【連載第207回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


「モンスターハンター3(トライ)」で狩猟を快適に楽しむ!!
見ため以上に進化している「クラコンPRO」他、クラコングッズをチェック!


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


【今週のおしながき】
Wii 任天堂 「クラシックコントローラPRO」
Wii UGAME「ワイヤレスクラコン」
Wii ゲームテック 「連射ラクコン」
Wii ゲームテック「リモコンツナイデント」

 

 8月2日に株式会社カプコンの「モンスターハンター3(トライ)」が発売された。今回は、これにあわせていくつかのWii向けコントローラーも登場してきたので、任天堂の「クラシックコントローラPRO」を筆頭に、それをまとめてレポートをお届けしよう。


● グリップ追加の見た目以上に、触ってみると違いがあるクラシックコントローラ決定版!!

「クラシックコントローラPRO」

    メーカー:任天堂
    価格:2,000円
    カラーバリエーション:シロ/クロ


「クラコンPRO」グリップが追加されただけでなく、各種ボタンのフィーリングなども変化している

 「モンスターハンター3(トライ)」と同時に発売となったクラシックコントローラPRO(以下、「クラコンPRO」)。従来のクラシックコントローラ(以下、「クラコン」)をベースに、グリップを追加。L/R、ZL/ZRボタンの配置も調節されている。Wii本体の新色「クロ」と共に、カラーバリエーションもシロとクロがラインナップされており、今回は新色のクロを「モンスターハンター3(トライ)」と「クラコンPRO」を同梱のパックで購入した。

 クラコンPROは任天堂公式サイトの「社長が訊く『モンスターハンター3(トライ)』」を読んでみるとわかるが、開発にはカプコンの開発チームの意見が大きく反映されている。そう聞くと「クラコンPROって『モンハン3』専用みたいなもの?」と思うかもしれないが、そういうことではない。あくまでクラコンをベースに操作性を高めた汎用的なコントローラーだ。クラコン同様にWiiモーションプラスを介しても使用できる。

 クラコンPRO(クロ)の外観は表面がツヤツヤとしたピアノ調のブラック。光沢と反射のあるとても美しい仕上がりだが、指紋のあとはくっきり残り、非常に目立ってしまうので、そこが気になる人もいるかもしれない。背面側は梨地処理され、ザラつくことでホールドのしやすさに気を配っている。

 重量は従来のクラコンの132gに対してクラコンPROは156gと若干増している。グリップが追加され全体のサイズが大きくなっているところからすると、重量の増加はかなり控えめになっていて、手に持ったときに非常に軽いと感じる。サイズはクラコンが67.5mm×135.7mm×26mm(縦×横×厚さ、突起部分を除く)、クラコンPROが100.5mm×146mm×55mm(縦×横×厚さ、突起部分を除く)となっている。


グリップとボディは反り返るような形状をしていて、サイズが大型化しているものの手で握りやすい厚みになっている。L/R、ZL/ZRボタンの位置の変更やアナログからデジタルボタンに変わっているのも大きなポイント

 従来のクラコンとクラコンPROの違いを簡単に挙げてみよう。以下のようになる。

・グリップが追加されてホールド感が高まった
・L/R、ZL/ZRボタンの配置が従来の横並びから縦並びに変更された
・L/Rボタンがストロークの深いアナログボタンからデジタルボタンになった
・十字ボタン、a、b、x、yボタンの感触が変わった
・L、Rスティックの感覚が広がり、高さも延長された
・Wiiリモコンに繋ぐケーブルがコントローラーの上に配置された
ボタンの高さなど前面の作りは基本的にクラコンと同じになっている(細かなところを言うと、数mmだけ全体が下にずれている)
厚みや大きさ、グリップの形状など、ホールド感の良さは飛躍的に変化した。ボタンの感触も非常に良い
丸みのついた四角形のグリップはとても握りやすい。ツヤのある表面加工も滑りにくい

 クラコンPROをパッと見た印象は、従来のクラシックコントローラにグリップがついた物と感じるかもしれないが、実際にはかなり変更されている。

 特に見た目ではわからない、ボタンの感触の変化は重要だ。異なっているのは十字ボタンやa、b、x、yボタンの感触で、クラコンPROのボタンは押してみるとクリック感がしっかりしているのにボタンが戻る時の反動が軽くなっている。ストローク(押し込みの深さ)も浅めになっていて、クリック感が軽快になった。比べてみるとクラシックコントローラのボタンの感触は、ストロークが深くてボタンが埋まってから戻るような重さがある。

 ボタンの高さなど、外見上はどちらもほぼ変わりなく同じだ。だが、操作したときの感触の違いは大きい。実際に使い比べてみると、ボタンの感触の違いが操作の“気持ちよさ”や“疲れ”に大きな違いを出している。クラコンPROは感触が軽快で特別意識することもなく長時間プレイできる。それと比較するとクラコンの感触はやはり重くて疲れやすいところがある。

 +ボタン、-ボタン、HOMEボタンの感触も少し変化している。押し込みの深さが浅くなっていて、クリック感が強く、堅さのある感触になった。堅いとは言っても重いわけではなくて、カチカチっというクリック感がする軽快な感触だ。

 アナログスティックについては特に違いは感じなかった。8角形の外周とスティックの長さ、スティックの反動など、いずれもほぼ同じ感触と感じた。

 L/R、ZL/ZRボタンの配置が横並びから縦並びに変わり、ボタンの形状も幅の広いものになった。クラコンPROのL/R、ZL/ZRボタンはパコパコとした感触のボタンで、押し込みの深さはa、b、x、yボタンより少し深い程度になっている。

 L/Rボタンがアナログボタンからデジタルボタンに変わったのも大きな変化だ。それに伴いボタンストロークも深めから浅めに変化している。たいがいのゲームではL/Rボタンをデジタル入力で使っていて、従来のクラコンのL/Rボタンだと底まで押し込まないと入力が感知されない時があった。クラコンPROのボタンはデジタルボタンでストロークも浅め。押し込みの瞬間から操作が反映される。

 実際に「モンスターハンター3(トライ)」で両方を使い比べてみる。Rボタンがダッシュの操作になっているのだが、クラコンのRボタンは押し込み全体の8割ほどまで入力が検知されず、最後の2割ぐらいまで押し込んで初めてダッシュ操作が反映される。クラコンPROのRボタンは押した瞬間からダッシュが始まる。操作感としては、圧倒的にクラコンPROのほうが楽だ。操作ミスも起きにくい。

 グリップが追加されたことにより、ホールド感、安定感は圧倒的に増している。グリップは丸みの付いた4角形型になっていて、細長く、背面に反り返っている。コンパクト感のある太さで手の小さい人でも大きい人でもグリップしやすい、いいバランスの大きさだ。手の平がグリップの側面に吸い付くようにフィットしてゆるいカーブを描いてL/Rボタンの指先までぴったりと合う。

 「モンスターハンター3(トライ)」のほかにも、他のクラコン対応Wiiソフトやバーチャルコンソールのソフトなどをプレイしてみたが、使用感は非常に良好。各部ボタン配置の変更やボタンの感触の改善、グリップによるホールド感の向上、さらにケーブルが上から出るようになったことで煩わしさも無くなり、従来のクラコンに感じた不満が解消されたような仕上がりになっている。「PRO」の名にふさわしい決定版と感じた。ただし、アナログボタン入力に対応したソフトであれば、それは旧来のクラコンのほうが向いているだろう。





● クラコンを完全なワイヤレスで使いたい! コンセプトは魅力だったのだが惜しいグッズ

「ワイヤレスクラコン」

    メーカー:UGAME
    価格:オープン価格(購入価格:2,670円)


Wiiリモコンに装着するレシーバーとワイヤレスクラコン本体のセット
使用中は写真のようにLEDが点灯する。ただWiiリモコンジャケットとの併用ができないところがちょっと残念
グリップの背面左右に1本ずつ単三型乾電池を入れる

 Wiiリモコンとクラコンの間のケーブルもワイヤレスにしたい! コントローラーを完全なワイヤレスで扱いたい! そうした要望を叶えるのがこちらの「ワイヤレスクラコン」だ。Wiiリモコン側にレシーバーを取り付けワイヤレス通信し、コントローラーは単三型乾電池2本で駆動する。

 コントローラー本体はグリップがついた平べったい形状をしている。手触りは表側がツルツルと背面はサラサラとしており、純正のクラコンに近い素材感になっている。グリップの背面が丸く盛り上がっていて、この中に左右1本ずつ乾電池を収納するという作りだ。

 コントローラーに搭載されているボタン類は純正のクラコンと共通。配置に関しても前面に関してはほぼ同じで、L/RとZL/ZRボタンも純正と同じ横並びになっている。L/Rボタンは押し込みの深いアナログボタンというところも同じだが、純正のクラコンよりも横幅が小さくなっている。

 前面の中央にはワイヤレス通信状態を示すLEDがあり、底面には電源をオン/オフするスイッチを搭載している。また、背面にはレシーバーとペアリングをするためのFCボタンというボタンがある。ペアリングを個別に行なう方式にしたことで、複数のWiiリモコンとワイヤレスクラコンを同時に使用できるようになっている。

 レシーバーはWiiリモコンと横幅が同じの小さなボックス型で、こちらにも通信状態を示すLEDが搭載されている。こちらのLEDはコントローラー側の電池が減ってくると点滅するようになっている。レシーバーの作りは基本的にシンプルで、脱着用のツメなどもない。コネクタ横にWiiリモコンにはめこむ突起があるので、それを押し込んで固定する作りだ。

 ワイヤレスクラコンを実際に使ってみる。電池を入れたコントローラーを手に持ってみると、左右のグリップ部に電池の重さが加わってズッシリとした重さを感じた。重量は純正クラコンが132gなのに対して、ワイヤレスクラコンは電池込みで168gと、実は数値的にはそんなに重くはない。それでも重さを感じるというのは重心の問題だろう。重さが左右に分散していて、左右の手がそれぞれに重さを感じてしまう。

 横幅と厚みがあってホールド感はあまり良くなかった。グリップ部分がホールド感を補なっており、ホールド自体はしっかりできるのだが、全体的に丸みが強く筐体も大柄で、どうもあと一歩手に馴染まないという感触が残る。また、横幅が大きいためボタンやアナログスティックまで指をけっこう伸ばさないと届かない。全体にもうひとまわり~ふたまわりコンパクトになってくれたらと感じた。

 a、b、x、yボタンの感触はいずれも反発が強くて重め。カチカチとしたクリック感はあるのだが、グイッとした返りが強くてクリック感を鈍くしている。特に気になったのはアナログボタンのL/Rボタンで、これがかなり感触が重い。ボタンの返りもかなり強めだ。L/Rボタンをデジタル操作で使っているゲームだと、しっかりと押し込まないと入力が反映されないボタンだけに、返りがかなり強いのは辛いところ。

 方向キーはカコカコとした感触で、他のボタンほど堅いということもなく無難な感触だ。ただ、入力のレスポンスに少し気になるところがあって、軽く押しただけだと入力されないことがあった。押下した感触のあるところから、もう1段しっかりと押し込むように意識する必要があった。


パッと見るとコンパクトに感じられるのだが、実際手に持ってみると左右が少し広くて大きく感じられる。L/Rボタンをはじめ、ボタンの感触が全体的に重かったのが残念なところ

 ほかに気になったところとして、5分以上未入力の時間が続くとコントローラーが自動的にスリープモードに入るということなのだが、実際試した限りだとスリープにはならなかった。ゲームプレイ中でもWiiのチャンネル画面でも、様々に試してみたが確認できず。むしろWiiリモコンも自動スリープに入らなくなっていたので、なにかしら入力が感知されてしまっているのではないだろうか(試用した製品単体の問題かもしれない)。

 Wiiリモコン側の電源が切れた場合、つまりゲームプレイを終了してコントローラーの電源を切り忘れてしまったような場合は、1分ほどでコントローラーがスリープになる。このあたりからスリープモードが搭載されているのかは確認できる。また、Wiiリモコンとの通信が切れてから再度使用する場合は、コントローラーのHOMEボタンを押すと再接続される。

 クラコンをワイヤレスで扱えるのは非常に快適で、このコンセプトは非常に魅力的なグッズだったのだが、いかんせん使用感やスリープ等の動作に問題を感じた結果になってしまった。





● GCコントローラーライクな連射機能付クラシックコントローラ

「連射ラクコン」

    メーカー:ゲームテック
    価格:2,730円
    カラーバリエーション:ホワイト/ブラック


ゲームキューブコントローラーに近いデザインのクラコン互換な連射機能付コントローラー
L/RボタンとZL/ZRボタンは写真ように手前がZL/ZRボタンで奥がL/Rボタンになっている。頻繁に使うL/Rボタンが奥なので違和感を感じる

 「連射ラクコン」は、クラシックコントローラ互換のコントローラーでありながら、豊富な連射機能を搭載しているところがポイントになっている。4段階に切り替えられる連射機能と、連射ホールド機能を搭載。グリップタイプでホールド感を高めている。

 外観はゲームキューブコントローラーに近いデザインとなっていて、全体的にサイズが大きめ。特に厚みはかなりあって、ちょうどクラシックコントローラの2倍程。その厚みから先細っていくようにグリップが伸びている。手の小さい人や小さな子供にはちょっと扱いづらくなってしまいそうなサイズだ。

 方向キーやa、b、x、yボタン、アナログスティックの位置、スティックの8角形の枠など、大部分の仕様はクラシックコントローラを基準にしている。方向キーは十字ではなく丸形で斜め方向にへこみがついており、キーの高さはかなり高めになっている。アナログスティックは中心にへこみがあるタイプで、クラシックコントローラのような円状の溝はついていない。

 L/RボタンとZL/ZRボタンはクラシックコントローラのような横並びではなく大きいボタンでの縦並びのタイプ。特徴的なのはその配置で、ZL/ZRボタンが手前側の長方形のボタン、奥側が深い押し込みのL/Rボタンとなっている。クラシックコントローラPROをはじめ、L/Rボタンが2個あるタイプの多くのコントローラーとは配置が逆になっている。L/Rボタンはゲームキューブコントローラーのような2cmほど沈むアナログボタンだ。ボタンの形状もゲームキューブコントローラーに近い。

 コントローラーの前面中央部にはLEDとターボボタンが搭載されている。このターボボタンを押しながら連射にしたいボタンを押すことで連射設定できる。設定できるボタンは、a、b、x、yボタン、L/Rボタン、ZL/ZRボタンだ。

 連射設定はターボボタンを押しながら設定する。1度目で、ボタンを押している間連射される設定に、もう1度同様にターボボタン+任意のボタンを押すと、その後はボタンを押さずとも連射される連射ホールド設定になる、さらにもう1度手順を行なえば連射が解除される。

 また、連射速度を4段階に切り替え可能で、ターボボタンを押しながら+ボタンまたは-ボタンを押すことで、6連射/秒、12連射/秒、24連射/秒、36連射/秒と連射速度を切り替えできる。連射と連射ホールド、さらに連射速度の切り替えと、おおよそ連射機能を活用したいシーンで求められるような細かな設定が可能というわけだ。


全体的にサイズが大きく、特に厚みが気になるところ。反り返りのないストレートな型なので、厚みが全体にある
丸形の方向キーは少し感触がパサパサしているのが気になるものの、斜め入力もしやすくて丸形が好みの人に嬉しいところ

 実際にゲームプレイを試してみる。まずは手に取ったときのフィーリングだが、やはりサイズの大きさ、特に厚みが気にかかってくる。手の大きい成人男性である研究所員から見ても、このコントローラーは大きいと感じるほどだ。グリップを含めて厚みがかなりあることで、前面のボタンを押す親指と、コントローラーの側面や背面にまわす他の指との間にかなり距離ができる。好みが分かれるところとは思うが、しっかりとコントロールできて疲れにくいという感触にするには、もう少しコンパクトな作りが無難かもしれない。

 方向キーの感触はパコパコとした押し心地で、柔らかいクリック感になっている。押し込んだときの堅さは適度だが、押し込みのストロークが深めで独特な感触になっている。ちょっと感触がパサパサとしているなと感じたのが気になったところで、少々安っぽい印象を受けてしまうのが気になるところだ。操作の反映やレスポンスには特に気になるところは見つからず無難に扱える。純正クラシックコントローラとの大きな違いとしてキーの形が丸形なので、丸形が好みの方にとって魅力のひとつとなりそうだ。

 a、b、x、yボタンの感触はボタンがカチャカチャと浮ついていて、やはり安っぽさを感じるのが少し気になるところ。ストロークは浅めになっていて柔らかめなコチコチとしたクリック感があり、適度な返りもある。全体的にPC用の安手なゲームパッドのような印象を受けるところがあり、無難に扱えるもののもう少し高級感が欲しいと感じるところがある。

 ゲームプレイ中で気になるのは、やはりL/RボタンとLZ/RZボタンの位置が多くのコントローラーと逆なところだ。無意識にL/Rボタンを触ろうとするとLZ/RZボタンを操作してしまって戸惑うというシーンが多々あった。

 連射機能の豊富さはバーチャルコンソールタイトルのシューティングゲームをプレイするときなどに便利な機能だ。特に連射速度の切り替えはゲームによって適度に合わせられるので重宝する。ただし、連射速度の切り替えがターボボタンと+ボタンや-ボタンの同時押しという操作なので、切り替えるたびにポーズがかかってしまう。一度HOMEボタンメニューを開いてから切り替えるようにするのが良さそうだ。

 ゲームキューブコントローラーに近い形状のクラシックコントローラとして、全体的に無難な作りだが、ボタンの浮つきや質感などにもう一歩高級感が欲しかったと感じたところがあった。サイズが大きめで厚みがあるため、手に馴染むかが好みの分かれるかもしれない。細かに設定できる連射機能は魅力的なので、バーチャルコンソールタイトルのプレイなどにオススメのコントローラーだ。





● プレイステーション用のコントローラーをクラコンとしてWiiで使えるようにするコンバータ

「リモコンツナイデント」

    メーカー:ゲームテック
    価格:1,785円


コンパクトなコンバータグッズ。Wiiリモコンと装着することでプレイステーション用のコントローラーをクラコンとして使えるようになる
実際に使用するときはこのようになる
コンバータ側に連射機能用のボタンとLEDを搭載
写真のような組み合わせだと、デジタル入力のスティックコントローラーが認識されず利用できなかった

 プレイステーション 2用のコントローラーをクラシックコントローラとして使いたい! そんな要望を実現するのがこの「リモコンツナイデント」、いわゆるコントローラーコンバータだ。Wiiリモコンの拡張端子に繋ぐコンバータで、DUALSHOCKなどプレイステーション系統のコントローラーを接続して使用できる。

 コンバータ本体はコンパクトなボックス型で、丸みのついた柔らかな外観となっている。Wiiリモコンの拡張端子に接続するケーブルは約10cmと短めで、コンバータ本体にはコントローラーの接続端子のほか連射機能用のターボボタンと連射状態を示す青色LEDが搭載されている。

 連射機能はターボボタンを押しながらコントローラーの連射設定したいボタンを押すという手順で設定する。設定できるボタンは○/×/△/□/L1/L2/R1/R2で、1度設定すると、ボタンを押している間連射されるようになり、もう1度設定手順を行なうと解除される。

 まずは「リモコンツナイデント」にDUALSHOCK2のコントローラーを接続して使ってみた。触ってみてまずレスポンスの良さを感じたのが印象的。ボタンを押した反応がクイックで、遅延感ほとんどない。

 ボタンの配置は基本的にクラシックコントローラの配置がそのままDUALSHOCK2に反映される。十字ボタンやa、b、x、yボタン、アナログスティックはそのまま、+ボタンはスタートボタン、-ボタンはセレクトボタン、HOMEボタンはアナログボタンに割り当てられて、HOMEボタンメニューの呼び出しもちゃんと行なえる。

 なにより大きいのはアナログスティックの形状の違いで、クラシックコントローラはスティックの周りが8角形になっているのに対し、DUALSHOCK2は完全な円形。スムーズに円を描いたり、グルグル回すような操作がしやすく、この形状が慣れている人にとっては嬉しいところだ。

 独特なのがL/RボタンとLZ/RZボタンの割り当てで、L/RボタンがDUALSHOCK2のL2/R2ボタンに、LZ/RZボタンがL1/R1ボタンに割り当てられる。またDUALSHOCK2の場合はアナログモードでのみ動作するため、L2/R2ボタンをかなり強めに押し込まないと入力が感知されない。

 実際にゲームプレイに利用してみると、全体のレスポンスが良くてクラシックコントローラそのものの感触で利用できる。非常に好感触だ。ただ、L/Rボタンの反応についてはやはり厳しいところがあって、普通の感覚でボタンを押しても反応せずグイッと力を入れて押し込まないといけない。L1/R1ボタンとL2/R2ボタンの配置が感覚的に逆に思えるところも慣れが必要だ。

 続いてPS2用のスティックコントローラーを試してみたのだが、こちらは確認したものでは動作しなかった。HORIのリアルアーケードプロなど用意できたものを試したのだが、コントローラー接続が認識されず一切の操作ができない。どうやら利用できるのはアナログ入力のコントローラーだけのようだ。ほとんどのPS2用スティックコントローラーはデジタル入力で、唯一例外としてHORIの「FIGHTING STICK2」がアナログ切り替え可能になっているものの今では入手が難しく、今回手元に用意できなかったので試せてはいない。基本的にはスティックコントローラーを使うことはできないと言っていいだろう。

 PS系のコントローラーをクラシックコントローラとして利用できるようになるコンバータで、基本的なレスポンスがよいのが好印象だ。ただ、L/Rボタンの入力が厳しいところや、デジタル入力が基本のスティックコントローラーが使えないところは非常に残念だ。ここはぜひデジタル入力のコントローラーにも対応した製品の登場に期待したい。






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(2009年 8月 3日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]