第一印象は?

マルツィオ:まず、任天堂が失敗するなんて、考えられないことですね。Wii Uはとても斬新で、他のプレーヤーとゲームという体験を共有できるようにする、夢のゲームシステムだと思います。協力プレイに関しては、新たなスタンダードが確立されたのではないでしょうか。性能面ではトップじゃないかもしれませんが、ゲーム性に関しては任天堂の作品は類をみないと思います。Wii Uで任天堂はゲームという概念をまた進化させるのではないでしょうか。これから、ソニー・コンピュータエンタテインメントもMicrosoftも、次世代機のコントローラーに画面を備え付けるのではないかと推測しています。

カルロ:僕はこれまで任天堂のファンではなかったと言っておきたいのですが、Wii Uはすごく気になります。今回、「Assassin's Creed 3」などの他のゲーム機で見られた有名なフランチャイズが遊べるという点については、個人的には賛同していないのですが、新たなユーザーをゲットできると考えれば、これで正解だといえるでしょう。それと同時に、お決まりの任天堂の独占ゲームシリーズが発売されていくから一石二鳥でしょう。Wii Uの最も面白いと感じたのは、2人で役割分担してゲームを2つの角度から挑めるということですね。そして、恋人は突然テレビドラマが見たくなっても、自分はWii U GamePadでゲームを続けることができるから、とても素晴らしいと思いますよ!

Q. Wii Uのラインナップの中で、おススメするゲームソフトは?

マルツィオ:言うまでもなく「New スーパーマリオブラザーズ U」は必須アイテムですね。グラフィックスに関してはWii Uのハードを生かしきれないかもしれませんが、「ZombiU」もとても面白いと思いますよ。2人プレイでは役割や目標が違い、2つのゲームが入っているという感じですね。それはすごく新鮮だと思いました。Wii U GamePadの使い方次第では、シューティングゲームに戦略要素が加わるし、ゲーム性もさらに奥深いものになるでしょう。

カルロ:マイナーなタイトルかもしれませんが、僕はバンダイナムコゲームズの「TANK! TANK! TANK!」がとても魅力的だと思います。Wii U GamePadの使い方や対戦プレイが注目です。もちろん、「New スーパーマリオブラザーズ U」や「ZombiU」もおススメですね。

Q. これからWii Uで見てみたいゲームは?

マルツィオ:実現するかどうかわかりませんが、僕はATLUSの「Trauma Center」(邦題「超執刀カドゥケウス」)シリーズの新作をWii Uで遊べたらと願っています。テレビ画面とWii U GamePadの画面を見比べながらの手術はより一層深い体験になるだろうと思います。息子と一緒によく遊ぶので、「イナズマイレブン」の新作も制作されることを楽しみにしています。

カルロ:まず、独占的なタイトルですね。他のゲーム機と共通のゲームにはあまり興味がないですからね。具体的なタイトルを挙げるなら「メトロイド」シリーズの新作ですね。Wii U GamePadの独自の操作性を生かすような続編に期待しています。あと、「北斗の拳」の大ファンだから、Wii U用の「真・北斗無双」も楽しみにしています。Wii U GamePadを使った新要素が追加されることを願っています。

Q. クリスマス商戦にどんなゲームソフトが売れると思いますか?

マルツィオ:やっぱり、クリスマスだからキーワードは家族のみんなと共有できるようなゲームでしょう。3DSとWii Uもそうですし、PS3用の「ワンダーブック:ブックオブスペルズ」も活躍すると思いますね。

カルロ:僕も同感です。協力・対戦プレイを楽しめるタイトルが最も買い求められると思いますよ。そういった意味で、PS3用の「ワンダーブック:ブックオブスペルズ」もとても魅力的ですし、発売中の「PlayStation All-Stars Battle Royale」の販売も伸びるのではないだろうかと予測しています。

【予約中のゲームソフト】
「真・北斗無双」の予約受付が始まった。ちなみに、イタリアでの発売は2013年2月1日に予定されている
店内の大型テレビの画面には、常時「真・北斗無双」の予告動画が流れている
「NinoKuni Wrath of the White Witch」(二ノ国 白き聖灰の女王)のWizard's Editionも予約受付中だ。JRPGの数が減ってきているからこそ、ファンの中で大注目の作品になっている。イタリアでの発売は2013年1月24日に予定されているそうだ