PS3/Xbox 360/Wii U用ゲームレビュー
バットマン:アーカム・ビギンズ
様々なガジェットを使い、闇に紛れ悪を撃つバットマンならではの戦いを満喫
(2013/12/5 00:00)
様々なガジェットを使い、闇に紛れ悪を撃つバットマンならではの戦いを満喫
ここからは、ゲームの各要素をピックアップしていきたい。「バットマン:アーカム・ビギンズ」は広大なゴッサム・シティを移動し、ミッションを進めていくこととなる。バットマンはマントを広げることで滑空でき、グラップネル・ガンを建物に向かって撃ち、ワイヤーを巻き取ることで素早く建物の間を移動できる。今作ではさらに戦闘機「バットウィング」による地域間の高速移動も可能だ。
バットウィングでの高速移動はリドラーの妨害電波が働いているため最初は使用できないが、妨害電波を出している塔を攻略することで使用可能になる。この他、ペンギンの武器コンテナの争奪戦や、暗殺者シヴァの挑戦など、多彩なサイドミッションが用意されている。警察無線が告げる突発的な事件に対応したりと、メインミッションを進める以外にも様々な要素が盛り込まれている。
ミッションではバットマンの能力をフルに使い状況を突破していく必要がある。バットラングで遠距離にあるスイッチを押したり、バットクローでものを引き寄せたり、暗号シーケンサで閉ざされた扉を開けたり、バットマンならではの多彩なガジェットを使いこなす要素がゲームにきちんと活かされている。
アクションも多彩だ。高速で走り隙間をスライディングで通り抜けたり、ジャンプしたり、一見進む場所がわからなくなっても周りを見回すと進路が見えてくる。この時はバットコンピューターと連動した「捜査ビジョン」を活用することで、通常の視点では気が付かない様々な情報を得ることもできる。
今作ではこれまで以上にバットコンピューターの描写に力が入っており、捜査ビジョンで倒れた死体の情報から状況を分析し、時間を巻き戻してその死体が爆発で吹き飛ばされたものだとわかる上に、爆発の状況そのものまでも確認できたりする。映像を逆再生させることで、爆発で飛び散った証拠を探し出すことなどもできるのだ。状況を冷静に分析するバットマンの口調も格好良く、探偵気分を満喫できる。
重火器を持った敵が待ち受ける中侵入する場合などは、ガジェットとアクションをフルに使って進めなければ勝つことは難しい。鍛えたバットマンといえど、銃で撃たれれば傷つき倒れてしまう。通風口や床下の溝に忍び込んで敵の背後を狙ったり、爆破ジェルを仕掛け敵を爆発に巻き込むなど様々な方法で敵に見つからず倒していく。
壁を通り越して敵の姿を確認できる捜査ビジョンは非常に有効だが、今作ではこのビジョンを妨害するジャマーを使う敵もいる。またこれまでのシリーズ以上に敵が多めで難易度は高い。このため、戦闘ではストーリーを進めるために同じような倒し方をしてしまうことも多いかもしれない。しかしやはりバットマンだからこそ、マップ内の様々なオブジェクトと、ガジェットを組み合わせ敵を倒していくプレイにこだわりたい。よりバットマンらしい戦い方を目指していきたいところだ。
ゲームでは戦闘やミッションを進めていくとEXPを獲得し、一定数でレベルアップしポイントを獲得できる。このポイントを消費し様々なパワーアップを行なっていく。本作の戦闘のバランスは少しきつめだが、パワーアップをうまく使うことで戦いを有利にできる。どのパワーアップを獲得したいか、自分のプレイ傾向を考えバットマンを成長させていくのだ。