★DSゲームレビュー★

今度の舞台はクッパの体内?
「マリオ&ルイージRPG3!!!」

  • ジャンル:ブラザーアクションRPG
  • 発売元:任天堂株式会社
  • 開発元:株式会社アルファドリーム
  • 価格:4,800円
  • プラットフォーム:ニンテンドーDS
  • 発売日:発売中(2月11日発売)
  • プレイ人数:1人
  • CEROレーティング:A(全年齢対象)

 任天堂株式会社から2月11日に発売された、「マリオ&ルイージRPG3!!!」。前作「マリオ&ルイージRPG2」では、マリオ・ルイージ・べビィマリオ・べビィルイージの4人で協力しての冒険だった。本作では、クッパとクッパの体内に入ってしまったマリオとルイージが活躍する。



■ マリオとルイージとクッパ、互いの行動が影響して進んでいくRPG

レベルが上がるとパラメーターが上昇する。ボーナスとして、どれか1つのパラメーターだけ追加で成長させられる。上がる数値はスロットで決まるので、スロット内に高い数値が並ぶパラメーターを選ぶと効率がいい

 本作では特別な場合を除いて、上画面がクッパ、下画面がクッパの体内にいるマリオとルイージが表示され、物語を進めていく。マリオとルイージはクッパの体内にいるだけに、それぞれの行動が互いに影響しあう。マリオとルイージがクッパの筋肉を刺激すれば、クッパが強い力を発揮したり、クッパが水を飲むと、マリオとルイージがいるクッパの体内に水が流れ込んできたりといった調子だ。この連動の楽しさが本作の肝といえるだろう。

 上下の画面が連動するものも含め、出てくる仕掛けがどれも楽しい。パズルゲームのようなものもあれば、DSを縦に持ってプレイするものなど、多彩な仕掛けが用意されている。

 バトルはステージにいる敵と接触することから始まる。バトルが始まると、バトル画面に遷移して戦う。バトルは、行動をコマンドで選択して決定するのだが、通常のコマンド選択式RPGと異なり、タイミングよくボタンを押すなどのアクションをしていく。タイミングが良ければダメージアップが図れるのだ。

 RPGなだけに成長・強化要素もある。レベルが上がれば、HPやPOW(攻撃力)が上がっていくし、装備品によってもマリオ、ルイージ、クッパを強化できる。アクションがあまり得意ではない人でも、成長させていけばバトルに勝利できるようになるだろう。

 アクション操作は、A,B,X,Yの4ボタンを、Aをマリオ、Bをルイージ、XとYがクッパとわかりやすく設計されている。


ミニゲームのような仕掛けの数々。こんなシューティングゲームのようなものまであるバトルはアクション性が高い。攻撃でも防御でもタイミングが重要になる装備品で能力を強化できる。レベルが上がると装備できる装備品の数は増えていく


■ 騙されたクッパとクッパに飲み込まれてしまうマリオとルイージ。恐ろしい流行り病からキノコ王国を救うことができるのか

 平和なキノコ王国に、突如からだがふくれ、コロコロと転がり続けてしまう恐ろしい病気「メタコロ病」が流行り始めます。スターの精もさじを投げた病の原因をさぐるべく、マリオとルイージが再び冒険に出ることになりました!一方いつものようにピーチ姫をさらおうとしてマリオに撃退されてしまった大魔王クッパ。かれは森の奥で怪しげな商人から、とっても強くなれる「ラッキーキノコ」をプレゼントされます。「マリオに勝てる!?本当か!?」キノコをひとのみにしたクッパですが、様子が激変!まわりのありとあらゆるものを吸い込み始めてしまいました。そのままピーチ城にたどり着いたクッパは、キノコの効果でマリオたちを吸い込んでしまいます。クッパのからだに吸い込まれたマリオたちは?そして、キノコ王国の運命やいかに!?

 マリオに勝ちたい一心から、怪しげなキノコに手を出してしまったクッパ。そして、クッパに飲み込まれてしまうマリオたち。クッパにキノコを渡した人物の正体は?その目的は?また、マリオたちは、一緒に吸い込まれてしまったピーチ姫を救い出し、流行病からキノコ王国を救えるのか?

 クッパに吸い込まれてしまったマリオとルイージは、永遠のライバルクッパと一緒に行動することに。一緒に吸い込まれたスターの精が間に入り、クッパと話し合いながら、物語は進んでいく。

クッパの体内に吸い込まれてしまったマリオ達。クッパの冒険を助けながらピーチ姫を探すマリオやルイージ以外に、キノピオ達もクッパの体内に吸い込まれている。彼らは装備品やアイテムを売ってくれるマリオ達に目的があるように、クッパにも目的がある。それぞれの目的が絡み合い、物語が進行する


■ 互いの行動が影響しあう数々の仕掛け

 クッパとマリオとルイージそれぞれの行動が影響しあう仕掛けは本作の醍醐味。例として、あるシーンでの流れを紹介する。

 地面に生えている巨大なニンジンを引き抜こうとするクッパ。すると、クッパの体内にある「パワースペース うで」が光りはじめた。マリオとルイージがパワースペースに向かい、出っ張りをハンマーで叩いてみると……仕掛けが作動し、マリオとルイージ目がけて多くの光の球が飛んでくる。飛んでくる光の球を打ち返し、クッパの腕の筋肉にぶつけていくと、筋肉が膨張していく。


飛んでくる光の球は赤と緑。つまり、マリオが赤い球を、ルイージが緑の球を打ち返すことになる。タイミングが合わないと、光の球を受けてしまい、お金を落としてしまう
多くの光の球を打ち返し、最後に大きな光の球を打ち返すと、筋肉が限界まで膨らんだ。上画面では見事にクッパがニンジンを引き抜くことができた

 ニンジンを引き抜いたものの、勝手にニンジンを引き抜いた責任を取って、ニンジンを全て食べることに。食べ始めると、クッパの「いぶくろ」に反応が。「いぶくろ」では、食べたニンジンが詰まっていた。マリオとルイージは、ニンジンの消化を手伝い、クッパに全てのニンジンを食べさせることに。

ニンジンをタッチして、消化を助けていく。クッパがニンジンを食べたときにキラリと口が光ることがある。光ったときに胃袋に落ちてきたニンジンをタッチすると、特別なマークが出てくる。このマークをクリックすればまとめて他のニンジンを消すことができる。マークは早く見つけないと効果が弱まってしまうので、なるべく早く見つければ、効率よくニンジンを消化できる

 他にもクッパの神経を刺激することで、大きな岩石を壊せるようになったりと、様々な連動がある。



■ タイミングが重要視されるアクション性の高いバトル

 バトルは、フィールドにいる敵と接触することで始まる。フィールドでも攻撃が可能で、攻撃して敵と接触すれば、バトルスタート時にダメージを与えられるので、有利にバトルを進めることができる。

炎を吐いて、敵を攻撃してバトルに突入すると……バトルスタート時にダメージを与えることができる

 バトルはコマンド選択で行動を決める。攻撃する場合は、ジャンプやハンマーなど、攻撃手段を選択した後、攻撃対象を決定する。RPGとしてはベーシックなものなので、すんなりと操作できるだろう。

 特徴的なのは、行動決定後になる。ただ、キャラクターのアクションを見ているだけではなく、タイミングを見てボタンを押すことでダメージアップを図ることができるのだ。例えば、マリオやルイージのジャンプ攻撃では、敵を踏みつけた瞬間にボタンを押せば、2回目のジャンプ攻撃が出る。クッパのパンチ攻撃では、ギリギリまでパンチをためてから出せばダメージが上がる。

 攻撃だけでなく、防御でもタイミングが重要になってくる。相手の攻撃をジャンプでかわしたり、ハンマーで相手の突進を止めつつダメージを与えたりできる。相手の攻撃に合わせて、タイミング良くボタンを押すことができれば、バトルはノーダメージで切り抜けることができるだろう。

 ジャンプやハンマーなどの通常攻撃以外に、スペシャルアタックという特殊な攻撃がある。これらの攻撃もタイミング良くボタンを押したり、タッチペンを使ったりとアクション性の高いものになっている。スペシャルアタックは、マリオとルイージの場合はアタックパネルというアイテムを集めると習得でき、クッパの場合はつかまっているクッパ軍団を助けることで習得できる。

マリオとルイージが跳ね返ってきた甲羅を交互に蹴ってダメージを与える「ミドリこうら」。タイミングが合わずに甲羅を蹴れないと、攻撃が終わってしまう走っていくクリボーをタッチして、空に打ち上げ、燃えたクリボーが敵に向かって落ちていく「ボコスカクリボー」。タッチしたクリボーの数が多いほどダメージがアップする

 仕掛けが連動することは先ほど紹介したが、バトルが連動することもある。操作するキャラクターが変わるので、すぐに頭を切り替えてバトルに臨みたい。

クッパが戦闘中に、敵キャラクターを吸い込むと……クッパの体内に敵が入り込み、マリオとルイージが入ってきた敵と戦うことに

 これらの通常バトル以外にクッパの巨大化バトルという大迫力の特別なバトルがある。巨大化バトルでは、DSを縦に持ってプレイする。操作方法も通常のものとは異なり、スライドや息を吹きかけるなどと、特別なものになっている。

タッチペンをすばやくスライドさせてパンチ。スライドするスピードでダメージが変化するマイクに息をふきかけてファイア攻撃。他にも飛ばしたい方向にタッチしてファイアボールを出すこともできる


 既にDSで3作目まで発売されるほどの人気作だけあって、システムの完成度が高く、チュートリアルも親切。出てくる仕掛けのクオリティはどれも高く、それらを集めてミニゲーム集として発売してもいいくらいだ。

 このシリーズで特徴的なアクション要素の入ったバトルは、何度もプレイするバトルに緊張感をもたらし、プレイスキルの向上を実感させてくれるのもいい。アクションが苦手な人でもプレイできる程度の難易度で、レベルさえ上げれば誰でもクリアできるだろう。

 息を吹きかけたり、タッチペンを使う場面が多いことから、電車など移動中のプレイにはちょっと向かないかもしれないが、DSでじっくりRPGをプレイしたい人にオススメしたい。


(C)2009 Nintendo Developed by ALPHADREAM

(2009年 5月 12日)

[Reported by 木原卓 ]