コメディアンBJ Foxの脱サラゲームブログ

連載第22弾

ハリウッド化された日本カルチャーを僕は楽しめるのか? カリフォルニアロール風映画「名探偵ピカチュウ」を見てきたよ!

 今回は、少し「外伝」的に、ちょっと「スピンオフ」的に、ゲームではなく映画を紹介しようと思う! その映画は……全世界が待ちに待った、「名探偵ピカチュウ」の実写劇場版だ。

 この映画はかなり気になっていたよ。このサイトの2018年末の振り返って気になるニュースの企画のTop 3に入れたくらい(参考記事)。そして気になると言っても「心配作」だったんだ。ちょっと怖かった。あんなくらい好きなシリーズは、ハリウッド化されてしまい、いいものが出てくるはずがない……と正直思ってた。

ピカチュウは喋るんだ!
しかも英語!
しかもアメリカ英語!
しかもデッドプールと同じ声!

【映画「名探偵ピカチュウ」世界最速公開】

 「この作品は観ずにスルーかな」と思っていたけど、告知動画が公開されるたびに、良い意味で気になってきた。だってピカチュウの実写描写が半端ないんだもん。超リアル! しかも「フィートクラブ」っぽい、アンダーグラウンドブラッドスポーツのピカチュウ対リザードンのバトルの映像がさらに期待感が上がってきた。

ピカチュウを助けに行くぞと決めた

 僕は、渋谷の劇場で日本語字幕版にした。こんなに外国人が日本の映画館に集まってきたのは、久しぶ……まあ、先週の「アベンジャーズ・エンドゲーム」以来なんだけどね。

【やってきたよ】

 劇場のお客さんの半分は、日本人だった。その日本人のお客さんがこのハリウッド映画化された、日本カルチャーを観てどう思っているかなぁと、僕はずっと不思議に思っていた。カリフォルニアロールの映画バージョン。多めのマヨネーズの代わりに、たっぷりのライアン・レイノルズ。アメリカ人の訪日観光客が照り焼きマックバーガーを食べていると同じ違和感だろう。それとも、僕がイギリスのカルチャーが日本風にされちゃった代表のパブ「HUB」に連れられていく感覚と同じ。

 僕は少し違和感を持って冒頭を観ていたが、実は、少しずつその違和感がなくなった。というか、ポケモンの実写再現の高度とライアン・レイノルズの(敢えて「デッドプール」っぽく)声優のパフォーマンスの素晴らしさによって、その違和感が削られた。エンディングが出てくるまでは、僕はすっかりこのユニークな世界観へ没入でき、しかもこの映画のファンとなっていた。そのエンディングは、私には甘すぎてやっぱりポケモンだなぁ、というとこがあったとしても、まだまだファンだ。

 まずは、ポケモンワールドの再現度の高さについて語りたい。

 僕がポケモンのイギリス支店に勤めていた頃、およそ15年前にでも、あちこちニューヨークの支店から実写映画の制作の噂が大西洋を通って漂ってきたこともある。確かに噂だけだったと思うが、十分ここまで再現できるまでのSFX技術が開発されている今まで、製作を待たせてくれてありがたいものだ。なかなかフォローできないくらいなペースで、目が回るほどリアルなポケモンが現われてくる。いずれDVDを買ってフレームごとに留めてどのポケモンがいるか細かく見て見ようと思う。ピカチュウは、もちろんその中でも最大のスターであり、ピカチュウの再現に関しては、1点の文句もない。逆に、「ポケットモンスターLet's Goピカチュウ」をプレイしてピカチュウ飼いたいなぁ、という気持ちが少し叶え方が見えてきた気もしてきた。

飼いたくなるでしょう?

 その他に、リザードンとゲッコウガの「攻撃性」の再現にもビビったし、コイキングの「無用さ」にも笑った。背景にポケモンが歩き回っていることも良かったし、実際にポケモンの特徴かキャラクター性が見えてくるときはベストだった。バリヤードのシーンの想像力には感動したし、メタモンもナイスタイミングで登場してきた。

バリヤードのシーンは最高だった!面白いことにも、数年前、バリヤード役のもションキャプチャーを演じたスタンダップコメディマイム名人Trygve Wakenshawと一緒に下北沢で一緒にライブをやったんだ!静岡の大道芸フェスタのために来日してきて、ついでにライブ!

 もちろんいまでは800匹もいるポケモンのすべてが登場しているわけではないから、「」なぜこのポケモンが出なかったんだ!」という文句はある。まあ、続編までキープしているだろう。

 ライアン・レイノルズか。「デッドプール」か。人生に疲れている、カフェイン中毒の刑事ピカチュウの演技は素晴らしい。あんなにバカバカしいコンセプトを実現させるには、パーファクトの演者だった。小ネタ、ギャグ、呟き、下ネタまで、本当に彼のユーモアにセンスのすべてを任せているかのように見える。それは英語がネイティブではない日本人に伝わるもなのかわからないが、素晴らしかった。重要な挫折のシーンに(そうそう、このようなハリウッド映画のフィナーレの前の定番の挫折のシーンね)、そのシーンに泣きながら昔のポケットモンスターアニメの主題歌を歌っているシーンが最高に懐かしく、劇場の外国人全員は笑わざるを得なかった。隣に座っていた日本人の子たちは、頭を不思議に傾けていた。ちょっと難しいと思う。

 いずれにしても、僕と同じように、この映画のことを知って心配していた、違和感を感じたポケモンのファンに、この映画は本当にオススメだ。字幕版は、少しカルチャーギャップも感じられるかもしれないので、実施ポケモンを見るだけでも吹き替え版でもOKだろう。吹き替え版の「名探偵ピカチュウ」役は西島秀俊らしい。ぜひ彼のパーフォマンスのレビューを聞きたいんだね。

 でも、長年を待っていた実写ポケモンがここまで良いものとなるなんて嬉しいものだ。The Pokémon Companyでブランド全般を管理している方々、マジrespect。

 次は、実写ソニックだね……。また心配感が高まってきたかも。

【名探偵ピカチュウ】