レビュー
かわいい世界観とは裏腹に過酷な子ネズミ生活を楽しめる「Winter Burrow」レビュー
洋風絵本のような世界で自由気ままにサバイバル!
2025年11月13日 02:00
- 【Winter Burrow】
- 11月13日 発売
- 価格:2,300円
Noodlecake StudiosとPine Creek Gamesは、Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Steam、Microsoft Store)用癒やし系の森サバイバルゲーム「Winter Burrow」を11月13日に発売する。
「Winter Burrow」は、両親とともに都会暮らしをしていたネズミが、両親の死をきっかけに幼いころ住んでいた故郷へと帰り、荒れ果てていた思い出の家を修復していくサバイバルゲーム。
まだ故郷に住んでいたおばの力を借りながら、巣穴を修復していくのだが、そんなおばが目の前でフクロウに攫われてしまう。ネズミはフクロウに攫われ行方不明になったおばを助けるべく森の奥地へと入っていく。
プレーヤーはネズミを操作しながら、素材を探して外を散策したり、家の中を整備したり、そしておばを探しに行ったりと自由にこの世界を楽しむことができる。
今回はそんな「Winter Burrow」を発売に先駆けて体験することができたので、その魅力を紹介していく。
絵本のような可愛らしい世界観がプレーヤーを引き込む
本作は世界全体が洋風の絵本のような作画タッチで描かれており、とても可愛らしい世界となっている。見下ろし型の視点ではあるが、主人公がネズミであるため森の中の草花や木も大きく、よりファンタジーらしさを感じられる。
また、ストーリーは静止画と文字で展開され、より絵本の世界にいるような感覚になれる。
「Winter Burrow」というタイトルにもある通り、季節は冬。外は一面雪化粧をしている。過酷な世界でのサバイバルとなるのだが、ネズミが歩いたところには小さな足跡が点々とつき、非常にかわいらしい。
そんな可愛らしい世界で暮らし、冒険できるのも本作の魅力だ。
クラフトして家を直して、冒険に出かけよう
主人公には、攻撃を受けたり、空腹状態や寒さが極限に達したときに減り、寝ることで回復する体力を示す「健康」や、食事をすることでゲージが満タンになり、ゲージが空になると健康ゲージが減る「満腹度」、寒い空気に晒されていることでどんどんゲージが減っていき、完全になくなると健康ゲージが減る「暖かさ」、過酷な労働をし続けるとゲージが減り、完全になくなるとゲージが少し回復するまで労働できなくなる「スタミナ」の4種類のステータスがある。
これらのゲージを気にしながら家を修復したり、冒険に必要なアイテムを作るための素材を集めたり、さらわれたおばを探して冒険に出かける。
今回プレイして特に気になったのが食糧問題と寒さ問題だった。はじめのうちは満腹度があまり回復しない食料が多く、その分持ち運ぶ量が多くなり、インベントリを圧迫する。また、寒さも厳しく、暖かい洋服を装備しても「暖かさ」ゲージが減っていくため長時間の行動ができない。頻繁に家に帰ったり、冒険の道中でキャンプファイヤーをするなど暖を取るための行動にかなり気を配った。
「満腹度」や「暖かさ」のゲージ管理を怠ると健康ゲージも減っていき、最終的に気絶してしまう。気絶すると家に戻されるが、今まで集めたアイテムを力尽きた場所に置いてきてしまう。気絶した場所まで戻ることができれば落としたアイテムは回収できるが、それが家から遠く離れた場所だとそこにたどり着くまでの準備などで少し時間を要する。
また、主人公はアイテムのインベントリ数が限られている。そのうえ、1つのアイテムも最大20個までしか持てない。
これらの集めたアイテムを家で様々なアイテムに加工できる。加工するクラフトレシピは物語が進行するとアンロックされたり、主人公が出会うキャラクターたちが教えてくれる。そのレシピをもとに家を修復して飾り、冒険に必要なアイテムを整える。
またクラフトした家具はプレーヤーの好きな場所に配置することができる。冒険だけでなく、プレーヤー好みの家のレイアウトを作ることも可能だ。
新しくものが作れるようになるのは楽しいし、家の中が修復されていくとすっきりする。料理も作れるし、生活に必要な物、冒険に必要な物がたくさんクラフトできるのは、サバイバルアドベンチャーが好きなプレーヤーからするとワクワクするだろう。
冒険に必要なツールやアイテムなどもクラフトでき、クラフトしたツールは気絶してもインベントリに入ったままだ。気絶しても完全に1からやり直さなくていいのは非常に助かる。
また、大きなリュックをクラフトすることで、持ち運べるインベントリも増やすことが可能となっている。冒険を進めキャラクターたちと出会うことでできる範囲が増えていくのはゲージやアイテムの減りに怯えながらも進んだ甲斐を感じられる。
冒険は常にハラハラドキドキがつきまとうが、その緊張感を乗り越えた分主人公のネズミが得られるものも多い。
冒険は危険がいっぱい
本作ではフクロウにさらわれたおばを探すために、家から遠く離れた場所を冒険する。
家の周辺は比較的安全な地域なので油断していたが、そこから一歩出ると、敵対する虫などに襲われることが多くなる。虫たちは決して強いわけではないが、じわじわと攻撃を仕掛けてくるので応戦している間に気が付けば健康ゲージや満腹度ゲージが減っていてピンチとなることも多かった。
未知の場所を訪れるたびに、ここではどんなスリルを味わうことになるのかと心がはずむ。
それに加え、冒険する時間が長くなればなるほど、食べ物などのアイテムが消費されていき、手持ちのアイテムでどこまで進めるのか、そして無事に帰れるのかと考える必要がある。外ではクラフトできないので、どこまで進むか、どこで戻るかを決断するのも本作のおもしろさだ。
また、物語が進んでいくと謎解きのような場所もあり、展開が単調にならず楽しむことができた。
本作は、可愛らしい世界観とその世界観とは裏腹に主人公のネズミが暮らす環境の厳しさをプレイしながら体感できた。絵本のようにかわいいからとほのぼのとしたゲームなのだろうと思っていただけに、いい意味でその予想は裏切られ、骨のあるプレイを体験できた。
物語の中では、主人公のネズミとおば以外にも森の中で出会うカエルのおばさん親子の話もなかなかにシビアで、人間模様ならぬ動物模様をうかがい知ることができる。
かわいい絵本が好きな方だけでなく、ハラハラドキドキなサバイバルが楽しみたい方にもオススメの作品だと感じたのでぜひ興味がある方はプレイしてみてほしい。





















































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