「ROBO-Q」

  • ジャンル:人工知能搭載二足歩行ロボ「ROBO-Q」
  • 価格:3,675円
  • 対象年齢:15歳以上
  • 発売日:発売中(2009年2月)

[ おもちゃソムリエ ]
田渕健康[Kenkou Tabuchi]

 GAME Watchをご覧頂いている紳士淑女の皆様、はじめまして。私、今回よりエレトイ──電池や電源を用いて駆動する玩具──のご紹介をさせていただく、「おもちゃソムリエ」の田渕健康と申します。ここでは、今が旬の逸品や、世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、エレトイの魅力を伝えるお手伝いをさせていただきます。



■ 世界最小級人工知能搭載ロボ、現わる

 さて、記念すべき当コーナー第1回目のオススメ品目は、今年2月にタカラトミーより発売されました「ROBO-Q」です。赤外線コントロールで二足歩行ロボの多彩な動きを楽しめるエレトイですが、特筆すべきはそのコンパクトさ。全長、わずか4センチメートルにも満たないミニマムなボディに、ナチュラルな二足歩行機能や障害物認識センサーなどを搭載した、実にエクセレントな逸品。では、その魅力をじっくりと解説させていただきましょう。


マスプロ商品としては、世界最小級の人工知能搭載ロボとなる本作。お値段もお手頃で、レジまでご一緒するのにさほど覚悟はいりません1番の売りは、やはりこのコンパクトさ! 「チョロQ」シリーズの名を冠しているだけあって、手のひらサイズは厳守されております



■ さっそく気になる中身をチェックしていきましょう!

 パッケージに封入されているのは、ロボQが1体、専用ボール1個、コントローラー1個、そして取扱説明書1枚です。まずは逸る心を抑えて、内容物をしっかり確認し、そして取扱説明書を熟読いたしましょう。なお、ロボQのボディバリエーションは“フューチャー”と“レトロ”の2タイプがあり、それぞれ2種類のカラーが用意されております。つまり、4種類のデザインが用意されているわけですが、デザインごとに個別のバンドが割り当てられている点にご注意を。念のためにご説明いたしますと、バンドとは操作するための周波のこと。4種類あるということは、4人まで同時に遊べるということですね。当然、同一のバンドのロボQだと、操作の際に混線してしまいますので、複数台お買い求めの際はデザインの異なるロボQをお選びください。


コントローラーとROBO-Q、そして専用ボールが収められています。パーツの欠損がないかよく確認しましょうパッケージは切り取ることで、障害物プレートになります。ROBO-Qの障害物自動回避機能を試したいときに使いましょうコントローラーには収納ボックスが付いており、ここにROBO-Qを入れて持ち運べます。遊んだあとに収納しておけば紛失の心配はございません!



■ 電源ONまでの手順を確認しましょう

 さて、内容物の確認が終わったら、次は遊ぶための前準備。まずはコントローラーに単3電池4本をセットする必要があります。電池は別売ですので、あらかじめ購入しておくといいでしょう。また、コントローラーの電池カバーを外すためにはプラスドライバーが必要ですので、出先で初めて遊ばれるときなどは注意が必要です。コントローラーに電池をセットしたあとは、ROBO-Qの充電を始めましょう。ROBO-Q本体には工場出荷時に、漏電防止のために少量の充電がしてありますが、そのままではわずかな時間しか遊べません。ROBO-Qは20~30分間の充電で約3分ほど連続駆動できますので、しっかりフル充電してから遊びましょう。


コントローラーの電池カバーを外すにはプラスドライバーが必要。あらかじめ用意しておくとスマートに遊べますよコントローラー前部にROBO-Qを接合して充電開始。1回のフル充電までに20分ほどの時間を要します。紅茶でも飲みならお待ちくださいコントローラーのパイロットランプが充電をお知らせ。完了すると、コントローラーのスピーカーから雰囲気あふれる効果音が響きます



■ いよいよ電源ON。「ROBO-Q」を操作してみましょう

 充電が終わりましたら、いよいよROBO-Q起動の時。本体とコントローラーの電源がONになっていることを確認し、ROBO-Qへとコントローラーを向けましょう。まず最初は、前進ボタンを前方へとスライドさせてみてください。小さな身体を震わせながら、テコテコと歩く姿は感動ものです。二足歩行ロボを初めて動かす際のお約束として「こいつ……動くぞ!?」などと呟いてみれば、よりテンションが上がること請け合いです。

 前進ボタンは3段階のスピード調整ができ、状況に合わせて細やかなアクションをとることが可能となっています。進行方向を変えたいときは左右旋回ボタンを押しましょう。その場で旋回したい場合は、前進ボタンを微速にして旋回ボタンを押す必要があります。なお、“常に前向きで前進志向”のROBO-Qには「後退」という二文字はございません。背面方向に進みたいときは、素直にUターンしてください。

 操作レスポンスはなかなかに良好で、細かなボタン操作にもロボは即座に反応してくれます。移動スピードはさほど速くはないので、操作に慣れるには時間はかかりません。前進と左右の操作だけですので、RCカーなどを操作したことのない方でも、すんなりと慣れるはずです。

前進ボタンの入れ具合により、ROBO-Qの前進速度は変化します。低速なら5秒間で5センチメートルほど、最大速なら20センチメートルほど進みます足裏のフットラバーは接地感度を上げる役目を担ってます。これにより、転倒することなく安定した歩きを見せるのですコントローラーの操作可能距離は約1.5メートル。赤外線受光部はロボの頭部にあり、上下左右角30度前後認識します



■ 人工知能モードを楽しんでみましょう

 「ロボット」を名乗るうえで欠かせない人工知能……AI。このROBO-Qには、センサーで進行方向の障害物を確認し、状況に応じた行動をとるAIが搭載されているのです。AIモードで駆動させると、ROBO-Qの左右にあるセンサーが進行方向の情報を取得し、データベースの中から適切な行動を自動的に選択します。

 AIモードでの駆動は2パターン存在し、ひとつは進行方向にある障害物を回避しながら進む「回避モード」。もうひとつが、前方にある対象物を追いかける「追跡モード」です。

 回避モードは、ROBO-Qの進行方向にある障害物を避けながら前進するので、迷路や入り組んだ道をスイスイ進んでくれます。小さなロボットが自分の意志で方向転換しながら進むさまには、軽い感動を覚えます。

 追跡モードは、最初はゆっくりとした歩みですが、前方に対象物を見つけると駆け足で追いかけ始めるアクションが楽しめます。追跡対象は付属のボールでもいいですし、自分の指を動かしながら誘導するのもおもしろいでしょう。AIモードだとコントローラーの操作がいらないので、より気軽に遊ぶことができるのも高ポイントです。

コントローラーのAUTOボタンで、AIモードへと移行します。方向ボタンを押しながらだと「追跡モード」に変化します障害物などを避けて前に進む「回避モード」。商品に付属しているプレートを使って、通路を作って走らせてみるのもおもしろいですよ「追跡モード」は3cm前にある対象物を追いかけるモード。指を動かしながらROBO-Qを誘導してみると、なにやらペットと遊んでいる気になってきます



■ 工夫次第で広がる! ROBO-Qの遊び方あれこれ

 ROBO-Qの操作に慣れたら、今度は少し凝った遊びに挑戦してみましょう。まずは距離を決めて、付属のボールをドリブルしながらのタイムアタックに挑戦。実はこのROBO-Q、真っ直ぐに走らせるのは少々コツがいるので、うまくドリブルを続けるには細かなハンドリング調整が必要となります。1メートル程度のコースを作って、何秒でゴールできるかトライしてみましょう。慣れてきたら、今度はカーブを加えたオーバルコースを作ってみるのもオススメです。

 また、複数台のROBO-Qが揃ったら、ドリブル競争、もしくはフィールドを用意して、サッカーなどに興じてみるのもいいでしょう。フル充電からなら3分間稼働しますので、熱い戦いが楽しめるのではないでしょうか。4台揃えれば2オン2の試合も楽しめるので、家族やお友達を集めて遊んでみるのもいいかもしれません。

コースを作ってのタイムアタック。直線だけでなく、カーブや障害物を用意するのも楽しいでしょうスタンダードながらも盛り上がるドリブル競争。折り返し点を設けると難易度がアップしていい感じです適当な四角形のものをフィールドに見立ててのサッカー。ゴールは商品付属のプレートで作ってはいかが?



■ 世界最小の量産型ロボット、そのお買い得度は……?

 コンパクトなボディに、電磁石を応用した「ソレノイド歩行ユニット」を組み込むなど、技術立国日本の素晴らしさを改めて実感できる本作。操作感覚も良好で、内蔵センサーと組み合わせればさまざまな遊び方ができるのはうれしいのですが、やはり気になるのは「駆動時間」。20分の充電で、全力歩行で3分強しか稼働できないのはやや残念なところ。「もっと遊びたい!」というところでロボが止まってしまい、消化不良に陥ることも多々あるかもしれません。あとは、操作の際にコントローラーから発せられる効果音のボリュームが調整できれば、仕事中にこっそり遊ぶこともできたのに……いやいや、私はそんなことしませんよ?

 稼働時間にもうひと頑張り欲しかったものの、「小型ロボットを思うさま動かせる」という感動は、何ものにも代え難いときめきを感じさせてくれます。これから発展の余地は十分にあると思いますので、まずは次世代ロボットエレトイの先陣を切ってくれた「ROBO-Q」、ぜひ1度お試しあれ。どこか懐かしい昭和の薫りと、ロボット先進技術との素敵なマリアージュ、楽しんでみてはいかがですか?

【テイスティング】
■ 熱中度:☆☆☆
操作している時間は盛り上がりますが、充電時間が長いのが残念!

■安全性:☆☆☆☆
ロボ自体が小さいので、お子様が飲みこまないようにご注意を!

■先進性:☆☆☆☆☆
コンパクトなボディに詰め込まれた最先端技術には目を見張ります!

(C) TOMY

(2009年 6月 10日)

[Reported by 田渕健康(トリスター)]