先行レビュー

コラボ愛強すぎ!? 「ソニックレーシング クロスワールド」のロックマンDLCのこだわりがすごい

新クラクションはトラウマの「ティウンティウンティウン……」という効果音

【「ソニックレーシング クロスワールド」DLC第4弾】
3月26日 配信予定
価格:660円

 結論から言ってしまうと、「ここまでやるのか」という驚きの連続だった。原作のキャラクターが登場するのはもちろん、原作愛しか感じないコース、そしてテンションが上がる原曲――、ロックマンに対する溢れんばかりの愛が感じられた。それが「ソニックレーシング クロスワールド」のDLC第4弾「ロックマン」だ。

 「ソニックレーシング クロスワールド」は2025年9月にセガから発売されたプレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC(Steam、Epic Games Store)用レースゲームだ。その名の通り、「ソニック」IPに登場するキャラクターが登場する。

 本作がユニークなのは“クロスワールド”という言葉にある。レース中にコースが変化するという点から「クロスワールド」とタイトルについているが、他のIPともクロスするという意味もあるのだ。これまでも、セガ作品である「龍が如く」はもちろん、アトラスの「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」、初音ミクといったキャラクターが登場したが、セガ関連のIPだけに留まらず、有料DLCでは「マインクラフト」や「パックマン」などともコラボレーションしてきた。

 そして、有料DLCの第4弾として配信されるのが「ロックマン」とのコラボだ。

 追加されるコンテンツは、レーサー2体(ロックマン、ブルース)、マシン「ラッシュロードスター」、コース「ワイリーキャッスル」、ロックマンをモチーフにしたステッカー、そしてクラクション。コンパクトなボリュームに見えて、その密度は相当なものだ。

 本稿では先行してこのDLCを体験してきたのでその内容をお届けする。

【『ソニックレーシング クロスワールド』ロックマン トレーラー】

走りながら思わず口ずさむ。ノリノリでアクセル全開だ

 今回のDLCで追加されるコースは「ワイリーキャッスル」。「ロックマン」シリーズではお馴染みのロケーションで、本作では「ロックマン2」の最終ステージが直接のモチーフとなっている。

 このコースはいくつかの大きな特徴があるが、筆者が感じた最も大きな特徴がBGMだ。

 レースが始まる直前、聞き覚えのある旋律が鳴り始める。これは「ロックマン」でステージを選んだ時に流れる音楽だ。まさに、これからステージに降り立とうという時に流れるこの旋律。ここから寄せてくるとは粋な演出だ。

「ロックマン2」のワイリーステージをモチーフにしたコース。細かな部分までこだわりを感じる

 そして、レース中に流れるBGMは、「ロックマン2」のワイリーステージ1、2面で流れるBGMだ。「おっくせんまん(思い出は億千万)」という歌詞をつけ、MADや替え歌としてニコニコ動画初期に大きく盛り上がった曲でもある。原作を知らなくてもこの曲を知っているという人も多いのではないだろうか。

 そして、3ラップ目に入ったところでBGMが切り替わった。流れてきたのは原曲そのまま。アレンジではなく、あの原曲だ。ゲームとのライセンス調整で楽曲がアレンジに留まるケースは珍しくないが、このコラボでは原曲も収録されている。ジュークボックスで設定することで原曲を流せるようだが、1ラップ目のクロスワールドアレンジで十分テンションが上がっているところに、3ラップ目で原曲が流れるという構成は、まるでご褒美のようだ。

 このひと手間が、体験の質を根本から変えている。原曲のイントロが流れてきた瞬間に条件反射的にテンションがさらに上がる。筆者は思わず口ずさんでしまうくらいにテンションが上がった。

 「ソニックレーシング クロスワールド」は、ゲーム内楽曲のクオリティが高かったが、そこに「ロックマン2」の名曲が加わることで、レース中のテンションは否が応でも最高潮に達してしまう。「曲だけでノリノリにさせられる」というのが、正直な印象だった。

2ラップ目と3ラップ目は原曲を楽しめる。この演出がニクい

ドクター・ワイリーやロックバスターはもちろん、メットール、イエローデビルと豪華キャラが登場

 レース中に拾えるアイテムとして、ロックバスターが登場する。前方に向けて発射するタイプで、移動中の相手に当てるには偏差射撃が必要になる。前方に向かって直線的に攻撃するという意味ではスタンダードな使い心地だった。

 ワイリーキャッスルのコース上には、ヘルメットをかぶった敵キャラ「メットール」が出現する。「ロックマン」シリーズを遊んだことがある人なら即座に反応するあのキャラクターだ。もちろんロックバスターで撃破でき、倒すとリングを落とす。

 コース上のギミックも凝っている。「ロックマン」に登場するボスである「イエローデビル」が横から弾を撃ってくる演出や、空に浮かぶ乗り物に乗った「ドクター・ワイリー」が登場するなど、世界観は完全に「ロックマン」に統一されている。

 さらに、コース上のブロックを破壊することで通れるようになる隠しルートも存在する。ブロックの破壊はロックバスターはもちろん、他の攻撃系のアイテムでも破壊できる。こういったステージ探索の感覚がしっかり盛り込まれているのは「ソニックレーシング クロスワールド」らしい味付けである。

このステージ限定でロックバスターも登場する。正面方向に攻撃するアイテムだ
ブロックを破壊することで別ルートにも入れる

ロックマン愛が深すぎ。こだわりしか感じないコラボDLC

 プレイしていて強く感じたのは、このコラボを作った開発陣の「ロックマン」への愛情の深さだ。

 コースには、ドクター・ワイリーが登場する、「ワイリーキャッスル」というステージコンセプトを選んだ以上、ワイリーがいるのは当然かもしれない。しかし実際に見ると、「当然」という言葉では片付けられない作り込みがある。背景の細部まで、「ロックマン」の世界観を知っているプレイヤーが見て「わかってるな」と感じられるディテールが詰まっている。愛がなければここまで作り込めないと、プレイしながら何度も思った。

「メットール」に「イエローデビル」、「ドクター・ワイリー」とロックマンの世界から多くのキャラクターが登場する

 そして見逃せないのが、ロックマンとブルースのビジュアル表現だ。ドヤ顔で決めポーズをとる2人の姿が、どこか可愛さを感じさせる。シリアスに寄らず、原作キャラクターの持つ陽気さや格好つけた雰囲気をそのまま活かしている。レース中にこの2人が映るたびに、思わず笑顔になってしまう。

 クラクションの演出も秀逸だ。このコラボで追加されるクラクションは、「ロックマン」のゲームオーバー時の効果音が採用されており、使用すると当時のゲームオーバー画面を彷彿とさせるエフェクトまで発生する。「そこまでやるか」と声に出してしまうような芸の細かさだ。ゲームオーバーの音とエフェクトをクラクションに仕込むという発想自体、「ロックマン」をよく知っている人間でなければ思いつかない。

ロックマンもブルースも独特の可愛さがある。これも原作の持ち味を活かしていると感じた
ステッカーやクラクションも追加される。クラクションの音はお馴染みの「ティウンティウンティウン……」という効果音だ

 コラボDLCという性質上、追加されるコースはワイリーキャッスルのひとつに限られている。しかしこのコースのクオリティは、「1コースで終わらせるのが惜しい」と素直に感じさせるほど高い。「ロックマン」の世界観がこれほどの解像度でレースゲームに落とし込まれているのを見ると、他のボスキャラクターのステージも遊んでみたいという欲が湧いてくる。

 DLC第4弾は、曲もステージもキャラクターも、「ロックマン」シリーズへのリスペクトと愛情が貫かれたコラボコンテンツだ。「ロックマン」シリーズのファンはもちろん、本作をプレイしているすべての人に、ぜひ体験していただきたい。「おっくせんまん」と口ずさみながらアクセル全開でコースを駆け抜ける快感は、このコラボでしか味わえない。

 また、本DLCを含めた本作のデジタルデラックスエディションが、ニンテンドーeショップにて40%オフでセール中となっている。体験版も配信中なので、本作に触れたことがない方はこの機会にプレイしてみてはいかがだろうか。