レビュー

ARグラス「XREAL 1S」レビュー

何でも“3D化”できる! Switch2ユーザーに嬉しい「XREAL Neo」も紹介

【XREAL 1S/XREAL Neo】
1月下旬 発売予定
価格  XREAL 1S:67,980円
XREAL Neo:14,580円

 ARグラスを積極的に展開している中国のXREAL。2025年1月にネイティブ3DoFへの対応を果たした「XREAL One」、同年7月に視野角を向上させた上位モデル「XREAL One Pro」を発売しているが、2026年も早速新製品を投入する。それが「XREAL 1S」だ。

 「XREAL 1S」は「XREAL One」の改良モデルで、引き続き自社開発チップ「X1」を搭載することでネイティブ3DoFに対応しているほか、同社のARグラスとしては初めて1,920×1,200ドット(WUXGA)に対応。そして2D映像を3Dへ変換する新機能「3Dスペース」を実装した。さらに、Switch2のTVモードに対応する多機能モバイルバッテリー「XREAL Neo」も同時発売される。

 本稿では「XREAL 1S」および「XREAL Neo」のレビューをお届け。ポータブルゲーミングPCやNintendo Switch 2との組み合わせで、どこでも大画面でゲームをプレイできる本製品の魅力を紹介していく。

【XREAL 新製品発表会(XREAL 1S & XREAL Neo)】

ガジェット感が薄れた「XREAL 1S」。スペック面では初めてWUXGA対応に

 まずは「XREAL 1S」の外観とスペックを確認していこう。先述のように「XREAL 1S」は2025年1月に発売された「XREAL One」の改良モデルで、解像度や輝度が向上しているほか、後述する新機能「3Dスペース」を搭載した。基本的なデザインやボタン配置はそのままだが、カラーがブラックからミッドナイトブルーへと変更されており、見た目だけで判別は可能だ。

 ARグラスは“サングラス型ディスプレイ”とも呼ばれているが、まだ“サングラス”というには少しゴツい印象を受ける。一方で過去のモデルからデザインが洗練され、筆者所有の「XREAL Air 2 Pro(2023年11月発売)」と比較すると、よりスマートになりガジェット感が薄れているのは確かだ。

【「XREAL 1S」の外観】
こちらが「XREAL 1S」。ぱっと見はサングラスのようだが、実はマイクロOLEDパネルを内蔵したARグラスだ
正面から見ると、複雑な光学設計であることがわかる
画像ではわかりにくいが、カラーはミッドナイトブルー。深みのある青という印象だ
レンズ部分は分厚く、一般的なメガネとは全く異なる
テンプルは太めだが、ここにスピーカーが搭載されている
鼻あては交換可能。標準で装着されているMサイズのほかに、S/Lサイズが同梱されている
フロントフレームは交換可能で、純正の「XREAL Frame」やサードパーティーのフレームでイメージチェンジできる
操作系は左耳側のテンプルに集中。下側はメニューを呼び出す赤い「Xボタン」とメニュー操作や音量調整が可能な「ボリュームボタン」を搭載
上側には任意の操作を割り当てられる「ショートカットボタン」がある
映像入力はUSB Type-Cの1系統のみとなる
【「XREAL Air 2 Pro」との比較】
左が「XREAL 1S(後述のXREAL Eye装着済み)」、右が「XREAL Air 2 Pro」となる
正面から見ると、あまり大きな違いはないように見えるが……
側面から見ると「XREAL 1S」はレンズフレームが薄くなり、よりサングラスに近いデザインとなった
前後の重量バランスに大きな違いはなく、着け心地はあまり変わらない印象だ
光学設計が改良され「XREAL 1S」ではレンズが大きくなっていることがわかる

 ディスプレイは、ソニー製のマイクロOLEDパネルを採用しており、解像度は1,920×1,200ドット(WUXGA)でリフレッシュレートは最大120Hz。これまでXREALから発売されてきたARグラスは、全て1,920×1,080ドット(フルHD)であったため、微増ではあるが解像度向上を果たした。これに加えて光学設計も改良し、視野角が52度まで向上したことで「XREAL 1S」では“10m先に385インチ相当”を謳っている。

 なお、視力補正機能は搭載されておらず、視力が悪い場合は眼鏡の上に「XREAL 1S」をかけるか、別途インサートレンズの購入が必要となる。筆者の経験として“メガネonメガネ”は装着感が非常に悪いため、インサートレンズの購入をオススメする。なお「XREAL 1S」のインサートレンズは、「XREAL One」のものと互換性があるが、「XREAL Air」シリーズのものは装着できないため注意が必要だ。

【ディスプレイ・レンズ部分】
このレンズの下に0.68インチのマイクロOLEDパネルを搭載。解像度はWUXGA、リフレッシュレートは最大120Hzに対応する
マイクロOLEDパネルに映し出される映像を、バードバスと呼ばれるレンズを通して見ることになる
【インサートレンズ】
視力が悪い方にオススメのインサートレンズ。XREAL公式パートナーの「JUN GINZA」などで別途購入する必要がある
装着する穴はゴムキャップで塞がれている
パチッとはめ込むと装着完了
レンズの手前にインサートレンズがあり、くっきりとした映像を眼鏡なしで楽しめるようになる
「XREAL Air」シリーズのインサートレンズとは互換性がないため注意が必要だ
【「XREAL One」シリーズの比較】
XREAL 1S(本製品)XREAL One ProXREAL OneXREAL Air 2 Pro(参考)
発売日2026年1月下旬2025年7月24日2025年1月17日2023年11月17日
価格(発売当時)67,980円84,980円69,980円61,980円
パネル0.68インチ Micro-OLED(ソニー製)次世代0.55インチ Micro-OLED(ソニー製)0.68インチ Micro-OLED(ソニー製)0.55インチ Micro-OLED(ソニー製)
解像度1,920×1,200ドット(1,200p)1,920×1,080ドット(1,080p)1,920×1,080ドット(1,080p)1,920×1,080ドット(1,080p)
リフレッシュレート最大120Hz最大120Hz最大120Hz最大120Hz
最大輝度700nit700nit600nit500nit
光学設計バードバスX Prismバードバス光学エンジン2.0
FOV(視野角)52度57度50度46度
バーチャル画面サイズ(参考)10m先に385インチ相当10m先に428インチ相当10m先に367インチ相当10m先に330インチ相当
プロセッサXREAL X1XREAL X1XREAL X1-
3DoF/6DoFネイティブ3DoF対応/6DoF対応(XREAL Eyeが必要)ネイティブ3DoF対応/6DoF対応(XREAL Eyeが必要)ネイティブ3DoF対応/6DoF対応(XREAL Eyeが必要)3DoF対応(XREAL Beamが必要)/6DoF非対応
3Dスペース(3D変換)対応アップデートで対応予定アップデートで対応予定非対応
サウンドSound by Bose カスタマイズ音響Sound by Bose カスタマイズ音響Sound by Bose カスタマイズ音響第2世代サウンドシステム
エレクトロクロミック調光(レンズ透過率)3段階3段階3段階3段階
重量82g87g75g75g

 「XREAL One」シリーズの最大の特徴は、グラス単体での「ネイティブ3DoF」を実現したこと。2023年まで展開された「XREAL Air」シリーズは、どの方向を向いても映像が目の前に固定される「0DoF」にとどまっており、頭と首の動きを認識して映像を配置できる「3DoF」には別売りのデバイス「XREAL Beam」が必要だった。

 だが、現在販売されている「XREAL One」シリーズは、独自開発の空間コンピューティングチップ「X1」を内蔵したことで、グラス単体で「3DoF」や「ウルトラワイドスクリーン表示」といった処理が可能となったほか、「XREAL 1S」では2D映像を3D映像に変換する新機能「3Dスペース」が実装された。

【0DoF/3DoFの違い】
「XREAL 1S」は空間コンピューティングチップ「X1」を内蔵
0DoFのイメージ。「XREAL Air」シリーズは、どの方向を向いても映像が目の前に固定される「0DoF」に留まっていた
3DoFのイメージ。「XREAL One」シリーズは頭や首の動きを認識して、映像を配置できる「3DoF」をグラス単体で実現している

 さらに、別売りの「XREAL Eye」を装着すると空間を認識する「6DoF」に対応し、VRヘッドセットのように空間上に映像を配置できるほか、写真・動画撮影も可能となる。「XREAL 1S」単体でも十分に楽しめるが、ARグラス体験を拡張してくれる面白いガジェットなので、興味のある方は同時購入をオススメしたい。

【XREAL Eye】
別売りの「XREAL Eye(価格:13,980円)」
一眼の小さなカメラで空間を認識し、VRヘッドセットのような「6DoF」を実現する
「XREAL 1S」を含む「XREAL One」シリーズに装着可能。ゴムキャップを取り外して「XREAL Eye」を装着する
こちらが「XREAL Eye」を装着した「XREAL 1S」
非常に小さく目立たないデザイン。写真・動画撮影時はカメラの周囲が光るため、プライバシーにも配慮されている
6DoFのイメージ。「XREAL 1S」と「XREAL Eye」の組み合わせで、手軽に6DoFを体験できる

大画面でのゲームプレイは最高! ポータブルゲーミングPCと相性抜群

 ここからは実際に「XREAL 1S」を使っていく。まず、前提として「XREAL 1S」を使用するには、映像出力(DP Alt Mode)に対応したUSB Type-Cを搭載するデバイスが必要となる。昨今のノートPCやスマートフォンにはよくUSB Type-Cが採用されているが、利用するデバイスが映像出力に対応しているかどうかを確認しておこう。

 また、USB Type-Cを搭載していなくても、HDMI機器からの映像出力をUSB Type-Cに変換するアダプターがサードパーティーから販売されている。これらを利用することで、PS5やXbox Series X|Sといったコンソール機、デスクトップPCの映像を映し出すことも可能だ。

【「XREAL 1S」の映像入力】
「XREAL 1S」を利用するには、映像出力可能なUSB Type-C端子を搭載したデバイスが必要となる
今回使用したポータブルゲーミングPC「ROG Xbox Ally X」はケーブル1本で「XREAL 1S」と接続可能だ
筆者所有の「iPhone 16 Pro Max」とも接続できた。だが「iPhone 16e」など映像出力非対応のモデルもあるので注意が必要だ
HDMI機器からの映像出力をUSB Type-Cに変換するアダプターもある。これを使ってコンソール機の映像も映し出すことが可能だ

 今回は、オプションの「XREAL Eye」と筆者の視力に合わせたインサートレンズを装着し、ポータブルゲーミングPC「ROG Xbox Ally X」に接続して、いくつかゲームをプレイしてみた。

 お借りできた時期が年末年始だったこともあり、移動中や帰省先など様々な場面で「XREAL 1S」を使ってみたのだが、やはりどんな環境でも大画面を体験できるのがARグラス最大のメリットだ。個人差があるため、全員が「10m先に385インチ相当」を体感できるわけではないが、確かに数m先に大きな画面があるような感覚でゲームを楽しめる。

 昨今、4KやWQHDのゲーミングモニターが多数ラインナップされている中で、「XREAL 1S」の1,920×1,200ドットという解像度は物足りなく見えるかもしれないが、実際はそんなことはなく、小さな文字も難なく読める。マイクロOLEDの発色はよく、最大120Hzのリフレッシュレート、3msの応答速度も相まって、快適にゲームをプレイできた。

 また、ポータブルゲーミングPCとの相性は抜群で、PCゲームをいつでもどこでも大画面でプレイできる。新幹線での移動中に積みゲーを消化したり、帰省先で少し暇になったタイミングに「XREAL 1S」をかけてゲームをプレイしていると話のタネになったり、色々と楽しいゲームライフを送ることができた。

【「XREAL 1S」使用中の様子】
暗室でレンズ越しに撮影した様子。発色がよく、非常に鮮明な映像を体験できる
筆者がいつもプレイしている「ゼンレスゾーンゼロ」。移動中も大画面でプレイでき、非常に満足だった
ポータブルゲーミングPC「ROG Xbox Ally X」と組み合わせれば、外出先でも大画面でPCゲームをプレイ可能だ

 加えて、筆者は「XREAL Air 2 Pro」を愛用しているのだが、「XREAL 1S」でかなりの進化を感じたのはサウンド面だ。スピーカーにはBoseと共同開発したコンポーネントを搭載。Air 2 Proは若干シャカシャカとした音質だったのだが、1Sは音の厚みが増し、低域も豊かになったことで、ヘッドホンなどがなくても十分楽しめるようになった。

【「XREAL 1S」のスピーカー】
音響機器メーカーのBoseと共同開発したスピーカーを搭載
ヘッドホンいらずで十分なサウンドを楽しめる

どんな映像ソースも3D化! 新機能「3Dスペース」

 さらに「XREAL 1S」で初搭載となる新機能が「3Dスペース」だ。本機能は、空間コンピューティングチップ「X1」を活用して、2D映像を3D映像へと変換するもの。全ての映像ソースに適用可能で、映画からゲームまで様々なコンテンツを3D化できる。

 今回はゲームを中心に「3Dスペース」を試してみたのだが、オンにすると確かに奥行きのある映像となる。一人称視点や風景のシーンでは3D化の恩恵をより受けることができ、より没入感を得られるようになった。3D映画のように飛び出して見えるような感じではないが、ゲームを新たな視点で楽しめる面白い機能だ。

【3Dスペース】
後述の「XREAL Neo」を経由して、Switch2の「Pokemon LEGENDS Z-A」で3Dスペースをオンにしている様子
画像では伝わりにくいが、奥行きのある映像へと変換されている。3Dの度合いは4段階から変更可能だ
こちらは「マリオカートワールド」。ゲームを新たな視点で楽しめるので、ぜひ一度体験してみてほしい

 だが「3Dスペース」は内部処理の都合上、フレームレートが30FPSに制限されるので、動きの激しいゲームには向いていない。また、あくまで2D映像を3Dへ変換しているため、稀に不自然な映像となる場面も見られた。動きの少ないRPGやシミュレーションゲーム、アニメや映画鑑賞ではかなりの効果を発揮するので、場面に応じて使い分けたい機能だ。

 なお「3Dスペース」は、同じく「X1」を搭載したARグラス「XREAL One」および「XREAL One Pro」でのアップデートで展開予定となっている。

「3Dスペース」は発売済みの「XREAL One」や「XREAL One Pro」にもアップデートで展開予定だ

Switch2ユーザーは必須! 「XREAL Neo」でどこでもTVモードを実現

 ここまで「XREAL 1S」をレビューしてきたが、ここからは同時発売の「XREAL Neo」も紹介しておきたい。「XREAL Neo」は、ARグラス利用時にスマートフォンやノートPCへ給電できるモバイルバッテリーだ。バッテリーサイズは10,000mAh(38.7Wh)で、内蔵するUSB Type-Cケーブルから最大40WのUSB PD出力に対応している。

 「XREAL 1S」はバッテリーが搭載されておらず、USB Type-Cで接続したデバイスから給電されており、スマートフォンやノートPCのバッテリーを消費しながら動いている。だが「XREAL Neo」を使用すると、スマートフォンやノートPCを充電しながらARグラスを使うことができ、駆動時間を延長させることができるのだ。

【XREAL Neo】
多機能なモバイルバッテリーの「XREAL Neo」
10,000mAhのモバイルバッテリーとしては比較的小型(画像はiPhone 16 Pro Maxと比較)
ストラップのように見えるものは、実はUSB Type-Cケーブルでここからデバイスに給電する
右サイドには「XREAL Neo」を充電するためのUSB Type-Cポートがある
左サイドには「XREAL 1S」をはじめとするARグラスを接続可能なUSB Type-Cポートを搭載
背面には角度調整可能なスタンド
iPhoneに搭載されている「MagSafe」互換のマグネットを内蔵
ピタッと貼り付けることが可能だ。なおワイヤレス充電には対応しておらず、USB Type-Cケーブルで充電する必要がある
底面には残量を確認可能なインジケーターを搭載
接続イメージ。「XREAL Neo」は映像出力のパススルーが可能なので、「ROG Xbox Ally X」を充電しながら「XREAL 1S」を接続できる

 また「XREAL Neo」にはもう一つの特徴がある。それは「Nintendo Switch 2」および「Nintendo Switch」のTVモード出力を可能にするドック機能だ。実はSwitch2とSwitchに搭載されているUSB Type-Cポートは、DP Alt Modeに準拠しておらず、通常であればDisplayPortやHDMIを搭載したUSBハブでも映像出力はできない。

 だが「XREAL Neo」はSwitch2とSwitchのTVモード対応を果たし、ゲーム機本体に給電しながら「XREAL 1S」をはじめとするARグラスへの映像出力が可能となった。これによって、外出先でもSwitch2ゲームを大画面で楽しむことができる。実際、特に不具合などなく、移動中や帰省先で「マリオカート ワールド」や「あつまれ どうぶつの森」をプレイできた。

 手軽に大画面でSwitch2/Switchゲームを楽しめるようになるため、Nintendo Switch 2/Nintendo Switchユーザーには必須のデバイスだ。

「XREAL 1S」をSwitch2に直接接続しても映像は映らない
だが「XREAL Neo」を経由することで、Switch2/SwitchのTVモードを「XREAL 1S」で楽しめる
今回はSwitch2で検証したが、特に設定変更などはいらず接続するだけでTVモードとなった
先述のように「XREAL 1S」は持ち運べるゲーミングモニターであるため、十分な画質でSwitch2ゲームをプレイできる
外出先でも大画面で楽しめるため、Switch2/Switchユーザーには必須のデバイスだ

バランスのいい「XREAL 1S」。家でも外でも大画面でゲームをプレイしたい人にオススメ

 ここまで「XREAL 1S」および「XREAL Neo」のレビューをお届けしてきた。「XREAL 1S」は、ネイティブ3DoFやWUXGA解像度への対応、新機能「3Dスペース」など、ARグラスのメインストリームとして使いやすく、バランスのいいモデルだ。特にポータブルゲーミングPCとの相性がよく、ケーブル一本でPCゲームを大画面でプレイできるため、家の中だけでなく外出先でも活躍してくれる。

 また「XREAL Neo」を使えば、Switch2/SwitchゲームをTVモードでプレイできるなど、大画面派のゲーマーには最高の組み合わせになってくれる。「XREAL Neo」は別売りではあるが、「XREAL 1S」と同時購入すると割引となるセールも行なわれているため、ARグラス生活を始めたい方はこの機会にぜひ検討してみてほしい。