【連載第222回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


種類豊富なPS2コントローラーをXbox 360で使いたい!
コントローラーコンバータグッズを色々と試してみた


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 今回は異なるゲーム機用のコントローラーを使えるようにするグッズ、いわゆるコンバーターグッズを取りそろえてみた。自分の手に一番しっくりと馴染んでいるコントローラーを別のゲーム機にも使いたい!アーケードスティックを流用したい!そうした要望を叶えてくれる変換グッズ。

 試してみたのは4製品で、プレイステーション 2用のコントローラーをXbox 360で使用できるようにするグッズが3製品。もうひとつは、Xbox 360用のコントローラーをPS3で使えるようにするコンバータとなっている。

 コンバータグッズ全般に言える注意点として、コンバータグッズは現時点では安定して利用できても今後の本体側のアップデート等によって利用できなくなる可能性がある。コンバータグッズには付きもののリスクなのだが、その点は購入前に理解しておいてもらいたい。

【今週のおしながき】
Xbox 360 サイバーガジェット 「CYBER・コントローラアダプタ(Xbox360用)」
Xbox 360 BLAZEPRO 「PS2 to Xbox360 Converter」
Xbox 360 JOYTRON 「Xconverter360」
PS3 MAYFLASH 「Xbox360 Controller Adapter for PS3」

 




● 国内グッズメーカーからPS2コントローラーをXbox 360で使えるようにするコンバータ登場!

「CYBER・コントローラアダプタ(Xbox360用)」

    メーカー:サイバーガジェット
    価格:オープンプライス(購入価格:2,480円)


ケーブル状のシンプルな作りのコントローラーコンバータ
写真のようにコントローラーを接続する。PS2コントローラーのほかにXbox 360用の有線コントローラーが必要だ

 PS2用のコントローラーをXbox 360で使えるようにするコンバータだ。カラーリングはブラック、重量は約52gと軽量でシンプルな作りの製品だが、利用するには有線タイプのXbox 360純正コントローラーが必須。

 コンバータは細長いケーブル状の作りで、片側にXbox 360へ接続するUSB端子があり、そこから中心のコンバータ部を経て、反対側のケーブルは二股に別れている。二股の一方はPS2コントローラー専用端子、もう一方がXbox 360専用の有線コントローラーを接続するメスのUSB端子だ。コンバーターのサイズは全長で約32cm。中心のコンバータから約11cmのケーブルが伸びているという作りになっている。

 使い方としては、Xbox 360本体の電源を入れてから有線コントローラー側のXboxガイドボタンを押して認識させる。そこからはコンバータに繋げてあるPS2用のコントローラーで操作ができるようになるという流れだ。コントローラーの認識だけは純正の有線コントローラーで行ない、操作の入力はPS2用コントローラーからの信号を送るという仕組み。

 実際に使ってみようとセッティングした際の出来事だが、Xbox 360本体には手前と背面にUSB端子があるが、手前のUSB端子にこのコンバータを接続しても正常に使用できなかった。そこで背面側のUSB端子につなぎ替えてみたところ正常に動作した。手前と背面の端子で動作に違いが出た理由はわからないが、とりあえず背面側に繋いで使うのが良さそうだ。

 ボタンやスティックの割り当ては下の表のように、Xboxコントローラーの配置そのままに割り振られる。振動機能にも対応しているほか、PS2コントローラーのアナログボタンにXboxガイドボタンの機能が割り当てられるのでメニューの呼び出しもできる。さすがにこのアナログボタンで本体電源を入れる操作はできないのだが、ゲームプレイ中にコントローラーからメニューを呼び出して電源オフにするという操作はできる。

 ただし、LT/RTのアナログ入力は対応しておらず、L2/R2ボタンの入力はデジタル入力として処理される。そのため、LT/RTでのアナログ操作が必要なタイトルには不向きなところがある。

【CYBER・コントローラーアダプタ(Xbox360用)のボタン割り当て】
Xbox 360ABXYLBRBLTRTBACKSTARTXboxガイドボタン
PS2×L1R1L2R2SELECTSTARTアナログボタン
アナログスティック左右2個と方向キーはそのまま割り当てられる

Xbox 360に接続するUSB端子は、手前側の端子だと動作しなかった。背面の端子に限られるようだ

 PS2用の純正コントローラーを接続して試してみた。振動機能は少し振動が弱めに感じられるものの動作はするし、安定してプレイできる。ただ、入力の遅延については、ごくわずかだが感じられた。

 その度合いだが、“遅延している”とはっきり言えるかどうかという微妙さはあるが、ダイレクトな反応とは言えないという中間程度の印象。しばらくプレイしていると体のほうが入力のタイミングに馴染んでくるので、ある程度はカバーできるが、プレイ開始からしばらくは若干の違和感を感じるというところだ。

 また、前述のようにLT/RTのアナログ入力に対応していないので、使用タイトルを選ぶところもある。ただ、遅延においてはよほどシビアな入力を求められるゲームでもない限りはほとんど気にならない程度ではあるし、十分に活用できるというところ。そのあたりが気になる人はコントローラーコンバータという製品自体を回避するほうが無難だろう。

 続いて、PS2用のアーケードスティックコントローラーを試してみる。使用したのはHORIのPS2用アーケードスティック「リアルアーケードPRO」。デジタル入力のみのコントローラーなので、使えるか不安があったが、こちらも問題なくプレイできた。コンバータを使う理由として、所有している他機種のアーケードスティックを流用したいというのは最も多いだろうし、これは嬉しいところだ。

 ゲームプレイにおいては遅延が感じられたところは気になるが、大きくプレイに影響するというほどではなく、プレイ自体は無難に楽しめた。PS2用のアーケードスティックをXbox 360に使いたいという方も多いと思われるだけに、アーケードスティックもしっかりと使えた点はありがたい。




● ダンスマット型コントローラー用の切替も可能なXbox 360用コンバータ

・「PS2 to Xbox 360 Converter」

    メーカー:BLAZEPRO
    購入価格:2,090円


ボックス型の装置がついていて外観が少し異なるが、実はこれはサイバーガジェットのコンバータと基本的には同じ作り
左が「PS2 to Xbox 360 Converter」、右はサイバーガジェットのもの。ケーブル中央のパーツが同じで、全体の素材も同じだ

 中国のグッズメーカーBLAZEPROのPS2コントローラーをXbox 360で使えるようにするコンバータだ。全長は約38cm、重量は約90g。作りとして上のサイバーガジェット製のコンバータに近く、中央にあるケーブル中継点のパーツや、端子、ケーブルの質感など、同じ素材が使われている。

 大きく異なるのがボックス型の装置が付いていること。ケーブルの一方に6.5cm×4.5cmの平べったいボックスがあってXbox 360をイメージさせる緑色のステッカーが貼ってある。このボックスには側面にスイッチがついていて、パッド型コントローラー以外にダンスマット型のコントローラーに対応するよう切り替えられるようになっている。またボックスの側面にはコンバータが通電して動作していることを示す赤いLEDもついている。

 ケーブルのもう一方側は3股にわかれている。1本はXbox 360のUSB端子に接続するケーブル、2本目はPS2用コントローラーを接続する端子のあるケーブル、3本目はXbox 360の有線コントローラーを接続する端子のあるケーブルだ。サイバーガジェットのコンバータ同様、有線コントローラーを併用することでコントローラーを認識させる。

 実際に使ってみた結果もサイバーガジェットのコンバータに近い。まずXbox 360の本体に繋げるところで、サイバーガジェットの物と同じように本体手前側のUSB端子では動作がしなかった。背面にある端子に繋いだところ無事に動作した。

 ボタンの割り当てもサイバーガジェットのものと同様で、LT/RTのトリガー押し込みによるアナログ入力はL2/R2によるデジタル入力になる点も同じ。プレイで試した感触もほとんど同じ印象で、わずかな遅延感があるものの安定したプレイができた。振動機能もしっかりと動作する。また、HORIのPS2用アーケードスティック「リアルアーケードプロ」も問題なく使用できた。

 このコンバータだけの機能として、ダンスマット型のコントローラーに対応させるためのスイッチがある。主にKONAMIの「ダンスダンスレボリューション」シリーズに対応する足で入力するマットのコントローラーだ。このマット型コントローラーを用意できなかったので、厳密に調べることができなかったのだが、どうやらこのスイッチはボタン配置の入れ替えを行なうという簡単な仕組みのようだ。PS2用コントローラーを繋いでいるコンバータなのでPS2のボタン表記で書くが、○と×ボタンが入れ替わるようになっていた。

 これは推測だが、おそらくは日本仕様のダンスマットと海外仕様のダンスマットでは決定とキャンセルのアサインが異なる可能性があって、そのどちらにも対応できるようキーアサインを入れ替えられるようにしているのでは、と思える。

 ボックス型のパーツがある点と、そこにダンスマット型コントローラー用に割り当てを切り替えるスイッチがある点以外は、基本的にサイバーガジェットのコンバータと違いはない。取扱いのしやすさとしてはサイバーガジェット製のもののほうがケーブルが少なくていい感じだ。大きな難点としては、こちらのコンバータは海外からの輸入品であり、入手性が低く、問題があったときのケアが乏しいという点。よほど特殊な理由が無い限りはサイバーガジェット製のものを選ぶのが無難ではないかと思う。

【2月2日追記】読者の方から、「前面のコントローラー端子でも動作した」という報告がありました。今回試用した環境とは本体も有線コントローラーも異なっているため、こちらでは具体的に動作する環境が特定できませんが、環境によっては前面端子でも動作することもあるようです。


サイバーガジェットのコンバータとの一番の違いは、ボックス型の装置にあるキーアサインの切替スイッチ。パッド型コントローラーとダンスマットコントローラーの2タイプに切替できる



● PS2用のパッドコントローラーだけでなく、ハンドルコントローラーもXbox 360で使えるようにするコンバータ

「Xconverter360」

    メーカー:JOYTRON
    購入価格:4,100円


白とグレーでカラーリングをXbox 360のデザインに近づけている

 中国のメーカーJOYTRON製の、PS2用コントローラーをXbox 360で使えるようにするコンバータだ。白いボックス型のコンバータ本体に、Xbox 360本体に接続するグレーのケーブルが伸びているという作り。ケーブルの長さは約25cm、ケーブルを含むコンバータ全体の重量は約56gとなっている。

 白いボックスには、正面にコントローラー番号を示す赤いLEDが4個、手前の側面にPS2用コントローラーを接続する端子、左側面にXbox 360の有線コントローラーを接続する端子、右側面にXboxガイドボタンの機能を持つHOMEボタン(ただし電源のオンはできない)、奥の側面にはUSBケーブルの横にキーアサインを切り替えるスライド式のスイッチがある。

 このコンバータも他の製品同様に、Xbox 360の有線コントローラーの併用が動作に必要な条件となっている。これまで当研究所ではいくつかの海外グッズメーカーによるXbox 360用の特殊コントローラー等を扱ってきたが、それらもやはり有線コントローラーを繋いでコントローラーを認識させるという仕組みだった。こうしたXbox 360用のコントローラー関連グッズを使うには有線コントローラーが必須と考えていいだろう。

 ボタンの割り当ては以下の表のようになる。キーアサインはスイッチで2種類に切り替え可能、上の表はパッド型コントローラー用のアサインで、下の表は特殊コントローラー用のアサインとなる(機能説明が中国語で書かれているのでちゃんとは読み取れないが、おそらくはハンドルコントローラー用のアサイン)。

【Xconverter360のパッド型コントローラー用のボタン割り当て】
Xbox 360ABXYLBRBLTRTBACKSTARTXboxガイドボタン
PS2×L1R1L2R2SELECTSTARTアナログボタン
アナログスティック左右2個と方向キーはそのまま割り当てられる

【Xconverter360の特殊コントローラー用のボタン割り当て】
Xbox 360ABXYLBRBLTRTBACKSTARTXboxガイドボタン
PS2L1R1L2R2×SELECTSTARTアナログボタン
左アナログスティックの入力が横軸のみに固定される

接続すると写真のようになる。このコンバータでも有線コントローラーが必須だ

 実際のゲームプレイでは、かなり好印象を受けた。遅延がほとんど感じられず、反応がクイックだ。動作も安定していて、特に問題もなく快適にプレイできた。振動機能もしっかりと動作する。リアルアーケードPROを使っての動作も安定しており、大きく遅延を感じることはなかった。スティックコントローラーも使用可能といっていいだろう。

 さて、本製品の特徴の1つでもあるハンドルコントローラー用のアサインでは、XとYがL1とR1に配置される。アクセル操作とブレーキ操作をハンドルコントローラーの内側にあるボタンで行なえるようにするというわけだ。また、左アナログスティックの入力は左右の横軸のみに固定され、ステアリング操作に割り当てられる。

 ハンドルコントローラーの選択肢が少ないXbox 360だけに、レースゲームファンの方にとって大きな魅力……と思えるのだが、PS2/3で主軸となっているハンドルコントローラーは、USB接続の「GT FORCE」系なので、よく考えると実はあまり対応する製品がない、ということに気づかされる。また、アクセルやブレーキにあたるLT/RTの入力がデジタル入力となることも考えると、この機能を推すには少々理由が乏しい。

 全般的に安定した動作で不満点がなく、対応するコントローラーの種類も多くて汎用性が高い。ネックになるのはやはり入手性と価格で、グッズの輸入販売等を行なっている店舗なり通販サイトから購入するほかないうえ、輸入品ゆえに高価になりがちだ。


コンバータの右側面にはXboxガイドボタンと同等の機能を持つHOMEボタン(電源オンはできない)、奥側の側面にはキーアサインの切替スイッチがある。切替スイッチはパッド型コントローラー用とハンドルコントローラー用の2タイプに切り替えられる


● PS3でXbox 360用コントローラーを使う!あの強烈な匂いも再び……。

・「Xbox360 Controller Adapter for PS3」

    メーカー:MAYFLASH
    購入価格:4,980円


製品のロゴ以外は「XCM Cross Battle Adapter Plus」とまったく同じ外観。実際に中身も同じだった。いわゆるOEM製品だ

 Xbox 360用のコントローラーをPS3で使えるようにするコントローラーコンバータだ。このコンバータは本連載の第208回で紹介している「XCM Cross Battle Adapter Plus」というコンバータに外観や作りが非常に似ている。製品としても、PS3でXbox 360用のコントローラーを使えるようにするという同じものだ。おそらくは販売元が違うだけで同じ製品、いわゆるOEM製品だと思われるが、そのあたりも含めつつ試してみた。

 結論から先に書くと、このコンバータは「XCM Cross Battle Adapter Plus」とまったく同じ製品だった。使用可能なコントローラーはXbox 360の有線コントローラーーに限られ、ワイヤレスコントローラーーとプレイチャージキットのUSBケーブルという組み合わせや、アーケードスティック(使用したのはHORIの「バーチャファイター5 Live Arena スティック」)が使えなかった点も共通している。

 ただ、今回新たにわかったのは、HORIのXbox 360用コントローラー「ホリパッドEX2ターボ」を、このコンバータ経由でPS3でも使用できるということだ。連射機能や操作性のいい方向パッドなど魅力の多いコントローラーだけにこれは嬉しいところ。操作は純正の有線コントローラー同様に問題なく行なえた。

 コンバータのサイズや外観も同じ。サイズは横8cm×縦4.8cm、厚みは1.5cm。前面にXbox 360コントローラーーを接続するUSB端子と動作状態を示す青色LEDを搭載し、天面にはA/B/X/Y/LB/RB/LT/RTボタンを個別に連射設定するスイッチを備えている。PS3に接続するUSBケーブルの長さは約90cm。ボタンの割り当ては以下の表のようになっている。

【「Xbox360 Controller Adapter for PS3」のボタン割り当て】
Xbox 360ABXYLBRBLTRTBACKSTARTXboxガイドボタン
PS2×L1R1L2R2SELECTSTARTアナログボタン
アナログスティック左右2個と方向キーはそのまま割り当てられる

 実際のゲームプレイを試してみての使用感も「XCM Cross Battle Adapter Plus」となんら違いはなかった。PS3用ソフトでは使用できるが、60GB版のPS3によるPS2用ソフトでの使用はできなかった。PSボタンの動作をXboxガイドボタンで行なえるほか、振動も動作する点も同様だ。

 ちなみに「XCM Cross Battle Adapter Plus」では開封時にかなり強烈な匂いがすると書いたが、その点はこちらも同じ。はっきり言うと、開封直後に以前にもかいだ忘れようもない強烈な匂いがした時点で「これは同じ製品だ、間違いない」と確信したほど。もし「匂いが強烈なゲームグッズ」を決める機会があったら、これは間違いなく1位になるだろう。購入時には心構えをしておいてほしい。


「XCM Cross Battle Adapter Plus」を試した際は使用できるコントローラーは純正のXbox360有線コントローラーのみという結果になったが、今回新たに「ホリパッドEX2ターボ」も試してみたところ使用することができた




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(2010年 2月 1日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]