レビュー

Switch2「ゼルダの伝説 時のオカリナ」レビュー

「時オカ」本来の魅力を現代アレンジが引き出す。濃厚な“時を超える”ドラマ体験

【ゼルダの伝説 時のオカリナ】
11月5日 発売予定
価格:
8,980円(パッケージ版)
7,980円(ダウンロード版)

 1998年にNINTENDO 64で産声を上げ、ゲーム史における「3Dアクションアドベンチャーの原点にして最高峰」として語り継がれている歴史的名作「ゼルダの伝説 時のオカリナ」(以下、「時オカ」)。

 3D空間を自由に動き回るゲーム自体がまだ成熟しきっていなかった黎明期において、「Z注目」システムをはじめとする数々のユニークな発明で後世のゲームデザインに影響を与え、その後の3Dアクションゲームにおける操作体系の基準を真っ先に示したと言えるタイトルである。

 その傑作が、最新の技術と現代の洗練されたインターフェースを用いて、11月5日にNintendo Switch 2向けの超大型タイトルとして待望のフルリメイクを果たす。今回はネタバレの少ない序盤から中盤を中心に、その体験をご紹介する。

 プレイを通して筆者の胸に真っ先に去来したのは、かつてブラウン管の前で夢中になって遊んだ記憶がフラッシュバックするような懐かしさだ。それだけで涙ぐむくらいだったが、同時に「28年前に開発陣が頭の中で思い描いていたハイラルの真の姿は、これだったのか」という気付きと感動であった。

 本作は、単なるグラフィックの底上げを施した復刻版ではない。より丁寧な描写と遊びやすいシステム改修を施しつつも、オリジナル版の大筋の魅力や核となる謎解きの絶妙な手触りは維持。それらを合わせることで、現代の新作ゲームとしても洗練されたタイトルとなっている印象だ。

「Z注目」の偉大なる功績と、フリーカメラ・任意ジャンプがもたらす究極の解放感

 ゲームを起動し、プロローグエリアである「コキリの森」に降り立って最初にプレーヤーを驚かせるのは、圧倒的なビジュアルの美しさと、操作体系の現代化がもたらす圧倒的な解放感である。

最新のグラフィックで描かれるコキリの森。空気感すら伝わってくるようなライティングだ

 オリジナル版の「時オカ」の評価を決定づけた最大の要因は、その3Dシステムの革新性と完成度の高さにあった。その代名詞となっているのが、「3D空間で敵に攻撃を当てる為には、細かい照準補正が必要だ」という問題を解決するべく誕生した「Z注目」システムである。

 敵や会話相手、物体を見つけると、妖精ナビィがリンクから離れて対象の頭上で変色し、ボタンを押すことで対象を任意にロックオンできる。これにより、スティックが1つで、カメラを自由に動かす操作ができなかったNINTENDO 64コントローラーでも、確実に対象物に向かって移動し、剣を振るうことができる。そうした快適な操作性を、28年前当時「時オカ」は実現してみせた。

 さらに、注目状態ではカメラがセミオートで補正を計るため、対象が画面の外側に隠れてしまう事もない。敵との間合いを取りやすく、主人公の位置を認識しやすくできるという利点もある。

 Z注目を行った状態でスティックを横に倒すと、リンクは注目している敵を中心に円運動する。この点が本システムの特徴で、敵の隙を窺うヒリヒリとした駆け引きの楽しさを生み出しているのだ。

リメイク版でも健在の注目システム。敵を中心に円運動しながら隙を窺う戦術の面白さは今も色褪せない

 今回のリメイク版では、この注目システムを完全に継承しつつ、現代の標準仕様として、右スティックによってカメラをいつでも360度自由に動かすことができるフリーカメラが導入されている。

 現代のゲーマーからすれば、視点を自由に動かせることはごく自然ことだろう。だが、かつて固定された視界の中で知恵を絞って進んだ「時オカ」の世界において、自分の意志で周囲を見回し、巨大なデクの樹サマを下から見上げ、コキリの森に差し込む木漏れ日を自由なアングルで眺められるという体験は、驚くほどの広がりと解放感をプレーヤーに与えてくれる。それはオリジナル作を熱心に遊んだプレーヤーこそ、感じられることと思う。

 さらにアクション面での最大の進化が、Xボタン(コンフィグでBボタンに変更可能)によるジャンプと、Aボタン長押しによるダッシュの追加である。オリジナル版ではAボタンによる回転アタックを移動時に連発していた人も多いと思うが、この度めでたくダッシュが追加されたのだ。

 オリジナル版では崖に向かって移動して近づくだけで自動的に飛ぶオートジャンプが採用されており、これも空間把握のストレスを減らす画期的な発明であった。一方で意図しなくてもジャンプしてしまうようなもどかしさも多少あったのだが、本作ではジャンプが任意にできるようになった。さらにダッシュ中にXボタンを押せば、より遠くへ飛ぶダッシュジャンプも可能になった。

 個人的に気に入ったのは、強力な技である「ジャンプ斬り」が、注目状態ではなくとも、ジャンプした後に空中で攻撃ボタン(Yボタン)を押すことで繰り出せるようになった点だ。注目を使わずに咄嗟のジャンプ斬りを放てるため、熟練プレーヤーならばよりスタイリッシュで自由なアクションが楽しめるようになっていると感じた。

注目を使っても使わなくても、よりプレーヤーの手に馴染むアクションが可能になったのが嬉しい

サリアとの別れ、ゼルダ姫との出会い

 順を追って紡がれる冒険と、世界描写という点において、本作は単なるグラフィックの向上に留まらない。コキリの森の住人たちとのちょっとしたやり取りの描写が追加されており、なんとも微笑ましく、世界の実在感をより高めている。

 冒険のガイド役であるナビィのセリフも増えて、フキダシ付きでリアクションをしてくれるのが非常に愛らしい。

リンクの冒険のお供となる、妖精のナビィ

 そして大きな衝撃を受けたのが、重要なイベントシーンにおけるボイス追加である。

 これまでは掛け声や笑い声のみのボイスだったキャラクターたちが、要所でしっかりとセリフを喋るようになっているのだ。オリジナル版をプレイした身としては、あちこちで新鮮な驚きがあった。

 プロローグエリアであるコキリの森を比較的狭い中で展開させ、心優しいコキリ族の幼馴染の少女・サリアとの別れのシーンは、より一層胸に迫るドラマチックなものになっている。そして、いざ冒険へ!……と一気に自由度を高めて外の世界へ放り出す事で、プレーヤーの期待感や興奮、そして没入感は大いに高まるのだ。

コキリの森の幼馴染、サリア。リンクとの別れのシーンは、繊細な表情描写によってさらに胸を打つ名場面に昇華されている

 こども時代のリンクが初めて足を踏み入れることになる、広大なハイラル平原。自由な視点移動を手に入れたことで、ハイラル平原のスケール感はより一層強調されている。果てしなく広がる美しい平原の景色と、遠くにそびえ立つハイラル城。「28年前、当時の開発陣もこの風景を思い描いていたのかもしれない」と、ハードウェアの制約を超えて具現化されたハイラルの姿に感動を覚えた。

 そして、きっとこの懐かしさと郷愁は、当時オリジナル版を遊んだ筆者のようなオールドファン以外も感じることになるだろう。それは本作が、「見知らぬ世界へ踏み出す少年の冒険」という、普遍的なロマンを描いているからに他ならない。

ハイラル平原。ひとめだけで、初見プレーヤーですら「これは自分にとっての大切な原体験だ」と錯覚させるほどの引力とパワーを持って描かれている

 なお、ハイラル平原を歩き回っていると、プレーヤーはどうしてもルピー稼ぎに一生懸命になってしまう。ひたすら草を刈りとったりして、1ルピーを地道にかき集める。道草を食って平原の草刈りに没頭するプレイングは、最新のグラフィックになっても何一つ変わらない、抗いがたい面白さだ。

 ハイラル平原を抜け、城下町を抜けた先にあるハイラル城の中庭で、リンクは数奇な運命の鍵を握るゼルダ姫と出会うことになる。

 ここで現代のプレーヤーに改めて強調しておきたいのは、本作はオープンワールドの最新作「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」2作とは大きく異なるプレイフィールを持っているということだ。広大な世界をどこからでも自由に攻略できるわけではなく、ハイラル城でゼルダ姫と出会い、彼女の導きや各地で発生する異変に従って、基本的には明確な順番に沿って物語を進めていくという、いわゆるリニアな構造を採用している。

 しかし、だからこそプレーヤーの導線が緻密に計算されており、次にどこへ向かい、何をするべきかという目的意識が途切れることがない。組み立てられた圧倒的なドラマの密度こそが、物語を最高潮へと導いてくれるのだ。ちなみに「時の軌跡」という新機能で、次に何をすべきかもわかるようになっているので、どちらかというと現在のJRPGに近いような構造なっているとも言える。

こども時代のリンクの行く先々に現れ助言を与える巨大なフクロウ、ケポラ・ゲボラ

快適性を極めたUIと、研ぎ澄まされたダンジョン・ボス戦の極意

 ダンジョン探索や謎解きにおいても、現代の基準に合わせて遊びやすさが劇的に向上している。

 最大の変更点のひとつが、アイテム選択中やメニュー画面を開いている最中に、ゲーム進行が完全に止まるようになったことだ。これにより、激しい戦闘中であっても落ち着いてアイテムを選ぶことができるようになり、アクションが苦手なプレーヤーへの間口が大きく広がった。なお、アクション好きながらアクションが不得手な筆者は、このアップデートで大変に助かった。

 アイテムの選択などのショートカットも簡単になっていて、現代らしいアップデートがされている。

LRボタンとZRボタンで、移動中でも簡単にアイテムを切り替えられる

 また、ハイラル城下町のクスリ屋で、ムシを捕まえるとお礼に空きビンがもらえる新たなイベントが追加されているなど、寄り道要素として追加・変更されている部分がある。どこがどう変わっているのか、細かい部分はやりこんだプレーヤーでないと気付かないところもあるが、全体的にはオリジナル版では感じられたストレスを軽減したり、プレーヤーの体験の向上につながる部分が多いと感じられた。

 ダンジョンについては、大筋の構造はオリジナル版に準拠している。オリジナル版で多少ストレスに感じた宝箱の取り方が変わっているなど、こちらも細かい点でプレイフィールが良くなっているような調整が入っている。ダンジョンはどれも構造的で、それを利用した「目玉のスイッチを射抜く」「ブロックを押して足場にする」「木の枝を使って火を移す」といった直感的な謎解きは、どこかスタイリッシュさすら感じさせてくれるだろう。

任意でカメラを動かしたりジャンプができるようになったことで、新たな攻略法を見つけられるダンジョンもあるのかもしれない

 プレーヤーの感覚を意識した演出はボス戦にも当てはまる。どのボス戦においても、ボス部屋に入った瞬間から楽しませる内容で、言うなれば起承転結の「起」と「承」に当たる部分をとにかく丁寧に演出している。例えば最初のボスであるゴーマ戦では、一見何も無い部屋と勘違いしたプレーヤーがふと視点を変えて天井を見上げた瞬間に、巨大な一つ目と目が合うという強烈な驚きを与えてくれたりした。

 さらに「転」にあたるのは、プレーヤー自身の手でボスの弱点を見抜くこと。そのヒントも絶妙に散りばめられており、最後までダレずに楽しめる。そして、「結」となる幕引きの演出も良い。崩れおちる、破裂するといったように、登場するボスは劇的な最期を遂げてどれも印象的だ。

マスターソードが繋ぐ2つの時代

 本作の大きな特徴は、平和な「こども時代」から、過酷な宿命を背負う「おとな時代」への劇的な転換である。

 こども時代の冒険の果てに、リンクは「時の神殿」へとたどり着き、台座に眠る伝説の退魔の剣「マスターソード」を引き抜くことになる。その瞬間、リンクの魂は7年の時を超え、青年へと成長した「おとなリンク」として目覚めるのだ。

 そして、一歩神殿の外へ踏み出したときの衝撃は計り知れない。詳細はネタバレになるためあえて触れないが、「こども時代の眩い光」と「おとな時代の底知れぬ闇」の鮮烈なコントラストこそが、本作の物語を単なるファンタジーから、重厚なドラマへと押し上げている最大の要因であると言えるだろう。

 リメイク版においてこのコントラストはさらに鋭利に研ぎ澄まされ、プレーヤーの心を激しく揺さぶる見事な演出となっている。そして本作のゲームプレイにおいて極めて重要なのが、「マスターソードを台座に納めれば再びこどもの姿に戻り、こどもとおとなの時代を行き来して冒険を進めることができる」というタイムトラベルのシステムである。

 さらに、おとなリンクとこどもリンクでは「扱えるアイテムに違いがある」という制約が存在する。こども時代に使っていたパチンコやブーメランは扱うことができない。代わりにおとな時代では、強力な「妖精の弓」や、離れた的へ移動できる「フックショット」といった新たな装備を駆使することになる。

 逆に、小さな穴を通り抜けたり、特定の人物から話を聞き出したり、こども専用のアイテムを使うには、神殿に戻って剣を納め、こども時代に戻らなければならない。時代を行き来し、2つの時代で異なるアイテムをパズルのように組み合わせて世界の謎を解き明かしていく。この立体的かつ重層的なシステムこそが、本作がいまだに賞賛されている面白さなのである。

鼻歌で奏でる。没入感を極めたオカリナ演奏と、究極のインタラクティブ音楽

 本作の最重要アイテムであるオカリナは、ほかのアイテム群とは別扱いで、十字ボタン左ですぐに使用できるようになった。さらに演奏画面でZLボタンを押せば、すぐに楽譜を参照できる親切仕様だ。

 そして本作最大の驚きと言っていいのが、Switch2のマイク機能を利用し、実際にプレーヤーの鼻歌でオカリナを吹くことができる機能の実装である。

 実際にマイクに向かって音階を鼻歌でなぞることで、ゲーム内のオカリナがその音を拾い、美しい音色としてハイラルの空気に溶け込んでいく(なお、若干音痴に近い筆者の鼻歌でもきちんと認識される。すごい)。

 楽器での演奏も認識してくれるようになっているので、実際にオカリナを吹いて認識させることもできるようだ。筆者としては、何よりも「いつでも楽譜が見られるとはいえ、ボタンの配置を覚えなくても良い」という点を高く評価したい。

 なお、BGMのアレンジも素晴らしい。そもそもオリジナル版の時点でも、BGMの評価は突出していた。フィールドBGMはプレーヤーの操作や状況などに合わせて楽曲が少しずつシームレスに変化するという、当時としては類を見なかったインタラクティブなものである。敵と相対するとBGMが緊張感の高いものになったり、昼と夜で音楽が変わるなど、今でこそ当然のように実装されているものではあるが、当時は相当なチャレンジだったはずだ。

 そういったインタラクティブな音楽的なチャレンジはもちろんのこと、今回のリメイク版では原曲の持つ良さをそのまま活かし、当時のイメージを損なうことなくアレンジされている。特に長く旅をすることになるハイラル平原のBGMは、昼間は温かみのある音が厚く、夜は静けさを感じさせる音で、プレーヤーの耳を楽しませてくれるようになっている。楽しい思い出や切ない思い出など、全てが良質なアレンジBGMで、グレードアップしているのだ。

「ブレワイ」「ティアキン」とは異なる、凝縮された35時間程の濃密なドラマ

 最近の「ゼルダの伝説」といえば、「ブレス オブ ザ ワイルド」や「ティアーズ オブ ザ キングダム」でプレイ時間が100時間を超えるような、果てしないオープンワールドを想像する読者も多いかもしれない。

 ただ、本作は先述したように、どちらかというと一本道のいわゆるリニアな構造となっている。プレーヤーの歩みを物語の進行と密接に絡み合わせた、非常にストーリーテリングの強い作品であり、リメイク版においても、クリアまでの想定プレイ時間は約30~35時間ほどに収まるだろう(攻略を全て覚えているプレーヤーならば、20時間程度でもクリアできてしまうと思われる)。

 だが、それは決してボリューム不足を意味するものではない。劇的に進化したキャラクターのモデリングや表情の芝居、再構築された美麗なカットシーンなど、ビジュアル面や演出面での魅力はすさまじい。

 こども時代からおとな時代へと成長し、時代を行き来しながら数奇な運命を乗り越えていくリンクの過酷な宿命のドラマは、オープンワールドの自由さとはまた違う、強烈な求心力を持っている。立体空間に時間の概念を加え、さらに時空を超える四次元的なアプローチも取り入れることで、体験がとにかく濃厚に詰まっている。100時間のオープンワールド探索に全く引けを取らないような満足感を与えてくれるはずだ。

街でも時間経過があることはちょっと不便。こども時代の移動手段が徒歩ベースなのも変わらず

 ここまで「時オカ」の良い部分を書いてきたが、実際にプレイしてみて「ここは少し不便だな」と苦言を呈したくなる部分もあった。

 ひとつは、リメイク版における「街中での時間経過」だ。オリジナル版では、ハイラル平原で日が落ち始めた夕暮れ時に街へ駆け込めば、街の中では時間が経過せず、お店はずっと開いたままだった。しかし本作では、世界全体でシームレスに時間が流れるようになったため、街の中にいても容赦なく夜が訪れる。

 結果として、「アイテムを買おうと街に入ったのに、お店に向かっている途中で完全に夜になってしまい、目の前で店が閉まる」という事態がかなりの頻度で起こった。時間をつぶすか、特定の手段で時間を進めるしかなく、このリアルさはゲームのテンポを少々阻害しているように感じられた。

街中でも時間が止まらなくなり、よりリアルタイムに物語が進んでいくように。昼間ならでは、夜ならではの街を楽しめる一方で、タイミングが合わないと「行きたい店が閉まっている」などの不便さをどうしても感じてしまう

 そしてもうひとつは、こども時代におけるハイラル平原の移動手段である。当然ながらこどもリンクは愛馬エポナに乗ることができず、広大な平原をひたすら自らの足で移動しなければならない。

 オリジナル版から指摘されていた点ではあるが、物語の都合上、こども時代はあちこちを何度も往復することになるため、移動手段が徒歩ベースなのはどうしても面倒に感じる部分がある。特に現代のゲーマーにとっては、この序盤の移動の連続は少し根気を要求されるかもしれない。

元祖3Dゲームが、現代の爽快な一作へと辿り着いた瞬間

 1998年に産声を上げた「時オカ」は、間違いなくゲーム史に残る偉大な名作であった。後世の3Dアクションゲームの流れを見ても、本作が主流となる操作体系を先取りしていたことは間違いない。だが、時代が経つにつれ、今からプレイし直すにしてはシステムや操作性の古さがどうしても否めなくなっていたのも事実だ。

 今回のリメイク版は、「時オカ」本来の価値を損なうことなく、自由なフリーカメラ操作による解放感、遊びやすさを飛躍的に高めた新アクションとUI、そしてマイク機能という新たな体験の提示によって、見事に現代に蘇らせた。

 これは、単なる過去の名作の復活とは異なる。元祖3Dゲームの骨格に現代らしい肉付けを施すことで、2026年現在の最新のゲームとして、より素晴らしい完成度へと辿り着いている。

 当時、ブラウン管の前でハイラル平原の広さに圧倒され、過酷な運命に立ち向かったかつてのこどもたちはもちろんのこと、「ブレワイ」や「ティアキン」から「ゼルダ」の世界に触れた新たな世代のファン、さらには「ゼルダ」シリーズ初見のプレーヤーも含め、すべてのプレーヤーが本作にマッチすると思う。

 生まれ変わった、時を超える冒険。本作をプレイすれば、どの世代も等しく心を奪われ、懐かしさと新しさに喜びの声をあげることになるだろう。