先行レビュー

「瞬間凍結」がクセものすぎる。「ARC Raiders」大型アップデート「凍った道」先行体験レポート

吹雪に追われ、雪のペンドラ・パスで避難先を探す。自撮りカメラやバンジョーなども試す

【ARC Raiders:凍った道】
10月8日 配信

 Embark Studiosが開発する「ARC Raiders」に10月8日、大型無料アップデート「凍った道」(Frozen Trail)が登場する。

 「ARC Raiders」は、機械の敵「ARC」が活動する地上で物資を集め、脱出を目指すマルチプレイ作品だ。持ち帰った物資を装備の製作や強化に使い、次の探索に備える。地上ではARCだけでなく、ほかのプレーヤーにも注意が必要で、目の前の敵と戦うか、避けて探索を続けるかという判断が求められる。

 「凍った道」では、雪に覆われた新マップ「ペンドラ・パス」に加え、新たなARCや武器、ガジェットなどが追加される。レベル4までアップグレードした武器の動作を変更・強化する「武器強化」システムや、新たな拠点「前哨基地」も登場する。

 今回、メディア向けプレビューイベントに参加し、PC版でペンドラ・パスの探索と新ガジェットの使用を体験した。屋外での探索を中断して避難することになった「瞬間凍結」は、今回の試遊で特に印象に残った。本稿では、その体験を中心に新要素の感触をお伝えする。

【Frozen Trail Teaser | ARC Raiders】

HPが急激に減って慌てて避難。瞬間凍結が探索の予定に割り込む

 新マップのペンドラ・パスを歩いて、まず強く印象に残ったのは雪景色だった。民家や鉄道施設が点在するものの、今回探索した範囲では屋外を移動する時間が多い。身を隠せる場所もやや少なく感じられたが、それ以上に建物の存在を意識することになったのは、途中で吹雪に襲われてからだった。

 ペンドラ・パスを探索していると、局地的に強烈な吹雪が発生する「瞬間凍結」に遭遇する。吹雪が強まっていく様子は画面上でも分かり、屋外に居続けるとHPが大きく削られる。発生したら身を守る場所を探す必要がある。

 最初に遭遇したのは、屋外を探索してARCと戦おうとしていたときだった。吹雪が始まり、HPが急激に減っていく。初めは何が起きているのか理解できず、慌てて建物へ逃げ込むことになった。屋内に入ると吹雪によるダメージを避けられ、ようやく対処法が分かった。

強力な吹雪がプレーヤーの体力を容赦なく削る「瞬間凍結」

 試遊中には何度か瞬間凍結に遭遇し、2回目以降は避難して回避するところまで体験できた。仕組みが分かれば、混乱せずに対応できる。ただ、冷静になったからといって、すぐに安全な場所が見つかるとは限らない。「建物はどこだ」「どこへ逃げればよいのか」と周囲を探す慌ただしさは残っていた。

 「物資を探してから帰ろう」「目の前の敵を倒して先へ進もう」と予定を立てても、そのとおりに運ぶとは限らないのが本作のゲームプレイだ。ARCや他プレーヤーとの遭遇によって予定が崩れる面白さがあり、そこに瞬間凍結が加わる。その場でやろうとしていたことを中断し、避難へ切り替えさせられた体験が、筆者には面白かった。

 瞬間凍結は3分間継続する。今回の試遊では建物へ一時避難してしのぎ、予定している探索ルートを大きく変えるところまでは至らなかった。それでも、瞬間凍結のダメージは大きいため、次に移動するときには避難先の位置も意識することになりそうだ。

瞬間凍結が始まり、避難できる建物を探す。マップに不慣れだと焦ってしまう

ゴンドラを呼んでも安心できない。搭乗地点に着いてから倒された

 ペンドラ・パスでは、新たな脱出手段「バリスティック・ゴンドラ」も体験した。特徴は、ゴンドラを要請する場所と、実際に搭乗する場所が離れていることだ。呼び出したあとは、到着地点まで移動しなければならない。

 実際、筆者はゴンドラのところまでたどり着いた段階でARCに倒され、脱出に失敗した。せっかく到着しても、その場の安全が確保できていなければ帰れない。呼び出しから搭乗までに移動が挟まることで、最後まで敵への対処が必要だった。

「バリスティック・ゴンドラ」を依頼すると近くに降ってくる。降ってくる様子は周囲から見えるので、他のプレーヤーも周囲に集まることが予想される

 降りてくるゴンドラは目立つため、どこへ向かえばよいのかも分かりやすい。ただし、自分に分かりやすい場所は、ほかのプレーヤーからも目に入りやすいだろう。脱出を目指してそこへ向かう間も、周囲への警戒を解くわけにはいかない。

 瞬間凍結が発生しているときなら、待機する場所や搭乗地点へ向かうタイミングも考えたくなる。今回は瞬間凍結&ARCに襲われていいたため脱出には成功しなかったが、瞬間凍結の中では、待機場所や搭乗地点へ向かうタイミングも重要になりそうだ。

瞬間凍結やARCに襲われながら脱出を試みた。今回はソロだったのでかなり厳しかったが、仲間と周囲を警戒しながら挑めれば心強そうだ

屋根へ登るフックと、飛行するARCを拘束するテザーを試す

 新ガジェットのグラップリングフックでは、民家の屋根へ登る操作を試した。フックを引っ掛けると、ロープをよじ登るようにして移動できる。ハシゴのない屋根にも上がれたため、徒歩での移動だけでは選べなかった場所へ行けるのは便利だった。

 今回試した登り方では、フックを射出すると一気に引き寄せられるような速さはなく、登る動作に時間がかかった。とっさに逃げるために使うよりも、余裕のあるうちに高所へ移動し、周囲を見たり待ち伏せに備えたりする用途が合いそうに感じた。

民家の屋根などに引っ掛ければ、ハシゴがない足場にも登れる

 テザーランチャーは、離れた2点をワイヤーでつなぐガジェットだ。紹介映像で見た使い方を参考に、飛行するARCと地面をつないでみたところ、実際に行動を制限できた。

 ただし、接続が切れるまでの時間は短く感じられた。複数の敵を順番に拘束し、その間にゆっくりほかの敵へ対処するような使い方には、今回試した限りでは余裕を感じなかった。拘束できた時間に何をするかを考えて使う必要がありそうだ。今回は対人で試せなかったが、地形や相手との組み合わせを探ることで、使い道が増えていくのではないだろうか。

テザーランチャーは離れた2点をつなぐ。ARCの行動範囲を縛るのに使えるが、有効時間は短い。なお弾数制限はないので、何度もトライすることはできる

新たな武器強化システムや新ARC、エンペラー内部の探索も追加される

 また、すでに発表されている新要素として、巨大なARC「エンペラー」の残骸がある。内部に眠る希少な技術を求めて探索することになる。今回の試遊では内部が開放されていなかったため、その探索は未体験だ。

 マップ条件「リダイレクション」は、ビーコンを取得して設置し、ハーベスターのペイロードの進路を変えるもの。設置場所にはまず危険なデブリが落下し、その後にペイロードが到着して貴重な報酬を入手できるという。こちらも未体験だが、報酬をどこへ誘導するかという判断が必要になりそうだ。

ビーコンを取得して設置すると、ペイロードが到着して貴重な報酬が入手できるという

 新ARCも登場する。公式発表では、ブリーは積極的に突進し、スカルカーは待ち伏せや視界外への移動を使って攻撃する敵として紹介されている。「ARC フリゲート」には、3基の砲塔がそれぞれ標的を攻撃するハイドラも搭載される。今回は新ARCと十分に戦えなかったため、個々の攻略や難度については今後確かめたい。

新ARCも複数体追加される。ARCとの戦いも手強い要素になりそうだ

 新たな「武器強化」システムは、開発者の説明では、マガジンの拡張など、数値の上昇だけでなく戦い方に関わる強化もあるようだ。公式発表ではフルオート化なども例に挙げられており、使い慣れた武器の射撃方法が変わる強化にも注目したい。

強化版ヘアピンでは、発射速度やリロード時間が改善されている

カメラとバンジョーで、探索の合間にも楽しみが増える

 最後に、戦闘や移動に使う道具に加えて、カメラも触ることができた。撮った写真をゲーム内で見られるほか、フィルターやフラッシュ、自撮りモード、フォーカスの設定などがあり、想像していたよりも操作できる項目が多い。敵を警戒しながらどこまで撮影を楽しめるかが難しいが、雪景色を記録する楽しみはありそうだ。

 バンジョーなどの楽器も、探索や戦闘の合間にひと息つくための道具として印象に残った。この世界の中で少し遊ぶためのものとして楽しめそうだった。

遊び心の強い要素として、新楽器の「バンジョー」や新システムの「カメラ」も確認できた。過酷な状況での生き残りだけでなく、他のプレーヤーとの交流にも使えそうだ

 今回はほかのプレーヤーとのやり取りを体験できなかったため、天候や新ガジェットが対人の駆け引きにどう関わるかは実装後で確かめていただきたい。正式なアップデート後には、吹雪から逃げ込んだ先で誰に出会い、どう行動することになるのか。新たな物語が生まれそうだ。