先行レビュー

「ストレンジャー ザン ヘヴン」約3時間の先行プレイレポート。バトルと街遊び、そして興行師としてのショービジネスも体験

50年にわたる大東真の人生を描く物語展開に期待

【STRANGER THAN HEAVEN】
2027年1月15日 発売予定
価格  スタンダード・エディション(ダウンロード版):8,990円
スタンダード・エディション(パッケージ版):9,900円
デラックス・エディション:11,990円
コレクターズ・エディション:18,000円

 セガが2027年1月15日に発売を予定している、RGGスタジオの新作アクションアドベンチャー「STRANGER THAN HEAVEN(ストレンジャー ザン ヘヴン)」。本作は、1915年から1965年までの50年間を舞台に、主人公・大東真の人生を描く作品だ。

 これまでにも何度か本作を体験する機会があったが、戦闘を中心とした内容が多かった。直近の東京ゲームショウ2026では街歩きも一部体験できたものの、ゲーム全体がどのような構造になっているのかは、まだ見えない部分が多かった。

 今回は3時間弱という比較的長いプレイ時間が用意され、オープニングから1915年の小倉、1929年の呉、1943年の大阪・ミナミまでを体験することができた。ストーリーは一部を抜粋する形でのプレイとなったが、街歩きやバトルに加え、これまであまり情報が公開されていなかった「ショービジネス」にも触れられた。

 今回のプレイで特に印象に残ったのは、時代とともに変化する街の姿と、そこに生きる大東の成長だ。日本にやってきたばかりの未熟な青年が、さまざまな経験を経て大人へと変わっていく。その変化はストーリーだけでなく、街並みや衣装からも感じられた。

 今回はそれぞれの都市での体験を中心に、実際にプレイして感じた本作の魅力を紹介していこう。

【『STRANGER THAN HEAVEN』2ndトレーラー】

日本に居場所を求める大東真。物語は謎の船への密航から始まる

 まずは本作のオープニングから紹介したい。

 主人公の大東真は、アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれた青年だ。1915年のサンフランシスコで暮らしていたが、その出自から迫害を受け、両親も失ってしまう。アメリカに居場所を失った大東は、母親の故郷である日本に渡ることを決意する。

 しかし、日本への渡航は簡単ではない。乗船する予定だった船に乗れなくなった大東は、港に停泊していた別の船に密航することになる。その船こそが、後に大東の人生に大きな影響を与えるオルフェウスの船「アルカディア」だった。そこで出会うのが同じく密航していた真城優だ。

当初乗船する予定だった船を逃し、オルフェウスの船「アルカディア」に忍び込む
この船で出会うのが真城優とオルフェウスだ

 密航者であることを知られた大東たちは、オルフェウスにナイフで脅され、船の外へと突き落とされそうになる。海の上という逃げ場のない場所で、まさに絶体絶命の状況だ。今回のオープニング体験は、その緊迫した場面で終了となった。

 その後の展開は今回のプレイでは確認できなかったものの、あれほど敵対的だったオルフェウスが、大東を受け入れている様子を後の場面で確認できた。オルフェウスの態度になぜ大きな変化が起きたのかは今回は明らかにならなかったが、物語の導入を体験できたことで、その先が気になる内容だった。

このあと触れる小倉ではオルフェウスが大東を受け入れたようなシーンが確認できた。このミッシングリンクを埋める物語が気になって仕方がない

ジャストガードのコツを掴むと、バトルの手応えが大きく変わる

 オープニングでは、戦闘のチュートリアルも体験できた。

 筆者は以前、東京ゲームショウで戦闘を中心としたビルドをプレイしている。その際は本作の戦闘をかなり難しく感じたのだが、今回はその経験もあり、以前よりもスムーズに戦えるようになった。

 本作の戦闘は、主人公の左半身と右半身をそれぞれ操作するというユニークなシステムを採用している。XBOXコントローラーでいうところのLB/LTボタンが左半身、RB/RTボタンが右半身に対応しており、これらを組み合わせて攻撃を繰り出していく。

基本的な攻撃方法は序盤のチュートリアルで学べる

 この左右の操作は防御にも関わってくる。ガードはBボタンで行ない、そこにLB/RBボタンの入力を組み合わせることで「ジャストガード」が発動する。

 前回の試遊では、このジャストガードにかなり苦戦した。敵の攻撃に合わせて毎回ボタンを同時押ししていたため、タイミングが合わず、思うように防御できなかったのだ。

 しかし、今回は会場で操作のコツを教えてもらうことができた。それが、Bボタンを押しっぱなしにしながら、敵の攻撃に合わせてLB/RBボタンを入力するという方法だ。

 この方法なら、ジャストガードに失敗しても通常のガードは発動するため、防御がかなり安定する。前回のようにタイミングを外して一方的に攻撃を受けることも減り、序盤の戦闘ではほとんど苦戦しなくなった。

ジャストガードについても丁寧なチュートリアルがある。ここで戦闘に慣れられるだろう

1915年・小倉。差別と人情が交錯する街で描かれる、若き大東の物語

 物語の最初の舞台となるのが、1915年の福岡・小倉だ。

 今回の試遊では、小倉編のストーリーを前半と後半に分けて体験できた。ここで描かれるのは、日本にやってきたばかりの大東が、自分の居場所を見つけようとする姿だ。

 小倉にたどり着いた大東は、街の大親分である八島平吾に救われ、その子分となる。八島が率いる「八島貿易會社」に身を置く大東だったが、日本での暮らしは決して順調ではなかった。

 この頃の大東は、まだ日本語にも慣れておらず、カタコトの日本語を話している。街の住民からは「毛唐」という差別的な言葉で呼ばれており、アメリカを離れてようやくたどり着いた日本でも、厳しい目にさらされている。

この頃の大東は日本語も拙く、街の住人たちからも差別的な視線で見られている

 そんな大東を優しく迎え入れた人物が、松本タエだ。

 大東は八島から、街の大物である大木の愛人・松本タエを寝取るように指示される。タエのもとに行き、むしろタエから誘惑される雰囲気になるものの、純真な大東は最後まで騙し切ることができない。しどろもどろになりながら、大東は八島の指示で来たことを白状してしまう。

 そんな大東の事情を理解したタエは、指示通り寝取られたことにしてくれる。だが、この一件は大木の怒りを買い、やがてタエが製鉄所へ誘拐される事態へと発展する。

タエは大東を優しく迎え入れてくれる
大木の怒りを買ったタエは誘拐されてしまう

 大東はタエを救うため、八島貿易會社の仲間たちとともに製鉄所に乗り込むことになる。

 この一連のエピソードで印象的だったのは、大東の若さだ。タエとのやり取りでは、女性にどう接していいかわからない青臭さが描かれている。周囲の人々に助けられながら、何とか日々を生き抜いているという印象が強い。

 一方で、製鉄所に乗り込む場面では、八島貿易會社の仲間たちとともに戦う姿が見られた。少なくとも仲間たちとの間には信頼関係が生まれつつあることがうかがえる。

 50年間にわたって一人の男の人生を描く本作において、あえて未熟な大東を見せることで、その後の成長を際立たせような狙いが感じられた。

八島貿易會社の仲間たちとは信頼関係を築けていることがわかった
製鉄所に一緒に乗り込む姿からも、仲間たちとの強い絆がうかがえる

近代化が進む日本と、昔ながらの街並みが共存する小倉

 続いて、街歩きについても見ていこう。

 1915年の小倉は、日本の伝統的な街並みと、西洋の影響を受けた近代的な要素が入り交じる街として描かれている。

 瓦屋根の建物が並ぶ一方、街には路面電車が走り、近代化が進む日本の姿を感じさせる。

瓦屋根の建物が並び、街には路面電車が走っている。近代化しつつある日本の姿が描かれる

 印象に残ったのが、製鉄所で耳にした、列強に並ぶために鉄を作り続けるという趣旨のセリフだ。近代化を急ぎ、欧米列強に追いつこうとしていた当時の日本の空気を象徴する言葉だった。単に昔の日本を再現するのではなく、その時代を生きる人々の価値観まで表現しようとしていることが伝わってくる。

 街中を自由に歩いていると、敵との戦闘が発生することもある。今回のプレイでは、街を探索していたところ、突然敵に殴りかかられる場面があった。戦闘はシームレスに発生し、場面の切り替えを挟まずにそのまま戦いが始まる。少し驚くシーンもあったが、数回戦闘すればこのシステムにも慣れることができた。

街での戦闘はシームレスに始まる

 また、街のアクティビティとして「倉庫警備」も体験できた。

 これは、夜中の倉庫に侵入した盗賊たちを撃退するという内容だ。周囲を探索し、見つけた盗賊を殴り倒していくというシンプルなものだが、盗賊を逃がしてしまうと報酬が減額される仕組みになっている。

 筆者も何人かの盗賊を逃がしてしまい、報酬が少し減らされてしまった。単に敵を倒すだけでなく、逃走を防ぐことも意識する必要がありそうだ。

「倉庫警備」というアクティビティを体験した。こういったところで報酬を稼ぐのも大切なのかもしれない

約30分にわたる製鉄所での戦闘。複数人を相手にする立ち回りも重要

 小倉編で特に長く体験できたのが、製鉄所へのカチコミだ。

 ここでは約30分にわたって戦闘を楽しむことができた。八島貿易會社の仲間たちと複数人対複数人で戦う場面もあれば、大東一人で複数の敵を相手にする場面もあり、さまざまなシチュエーションが用意されていた。

 複数の敵を相手にするとはいえ、全方位から一方的に攻撃され、身動きが取れなくなるような場面はない。もちろん、複数の敵から同時に攻撃されることはあるため、どの敵を先に倒すか、どの方向からの攻撃に注意するかといった判断は必要になる。

 ただ、今回の小倉編に限っていえば、戦闘難易度はそこまで高くないという印象だった。先述したガードのコツを掴んでいたこともあり、比較的安定して戦いを進められた。

 小倉が物語の序盤にあたることを考えれば、この段階では戦闘システムに慣れてもらうことが重視されているのかもしれない。

複数の敵と戦うシーンもあったが、それほど大変さは感じなかった

 また、ビジュアル面でも製鉄所は印象的だった。小倉の屋外では乾いた空気を感じさせるような色使いだったのに対し、製鉄所の内部は全体的にオレンジ色が強く、熱気を感じさせるビジュアルとなっている。

 単に時代ごとに建物や衣装を変えるだけでなく、場面に応じて色使いを変化させることで、その場所の空気感まで表現しようとしているように感じられた。

ビジュアル全体のタッチが場所によって異なる。それぞれの場所ならではの空気を感じられる

1929年・呉では大人びた大東と、歯応えのある「喧嘩賭博」を体験

 続いて体験したのが、1929年の広島・呉だ。小倉から14年の歳月が経過している。

 ここでまず目を引くのが、大東の変化だ。小倉ではまだ少年らしさが残っていた大東も、呉ではすっかり大人びた姿を見せる。ロングコートを羽織った姿は落ち着いた印象を与え、外見からも年月の経過が感じられた。

 街の雰囲気も小倉とは大きく異なる。今回体験した呉は冬の夜が舞台となっており、全体的に白と黒のコントラストが強い、寒さを感じさせる色使いだった。

街の雰囲気は小倉と全く異なる。どことなく寒さを感じさせる街並みだった

 呉ではストーリーを深く体験することはできなかったが、その代わり、バトルを中心としたアクティビティを楽しめた。

 呉で体験した主なアクティビティが「喧嘩賭博」だ。

 これは、敵と戦って勝利することで賞金を獲得できるという、シンプルなルールのアクティビティだ。一戦ごとに戦う相手を選ぶことができ、最初に登場する敵は弱いが、勝ち進むにつれて次第に強い敵が出現する。

戦う相手を選んでいく。勝てば報酬が入手できる

 基本的には一度倒した相手と繰り返し戦って賞金を稼ぐことはできない。ただし、倒した相手でも、特定の条件を満たすことで再挑戦が可能になる。

 例えば、武器を使わずに勝利する、あるいは一度もダウンせずに勝利するといった条件が用意されている。単に敵を倒すだけでなく、プレイヤーの腕前を試す遊びにもなっているわけだ。

 実際にプレイしてみると、最初の敵はほとんど苦戦することなく倒せた。しかし、3人目あたりからは明らかに敵が強くなり、適当に攻撃しているだけでは厳しくなってきた。

 ここで重要になるのが、やはりジャストガードだ。敵の攻撃を適切に防ぎ、反撃のチャンスを作ることができなければ、思うようにダメージを与えられない。序盤ではそこまで意識しなくても勝てた戦闘だが、呉では戦闘システムへの理解が求められるようになった。

 また、今回は遭遇できなかったが、街には特定の場所で戦える「エンカウントボス」も存在するという。これらも強敵として用意されているようで、バトルをやり込むための要素はかなり充実していそうだ。

一度勝利した相手でも、“縛り”をつければ再度戦い報酬を入手できる

時代を反映した街遊びも。稼いだお金は武器の強化にも利用できる

 呉では、街遊びの一部も確認できた。

 特に目を引いたのが数字札を使う賭博「手本引き」だ。これまでの「龍が如く」シリーズでは見かけなかった、日本の伝統的な賭博が用意されていた。

「手本引き」という街遊びが体験できた

 既に公開されている情報では、ほかにもメンコやベーゴマなどの遊びが用意されている。時代の文化を反映したアクティビティが楽しめるようだ。

 こうした遊びでお金を稼ぐことは、攻略の面でも意味を持ちそうだ。本作ではお金を使って回復アイテムを購入したり、武器を改造・強化したりすることができる。特に今回の戦闘では武器を活用する場面も多かったため、武器の強化は重要になりそうだ。

 街で遊び、お金を稼ぎ、そのお金で装備を整えて強敵に挑む。こうしたサイクルが本作のゲームプレイを支える要素のひとつになるだろう。

武器の強化にお金を使う。稼いでいくことが重要になる

 また、街の探索についても、単に道を歩くだけでは終わらない工夫が見られた。

 街の規模は極端に広いという印象ではなかったが、建物の2階まで探索できる場所があるほか、一見すると行き止まりに見える場所でも、特定のアクションによって先へ進めることがあるという。

 街の隅々まで探索することで新たな発見があるという、RGGスタジオ作品らしい楽しみも健在だ。

街を探索するのも楽しい。今回は銭湯を見つけることや、建物の2階に上がれることを確認した

1943年・大阪。貫禄を増した大東が挑む「ショービジネス」

 最後に体験したのが、1943年の大阪・ミナミだ。

 1915年の小倉から28年が経過し、大東の姿はさらに大きく変わっていた。ハットをかぶり、サングラスを身につけた大東は、もはや小倉で見た青年とは別人のようだ。身なりだけでなく、全体から漂う貫禄も大きく変わっており、長い年月の中で揉まれてきた男の姿になっていた。

 街のビジュアルもまた、これまでとは異なる。今回体験した大阪は夜の街で、オレンジ色や赤みがかった暖色系の照明が印象的だった。建物から漏れる光が夜の街を照らし、歓楽街らしい華やかさを感じさせる。

街の雰囲気も大東のビジュアルも大きく異なる

 そして大阪での試遊の中心となったのが、これまであまり実際に触れる機会がなかった「ショービジネス」だ。

 ショービジネスは、大東が興行師として公演をプロデュースし、成功を目指すコンテンツだ。その内容は、単にステージ上で音楽を披露するだけではない。街中での宣伝活動から楽曲の編曲、公演の演出まで、さまざまな要素が組み合わされている。

 まず確認できたのが、公演を宣伝するための活動だ。

 街中のNPCに話しかけ、建物に広告を掲出したり、街の各所にポスターを貼ったりすることができる。こうした宣伝活動も公演の売上に影響する仕組みになっている。

 壁にポスターを貼るのは無料だが、建物に広告を掲出する場合はお金がかかる。より多くの観客を集めるために費用をかけるのか、それとも手持ちのお金を温存するのか。興行師としての経営的な判断も求められそうだ。

ポスターを貼ったり、街中の建物に広告を出したりできる

 ショービジネスで、特に面白いと感じたのが楽曲の編曲だ。

 試遊用のセーブデータにはいくつかの楽曲が用意されており、それぞれの楽曲を編曲することができた。

 楽曲には、主伴奏、副伴奏、リズムラインといった複数のパートが用意されている。それぞれのパートに異なるテーマを割り当てることで、楽曲全体の雰囲気を変化させられる仕組みだ。

 例えば、テーマには「メランコリック」や「リラックス」といったものがある。主伴奏にはリラックスを、リズムラインにはメランコリックを割り当てるというように、各パートのテーマを別々に設定することができる。テーマによって使われる楽器や音色も変化するため、その組み合わせ次第で楽曲のムードは大きく変わる。

 また、公演にも複数の種類があり、それぞれに適したムードが設定されている。そのため、公演に合ったムードになるように楽曲を編曲することが、売上を伸ばすための重要なポイントになる。今回の試遊でも、楽曲のムードが売上に反映されることを確認できた。

 もっとも、売上を左右するのは編曲だけではない。先述した街中での宣伝活動なども影響するため、ひとつの要素だけを極めればよいというものではなさそうだ。

編曲で曲の印象は大きく変わる。公演によって雰囲気の相性があるので、調整するのがポイントだ

 宣伝活動にどれだけ費用をかけるか、どの公演を選ぶか、そしてその公演に合わせてどのように楽曲を編曲するか。どのようなメンバーで公演に挑むか。複数の要素を組み合わせながら、興行全体を成功へと導いていくことが求められる。

 単に好きな楽曲を作るのではなく、観客や公演の特色を考えながら音楽をプロデュースするという点が面白いところだ。

 なお、今回の試遊データでは、編曲に使えるテーマがあらかじめ用意されていた。本作では街中のさまざまな音から「インスピレーション」を集める要素も存在するため、新しいインスピレーションを収集することで編曲の幅も広がっていくものと考えられる。

どんなメンバーで公演に挑むかも重要なポイントだ

公演中は照明や特殊効果を操作。音楽ゲームほどシビアではない

 楽曲や公演の準備が整ったら、いよいよ本番だ。

 公演中はプレイヤーが照明や特殊効果を操作し、ステージを盛り上げていく。

 操作は、画面の指示に合わせて方向キーや4つのボタンを入力するというものだ。「龍が如く」シリーズのカラオケのようにタイミングを合わせて入力する必要はあるものの、判定は比較的緩やかで、そこまでシビアな操作は求められなかった。

 最初の公演では少し戸惑ったが、2回目以降はスムーズに操作できるようになった。音楽ゲームとしての腕前以上に、公演までの準備や楽曲の編曲、宣伝活動などが重要になりそうだ。

 ショービジネスという名前からは音楽を使ったミニゲームを想像していたが、実際に触れてみると、楽曲制作から宣伝、公演の演出までを含めたかなり大きなコンテンツになっていることがわかった。

 今回体験したのはその一部にすぎないが、本作の主要な遊びのひとつとして、かなり力を入れて作られているという印象だ。

公演中、タイミングよくボタンを押す要素もあるが、それほどタイミングはシビアではない

50年間を生きる大東真。その人生を追いかけることが本作最大の魅力になりそう

 今回の約3時間の試遊では、オープニングから始まり、小倉、呉、大阪という3つの都市を体験することができた。ストーリーについてはオープニングと小倉編の一部のみをプレイしたため、その全体像が明らかになったわけではない。それでも、今回体験した範囲だけで、本作がどのような作品を目指しているのか、その一端が見えてきたように思う。

 まず、ゲームプレイの面では、バトルの比重がかなり大きいという印象を受けた。左右の半身を操作する独自の戦闘システムに加え、ジャストガードを活用した攻防、武器の強化、そして喧嘩賭博やエンカウントボスといった強敵との戦闘も用意されている。

 一方で、街歩きについてもRGGスタジオらしい作り込みが感じられた。探索によって発見できる仕掛けなど、街そのものを楽しむ要素も充実している。

 そして、もうひとつの大きな柱となるのがショービジネスだろう。編曲や宣伝、公演の演出といった複数の要素が組み合わされており、今回体験した限りでも、単なる寄り道では終わらないボリュームを持ったコンテンツになっていた。

バトル、街歩き、ショービジネス。この3要素がゲームのコアを占めそうだ

 ただ、こうしたゲームシステム以上に気になったのは、やはり大東真という一人の男の人生だ。

 1915年の小倉では、日本語も十分に話せず、女性とのやり取りにも不慣れな、青臭い青年だった。それが14年後の呉ではロングコートを羽織る大人へと変わり、さらに14年後の大阪では、ハットとサングラスが似合う貫禄のある男になっていた。

 本作ではさらに、1951年の熱海、1965年の新宿も舞台として用意されている。今回の試遊ではこの2都市を体験できなかったが、大東の人生がその先でどのように展開していくのかは、非常に気になるところだ。

 50年という長い年月の中で、日本の社会や文化は大きく変化していく。その変化を背景に、大東がどのような人生を送り、誰と出会い、どのような居場所を見つけていくのか。

大きく変化する日本。大東もまた変化を遂げていくのだ

 「龍が如く」シリーズを手掛けてきたRGGスタジオの作品ということで、重厚な人間ドラマやアクション性の高い戦闘、作り込まれた街といった部分には、これまでの作品に通じる部分もある。

 しかし本作は実際に触れてみると、全体の印象はかなり異なる。左右の半身を使い分ける戦闘システムも、時代ごとに変わる街の姿も、興行師としてのショービジネスも、そして一人の男の50年間を追いかけるという物語の構成も、これまでのRGGスタジオ作品とは違った魅力を持っている。

 小倉ではまだ自分の居場所を探していた大東が、どのような人生を経て1965年の新宿へとたどり着くのか。今回の試遊でその始まりを知ることができただけに、ますます物語の続きが気になった。

 従来のシリーズ作品とは異なる、新しいRGGスタジオの挑戦として、発売に向けて注目していきたい作品だ。