【連載第223回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。 |
今回はPSP go用のグッズを取りそろえた。ワンセグチューナー等のUSBユニットを従来のPSP同様に使えるようにする周辺機器「コンバーターケーブルアダプター」や、操作性をアップしてくれるグリップアタッチメント、装着することで液晶画面ごと本体を保護してくれるクリアハードカバー、さらに、ポーチグッズを3種類試してみた。
● PSP用のUSBユニットをPSP goでも使えるようにするコンバーターアダプター
- メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント
価格:1,980円
マルチユース端子をUSB端子に変換するアダプターグッズ |
PSP go本体に装着するとこのようになる。画面枠のパーツはラバーパーツ |
PSP goは従来のPSPと違ってUSB端子が存在しない。その代わりに充電端子とデータ転送を兼用するマルチユース端子が備わっているため、そのままではワンセグチューナーやカメラ、マイクといったPSP用のUSBユニットが使用できない。それを使えるようにするための周辺機器がこの「コンバーターケーブルアダプター」だ。
「コンバーターケーブルアダプター」は文字通り、マルチユース端子をUSB端子に変換し、USBユニットを使えるようにする変換アダプター。それをPSP go本体に装着できる形にしている。
アダプターはPSP goの前面に被せるラバータイプのパーツと上面のUSB端子があり、ケーブルで下部のマルチユース端子に差し込むコネクタが繋がっているという作りだ。PSP goに装着すると全体が丸い形になるようなデザインになっている。重量は約28gと軽量だ。
装着方法はとても簡単。ラバーの枠をPSP goにはめこみ、マルチユース端子にコネクタを装着するだけ。PSP goの背面をケーブルが這うようになるが、このケーブルはPSP goをスライドさせて開いたときにも余裕が出るよう、少し長めになっている。閉じている時はケーブルが余ることになるが、ケーブルが背面を沿うようにクセがつけられているのか、外に膨らまずにスマートに収まる。
アダプターの上部には従来のPSPと同様のUSB端子がある。ここにUSBユニットを装着して使用できる。実際にワンセグチューナーやマイクのユニットを試してみたが、従来のPSPと比べて動作に特に違いはなく、同じように利用できた。
従来のPSPとの大きな違いは、“「コンバーターケーブルアダプター」を使っていると充電ができない”ところ。PSP go単体だと充電に兼用しているマルチユース端子がアダプターに使われてしまうので、充電する方法がない。
これは、同社が発売しているPSP go専用のクレードル(PSP-N340)を組み合わせると解消できる。このクレードルとアダプターの装着がちょっと変わった感じになる。アダプターのマルチユース側へ繋げていたコネクタを、クレードル背面のマルチユース端子に接続する。そして、PSP goをクレードルにセットする、という手順になる。
PSP goのマルチユース端子とクレードルが繋がり、クレードルとアダプターが繋がる、という接続になるわけだ。こうすることでPSP goはクレードルを経由して充電され、アダプターのUSB端子もクレードルを経由してPSP goと繋がる。机の上でワンセグ放送を見るのも気兼ねなくできる。
ただしクレードルとの組み合わせにも問題はあって、音声をイヤフォンで聞くことができない。イヤフォン端子はクレードルによって埋まっていてアクセスできないためだ。無線で音声をやりとりできる「Bluetooth ステレオヘッドセットレシーバー」をさらに組み合わせることでイヤフォン出力にできないかとも思ったのだが、ワンセグ視聴時はPSP goのBluetooth機能をオフにする必要があり、併用できなかった。
「コンバーターケーブルアダプター」を付けたままでPSP goを手に持って操作してみる。アダプターは大部分がPSP goの前面に装着されているだけなのでほとんど手には当たらないのだが、唯一背面のケーブルが手に当たってくる。そのままゲームプレイをするにはちょっと気になる感触だ。ゲームプレイの際には取り外したほうが無難だろう。
下部のマルチユースと上部のUSBの端子間は、ケーブルで繋がっている。スライド式のPSP goだけにケーブルの長さには余裕がとられている。画像右はクレードルと併用しているところ。マルチユース端子周りのやり取りをクレードルを経由させることで充電しながらのアダプター利用を可能にしている |
クレードルと組み合わせるときにはケーブルの繋ぎ方を変えたりと、ちょっと複雑な扱い方になっているのだが、とりあえずPSP goでもUSBユニットを利用できるようになるアダプターだ。取り付け方を組み替えてクレードルと併用させたりするところは、モバイルガジェット好きな人にとって使っているだけで面白いと感じるところもあるかもしれない。ただ、クレードルで充電しながらワンセグ放送を観る時にイヤフォンが使えないのは残念。Bluetooth機能を使えるようにするなど、なんらかの対応がされると嬉しいのだが。
● ラバーの感触がしっとりとした、コンパクトなグリップアタッチメント
- メーカー:サイバーガジェット
価格:オープンプライス(購入価格:1,280円)
コンパクトなPSP go用グリップアタッチメントグッズ。表面はラバーコーティングされていて手触りがいい |
グリップを装着したPSP goを手で持っているところ。手の下半分はグリップが足りていなくてスカスカとしている。手が小さい人なら良さそうだが、成人男性の多くはグリップが小さいと感じるだろう |
PSP goにグリップを追加し、操作性を向上させるアタッチメントグッズだ。シンプルなグリップだが、表面にラバーコーティングを施してあるほか、背面には可動式のスタンドも備えている。
コンパクトなPSP goにあわせてか、グリップもサイズが控えめになっている。横幅はほとんどPSP goと同じぐらいで、固定するための突起等の分の約5mmほど増している。縦はグリップの分だけ約2cmほど下に長い。厚みは約2.5cmほどあるが、ほとんどはグリップの丸みで、背面は薄くなっている。重量は約60gとなっている。
固定には上部の2箇所のツメと両横の支えが2箇所、さらに下部に大きめのツメが1個ある。下部のツメは指で押す部分が大きく付いていて、着脱がしやすいようになっている。
イヤフォン端子、電源ケーブル、電源スイッチ、無線LANスイッチ、マルチユース端子、ボリュームスイッチ、メモリースティックマイクロのスロットといった、PSP goの側面にあるスイッチやボタン類は全てグリップを装着したままで触れるようになっている。ただ、上部のツメが少し大きくて厚みもあるため、ボリュームスイッチが少し押しづらい。上部を薄めにするなど何か工夫が欲しかったところだ。
実際にゲームプレイを試してみる。ラバーコーティングは同社のPSP(PSP-3000など)用グリップアタッチメントグッズと同様の質感になっていて、感触はとてもいい。さらさらとしていてベタ付きにくい。ただ、さらさら感が高いだけに滑り止め効果は少し薄いように思える。感触の良さのほうを重視しているのだろう。
手でグリップを握ってみると、グリップの出っ張りが少し小さく感じられる。手の大きい人だとそれを強く感じるだろう。手の平の上半分ぐらいでグリップが無くなって、握るというにはちょっとスカスカしてしまう。むしろ、手の小さい人には向いているだろう。
背面側にまわした指は、グリップの丸みにフィットして本体を持つ安定感が良くなるのだが、薬指と小指をまわすほどにはグリップの長さが無いので、やはり手の下半分はスカスカとした感じだ。コンパクトなサイズを取るか、グリップとしての性能を取るかというところなので、このあたりは向き不向きのあるバランスをしている。
背面側に厚みが加わっているぶん、指がボタンに置きやすくなって操作が安定する。手の全体とまではいかないものの、手の上半分でしっかりと本体を支えられるので、長時間のプレイでも疲れにくくなる。
背面にはスタンドとして使う時のついたてがある。グリップの中に収納されていてツメで固定できるようになっている。それを引き出せば、簡易のスタンドとなる。角度調節はできず、スタンドの角度はけっこう深めになっている。上のほうから見下ろすような状態だとちょうどいいぐらいの角度だ。
もう少しグリップに長さが欲しかったように思えるが、その分コンパクトなサイズを実現している。手の小さい人に向いているグリップアタッチメントだ。
シンプルなグリップだが、背面にはスタンド機能用の収納式ついたても備えている。使っていて気になったのは写真中央に映っているPSP go上部の固定用ツメ。このツメが結構大きくてボリュームスイッチが触りにくくなっていた |
● 背面に滑り止めのラバーグリップを備えた、クリアハードカバーグッズ
- メーカー:HORI
価格:1,200円
ソニー・コンピュータエンタテインメントライセンス商品
液晶画面ごと本体を覆うタイプのクリアハードカバー。背面側にラバーグリップがあるのが特徴だ |
カバーを装着したところ。PSP goはスライド式筐体のおかげで、こうした本体に装着する系のグッズがボタン類にあまり影響しないのがいいところ |
PSP go本体に前面と背面側のパーツを装着して保護するクリアハードカバーのグッズだ。透明度が高いポリカーボネート素材を使用しているほか、背面側のパーツにラバーグリップを備えているのが特徴だ。
カバーは液晶画面ごと前面と背面を覆おう作り。カバーの厚みは約1.3mmほどと適度な厚みがある。重量は前後2つのパーツを合わせて27gとそこそこに軽量だ。
前面側のカバーにはスピーカー穴が2箇所とPSボタン部分に開口がされている。開口部は角を落とし丸みが付いていて触りやすい。背面側のパーツはカバーを付けたままで全ての機能にアクセスできるよう配慮されている。イヤフォン端子、電源ケーブル、電源スイッチ、無線LANスイッチ、マルチユース端子、ボリュームスイッチ、メモリースティックマイクロのスロットをそのまま使える。
また、背面側のパーツにはラバーグリップが付いている。PSP go本体の背面に付けられているのと同じ形状のラバーで、カラーはブラック。厚みがしっかりとしていて滑り止め効果も高い。
実際にカバーを付けたPSP goでゲームプレイを試した。カバーの感触はツヤツヤとしたもので、滑りがそこそこにいいものの、それでいて指をとらえてくる感触もある。液晶画面ごと覆うタイプのカバーだが、透明度が高くて邪魔になっているような感じはない。色味の変化等も感じられない。しいて気になったところを挙げると、光の反射が何も付けていない状態とは異なっていて、少し画面部分が反射しやすくなったところがある。
手に持ったときのホールド感だが、左右の側面に1箇所ずつある固定用のツメが手に当たってくる。ツメは角が落とされて丸みが付けられているので、痛いというほどの感触ではないのだが、プレイ中は人差し指の付け根あたりでこのツメのところを抑えて挟み込むような持ち方になるので、やはり側面のツメの存在は気になるところ。長時間のプレイだと手に刺激を感じるようになってしまう。
背面のラバーグリップの滑り止め効果はしっかりとしていて、カバー全体の指をツヤツヤととらえてくれるような感覚と合わさって、全体的に滑り止め効果が高く感じられる。
無難な作りで扱いやすく、背面のラバーグリップも嬉しいクリアハードカバー。表面の手触りも適度に指をとらえてくれるところもあって好印象だ。だが、側面のツメが手に当たるところは、やはり気になってくる。
各部の開口など作りはいい。唯一気になったのは背面側パーツの側面にある固定用ツメの存在。これが手に当たってくる感触がある |
● PSP go用の標準的なハードポーチグッズから、3種類を試す
- メーカー:HORI
価格:1,050円
カラーバリエーション:ブラック、ブルー、レッド
ソニー・コンピュータエンタテインメントライセンス商品
- メーカー:HORI
価格:1,980円
ソニー・コンピュータエンタテインメントライセンス商品
- メーカー:サイバーガジェット
価格:オープンプライス(購入価格:980円)
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト
・「ハードポーチ for PSP go」
EVA素材を使った標準的なハードポーチだ。外の衝撃からPSP goを守るよう、適度な膨らみのついた形状をしていて、側面にぐるりと付いているファスナーをダブルファスナーで開閉する。また、背面にはカラビナも備えている。重量は約82g。
ケース内部はPSP go本体に傷を付けないよう起毛素材で覆われている。また、ポーチを開いたときに中の収納物が外に落ちないよう、サイドベルトも付いている。イヤフォン等の小物を収納しておけるマルチポケットも備えているのも嬉しいところだ。
スタンダードなEVAポーチだけに、使い勝手も無難な印象だ。気になったのはファスナーの感触が少し堅いところや、2つのファスナーを大きく開けないとポーチを開けないところがある。こうしたダブルファスナータイプのポーチは、しっかりと収納して保護できるぶん、取り出しに少し手間がかかるところはある。
EVA素材を使った標準的なハードポーチグッズ。この系統のポーチなら、開閉のしやすさと内部のポケットがグッズ選びのポイントになるだろうか。基本的に無難な作りだが、ファスナーの感触が少し堅めに感じられた |
・「アルミポーチ for PSP go」
基本的な作りは「ハードポーチ for PSP go」と近いものがあるが、こちらは表裏にアルミ素材を使っている。アルミのプレートはしっかりとした厚みがあり、もちろん堅さは言うまでもない。ちょっとやそっとの衝撃ではなんということも無さそうだ。ただし、そのぶん重量が約139gとけっこう重くなっている。側面部のファスナーはダブルファスナーで、カラビナも備えている。
ポーチ内部は柔らかな起毛素材で覆っている。ポーチを開いた時にPSP goが外に出ないようにするサイドベルトも備えている。ただしこちらのポーチにはマルチポケットが無く、中に収納できるのはPSP go本体のみとなる。
アルミ素材が特徴で、外見にもインパクトがある。見た目同様に触っても特徴のあるポーチだ。アルミプレートの堅さと存在感に驚かされる。ただそのぶん、重量は気になるところで、柔軟性のないアルミを使っているだけにファスナー開閉時のポーチを手に持っている感触も、少し扱いづらさを感じさせるところがある。
前面、背面をアルミのプレートが覆っている変わり種のハードポーチ。見た目だけでなく、実際に保護性能としてもかなりのものがある。ただし、そのぶん重さもある。使い勝手に関してはファスナーの印象は「ハードポーチ for PSP go」と同じ。こちらは内部にポケットがないのも少し残念 |
・「CYBER・セミハードケース(PSP go用)」
EVA素材をベースにした標準的なハードポーチ。HORIの「ハードポーチ for PSP go」とスタンス的に近い製品だ。側面を覆うファスナーはダブルファスナーになっており、カラビナも備えているなど、特徴も似ている。外観に違いがあって、こちらのポーチは平たい形状で、デザインはロゴ等のないシンプルなものになっている。
ポーチ内部は柔らかな起毛素材で覆われていて、ポーチを開いた時にPSP goが外に出ないようにするサイドベルトも備えている。イヤフォン等を入れておけるマルチポケットもあるが、このマルチポケットは少し収納口が狭くなっている。あまり口が開かないスリットタイプのポケットだ。
EVA素材ベースの標準的なハードポーチだけに試してみた感想もHORIの「ハードポーチ for PSP go」に近い。ただこちらのサイバーガジェットのもののほうがファスナーを開閉する感触が柔らかく、ダブルファスナーの取っ手に使われている金具も大きめになっている。開閉のしやすさはこちらのほうが若干やりやすいように思う。だがその反面、内部のマルチポケットは収納口の狭さから扱いにくさを感じた。
サイバーガジェット製のEVAハードポーチ。HORIの「ハードポーチ for PSP go」とほぼ同じスタンスのポーチだ。標準的な製品だけに作りには共通点が多い。こちらはファスナーの感触が柔らかで開けやすいものの、内部のポケットは扱いづらいと感じた |
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[Reported by ゲーム環境向上委員会]