Xbox 360ゲームレビュー

Zoo Tycoon

経営の立て直し、地元の動物を集める……様々な課題に挑戦

経営の立て直し、地元の動物を集める……様々な課題に挑戦

常に様々なチャレンジが提示されている。こまめに対応することで得られるボーナスは経営を助けてくれるが、ゲームとして結構忙しくなる部分がある
格付けレベルが上がると、新しい動物が買い付けられる様になり、遊具や施設も開発できる

 「Zoo Tycoon」をゲームとして楽しくしているのが“チャレンジ”だ。本作ではプレイ中ひっきりなしにチャレンジが提示される。「ホームページ用の写真を撮ろう」、「○○の施設が必要だ」、「○○の動物を観客が見たがっている」これらは制限時間も設定されていて、達成すれば様々なボーナスが得られる。

 自分だけの動物園を作るチャレンジモードの場合、このボーナスはとてもありがたいし、何よりゲームのルールをより理解するための要素でもあるので積極的に取り組んでいきたい。チャレンジは常に複数提示されているので、ゲームとしては結構忙しくなる。

 チャレンジで面白いのがバギーを使ったものだ。動物園の動物たちに薬を届けたり、ハンバーガーショップに材料を届けたり、レースゲーム風のチャレンジで、園内を猛スピードでバギーで進むことになる。チェックポイントを目指してダッシュしていくのが楽しい。ちなみに来場者はバギーを自動的によけてくれるので安心だ。

 こういったチャレンジ要素をより大きな目標として提示するのがキャンペーンモードだ。世界各地の動物園を舞台に、様々な課題をこなしていくことになる。難易度は「簡単」、「普通」、「難しい」と設定されており、クリアするとさらなるシナリオや、特別なオブジェクトが建設可能になる。

 「簡単」のものは、あまり条件を気にせずプレイすることでも目的が達成できる。スタート時の動物園はエサ場や水浴び場がなかったり、足りない部分も多い。これらをきちんと対処し、既存の施設もアップグレードしていく。そして予算を確保してから提示された動物を買い付けしていくことで条件が達成できるだろう。

 「普通」になると時間制限が気になってくる。今回、フィンランドの動物園をプレイしたのだが、最初は予算を達成できなかった。あまり考えず動物園の施設や動物に予算を割り振ってしまったのだ。2度目は予算確保を考えつつ他の条件を達成し、かつ“研究”を使って広告に力を入れ、来場者アップを狙うことで目標を達成できた。

 インドの動物園では「東南アジア地域の動物を4種類買い付ける」という条件が提示された。動物のリストから原産地を調べ目的を決めて進めていくという感覚も新鮮だった「インドクジャク」など、小さい展示場も活用し目的を達成した。このようにキャンペーンモードは条件を提示された上でのプレイが楽しい。今後DLCでもシナリオの追加などもして欲しいと感じた。

 日本マイクロソフトは、Xbox 360版の「Zoo Tycoon」に加え、Xbox Oneの「Zoo Tycoon」の告知ページも用意している。Xbox One本体の日本での発売日が決まってないのでソフトの発売も未定だが、こちらは4人での同時プレイに、オンラインコミュニティも用意されるということだ。

 Xbox 360版でも他の人の動物園を見たり、自分の動物園を公開したい。オンラインでの動物園のコンテストなども楽しそうだ。今回のXbox 360版に関しては、コミュニティ機能がないところは残念である。アップデートでオンラインコミュニティ要素はぜひ追加して欲しい。世界中のプレーヤーが作った動物園を見てみたい。

 「Zoo Tycoon」は間口が広く、1人でも、家族でも楽しいゲームだ。Kinectによりファミリー向けのタイトルが充実したXbox 360だが、今作はそういった広がったユーザーにぴったりのタイトルだ。もちろん動物が好き、経営シムが欲しかったといった人には強くオススメしたい。間口の広さと奥深さを持ったタイトルである。今後の拡張も期待したい。

【キャンペーンモード】
キャンペーンモードでは様々な問題を抱える動物園を経営し立て直していく。提示された課題を解決するためにはリソースの割り振りも考える必要がある
動物への環境そのものが未整備な場合も。キャンペーンではまず各施設や展示場をチェックする必要がある。求められる課題もきちんと把握しておく。成功すれば、特典がアンロックされる
東南アジアの動物を買い付けるという課題
広告を研究し集客効果を高めたり、施設を研究することで建設コストを下げたりできる。施設の充実は格付けレベルを上げ、より多くの客を呼ぶ
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(勝田哲也)