レビュー
「ゼルダ無双 封印戦記」レビュー
パワフルなラウルたちも出てくるシリーズ最新作はゾナウギアなど爽快な新アクションが登場!
2025年11月5日 12:00
- 【ゼルダ無双 封印戦記】
- 11月6日 発売予定
- 価格:
- 8,980円(通常版)
- 17,780円(TREASURE BOX)
前作より5年ぶりとなるシリーズ最新作「ゼルダ無双 封印戦記」が、Nintendo Switch 2 専用タイトルとしてコーエーテクモゲームスより11月6日にリリースされる。本作は、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の中で描かれていた過去の出来事である「封印戦争」に焦点を当てた作品である。
「ゼルダの伝説」シリーズをプレイしていない人のために少々補足しておくと、作品の世界観としては任天堂からリリースされた「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(以下、ブレワイ)や「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」(以下、ティアーズ)と同じだ。
ここがややこしいところだが、「ブレワイ」と「ティアーズ」は時系列順であるが、「ゼルダ無双」は少々扱いが異なっている。前作の「ゼルダ無双 厄災の黙示録」は、「ブレワイ」で描かれていた100年前のできごとに焦点を当てた作品だ。そちらと同じように、今回の「ゼルダ無双 封印戦記」では「ティアーズ」の世界で描かれていた過去の出来事である「封印戦争」に焦点が当てられている。
つまり、前作の「ゼルダ無双 厄災の黙示録」自体はプレイしていなくてもストーリー的にはさほど影響はない。だが、「ティアーズ」に関しては、ややネタバレ的な要素が含まれているのである。そのため、可能ならば「ティアーズ」をクリアした後で本作をプレイしたほうが、より世界観を深掘りして楽しむことができるだろう。
ということで少々前置きが長くなってしまったが、リリース前に本作をプレイする機会がもらえた。今回はレビューの範囲にあたる3章をクリアするところまで遊んでいるが、こちらの記事ではそこからわかったゲームの特徴や魅力についてご紹介していく。なお、本作はSwitch2専用タイトルとなっているため、記事内のボタンの記載はそちらに準拠したボタンの名称で操作方法などを説明する。
過去の世界でゼルダ自身が体験する伝説の戦い!
本作のゲームの舞台となるのは、「ティアーズ」のゲーム冒頭でも描かれていたもうひとつの物語だ。リンクとハイラル城の地下を探索中にミイラ化したガノンドロフを発見。その直後に地割れが発生して、ゼルダは穴に落ちてしまう。本作の物語は、ゼルダが穴に落ちた後でなぜだか過去の世界に行き、そこでハイラル王国の初代国王であるラウルと初代王妃のソニアと出会うところからスタートする。
その後、「ティアーズ」の冒頭にも登場した「封印戦争」の壁画のできごとを、ゼルダ自身が体験することになるというのが大まかな物語だ。そのため、主人公的な視点としてはゼルダを中心に描かれていくのだが……実は、もうひとつ、本作の冒頭で登場するのが謎のゴーレムの存在である。
こちらはハイラルを旅しているコログのカラモが発見し、共に冒険をする相棒という役割のキャラクターなのだが、なぜだか見た目や雰囲気がどことなくリンクに似ているところがポイントとなっている。はたしてこの謎のゴーレムの正体は一体なんなのか? といったところも、興味をそそられるポイントである。
ちなみにゲーム序盤はチュートリアル的な要素が盛り込まれた作りになっており、キャラクターの移動の仕方から始まり攻撃方法など基本的な操作を学んでいくことができる。その中で特に感心させられたのが、攻撃時のUIの部分だ。
前作でもコンボはあったが、頭の中でボタンを押した回数を数える必要があった。しかし、本作では攻撃時にどのボタンを押したかが画面でわかりやすく表示してくれる。そのため、狙った技も比較的出しやすくなっているのだ。
ちなみにこのコンボの表示はデフォルトの状態では常にONになっているわけではなく、表示されないこともある。こちらは「表示設定」のアクションフロー表示を「常にON」にしておくことで、表示させたままの状態にすることが可能だ。
キャラクターごとの個性が出る固有技
バトル面に関しては、前作を踏襲している部分があるものの全体的に大きく進化している。特にプレイ面で変わったのが、前作ではリモコンバクダンやビタロックなど「ブレワイ」の特徴でもある「シーカーストーン」の機能を利用したアクション要素が盛り込まれていた。だが、本作ではその代わりにキャラクターごとに異なる特徴を持った固有技が出せるようになっている。
固有技は、Rボタンを長押ししながらABXYボタンを押すことで設定された特殊アクションが繰り出せるというもの。それぞれ突撃してくる敵を押し止めたり空中から攻撃してくる敵を打ち落とせたりするなど、場面に合わせた技を設定しておくことが可能だ。
共闘感が味わえる仲間同士の連係プレイが楽しい!
バトルそのものは、シームレスで続いていくというわけではなくミッションを選んでクリアしていくスタイルが採用されている。同時に出撃するキャラクターもその時々で変化するほか、ゲームを進めていくうちにどんどん新しい仲間も加わっていく。
ちなみに、主人公のゼルダが得意とするのは時と光のふたつの力だ。通常の攻撃時はまばゆい光の力による攻撃が主体で、敵を殲滅していくことができる。また、敵が何かを投げつけてきたときは時の力を使うことで跳ね返すこともできるのだ。
なによりも嬉しいのが、「ティアーズ」では映像のみの登場だったラウルやミネルなどがプレイアブルなキャラクターとして登場することだ。ラウルは想像以上にパワフルなプレイが楽しめるようになっており、大量の敵をなぎ倒していくときにも大活躍してくれる。また、ミネルは、瞬時にゾナウギアを組み立ててゴーレムを出現させるなど、メカニカルなバトルを得意としているキャラクターだ。乗り物に乗りながら移動することもでき、そのまま敵を轢いて倒すことができるので、なかなか使っていて楽しいキャラクターである。
この一緒に出撃している仲間同士は、いつでも好きなタイミングで操作の切り替えができるほか、本作では新たに連携プレイも出せるようになった。そのなかのひとつが「チェンジアクション」だ。
これは、バトル中に仲間のアイコンが表示されたときに、十字キーの上ボタンを押すことで仲間に操作が切り替わり、敵の攻撃を防ぐと共に反撃もしてくれるというもの。意識せずちょうどいいタイミングで表示されるので、流れるように攻撃を加えていくことができるのだ。
もうひとつの連携技が「シンクストライク」である。バトル中に画面左端に表示されているアイコンにシンクゲージが溜まっていくのだが、ゲージが満タンの状態のキャラ同士で繰り出せる技だ。単純にふたりのキャラクターが敵に攻撃を繰り出していくことで大きなダメージを与えることができるほか、演出も派手目になっておりプレイしているときに爽快な気分が味わえる。
「シンクストライク」が発動可能になると、操作キャラクターの近くに「L」の文字が表示される。このときにLボタンを押すことで、発動することができる。「シンクストライク」自体は、味方の組み合わせによっても技や演出が変化するので、どのキャラクターでどんな技が出るのかといったところも、このゲームの楽しみ方のひとつだ。
「ゾナウギア」を活用したアクション要素も登場!
先ほども触れたが、前作では「シーカーストーン」の機能を利用したバトル要素があったが、本作ではその代わりに「ティアーズ」に登場した「ゾナウギア」で新たなアクションが使えるようになった。このゾナウギアは、新たなものを入手した後、アクションを登録しておくことでバトル中に使用することができる。
「ゾナウギア」の種類も様々なものが用意されている。たとえば、序盤から使用できる「火龍の頭」は前方に火炎放射器のように炎を放出し敵を炎上させることができる。また、「扇風機」ならば、風を起こして敵を吹っ飛ばせるほか、敵が投げてきたものも跳ね返すことができるといった感じだ。こうしたゾナウギアの技は無限に出せるというわけでなく、バッテリーの残量が無くなったらそれ以上使用することはできない。
バッテリーが無くなってしまったときは、スペアバッテリーで回復することも可能だ。また、「無尽蔵バッテリー」をアクションに設定しておくことで、少しの時間バッテリーを消費せず使えるようにすることもできる
新たなゾナウギアは、ゲームを進めていくことで解放される「ゾナウギア製造機」で解禁することができる。こちらは素材となる鉱石のゾナニウムを一定数入れることで、新しいゾナウギアを入手することが可能だ。ただし、それぞれのゾナウギア製造機は1度しか利用できないので注意しよう。
マップからポイントを選んでサクサクプレイ!
「ブレワイ」や「ティアーズ」の魅力のひとつは、広大な世界を自由に冒険できるオープンワールドで作られているところだった。本作では、前作同様にフィールド上を移動していくのではなく、マップ上に表示されているポイントを選んでゲームを進めていくスタイルが採用されている。その分アクションだけに集中しやすく、サクサクゲームを進めていくことができるのだ。
このマップには単純にメインストーリーを進めていくポイントだけではなく、サブミッション的なバトルチャレンジや、キャラクターを強化できるハイラルチャレンジ、武器を強化できる武器強化拠点といった施設なども用意されている。
これらは最初からマップ上にあるものもあれば、特定の条件をクリアすることで新たに開放されていくものもある。さらにおもしろいのは、このマップ自体が地上と地底、そして空の3層に分けられているところだ。このあたりも、「ティアーズ」の要素を引き継いでいるといっていいだろう。
アクションゲームが苦手でもゼルダシリーズが好きなら問題なし!
今回3章終了まで遊んだ時点でのプレイ時間は、およそ11時間ほどだ。物語はようやく主要なキャラクターが揃い始め、これから一波乱もふた波乱も起きそうなところといった感じである。オリジナルの「ブレワイ」や「ティアーズ」も比較的アクション性が高いゲームではあるが、本作はよりそちらにシフトしているともいえるだろう。
特に最近はソウルライクな作品が人気ということもあり、アクションも難易度が高めになりがちだ。だが、ここであえて言いたいことは、多少アクションが苦手であっても、本作は問題なくプレイすることができるということである。
もちろんゲームの難易度も選べるようになっているのだが、今回はデフォルトのノーマルでプレイし、この間ゲームオーバーになったのはボス戦の1回のみだった。もちろんゲームとしてはまだまだ序盤ということもあるが、それよりもアクションゲームならでは爽快感や気持ち良さに重点が置かれていると感じた。
これも当たり前といったらそれまでだが、本作ではとにかく大量の敵キャラクターが登場する。それを草でも刈るかのごとく倒していくのがとにかく楽しいのだ。多少コマンドをミスったとしてもそれほど大きな影響はない。すぐにゲームオーバーになるという心配もほとんどないので、多少ミスは気にせずにどんどんプレイしていけるのである。
これこそが「無双」シリーズの魅力なのだが、それをよく知っている「ゼルダの伝説」に登場するキャラクターたちで体験できるというところが最大のポイントだろう。前作遊んだ人はもちろんのこと、とくに「ティアーズ」をクリアした人ならば、よく知っているはずの物語をより楽しめるようになっている。こちらの記事を読んで、少しでも気になったならば、ぜひとも挑戦してほしい作品である。
(C) Nintendo (C) コーエーテクモゲームス All rights reserved. Licensed by Nintendo






















































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