figma「うらら うきうきホワイトver.」レビュー

うらら うきうきホワイトver.

「アップ! ダウン! チュー!」、ダンスの再現もバッチリ!

ジャンル:
  • アクションフィギュア
発売元:
  • グッドスマイルカンパニー
開発元:
  • マックスファクトリー
価格:
7,222円(税別)
発売日:
2017年12月23日

 セガゲームスの人気タイトル「スペースチャンネル5」の主人公「うらら」が、グッドスマイルカンパニーのfigmaにて発売となった。

 2002年にドリームキャストにて発売された「スペースチャンネル5 パート2」のうららの姿をアクションフィギュア化。同シリーズに登場する宇宙人「モロ星人」が3体付属するという仕様での発売となった。セガゲームスの人気のキャラクターで、知名度が高いにも関わらず、国内では意外にも初のアクションフィギュアとして発売されたこの製品を、「とりあえず、レビューしてみたいと思います!」(うらら調)。

 「スペースチャンネル5」は、1999年にドリームキャストで発売されたタイトルだ。開発は当時のセガから分社化された、水口哲也氏が率いるユナイテッド・ゲーム・アーティスツ。25世紀の未来、地球に突如襲来した「モロ星人」によって、人々が踊らされてしまうという事件が発生。宇宙放送局「チャンネル5」のリポーターうららは、事件現場へとおもむき、リポートをしながら踊らされている人々を救出するというゲームが展開していく。

 モロ星人のお手本に合わせてうららが踊るというリズムゲームのシステムを導入しつつ、レトロフューチャーな世界観やミュージカル的な演出、軽妙なセリフ回しなどを上手く取り入れ、「ミュージカルアクション」として完成させている。

 2002年には続編となる「スペースチャンネル5 パート2」がリリース。登場キャラクターが増え、ミュージカル的な演出が大幅に強化され、さらにプレイステーション 2でも発売されたこともあり、作品の知名度は一気に広まった。あのマイケル・ジャクソンさんが、本人たっての希望で、スペースマイケル(「パート2」ではスペースマイケル局長)役の声優として出演していることでも知られている。現在はプレイステーション 3やXbox 360、あるいはPC(Steamにて配信。海外版のみ)で「パート2」をプレイすることが可能だ。

【figma うらら 登場!の巻】
「うらら うきうきホワイトver.」パッケージ。蛍光ピンクの箱が店頭でも目立っていた
パッケージ内ブリスター。付属品は少なめだが、モロ星人の存在感が凄い

豊富な関節で、ダンスや決めポーズを再現

 今回figmaで一般発売されたのは、続編の「パート2」に登場した、白いコスチュームを身につけたうららである。ちなみに初代「スペースチャンネル5」のオレンジ色のコスチュームのうららは、グッドスマイルカンパニーのオンラインショップ限定で「どきどきオレンジver.」として発売された。仕様としてはうららとモロ星人の色違いのみで、今回レビューで扱っているのは前者となる。原型製作はマックスファクトリーの越沼真司氏が手掛けている。

 figmaとなったうららは、ゲーム中のイメージ通りのスレンダーで長い足のスタイルを再現しつつ、figmaの汎用関節や軟質素材を採用し、アクションフィギュアとしての可動を実現している。劇中でのうららのダンスシーンでは、上半身や腰をくねくねと振ることも多く、そういったポーズを再現するために上半身の衣装とウエストのパーツの間に関節を仕込んであるのがポイントだ。また首にも根元と頭側の両方に関節があるので、上半身を傾けつつ、顔や下半身は水平にした決めポーズを取ることも可能となっている。

うららの細身で足の長いシルエットを再現。ウエストのくびれも引き立っている
衣装のウエストのパーツに隙間がある。ここに関節があり、前後左右に動かせる
体と腕は二重のボールジョイントで接続。手を広げるポーズも余裕だ
ブーツは足首に関節がある。かなり細めなので、スタンドなしでの自立は難しい
バックパックは左右にスイングし、スタンドを使うときも邪魔をしない
スカートや手袋、ブーツなどの内側は設定通りオレンジ色で塗装。スカートは軟質素材だ
2つにまとめたうらら独自の髪型はボールジョイントで接続。髪型にも表情をつけられる
手首は左右で10種類を用意。予備の手首用ボールジョイントも付属する
うららの装備であるマイクと銃。かなり小さいが、チャンネル5のロゴもハッキリと印刷されている。銃1丁は足のホルダーにセット可能

 顔は「パート2」でより洗練されたうららのCGビジュアルを意識したデザインで、かなりの美人だ。別の表情パーツはないものの、瞳が個別パーツとなっているので、ポーズに合わせて目線を変えて楽しめるようになっている。

 ゲーム中もポーカーフェイスをほとんど崩さなかったうららなので、この仕様でもまったく問題ないだろう。ビジュアルで見せていた魅惑的な流し目を再現できるのが、ファンとしては本当に嬉しいところだった。

 付属するモロ星人は緑、赤、紫の3色。ゲーム中の「チュー」の固定ポーズで、カラーバリエーションが発売されたら集めたくなってしまいそうな完成度を誇っている。設定的に惜しいのは、この「パート2」のうららの相手となったのはモロ星人ではなく、「踊り団」のロボ達だったので、ゲームのファンであるほど一緒に並べるのは違和感がある。モロ星人との相性に関しては、限定版の「どきどきオレンジver.」のほうがいいのは間違いない。

大きめの瞳に厚めの唇はうららのイメージ通り。ビジュアルCGに近いかもしれない
瞳は顔を外して付属の治具を使うことで向きを変えられる。穴が四角いので瞳の角度を調整するのも容易だ
瞳が動くことで、どんな角度でも見栄えのいいポーズが決まる
付属する3体のモロ星人。色やポーズ違いも欲しくなる完成度だ
顔のバイザーのような部分は別パーツで組み立てられている
飾るには楽しいが、ファンにはうららの衣装がオレンジのほうがしっくりくるかも
他のフィギュアも足並み揃えて「さあみんな! 銀河の果てまで大行進よ!」

 これまで完成度の高いうららのアクションフィギュアが発売されず、歯がゆい思いをしてきたファンにとっては待望の発売となったこの製品。初の発売にして決定版とも言えるほどの完成度を誇っていた。何より嬉しいのは、ゲームやビジュアルCGなどで見たポーズがバッチリ決まること。これは視線を動かせることも大きかった。

 ポーズを付けて撮影しているときは、メインテーマの「メキシカンフライヤー」をはじめとするテーマがずっと頭の中に流れていて、たまらずPS3の電源を入れてゲームプレイを始めてしまったほどだ。また賑やかなゲームのイメージから、どのフィギュアと絡めても相性がよく、「あのキャラクターが踊らされています!」みたいにうららのセリフを脳内再生すれば、自分だけの「スペースチャンネル5」のシーンを再現できるかと思う。

 発売から少し時間が経ってしまったが、ネットや店頭にもまだ若干の在庫があるようなので、ぜひ手にとって、うららの魅力を改めて感じてみてほしい。

【うらら うきうきホワイトver. ポーズ集】
「アップ!」
「ダウン!」
「レフト!」
「ライト!」
「チュー!」
「スペース、チャンネル5!」