使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第373回
待望のSCE公式「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」がついに国内で発売!さっそく、装着感や使用感を探ってみた
(2015/12/8 00:00)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
当研究所でも「これは日本でも発売して欲しい」と以前から話題になっていた「Gold Wireless Stereo Headset」が、ついに日本でも「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」というスタンダードな名称で発売された。今回は、待望のこのヘッドセットを試してみた。
【今週のおしながき】
海外でのみ発売されていた公式ヘッドセットがついに日本でも発売!!
SCEが発売する公式周辺機器である「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」。こちらは、プレイステーション 4/3、PS Vitaなどに使用できる、バーチャル7.1chサラウンドサウンドのヘッドセットだ。
パッケージには「ワイヤレスサラウンドヘッドセット本体」のほか、USB接続の「ワイヤレスアダプター」、ステレオミニジャックタイプの「音声ケーブル」、内蔵バッテリ-の充電等に使う「USBケーブル」、「ポーチ」が同梱されている。
ヘッドセット本体は重量が約295.4g、内蔵バッテリーはリチウムイオン充電池で容量は570mAhとなっており、連続可動時間は約8時間となっている。
なお、PS4/3およびPCとは付属のUSBレシーバーである「ワイヤレスアダプター」を使ってのワイヤレス利用が可能で、PS Vitaなどその他の機種とは音声ケーブルを繋いだ有線接続で利用可能だ。
なお、冒頭でも書いたように、こちらの製品は「Gold Wireless Stereo Headset」という名称でPS4の発売とほぼ同時に北米で発売されていた製品の、日本版と言える。本体をはじめ、同梱物なども北米版とほぼ違いはないようだ。もちろん、パッケージや取扱説明書が日本語対応していること、製品サポートが国内での対応になるという点が異なる。
ヘッドセット本体は板状のフレームに左右のハウジングがくっついているようなデザイン。フレームの上内側には頭頂部の刺激をやわらげてくれるクッションがついている。長さの調節はフレームが伸縮するのではなく、ハウジングの取り付け部が上下にスライドするという独特な作り。持ち運びしやすいよう、ハウジングを内側に畳むことも可能だ。
ボタンや端子類は全て左ハウジング部に集約されている。充電用のUSB端子は、DUALSHOCK4と同様のBタイプ。音声ケーブルを繋ぐステレオミニジャックタイプの端子が横にあり、そのさらに横には動作状態を示すLEDと、電源スイッチがある。電源スイッチはオフ/電源オン標準モード/電源オン バスブーストモードと、モード切替のスイッチも兼ねられている。
左ハウジングの、装着時に背面になる側にはミュートボタン、ボリュームボタン、バーチャルサラウンドのオンオフのスイッチがある。前方側には、サウンドとチャット音のバランス調整ボタンが備えられている。
マイクは、左ハウジングとフレームの付け根当たりに穴が空いているところにあるので、ボイスチャット中に左ハウジングを手で覆ったりすると、音が拾いづらくなるかもしれない。また、マイクがオンのときにミュートボタンを長押しすると、自分の声などマイクからの音を自分にも聞こえるようにするサイドトーンという機能も搭載されている。
実際に「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」をゲームプレイ等に使って試してみた。まずは装着感だが、こちらは非常に良好だ。ハウジングが大きくて耳をすっぽりと包んでくれるほか、クッションの質もよく、耳まわりに負担を感じさせない。なによりバッテリー内蔵のサラウンドヘッドフォンとしては軽いことが魅力。ただ、耳まわりの側頭部であまり締め付けていないぶん、わずかに頭頂部には重さが乗っかっているという感覚がでるのだが、それもあまり気にならない程度だ。
ボタンなどの配置もうまく考えられていて、位置と機能さえ覚えてしまえば、装着したままですんなりと操作ができるようになる。若干、電源スイッチが固めではあるが、不意に電源が入ってしまうなどの誤操作防止と考えると納得。
音質を考えてみると、標準モードでは高音の抜けがよく、音の分離からくるサラウンド感も良好で、クセもない。7.1chサラウンドとはいえ、あくまでヘッドフォンスタイルでのバーチャルではあるのだが、斜め前や斜め後ろからの音だとしっかり認識できるぐらいに分離感が良い。
高域と中域重視でゲーム向けな印象はあるが、サウンドにはしっかりとした太さと滑らかさもある。いわゆる、ガサガサ、ドンドン、シャリシャリといった薄っぺらい質ではない。高音の通りが良い抜けの良さからすると、低音が少し弱めではあるが、そのためにもバスブーストモードが用意されているというわけだ。
もちろん、音質・サラウンド感ともに値段相応という見方はあるかもしれないのだが、内蔵バッテリーによるワイヤレス+マイク+バーチャル7.1chサラウンドという仕様で、この音質とサラウンド感でこの価格は、相応というよりも価格以上と言っていいだろう。
マイクの音質は、少し高音部がくぐもったような声になり、ガサつきもあるので、クリアで滑らかとは残念ながら言えない。ただ、マイクボリュームは申し分ない。PS4のマイクレベル調節画面でも、標準のマイクレベルで充分に大きく声を拾ってくれる。むしろちょっと大きめなぐらいだ。まとめると、高品質とは言えないものの必要充分という印象だ。
海外ストア配信のみだが「Headset Companion App」でゲーム専用プリセットも利用可能
なお、海外のPSストアのみで無料配信されているものになってしまう(海外アカウントを用意できれば入手・利用できる)のだが、「Headset Companion App」というアプリがあり、そのアプリを使うとゲームタイトルに合わせたサウンド設定のプリセットを登録できる。
もちろん、今回試している日本版の「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」でも、このアプリは利用可能だった。PS4とワイヤレスサラウンドヘッドセットをUSBケーブルで繋ぎ、選択したプリセットを登録すると、ヘッドセットの電源スイッチのモード2(標準ではバスブーストモード)に上書きされる
このアプリによる各ゲーム用のプリセットが使えるのも公式周辺機器の魅力なので、ぜひとも、日本版を用意してもらいたいところだ。
「PULSE wireless stereo headsett - Elite Edition」との比較。どちらがオススメ?
実は研究所員は、この「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」の上位版とも言える、日本未発売の「PULSE wireless stereo headsett - Elite Edition」を愛用していたので、そちらとの比較もしておこう。
簡単に言うと、「PULSE wireless stereo headset」からプリセット登録数が少なくなり、BassImpactという低音に合わせてヘッドセット自体が振動するという機能が省かれ、カジュアルなデザインになって価格が控えめになったのが「Gold Wireless Stereo Headset」。その国内発売版が、今回の「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」となる。
性能面が多少スポイルされているとは言っても、そこまでの大きな違いではないというのが、正直なところで、むしろ「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」の方が、軽くて装着感がいいという魅力がある。
「PULSE wireless stereo headset」はヘッドセットの重量が約336gあり、「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」は約295.4g。フィット感においても、「PULSE wireless stereo headset」は頭頂部への負荷が強く、個人差はあると思うが、長時間利用時には痛みを感じることもあった。だが、「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」はそういったところが全くない。
当然ながら、国内発売版ということで、サポートや修理のときにも安心だ。研究所員の個人的に起きたケースではあるが、「PULSE wireless stereo headset」は過去に電源が入らなくなり、それを分解して修理したのだが、内部を見てみるとケーブルが外れやすい構造になっていた(そのため、PULSEの輸入販売には、リファビッシュ=修理整備品が多く見受けられるのかもしれない)。そうした、もしもの時の安心感も含めつつ、装着感の良さもありつつ、「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」をオススメしたいところだ。
手軽に、PSプラットフォームで最適なサウンド環境が手に入る、優れたヘッドセット
ついに国内でも発売された待望の「ワイヤレスサラウンドヘッドセット」を試してみたが、価格相応よりも上と思える音質とサラウンド感があり、ワイヤレス+バーチャル7.1chサラウンド+マイクという環境を手軽に楽しめる、バランスの良い製品だ。
公式周辺機器ならではな「Headset Companion App」の国内対応、配信を期待しつつ……という点はあるものの、手軽にPS4/PS3等のサウンド環境をグレードアップしたい人にオススメのヘッドセットだ。