レビュー
「Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)」レビュー
非の打ち所ない続編。戦闘、景色、復讐譚のどれもに磨きがかかる
2025年9月25日 22:00
- 【Ghost of Yotei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)】
- 10月2日 発売予定
- 価格:
- スタンダードエディション:8,980円
- デジタルデラックスエディション:9,980円
- コレクターズエディション:31,980円
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の「Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)」は、アメリカ合衆国に拠点を置くSucker Punch Productionsが手がけたオープンワールド時代劇アクションアドベンチャーゲームだ。発売日は2025年10月2日で、対応プラットフォームはプレイステーション 5。
本作は、2020年7月17日に発売された「Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)」の続編である。時代劇へのリスペクトや武士の誇りを描いたストーリー、オープンワールドになった対馬などが高く評価され、日本を含む世界各国で大ヒットを記録。テレビで取り上げられるなど、国内でも一躍話題になったほどだ。
そんなツシマの伝説から5年後、最新作の「Ghost of Yōtei」がついに発売される。今回、「Ghost of Yōtei」のレビュー用の先行コードをSIEよりいただけたので、本記事ではレビューをお届けする。
北の大地を舞台にした、女武芸者の復讐譚
前作の「Ghost of Tsushima」は、鎌倉時代に起きた「元寇(蒙古襲来)」をベースにしながらも、「武士の誉れや矜持」を問うストーリーが印象に残っている。蒙古軍に奪われた故郷の対馬を取り戻すべく、武士の「境井 仁」は戦いに身を投じるが、やがて武士の誉れを守るべきか否かの二択を迫られることに……。気になる人は前作をぜひプレイしてみてほしい。
さて、最新作の「Ghost of Yōtei」は、前作から300年経った1603年の「蝦夷地(北海道)」が舞台。女武芸者の「篤(あつ)」が、家族を殺した「羊蹄六人衆」に復讐する物語が描かれる。
前作は「武士の誉れや矜持」がテーマだったのに対し、本作は「復讐」がテーマ。時代劇と西部劇を融合させた作風で、前作以上に血生臭いストーリーが展開される。無駄な説明を省いたセリフや映画的なカットシーンも相まって、冒頭から心を奪われ、本作の世界へ深く没入する自分がいた。まるで、巨匠が撮った名作映画を見ているような心地だった。
ちなみに、前作にもあった「黒澤モード」に変更可能だ。通常はカラーだが、黒澤明監督の時代劇を彷彿とさせるモノクロ映像でプレイできるというものだ。時代劇の雰囲気で楽しみたい人は黒澤モードを試してみるといいだろう。
加えて、本作ではバイオレンスさを際立たせた「三池モード」(三池崇史監督)と、ゆったりとしたLo-Fiが流れる「渡辺モード」(渡辺信一郎監督)も用意されている。それにしても、なかなかにマニアックなチョイスだ……。
旅をしながらターゲットの手がかりを見つけていく面白さ
「Ghost of Yōtei」の目的は、「斎藤」率いる羊蹄六人衆を全員始末すること。斎藤の軍勢は他の地元民にも相当悪さをしているらしく、目の敵にされていることが多い。道中では有益な手がかりを集め、羊蹄六人衆の居場所を見つけることが重要になる。手がかりは、NPCへの聞き込みや敵への尋問などで得られる。西部劇に出てくる、獲物を狙うバウンティーハンターを思い出した。
得られる手がかりは、羊蹄六人衆の居場所だけではない。後述するアクティビティの情報や賞金首の居場所も対象になっているからだ。情報を得るために、広大な蝦夷地を探索することになるだろう。マーカーやナビゲーションは最低限で、目標へは風の導きが頼りとなる。自分の足で目標を見つけに行く仕様は前作同様に面白い仕組みだ。
新武器の追加によって旨味が増した剣戟アクション
刀と刀をぶつけ合う剣戟は、「Ghost of Yōtei」を語るうえで欠かせない要素のひとつ。前作で特徴的だった緊張感と爽快感はそのままに、バラエティが広がった続編ならではの新鮮なプレイフィールを得られる。
基本の戦闘方法については、「Ghost of Tsushima」とほぼ同様だ。正々堂々と戦ってもよし、遠くから弓矢で攻撃してもよし、敵の背後に忍び寄ってステルスキル(闇討)をしてもよしと、幅広い戦闘スタイルも変わっていない。
また正々堂々と正面からぶつかるなら、「一騎打ち」も選択できる。敵のひとりと睨み合い、敵が切りかかってきた瞬間に居合い切りで一閃する。その後は乱戦となるが、腕に自信があればぜひ挑戦していただきたい。
「Ghost of Yōtei」における戦闘面の新要素は、落ちている武器を拾って敵に投げつける攻撃や、相手が持っている武器を落とす「得物落とし」、怯えさせた敵を瞬殺する「怨霊の叫び」(前作における「冥人の型」に近い)などがある。
もうひとつの新要素は武器のバリエーションが増えたことだ。前作は刀一本で戦ってきたが、「Ghost of Yōtei」は刀のみならず、「二刀」「槍」「大太刀」「鎖鎌」が使えるようになった。時間の都合で確認できなかったが、新たな遠距離武器である「火縄銃」も追加されているという。
興味深いのは、各武器に付与されている「特攻」の効果。各武器に付与されている特攻とは、特定の武器を持つ敵に対抗できるパッシブスキルだ。例を挙げると、「二刀は槍を持つ敵に有効」「槍は鎖鎌を持つ敵に有効」「大太刀は巨漢の敵に有効」など。「Ghost of Tsushima」における「〇〇の型」に該当するものだ。
特攻の武器で対象の敵を攻撃しまくると体勢が崩れ、怯み状態になる。怯み状態の敵は防御ができなくなるため、その隙に攻撃を仕掛けて一気に倒すといった戦い方が可能だ。
これらの新要素によって、「Ghost of Tsushima」よりも緊張感のある剣戟を体験できるほか、多様な戦略も生み出せるようになった。何より、刀以外の武器を扱えることが最大の魅力と言えるだろう。戦闘面の仕様は大まかに前作と同様ではあるが、実際にプレイすれば本作の新しさに気づけるに違いない。
絶景だらけの蝦夷地には、娯楽がいっぱい
先述したように、「Ghost of Yōtei」の舞台は蝦夷地。いわば北海道そのものをオープンワールド化したことが、本作のトピックとなっている。ただ、全土を隅々まで探索できるわけではない点に注意してほしい。開拓途中の設定だからか、周りは進行不能の森や山に囲われ、広々とした平野のエリアと一部の山(羊蹄山など)しか移動できないからだ。
それでも、オープンワールドにふさわしい広さを誇るうえにロケーションも豊富だ。また季節についても、エリアを進むごとに移り変わっていく。スタート時は春の景色だったものが、秋になったり夏になったり、あるいは蝦夷の深い雪が広がる冬景色があったり。プレイを進め、到達するエリアが広がっていけば、きっと満足できるはずだ。
本作のロケーションは前作に輪をかけてきらびやかになっており、広大な草原をはじめ、色とりどりの花畑や森林、白一色の雪原など、北の大地らしい美観に圧倒されてしまった。フォトモードでお気に入りの一枚を撮影してもいいし、新アイテム「遠眼鏡」でじっくり鑑賞してもいいだろう。ストーリー進行や剣戟に加えて、蝦夷地を隅々まで探索するといった楽しみ方も考えられる。
そんな蝦夷地には、数多くのスポットが存在する。前作でおなじみの秘湯や稽古台などに加え、「地蔵」や「墨絵」「賞金首」などの新スポットも見受けられた。これらのスポットは攻略に役立つ恩恵があるので、訪れる価値は十分ある。たとえば、新たな技を開放できる地蔵や、金稼ぎに打ってつけの賞金首、体力の上限を増やせる秘湯など。攻略する上では、探索することが勝利の秘訣と言ってもいいだろう。
そのほかの新要素として、家族と過ごした過去を回想できる「生家」や、ミニゲームの「賭博」、戦いの準備や休憩ができる「野営」などもあった。
数々のスポットの中で個人的に面白いと感じたのは、PS5の「DualSense」の機能を使ったミニゲームだ。タッチパッドで墨絵を描いたり、コントローラーを振って刀身を叩く鍛冶をしたりと、PS5の機能を活用させたミニゲームが所々に用意されている。ファーストパーティタイトルらしい、唯一無二の体験といったところだろうか。
これらは攻略上は重要な要素ではないのだが、疑似体験を通してゲームの世界に没入できるのが大きなメリットと言える。これらのミニゲームをプレイしていると、篤たちの生活感を知ることができて、「自分はいま時代劇の世界にいる」という実感を強く得られる。
難しい部分もあるけれども、やり応えは抜群
「Ghost of Yōtei」をプレイしてみて、前作よりも戦闘と隠密の難易度が若干上がっているように感じられた。難易度「普通」でプレイしたのだが、敵の一撃は想像以上に重く、しっかり捌いていかないとすぐにやられてしまう。そのため筆者の感覚としては、少々難しい印象だった。
戦闘が難しくなった要因は、変化した敵の攻撃パターンだ。敵が持つ武器の種類は増え、こちらの武器を落としてくるような攻撃も増えた。受け流し必至の攻撃を連続で仕掛けてくることもあり、これらにしっかりと対応しなければならない。戦いの最中では、幾度も強い緊張に襲われたものだ。
ストーリーが進むにつれて敵も強くなっていくのだが、篤は耐久度が低いためか、数回の斬撃で体力が半分まで削られることもある。ただ、武器・防具を強化したり技を増やしたりすれば、本作の難しさは少しずつ緩和されていく。それでも、一瞬の油断で命取りになるケースもあるので、前作以上に息が詰まる戦いを強いられるだろう。
隠密については、茂みに隠れて敵をこっそり闇討したり、家屋の屋根から敵の居所を観察したりすることが基本の動きとなる。こちらも前作の「Ghost of Tsushima」と同じと思ってもらっていい。
筆者はステルスが苦手なので、前作では敵の居所をハイライトで表示してくれる「耳澄まし」に頼っていた覚えがある。しかし、「Ghost of Yōtei」の場合、序盤の段階だと耳澄ましを習得しておらず、最初は目視で索敵をしなければならなかった。万が一敵に見つかっても斬ってしまえばいい話なのだが、大勢の敵が駆けつけてきたらそこで一気に急場となる。
なお、耳澄ましは、ある条件を達成すれば習得できるようになっている。取得方法の詳細は控えるが、本作でも健在であることを先に伝えておきたい。
難しいと感じる部分もあったが、心が折れるほどの高難易度ではないのは確かだ。なぜなら、主人公をパワーアップさせれば勝率がぐんと上がるようになっているから。成長要素が充実しているため、難しいと思ったらステータスや装備の強化に注力するといいだろう。
最初は難しいけれどだんだん簡単になっていく流れは、「Ghost of Tsushima」にも通じるところだ。死んだら装備品がすべて喪失するわけではないので、気楽にリトライできるところは実にありがたい。もし難しいと感じたら、難易度を下げてみるといいだろう。それと、相変わらずローディングは爆速だ。リトライもファストトラベルもストレスがかなり少ないことは言い添えておきたい。
変わらぬ面白さと新鮮な体験を兼ね備えた良作
「Ghost of Yōtei」をプレイしてみたところ、前作と変わらぬ面白さと、前作と異なる面白さを同時に味わうことができた。新旧のバランスがしっかりとれているため、前作のファンも初めての人も分け隔てなく楽しめるはずだ。
シリーズ作品の続編は当たり外れが激しい傾向にあるが、「Ghost of Yōtei」は間違いなく当たりのタイトルだ。さらなる緊張感が味わえる戦闘や色彩豊かな蝦夷地、深みのある復讐譚などはどれも磨きがかかっていて、想像を超える出来栄えだったからだ。非の打ち所がない続編であった。
“ツシマロス”を解消してくれること請け合いの「Ghost of Yōtei」は、10月2日に発売予定だ。いざ蝦夷地へ参らん。復讐の行く末を見届けるために。
(C)2025 Sony Interactive Entertainment LLC.Developed by Sucker Punch Productions.Ghost of Y?tei is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.





























































































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