PS3/Xbox 360ゲームレビュー
グランド・セフト・オートV
有名人のストーカーから健康マニア、メンヘラ女と奇人変人盛りだくさん
(2013/10/17 00:00)
有名人のストーカーから健康マニア、メンヘラ女と奇人変人盛りだくさん
多彩なランダムイベントと変質者達の出会いは本作の大きな楽しさだ。マップに「?」マークで表示される「変質者と不審人物」では、ぶっ飛んだ人物が山のように登場する。「エクササイズの鬼」というミッションはヒステリックな健康オタク・メアリーが登場し、がなり立てながら3人に様々な場所で戦いを挑んでくる。マイケルにはマラソン、トレバーには自転車レース、フランクリンにはトライアスロンである。結構スタミナが必要なので、勝ちたければゲーム後半の成長したステータスで挑みたいところだ。
「水の泡」というミッションでは“犬”がきっかけになるのだが、犬を飼っているためかなぜかフランクリンが犬語を理解できるのが面白い。ミッションそのものは超高高度から山の頂上にダイブ、そこから山の斜面を駆け下りるという高所恐怖症の人には恐ろしいミッションである。
パパラッチミッションは連続になっていて、様々なスクープを取ることができ、「GTA」シリーズならではのものすごい皮肉をたっぷり楽しむことができるし、トレバーが出会うのはセレブのゴミ箱をあさってるイカれた老カップルだ。トレバーは特にねじがぶっ飛んだ人との出会いが多い。そんな中でもヒステリックなメアリーを口説き始めたり、イカれた人さえ引かせてしまうトレバーはさすがだ。
ランダムミッションは、ひったくりや強盗をやっつけるといった単純なものが多いが、工事現場での事故を助けたり、決まった場所で起こるものもある。中には凝ったミッションもあって、ヒッチハイカーを拾った場合、母親との確執を幻想と現実の境目が曖昧な恐ろしい口調で延々と聞かされる羽目になったりする。酔っ払ったカップルが「酔って運転ができないので私の車で2人を送ってくれ」と頼んできた時は、そのまま車を持ち逃げしてしまい、「あいつらあの後どうなるんだろう?」などと想像するのも楽しかった。
ランダムミッションで特にすごかったのが郊外を流している時に出会った男で、電柱に全裸で縛り付けられ、身体には落書きされている。結婚式の前夜に飲んでから記憶が無いとのことで、あと1時間以内に結婚式が始まるというのだ。映画「ハングオーバー」のノリそのままで、車に乗せて話を聞いてるだけで楽しかった。
「GTAV」ではキャラクターをデートに誘うこともできるし、ゴルフやテニスをしたりと多彩なアクティビティがある。また様々な乗り物を集め、改造するのも楽しい。マイケルの住むバインウッド周辺は高級スポーツカーやスーパーカーを乗り回す金持ちが多く、彼らから車を奪い、フル改造することで高性能な車が入手できる。かなり難易度が高いが、軍の基地に突っ込み、最新鋭の戦闘機をかっぱらうことも可能だ。
映画を見たり、観覧車やケーブルカー、地下鉄などの乗り物にも乗れる。映画はセリフにちゃんと日本語字幕が用意されているのがうれしい。スマホでアクセスできるゲーム内のインターネットコンテンツも和訳してあるなど、「GTAV」では日本語訳に対しても充実していると感じた。ゲーム内ネットコンテンツでは株式相場もあり、うまく使えば資産が増やせそうだ。スマホ・タブレット用のアプリとの連動も楽しい。
そして何より楽しみなのが「GTAオンライン」だ。英語版はすでにサービスされており、日本語版のサービス開始を待っているところだが、プレーヤー達がどんな戦いを繰り広げるかワクワクしている。協力プレイや対戦プレイができ、得た金はATMに入れないと倒された時ばらまいてしまうとのことだ。複数のプレーヤーで協力して強盗ミッションをやることができ、裏切って金を独り占めもできるという。できるだけ小ずるく小銭を稼いで生き残るような生き方をしてみたい。
「GTAV」はストーリーがとても素晴らしく、ドライブが楽しく、その他の要素も充実している「GTA」シリーズのファンの期待に見事に応えている作品だと感じた。「GTAIV」と同じようなDLCによる世界の広がりにも大いに期待したい。
(C) 2013 Rockstar Games, Inc.