サードウェーブデジノス「GALLERIA Mini 1060」レビュー

GALLERIA Mini 1060

ペットボトル約2本分の超小型ゲーミングPC! 小さいながらハイスペックなマシンの実力はいかに?

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブデジノス
開発元:
  • サードウェーブデジノス
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
149,980円(税別)~
発売日:
2017年11月30日

ペットボトル約2本分のサイズの超小型PC

 サードウェーブデジノスから発売されている「GALLERIA Mini 1060」は、81.9×213×154.5mm(幅×高×奥行)の寸法で、ペットボトル約2本分のサイズの超小型のゲーミングPCだ。重量も約2.1kg程度と軽く、片手で持ち上げられる重さ。小さいからと言ってスペックに妥協しているわけではなく、第7世代のCore i5、GeForce GTX 1060が採用されており、VRなども含めてゲーミングPCとして十分に活用できる内容となっている。CPUはBTOでCore i7-7700を選ぶこともでき、ハイスペックを目指したいユーザーの要求も満たされる構成となっている。

 今回試用したマシンの構成は以下の通りだ。

【スペック】

製品名GALLERIA Mini 1060
CPUCore i7-7700
GPUNVIDIA GeForce GTX 1060 6GB
チップセットIntel B250
メモリ8GB DDR4 SO-DIMM
ストレージ250GB M.2 SSD
光学ドライブなし
OSWindows 10 Pro 64bit
価格149,980円(税別)~

 BTOで変更できる内容としては、先ほど挙げたCPUのほか、メモリは32GBまで、M.2のSSDが500GBまで(NVMe接続の512GBも選択可能)、SSD+HDD構成用のHDDを2TBまで選択可能だ。ゲーミングキーボードとゲーミングマウスもドスパラオリジナルのものが付属するが、ロジクールのキーボードやマウス、Razerのマウスなどに変更することも可能となっている。

 標準構成としては試用したマシンのスペックのほか、OSがWindows 10 Homeとなるが、Core i5モデルで149,980円(税別)、Core i7モデルで164,980円(税別)と求めやすくなっているのもうれしい。

付属するAC電源(230W)

 ただし小型ゆえにあきらめなければいけない点もあり、光学ドライブが搭載できないことと、電源がACアダプタ経由となっていることに注意したい。電源容量を稼ぐためか、アダプタのサイズも、ノートPCなどと比べるとかなり大きい。しかし電源ファンはPCから発生する騒音の1つとも言えるので、静粛性を保つのには有効という見方もできる。

 では本体回りから見ていこう。正面には電源ボタンと、その上には電源ランプとドライブアクセスランプのほか、ヘッドフォン/マイク端子、USB 3.1 Type-A Gen1ポートが1つ、USB 3.1 Type-C Gen1ポートが1つ用意されている。

 背面は上から無線LANとBluetooth4.2に対応するアンテナ×2、有線LANジャック(1000BASE-T)、マザーボード側のHDMIポート、ACアダプタコネクタ、USB 3.1 Type-A Gen1ポート2基を配置。その下にはビデオカードのコネクタがあり、HDMIポートのほか、DisplayPort×1、Mini DisplayPort×1ががある。ちなみにマザーボード側のHDMIポートは4K対応の30Hz出力、ビデオカード側は4K対応の60Hz出力だ。コネクタ類はこのほかにもあり、向かって左側面にUSB2.0ポートが2基配置されている。

正面のコネクタ類
付属する無線LANアンテナ
背面のコネクタ(マザーボード側)
ビデオカード側のコネクタ
左側面パネル

 USB回りの使い方としては、側面のUSB2.0ポートにマウスとキーボードを差し、正面のUSB3.1ポートでUSBメモリなどを使うことになるだろう。HTC ViveなどのVRヘッドセットを利用したい場合は、背面のUSB3.1ポートのほか、DisplayPortなどを使えば接続可能だ。

 なお背面のUSBポートだが、AC電源コネクタがすぐ上にあるので、幅広のUSBコネクタだと干渉してしまうので注意が必要だ。ただし一般的なUSBケーブルであればそれほど幅を取ることもないと思うので大丈夫だろう。

 ケースだが、左右側面と背面、上面がメッシュ構造となっているので通気性は確保されている。左側面パネルは背面にある2カ所のネジを取り外してスライドさせると外すことができる。このパネルを外すとCPUとビデオカード、メモリにアクセスできる。メモリ容量を変更したい場合はここで取り外して設定すればよい。

 なおCPUに近いメモリスロットだが、右のスロットロック部がCPUファンの電源コネクタとぶつかってしまっているので、いったんこれを取り外してから作業する必要がある。ちなみにビデオカードだが、この筐体専用のカードとなっているので、自分で変更することは不可能だ。

 ストレージは右側面パネル内部に取り付けられており、ここには先ほど述べた通りM.2のSSDが差されている。ただしここにアクセスするには分解作業に似た工程を取る必要があり、一般的にはHDD増設などをすることができないと考えた方がよい。ドライブ容量を充実させたいならBTO時に指定した方がよいだろう。

左側面パネルを外したところ。左のファンがビデオカード、右のファンがCPUのもの
搭載されているメモリ。サムスン製だった
右側面パネル

ベンチマークテストでその実力を探る

 ではここからはベンチマークテストの結果を元にその実力について見ていきたい。テストをしたのはゲームベンチマークテストとして定番の「3DMark」のほか、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のベンチマークソフト、「CINEBENCH」に加えて、VRの性能を見るために「VRMark」についても行なった。3DMarkだが、「Fire Strike Ultra」については4K画質で、それ以外はHD画質でのテストを行なっている。

 テスト結果だが、3DMarkについては、最新のプラットフォームである第8世代のCore i7-8700Kを搭載したGeForce GTX 1060(6GB)と比較した。マシン構成の違いはCPUのほか、メインメモリが16GBとなっているところだ。第8世代と比べてしまうとちょっとかわいそうな気もするのだが、最新の環境との差は気になるところかと思うので、あえて比較した。

 結果を見るとわかるのだが、プラットフォームの差が素直に出ている印象だ。1世代違うため、CPUの性能がストレートに出る「Graphics Score」ではかなりの差が付いているが、結局Total Scoreで見るとそれほど差がないとも言え、そういった意味では「GALLERIA Mini 1060」はかなり健闘しているのがよくわかる。ベンチマークテストのスコアで比較してしまうと性能差があるように見えてしまうが、実際に「コール オブ デューティ ワールドウォーII」や「アサシン クリード オリジンズ」といったゲームをプレイしてみたが、特に差を感じることはなかった。ゲーミングPCとして充分楽しめることだろう。

【Fire Strike Ultra】
【Fire Strike Extreme】
【Fire Strike】
【Time Spy】
【Sky Diver】
【ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター】
【CINEBENCH】
【VRMark】

小型で省スペースなゲーミングPCが欲しいなら買い

 これまで見てきたように「GALLERIA Mini 1060」は、何と言ってもそのサイズが魅力のPCだ。設置場所にも困ることはないし、手軽に持ち運びできるので、LANパーティーなどに参加する際にも重宝するだろう。小型で中堅クラスのゲーミングPCをほしいと思うなら買って損はないPCだと思う。