【第25幕】 Report / manga:ジョン・カミナリ logo design:フランチェスコ・アッカッターティス |
電遊。辞書に載っていない造語である。電気的な遊び。いわゆる、テレビゲーム。道。その道を、自分の価値観だけを信じて最後まで歩むのが、侍精神である。電遊道は、妥協を許さないサムライゲーマーが歩むべき道。他人に影響されることなく、自分のゲーマーとしての信念を貫き通せばいい。たとえ、ゲームが別の道に進んでも、自分の好きな道をずっと信じ続けるのみ。たとえ、“これこそがゲームの未来形だ!”と言われても、自分の好きなゲームライフを思う存分楽しむのみ。 |
「電遊道」は、RPGのようにレベルアップする。これまでの「一刀両断」や「イタヲタのレトロなゲームライフ」などの人気コーナーを提供しつつ、新しいコーナーをスタート!「みんなのGAME SHOP」では毎月、イタリアのゲームショップの1日を体験していく。期待作が発売された日のお客さんの反応とは?イタリア人の買い物を覗いたり、店長のコメントを訊きながら、ゲームショップの1日を密着取材!
そして、「BORN TO BE GAMER」(和訳:ゲーマーになる為に生まれた)では、日本のゲームを愛するイタリア人ゲーマーを紹介していきたいと思う。ゲームとのファーストコンタクトは?日本のゲームを愛する理由とは?その人物像を掘り下げたいと思う!これからも「電遊道」はレベルアップしていく。サプライズたっぷりの連載を目指しているので、末永くこのページの中で付き合って欲しい!
国籍:イタリア 年齢:37歳 職業:俳優、声優、タレント、テレビゲーム評論家 趣味:テレビゲーム、映画鑑賞、読書(山田悠介)、カラオケ 主な出演作品:銀幕版スシ王子!(ペぺロンチーノ役、デビュー作)、大好き!五つ子(アンソニー・ジャクソン役)、侍戦隊シンケンジャー(リチャード・ブラウン役) ブログ:ジョン・カミナリの、秘密の撮影日記 Twitter:https://twitter.com/John_Kaminari Facebook:http://www.facebook.com/johnkaminari | ||
イタリアで6年間テレビゲーム雑誌の編集部員として働いたあと、新しい刺激を求めて2005年に大好きな日本へ。子供の頃から夢見ていた役者の仕事を本格的に始める。堤幸彦監督の「銀幕版スシ王子!」で個性的なマフィアのボス、ぺぺロンチーノを熱演。現在もTVドラマやTVゲームなどで、俳優・声優として活躍中。日本語を勉強し始めたのは23歳のとき。理由は「ファイナルファンタジーVII」や「ゼノギアス」などのRPGの文章を理解するため。好きなジャンルはRPGと音楽ゲーム。「リモココロン」のような個性的なゲームも大歓迎。お気に入りのゲームは「ゲームセンターCX」と「ワンダと巨像」。芸名はイタリア人の友達に、本人が雷のように予想不可能なタイミングで現われるからという理由で付けられた。将来の夢は、「侍戦隊シンケンジャー」に出演した時から大好きになった戦隊モノにまた出演すること |
【もくじ】 |
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一刀両断~話題のゲームニュースについて鋭くコメントしちゃうぞ!~ みんなのGAME SHOP~イタリアのゲームショップの1日を覗いてみよう!~ 傑作の如く~期待している新作TOP5~ BORN TO BE GAMER~日本のゲームをこよなく愛するイタリア人ゲーマーを紹介!~ イタヲタのレトロなゲームライフ~ジョン・カミナリのハプニング満載オタク人生~ |
■ 一刀両断 ~話題のニュースやイベントについて鋭くコメントしちゃうぞ!~
話題のゲームニュースや注目のゲームイベントをピックアップして、僕の正直な感想を述べたいと思う。また、現在のゲームが抱えている問題を解決するアイディアや提案も、このコーナーを通じて考えてみたいと思う。ゲーマーの皆が納得できる未来の為に! |
ゲームの道もローマに通ず。イタリア初のゲーム博物館がオープン!
VIGAMUSの看板には日本の歴代シューティングゲーム、「スペースインベーダー」が正式に採用されている |
ローマは世界中で知られている歴史と芸術の都市だ。そんなローマに、この度新たな観光名所が生まれた。ゲーム好きの為の観光名所。それは「VIGAMUS」という。ローマ初のゲーム博物館なのだ。VIGAMUSはVideo Game Museumの各単語から最初の音節を取ってできた造語だ。
博物館の顔として選ばれたのは「スペースインベーダー」だ。館長の話によると、タイトーから是非協力したいという提案があったようで、今、船便で「スペースインベーダー」の筐体が送られているところなのだ。思い起こせば、「スペースインベーダー」は日本のゲーム歴史を作った大きな存在だ。ゲーム博物館の顔として使用できたことを、館長は人生の最大の誇りとして思っているそうだ。
長年の夢を現実に変えたのは、過去に同僚だったゲームジャーナリストのMarco Accordi Rickards氏だ。今日から単なるゲームジャーナリストではない。ゲーム博物館の館長になったのだ | VIGAMUSの入り口。壁のイラストは過去のゲームへのオマージュだ |
博物館のミッションは、子供達を始めとした若い世代に、ゲームという“アート”の原点や歴史を教えることだそうだ。1,000平米で展開している館内には世界初のゲーム機からプレイステーション 2に至るまで、およそ37年間のゲームの歴史を作ったゲーム機やゲームソフトが展示されている。
また、各コーナーにはイタリア語と英語の丁寧な説明文が添えられている。僕は1975年生まれだから、全てのゲーム機を知っていると思っていたが、館内を歩いていると、見たことのないゲーム機に出会い、驚きの連続だった。まさか、こんなゲーム機も存在していたとは、自分の目を疑うほどだった。
館長によると、MAGNAVOX ODYSSEYというのは世界初の家庭用ゲーム機だったという | 「PONG」の時代に、世界のメーカーが様々なクローンを作っていた。少しカラーを変えるだけで、別のゲームとして認められていた、とても不思議な時代だった | ATARIやIntellivisionが大きなシェアを誇っていたが、それと同時にマイナーなゲーム機も存在していた。その名前さえ初耳だったケースもあった |
1980年代に欧米でSpectrumやCommodore 64というファミリーコンピューターが流行っていた。当時、文章と画像でできたアドベンチャーゲームやテーブルトーク型RPGなどが人気になっていた。僕も、そのようなゲームで遊んでいたことをよく覚えている。
「北に行く」や「ドアを開ける」などの文章をキーボードで入力することで、探索したり、謎を解いたりしていた。年月を重ねる毎にインターフェイスは快適になっていったが、当時のあのシンプルなグラフィックスとインターフェイスを久しぶりに見た瞬間に感動した。「アドベンチャーゲームはこうだったんだ!」と、忘れかけていた温かい記憶がよみがえった。
Commodore 64用の「ZORK」シリーズ。子供の頃、僕も持っていたのでとても懐かしかった | 昔のアドベンチャーゲームのグラフィックスは本当にシンプルだった。それでも、当時、「すごい臨場感だな」と思いながらプレイしていたのだ |
各コーナーには英語の説明も提供されており、外国人観光客も理解できるようになっている |
メインホールをさらに進むと、また懐かしいゲームが展示されていた。「Dragon's Lair」をはじめとしたレーザーディスクゲームだ。プレーヤーが方向キーとボタンによるコマンドを適切なタイミングで入力すると、展開していたアニメの流れに影響を与えていた。
ある意味、バッドエンディングを見るのも楽しみの1つだったが、正しいコマンドを入れた時の喜びは最高だった。現在はもうゲームと呼べないかもしれないが、昨今のゲームでよく使われるようになったQuick Time Eventの草分け的な存在として考えられるだろう。
VIGAMUSでは、展示場の他に、高性能なパソコンも設置されており、最新のゲームソフトが3Dグラスで体験できるスペースもあった。そのすぐ隣には、スーパーファミコンやセガサターンなど、過去のゲーム機の代表的なゲームも体験できるコーナーが用意されていた。そのおかげで若いプレーヤーは過去と現在のゲームを比べることができる。
さらに、VIGAMUSでは大きなカンファレンスホールがあり、世界の有名なゲームクリエーターを招待し、ゲームデザインについてのカンファレンスを開きたいという。会館したばかりだが、これから世界のゲーマーたちが、ゲームデザイナーと一緒にゲームについて話し合う理想の場となることを目指しているという。
VIGAMUSの体験コーナーでは、時代を問わず、様々なゲーム機やゲームを体験できるようになっている |
カンファレンスホールの壁には、イタリア人アーティストによる世界の有名なゲームクリエーターの肖像が飾られている |
VIGAMUSは様々なスポンサーのおかげで実現した。世界のゲーム愛好家から、毎月、稀少度の高いゲーム機やゲームソフトなどが寄付されている。最もすごいと思ったのは、FPSという歴史を作った「DOOM」のフロッピーディスクが展示されていることだ。それは、市販のものではなく、本作のプログラマーだったJohn Carmack氏が、プログラムのデータを収録する為に使用していたフロッピーディスクだという。John Carmack氏本人がVIGAMUSに寄付したそうだ。つまり、このディスクから、シューティングゲームの文法を変えたゲームが生まれたのだ。
「DOOM」のコーナーではストーリーボードも展示されている。そして、ゲームが収録されていた原物ディスクがあった。これは正真正銘の宝物だ! | 他に当時ほぼ無名だった頃のCRYTEKのORIGINAL DEMO DISCも展示されていた。これからも次から次へと新しい宝物が届く予定だという |
このコンピューターで、欧州で大ヒットを記録した「KICK OFF」がプログラムされた。歴史を感じた! |
さらに、もう1つの大きな宝物が寄付されたばかりだった。それは、イタリア人ゲームデザイナー・プログラマーのDino Dini氏が使っていたコンピュータだ。このコンピュータでDini氏は、過去に欧州で一世風靡したAmiga用のサッカーゲーム「Kick Off」をプログラムしたのだ。
日本ではどこまで知名度があるのかわからないが、当時の「Pro Evolution Soccer」(ウイニングイレブン)だったと言っても過言ではないぐらい、有名な作品だったのだ。僕も友達と遊んでいた記憶がまだ鮮明だ。Dino Dini氏は現在もイギリスに住んでおり、新しいゲームを開発しているという噂がある。欧州だけでなく、アメリカや日本でもヒットするようなサッカーゲームになることを願っている。
ローマでオープンした初のゲーム博物館、VIGAMUSの取材はまだ続く。来月号では、館長であるAccordi Rickards氏のインタビューや、「Space Invaders」のイベントの様子など、たっぷりお伝えしたいと思う。
□VIGAMUSのホームページ
http://www.vigamus.com/
□ニュースリリース
http://biz.taito.co.jp/release/vigamus_jpn.pdf
■ みんなのGAME SHOP ~イタリアのゲームショップの1日を覗いてみよう!~
ローマを中心にしたイタリアの有名なゲームショップに訪問し、店長やお客さんと話をしながら1日を体験します!イタリア人プレーヤーが注目している新作とは?最も売れたゲーム?日本のゲームショップとの違いは?360度あますことなく取材していきたいと思います! |
ローマのショッピングモールの中にあるゲームショップ。早速、調査開始! |
朝の10時。ローマの郊外にある巨大なショッピングモール。その中に大人気のゲームショップがある。今日は土曜日だ。多くのイタリア人にとって念願の休みだ。ゲーマーにとっては、ゲームショップに向かい、新作をチェックする為の大切な1日となる。僕もカメラを握って、ローマのゲームショップに向かってみた。今日はどんな出会いがあるのだろう。果たして日本の新作が入荷したのだろうか?ワクワクしながら、一緒に調査してみよう!
【今月、店頭で発見したゲーム看板】 | ||
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イタリアでも「Assassin's Creed」シリーズは絶大な人気を誇る。いよいよ3作目が発売される | 「MEDAL OF HONOR WARFIGHTER」の看板も見つけた。日本での発売も間近だ | 発売日から3週間が経過しているが、「Resident Evil 6」(バイオハザード6)は未だに注目の的になっているようだ |
「レイトン教授」の新作をプロモーションする為にスタッフが派遣されたようだ。3DS XLを手に持っており、お客さん達にゲームを体感させようという目的で、看板の横に立っているのではないか |
なになに?入り口のすぐ隣に「レイトン教授」の看板があるではないか!「レイトン教授と奇跡の仮面」のイタリア語タイトルは「Professor Layton e la Maschera dei Miracoli」に決定した。イタリアでは10月26日に発売されたばかりだという。日本では3DSと一緒に発売されたが、イタリアは1年半ほど遅れている。翻訳作業に時間がかかっただろう。
子供、高校生、大学生が「レイトン教授」シリーズの最新作を体験していく。博物館でガイドをやっている男性が、ゲームを試して「これは面白い!買おう!」と納得した大声で言ったのだ。DSの作品からの大ファンで、アニメから出たかのようなキャラクター達、そして、アドベンチャーとパズルを交えた展開がたまらないそうだ。
「レイトン教授 奇跡の仮面」を購入した男性はアレッサンドロと言う。博物館でガイドをやっている。最後に遊んだゲームはPS3用の「One Piece Pirate Warriors」(ワンピース海賊無双)だ。今、楽しみにしているのは、発売間近の「Assassin's Creed 3」だそうだ | ご褒美として「レイトン教授 奇跡の仮面」の正式なバッジをもらった。なんて嬉しいおまけなのだろう! |
店を出ようとしたアレッサンドロの目は、店内に設置された大きなテレビ画面に向かった。そこには、SCEがプロデュース、David Cage氏が率いるQuantic Dreamが開発中の新作「BEYOND: Two Souls」の予告動画が流れていた。「すごくリアルだな……」。その作品の存在を知らなかったアレッサンドロは、画面に流れていた魅力的な映像に心を打たれ「メモしておこう。これも買うべきだ!」とつぶやいたのだった。
アレッサンドロが店を出たと同時に、ショッピングモールのバールで働いている男性が入ってきた。彼も「BEYOND: Two Souls」の美麗な映像に見入っていた。その男性はダーヴィデと言う。日本のゲームも大好きだが、現在は「Darksiders 2」に夢中になっているそうだ。イタリアでは大注目のタイトルのようだ。「『Resident Evil 6』も買おうと思ったけど、体験版をやってみたら、アクション性が増えすぎて、従来のあの独特な雰囲気がなくなったことに対して少しがっかりした」と、ダーヴィデは自分の正直な感想を述べた。
ダーヴィデと話していると、レジのほうに親子が現われた。Wii用「Inazuma Eleven Strikers」を購入したいというのだ。「イナズマイレブン」のアニメはイタリアでも放送されており、人気を博しているようだ。店長の話によると、ゲームを買い求める親子は増える一方だという。やっぱり、マルチメディア展開がゲーム産業に大きく貢献しているファクターといえるだろう。
店内の時計が13時を示した。お客さんの多くが、今、ショッピングモールのレストラン街で、食事をしている時間だ。店長のマルツィオと店員のカルロは、暇な時間を利用して、店内のPS3で「ストリートファイター X 鉄拳」で対戦することにした。特にカルロは日本の格闘ゲームの大ファンで、カプコンやSNKの歴代格闘ゲームを全て遊び尽くしたという。
SNKといえば、ちょうど今店内に、NEO-GEOのTシャツを着た男が入ってきたではないか!一体、誰だろう?話を聞いてみたところ、彼はクラウディオと言って、パソコン関係の仕事をしているそうだ。そして、言うまでもなく、昔からSNKの格闘ゲームが大好きだそうだ。
彼が今、最も楽しみにしているのは、20タイトルを内蔵した携帯ゲーム機「NEO GEO X GOLD ENTERTAINMENT SYSTEM」だ。イタリアでの発売日はまだ決まっていないが、待つことがいやなので、12月6日に発売される海外バージョンを購入したいという。
クラウディオのガールフレンドも来店した。「あなたもゲームで遊んでいますか?」と聞くと、彼女は「もちろん遊ぶわよ。特にアニメゲームでね」。彼女は店内を見回っていると、ある棚の前に足を止めた。そこに思ってもみなかった、夢の商品が置いてあるようだ。彼女、見て見ぬふりをしているクラウディオの腕を引っ張りながら、「早く買ってよ!」と言った。
しかし、クラウディオの現在の所持金は少ないようだ。果たして、ゲームがカップルを別れさせる理由になりうるのだろうか?2人は熱く話し合いながら店を出た。「仕事を頑張って買ってあげて!」と、その瞬間、僕は心の中でつぶやいた。
「なんで『聖闘士星矢』のゲームが出たと言わなかったの?ひどい!早く買ってよ!」 | 棚には「聖闘士星矢戦記」の限定版(HEADGEAR EDITION)が置かれていた。アニメのファンなら、なおさら欲しくなるのは当然だ |
17時になった。店長のマルツィオと店員のカルロが立っているカウンターに近づく。今月、どんなゲームが売れたのか、これからどんなゲームが期待されているのかなど、いくつかの質問を投げかけることにした。
店員のカルロ | 店長のマルツィオ |
「今月よく売れたゲームソフトを教えて下さい」
マルツィオ:「One Piece Pirate Warriors」はすごく売れた。アニメのファンが沢山いるので、良いゲームが出ると、やっぱりみんなが買いたくなるだろう。「Inazuma Eleven Strikers」も好調だ。アニメタイトルじゃないけど、「Resident Evil 6」もよく売れたよ。
カルロ:「FIFA 13」も大人気だよ。「Pro Evolution Soccer 2013」の売り上げもよかったけど、「FIFA 13」の販売数には適わなかったかな?
「これから期待しているゲームソフトは?」
マルツィオ:僕は「FAR CRY 3」がすごく面白そうだと思う。各キャラクターを紹介する予告動画によるプロモーションは本当によかったと思う。僕も動画を見て買いたくなった!
カルロ:僕はスタッフとして、「ZONE OF THE ENDERS ANUBIS HD COLLECTION」を特にプッシュしたいと思う。久しぶりのリターンなので、原作を知らない若いプレーヤーにおススメしたい!
「お客さんから最も期待されている日本のゲームはどれだと思いますか?」
マルツィオ&カルロ:紛れもなく、PS3の「Ni no Kuni: Wrath of the White Witch」(二ノ国 白き聖灰の女王)だね。日本版の発売からすごく期待されている。スタジオジブリのキャラクターデザインが大きな魅力だし、RPG分野で定評を持つレベルファイブの作品だから、ゲーム性に関してもすごく注目されているだろう。
【予約中のゲームソフト】 | ||
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「Assassin's Creed 3」の予約数が多かったそうだ。日本でも期待されているシリーズ最新作だ | スクウェア・エニックスがプロデュースする「Hitman Absolution」も予約受付中だ。店長達も期待している作品だそうだ | 「FAR CRY 3」の限定版が、既に沢山の予約を受け付けたそうだ。傑作FPSとして注目されている |
20時になった。1時間前までの喧噪が嘘のようだ。ショッピングモールがすっかり静かになった。念願の新作を購入した子供や高校生が、早速プレイする為に、家路を急いでいる。マルツィオとカルロは店を閉める準備を始めた。今日はお疲れ様でした!沢山の出会いがあった。沢山のゲームへの愛情を感じた。来月も、ゲームショップの1日を体験してみよう。素敵な出会いがあるだろうね。想像するだけでワクワクだ!
■ 傑作の如く ~期待している新作TOP3~
僕が期待している発売前後の新作TOP3。さまざまな情報をもとに、各ゲームのシステムやグラフィックスといった要素の中で僕が魅力的に感じたところを紹介していく。必ずしもメジャーなタイトルではなくて、逆に注目して欲しいマイナーな作品をピックアップすることもある。 |
(C)SEGA |
1位:龍が如く5 夢、叶えし者
プラットフォーム:PS3
ジャンル:アクションアドベンチャー
発売元:セガ
発売日:12月6日
価格:8,800円
CEROレーティング:D
プレイ人数:1人(2人でプレイ可能なミニゲーム有り)
集大成といえる「龍が如く」シリーズ最新作。5つの大都市。5つの主人公。5つのアナザードラマ。全ての面で豪華になった最新作だ。プレイスポットの数もすごい。特にゲーム内のクラブセガで「バーチャファイター2」で遊べるという点がすごい!
□セガのホームページ
http://sega.jp/
□関連情報
【2012年11月1日】「龍が如く5 夢、叶えし者」と「川越達也シェフ」がコラボ!
ゲーム中に登場する5つのメニューの販売が決定!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20121101_570223.html
(C)2012 Nintendo |
2位:New スーパーマリオブラザーズ U
プラットフォーム:Wii U
ジャンル:アクション
発売元:任天堂
発売日:12月8日
価格:5,985円(パッケージ/ダウンロード版)
CEROレーティング:A
任天堂の新家庭用ゲーム機の発売日が近づいてきた。初日から「マリオ」シリーズの新作で遊べるのは嬉しい。今回は、Wii U GamePadがテレビ代わりに使用できる点が特に注目されている。数々のお題が出題される「おだいモード」もとても楽しそうだ。
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□関連情報
【2012年9月14日】任天堂、「ニンテンドーダイレクト Wii Uプレビュー」
「MH3G HD Ver」など同発タイトル追加発表、
「ベヨネッタ2」をWii U独占で発売など
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120914_559546.html
(C)LEVEL-5 Inc. (C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED. |
3位:レイトン教授VS逆転裁判
プラットフォーム:3DS
ジャンル:ナゾトキ・法廷アドベンチャー
発売元:レベルファイブ
発売日:11月29日
価格:5,980円
CEROレーティング:B
世界中で愛されているベストセラーの「レイトン教授」と「逆転裁判」シリーズが、夢のタッグを組む!2つのゲームが入っていると考えてもいいだろう。さらに、2人の主人公が協力する謎解きや裁判パートが用意されているのも嬉しい。
□レベルファイブのホームページ
http://www.level5.co.jp/
□関連情報
【2012年10月25日】「レイトン教授VS逆転裁判」のDL版を同時発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20121025_568674.html
■ BORN TO BE GAMER ~日本のゲームをこよなく愛するイタリア人ゲーマーを紹介!~
東京から10,000キロ離れたイタリアには、思ってもみなかった和ゲー好きなイタリア人が存在していた!毎回、彼らの自宅に訪問し、宝物を見せてもらいます!そして、インタビューでゲーマーとしての人物像を掘り下げます。ゲームの持つ本来の魅力を再発見しましょう! |
【今回のゲーマー】 |
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名前:フィリッポ 年齢:34才 職業:ジャーナリスト 好きなジャンル:格闘ゲーム |
記念すべき1回目のゲストは、日本の格闘ゲームを愛しているローマ在住のフィリッポさんだ。早速、自宅にお邪魔した。彼はほぼ全ての日本のゲーム機を持っており、そして、特に格闘ゲームコレクターとして知られている。リビングルームの本棚が、日本のゲームでびっしりだったことにびっくりした。特にいつくかの宝物を取り出してもらった。一緒に覗いてみようではないか!
● ゲーム愛を計る為のインタビュー、開始!
「テレビゲームとのファーストコンタクトはいつでしたか?」
いい質問ですね!僕の情熱はお父さんがCommodore 64というファミリーコンピューターを家に持ってきた頃に始まりました。お父さんはパソコン関係の仕事をしていたので、僕もそのコンピューターでプログラムに興味を持つことを願っていました。
今、34才になったんですけど、簡単なプログラムさえ作成できない自分が恥ずかしい……。けれど、ゲームのことなら、何週間も連続で話せますよ(笑)。Commodore 64は日本のハードじゃなかったけど、もちろん、当時、日本のゲームでも遊んでいたからね。特に愛していたのは「SHINOBI」(セガのゲームが特に好き!)、それからカプコンの「魔界村」とか、KONAMIの「イー・アル・カンフー」ですね。
「あなたのゲーマー人生の中で最も独特なエピソードを語ってくれますか?」
独特ですか?Super NES用のアメリカ版の「ストリートファイターII」に因んだエピソードがそうですかね。カプコンの格闘ゲームが大好きだったから、ゲーム雑誌でSuper NES版の「ストリートファイターII」のレビューを読んだ時、すぐ買いたくなったんです。
当時、まだスーパーファミコンを持っていなかったけど(メガドライブの幸せなオーナーだった)、それでもゲーム雑誌に広告が掲載されていたゲームショップにゲームを注文しました。僕の初めての通販による買い物だったけど、家に小包が届いた時、2週間も続けてゲームの解説書やレビュー記事を読みまくったことを鮮明に覚えています。
そして、およそ1カ月後。貯金が貯まった時、アメリカ版のスーパーファミコン、Super NESを購入したんです。そのおかげで、PALバージョンの「ゲームが遅くなる」という問題を突破できました(笑)。懐かしい!
「あなたにとって最も大切なゲームはどれですか?」
これもまた難しい質問ですね……ゲーム性に関してだったら、僕の大好きな格闘ゲームの1つを選ぶだろうけど、感情的な価値でいうと、2つのタイトルに限定できます。それらは、稲船敬二氏のサイン入りの、Super NES用の「Mega Man X」(サインして頂いて、本当にありがとうございます!)、そして、素敵な時間を過ごさせてくれたセガサターン用の「ガーディアンヒーローズ」ですね。よく思えば、「パンツァードラグーン」の全作品もそうだし。「餓狼 MARK OF THE WOLVES」も最高ですよね。ああどうしよう、1つに絞れないから!(笑)
「日本のゲームは欧米のゲームに対して、どういう付加価値を持っていると思いますか?」
付加価値というよりも、何か違うものを持っていると思います。格闘ゲームの分野では、日本のゲームはより独創的で、洗練されていると思います。テレビゲームでもアニメでも、日本の作品はもっと魅力的で、カラフルで、新鮮なように感じますね。
しかし、最近、日本のゲームデザイナーが考えるアイディアが技術面の問題でフルに反映されるケースは少なくなってきていると思います。これから日本の開発チームは技術的にも欧米のレベルに追いつくように努力をしなければならないと思います。
格闘ゲームに関しては何も申し分ないけど(特にカプコンとアークシステムワークスの開発チームが素晴らしい!)、他のジャンルでは日本が欧米に対して劣ってきているのではないでしょうか。それに対して、ちょっと心配しています。
「現在のゲームは過去のゲームに比べて何を失ったと思いますか?」
それは紛れもなく「自由」です。過去の作品では開発者は妥協することなく自分をクリエーターとして表現できていたし、国籍を問わず全てのプレーヤーの好みに合ったような“商品”(悪い意味で)を作らなければならないという必要もなかったと思います。
現在、ゲーム市場の傾向からすると、ゲームデザイナーは販売数に基づいてゲームを作っているのではないでしょうか。DLCの導入によって、さらに状況は悪化したと思います。昔、ゲームを買っていた時は、そのゲームに追加モードやおまけなどが入っていたことを当たり前のように思っていたけど、今はゲームを買う時、DLCで追加の料金を払わなければならないことを恐れているのです。
「日本のメーカーが、どんなゲームの続編・リメイクを作って欲しいですか?」
お願い!「Rival Schools」(ジャスティス学園)の新作を作って!今カプコンが「Darkstalkers」の新作に集中していることは知っているけど、「Rival Schools」シリーズの作品は芸術的に、そして、デザイン的に、本当に傑作だと思います。2Dと3Dの完璧な融合である格闘システムや、新鮮さに溢れたゲームモードも最高だと思っています。カプコンが僕の要望を受け入れて頂ければ、僕はさらに幸せなゲーマーになりますよ!
「良い格闘ゲームはどういう特徴を持つべきだと思いますか?」
奥深い、そして、バランスの取れた格闘システムを持つべきだと思います。まず、キャラクター達の力にあまり強弱があってはならないと思います。つまり、あるキャラクターがあまり強いと、そのキャラクターで僕が勝ったとしても、相手は僕のことを勝者として認めてくれないでしょう。キャラクター達の強さのバランスがパーフェクトだったら、勝負の行方はプレーヤーのスキルだけに左右されるのです。
さらに、本当に面白い、そして良くできた格闘システムというのは、プレーヤーが自分で成長するように毎回新しい技を使えるものになっていると思います。格闘システムに関しては「バーチャファイター」が、本当に完璧だと思います。
「2Dと3D格闘ゲームの違いは何だと思いますか?」
ゲーム性が違うというのを当然として考えれば、あと最も違う要素はキャラクターのデザインですね。キャラクターは2Dのスプライトだと、空想力豊かで、大胆で、過度な存在になれると思います。「Darkstalkers」シリーズが証明したように、手で作られたアニメーションを持つキャラクターでは、これまでになかった常軌を逸した道を歩めるのだと思います。今でも、「Darkstalkers」の2D作品は言葉を失わせるほど素晴らしい!
それと違って、ポリゴンで表現されたキャラクター達はもっと人工的で、冷たく見えます。その理由として、カプコンが「ストリートファイターIV」と同じテクニックで3Dの「Darkstalkers」を制作しているというニュースを読んだ時、悪い意味でびっくりしました。2Dのキャラクター達がうまくポリゴンで表現されるかどうか、ちょっと心配しています。
「最後に、あなたの最もリスペクトする日本のゲームクリエーターへのメッセージをお願いします!」
鈴木裕様。これまで、素敵なゲームの数々を作って下さって誠にありがとうございます。「シェンムー」という夢を最後まで実現できませんでしたが、ずっと忘れることのできない数多くの素晴らしい感動と夢を贈って下さったことに対して、深く感謝しています。私が、唯一残念に思ったのは、ゲーマーとして直接お礼を申し上げる為に訪れたゲームショウで、これまでお会いすることができなかったことです。
「フィリッポさん、今日は本当にありがとうございました!これからも日本の大好きな格闘ゲームで遊び続けてね!!」
■ イタヲタのレトロなゲームライフ ~ジョン・カミナリのハプニング満載オタク人生~
僕のゲーマーとしての人生を懐かしさたっぷりで語っていきたい。毎回、特定の時代をセレクトして、自分の記憶への冒険をしたいと思う。最終的には1つのストーリーになる。僕というオタクのストーリー。僕という和ゲー好きゲーマーのストーリー。文章だけでなく、クライマックスのシーンをもっとダイレクトに伝えるために漫画も使うことにした。とにかく、日本ではありえないシチュエーションについてたっぷり語っていくぞ! |
今回の時代設定:1994年
イベント:庶民ゲーマーが待ち望んでいたNEO-GEO CDが発売!
ハプニング:とうとう家で「サムライスピリッツ」で遊べる!しかし、あの猿が……。
子供の頃から住んでいたマンションの管理人が2つの顔を持っていた。表の顔は庭の手入れをしたりする、ごく普通の管理人としての顔。もう1つの顔は、あらゆるゲーム機を買い集めるという熱烈なゲーマーとしての顔。フランスから来た40歳のおっさん。誰から見ても働き者のおっさん。しかし、労働時間が終わると、“仮面”をとって、ゲーマーモードに切り替わっていた。自宅に閉じこもり深夜まで、僕が想像もできないような日本のゲームで遊んでいたのだ。
過去のエピソードで語ったように、彼はNEO-GEOを持っていたのだ。僕がゲームセンターでプレイしていたゲームを、彼は家で持っており、毎日のように遊んでいた。カートリッジの価格が高すぎて、当時、1年間小遣いを頑張って貯めても1本のゲームさえも買えないぐらい、手の届かないようなリッチなものだったのだ。おそらく、ほとんどの人はそうだったが、なぜ彼は買えたのか、未だに謎のまま……(笑)。
しかし、奇跡は起きるものだ。僕のような庶民が家でNEO-GEOの優れた格闘ゲームで遊べるように、SNKが1994年にNEO-GEO CDというゲーム機を発売したのだ。高価なカートリッジの中身が、価格のリーズナブルなCD-ROMの中に入っていたのだ。夢のようだった!これで、僕も管理人のように家で「サムライスピリッツ」や「餓狼伝説」などで遊べるのだ!
NEO-GEO CDで遊ぶまで、猿という動物を鬱陶しいと思ったことは1度もなかった。カートリッジ形式のNEO-GEOシステムと違っていたのは、ロード時間だった。カートリッジの場合は言うまでもなく、ロード時間はゼロに等しかった。しかし、NEO-GEO CDは長かった。長過ぎた!ロードの画面に映っていた可愛いはずの猿のマスコットが、「失せろ!」とか、「地獄に落ちろ!」とか思わせるぐらい、ロード時間は非常に長かったのだ。
ちなみに、僕が仕方なくその欠点を受け止めた頃には、ステージ間のロード時間をトイレに行ったり、コーヒーを飲んだりする為に利用するようになっていたのだ。逆にこの長いロード時間は便利じゃないかと思えるようになった自分が、少しおかしかった。
しかし、CD-ROMだからこそ、良くなっていた要素もあった。それは音質のクオリティーだった。管理人には「ほら、CDクオリティーの音楽はすごいだろう」と自慢していたが、彼は「でも、ロード時間は耐えられん」と、毎回辛い現実を思い出させていた。「でも、僕はステージの間にトイレに行けるよ」。すると、彼は「どうでもいいだろう、そんなこと!」。
なんと言い返しても、やっぱり僕の負けだった。NEO-GEOのカートリッジシステムに勝るものはなし。僕もそれをよく知っていた。よく思えば、コーヒーの飲み過ぎで、あの猿の存在がさらに鬱陶しくなった。「お金持ちになって、僕もカートリッジシステムを買うぞ!」と、その時、思い始めたのだった……。
電遊道では、みなさんに取り上げてほしいネタなどを随時募集します。ドシドシと編集部までメールを送って下さい(編集部)
(2012年11月9日)