ゲーミングノートPCレビュー

G-GEAR N158J-710A/E

ゲームプレイを優先した気配りが感じられるデザイン

ゲームプレイを優先した気配りが感じられるデザイン

ノングレアパネルで視野角も十分あり、ゲームプレイは快適

 続いては実際の使用感をお伝えする。まずは液晶パネルだが、外光反射を抑えるノングレアパネルを採用している。ノングレアパネルは、ツルツルとした表面加工のグレアパネルに発色の点では劣るが、外光反射が気になりづらいのでゲームプレイに集中できるという利点がある。本製品のパネルはノングレアパネルとしては標準的。外光反射はかなり抑えられているが、発色も悪くない。視野角も必要十分といったところで、極端な角度をつけて見なければ違和感はない。

 次はスピーカー。ここが本製品のこだわり部分で、キーボードの上部に搭載されたステレオスピーカーに加え、底面にサブウーファーが内蔵されている。音のほうは、再生域が広いと感じた。サブウーファーによる低音域よりも高音域がよく出ており、クリアで聞き取りやすい印象だ。またTHX TruStudio Proのサポートもあってかステレオ感も強く、音の方向が明確に感じられる。音質はサブウーファーもある分、このサイズのノートPCとしては良好な方だが、それでも軽めの音であることは否めず、積極的に音楽鑑賞しましょうと言えるほどではない。ただゲームで音の情報を拾う目的ならヘッドセットなしでも十分実用的だ。

 キーボードは最近流行りのアイソレーションタイプは採用せず、ベーシックなスタイル。テンキー付きで、キーピッチは19mm。キーストロークは約2mmと浅めだが、しっかりしたクリック感がある。

 またキーボードにはLEDバックライトが埋め込まれており、専用アプリケーションで制御できる。光り方や色も選択でき、全体を常時光らせておくだけでなく、数色をローテーションさせて光らせる点滅モードも複数用意されている。暗所でのプレイを重視するなら常時点灯でいいし、デコレーションとして使うなら点滅モードを選ぶといい。光の強さも調節できる。

暗所で光るキーボードバックライト
専用アプリケーションで色や光り方を制御できる

【キーボードバックライト制御パターン】

リストレストの手触りがよく、熱も伝わってこない。よく考えて作られている

 天板やリストレスト部分はマット加工されている。特にリストレスト部がマット加工されているのがありがたい。金属やプラスチックのツルツルとした素材だと、長時間の利用時に手汗でベタついて不快感が出たりしやすい。その点、本機は手触りもよく、長時間の利用でも快適だ。またリストレスト付近には熱源がないようで、使っていて温かくなってくることもない。

 タッチパッドもリストレスト部同様のマット加工が施されている。本来指を滑らせて扱う部分をマット加工にする必要があるのかは疑問だが、別段操作しづらいということもなく、感触としては好き好きといったところ。

 排気は背面ファンで行なわれる。背面の左右にあるファンが独立して動くようで(CPUとGPUだろうか?)、両方が回るとそれなりに耳障りな音がする。とはいえゲームプレイ中はゲームのサウンドもあり、さほど気にならない程度だ。負荷が減って温度が下がるとほぼ無音になり、その差がやや極端なので、回り始めた瞬間はちょっと気になる。ただ熱が全て背面から出ていくので、左右からの熱風を意識することがないのはありがたい。

THX TruStudio Proのツール。サラウンド効果を調整したい場合はこれを使う

 プリインストールソフトは、THX TruStudio Proのチューニングツールと、マカフィー・インターネットセキュリティ(90日版)、CyberLink Media Suite(CD/DVDライティングソフト等)くらいで、とてもシンプルな状態になっている。

 総括としては、ゲームユーザーの利用環境をよく考えたデザインだと感じた。スピーカーは単純に高音質というよりは、メリハリのある音でゲームの情報をよく伝えるという方向にチューニングされているようだし、リストレストのマット加工や熱源がないことは、長時間のゲームプレイをしないとあまり意識できない部分だ。今まで使ってきたゲーミングノートPCで、惜しいと思った部分が高いレベルで解決されている。

 製品のスペックだけでなく、こういったところに気配りができたゲーミングノートPCの存在はありがたい。使ってみてわかるありがたさがあるので、可能であればぜひ店頭で1度触れてみて、その違いを確かめてみていただきたい。

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(石田賀津男)