先行体験

2周目でコースが激変! "新感覚の爽快感"が味わえる「ソニックレーシング クロスワールド」インプレッション

【ソニックレーシング クロスワールド】
9月25日 発売予定
価格:7,990円

 スピードの限界に挑み、ライバルを蹴散らし、栄光のチェッカーフラッグを目指す。それがアクションレースゲームの魅力だ。しかし、同じコースを何度も周回する展開に、少しだけ物足りなさを感じたことはないだろうか。

 そんなレースゲームの“常識”に、音速のハリネズミが新たな風穴を開ける。それがセガが9月25日に発売するプレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC用アクションレーシングゲーム「ソニックレーシング クロスワールド」だ。

 本作を二言で表すなら、「本能を刺激する圧倒的な爽快感」と、タイトル通り「ワールドがクロスする革新的なコース体験」に尽きる。絶妙な操作性と音楽が織りなすスピード感、そして2周目でレースの舞台そのものが激変する前代未聞のシステム。今回は本作を先行してプレイできたので、そのインプレッションをお届けする。

【『ソニックレーシング クロスワールド』Summer Game Fest トレーラー】

絶妙な操作性、戦略的なリング集め、加速アクション、そして最高のBGMが生む極上のプレイフィール

 本作をプレイしてまず感じたのは、とにかく「走っていて気持ちがいい」という純粋な楽しさだ。その爽快感は、いくつかの要素が絶妙に組み合わさることで生まれている。

 最も大きいのは誰もが“上手くなる”絶妙な操作性だ。クリエイティブディレクターの小早川賢氏が「圧倒的に遊びやすい挙動にした」と語る通り、プレイヤーを気持ち良くさせるチューニングが随所に施されている。

 特に、デフォルトで有効になっているハンドルアシスト機能は決しておせっかいではなく、プレイヤーの操作を邪魔することなくカーブやドリフトが驚くほどスムーズに決まる。この自然なサポートによって、誰もが「自分が上手くなった」かのような感覚で、マシンを自在に操る快感に浸れるのだ。

とにかく快適なマシンコントロール。思った通りにコーナーを曲がれるチューニングが施されている

 そして2つめがコース上のリングを集めるほど最高速度がアップするお馴染みのシステムだ。攻撃を受ければリングを落としてしまうため、常にリングを集めたくなる心理が働く。しかし、完璧に攻撃を防ぎきるのは難しく、ある程度のリングを失う前提で走ることになるだろう。

 そのため、最短距離のライン取りだけではなく、多少遠回りでもリングを多く回収できるライン取りも重要になる。唯一の正解を目指すシビアさとは違う、状況に応じたライン選択の幅が本作の楽しさを広げている。

 さらに、スピードを加速させるアクションの連鎖もポイントである。ドリフトでチャージを溜めてのダッシュや、ジャンプ中にエアトリックを決めてからの着地ダッシュなど、ただ走るだけではない多彩な加速アクションが大きな魅力だ。これらのアクションをいかに連鎖させてスピードを維持するかが重要で、プレイヤーのテクニックがダイレクトに速さへと繋がる感覚はたまらない。

 これらのプレイフィールを、ノリの良いサウンドが極限まで高めてくれる。「チェインクロニクル」などの楽曲を手がけてきたKai氏がメインコンポーザーを務める本作では、オープニングから疾走感あふれる楽曲に心を掴まれ、レース中はラップごとに変化するBGMがプレイヤーのテンションを最高潮に引き上げてくれる。この音楽とプレイの一体感こそ、本作の爽快感の核心と言えるだろう。

リングを集める楽しさや、アクションを決めて加速する楽しさがある

レースゲームの常識を覆す「2ラップ目の衝撃」

 爽快な操作感に加え、本作を唯一無二の存在にしているのが、革新的な「クロスワールド」システムだ。

 従来のレースゲームでは、同じコースを3周することによる“中だるみ”が課題となることもあった。本作は、その常識を根本から覆す。なんと2ラップ目、1位のプレイヤーの選択によって、全く別のワールドへとコースごと突入するのだ。このシステムこそ、本作最大のインパクトだった。

 今回プレイできた「ドンパグランプリ」を例に挙げよう。1コース目は、近未来的な電飾が美しい屋内コース「E-スタジアム」。しかし2ラップ目には、カジノを思わせるド派手なコースへと激変する。

 続くコースでは、太陽が降り注ぐ開放的な高原「レインボーガーデン」から、巨大なイカが暴れる暗い海中ステージへ。水の宮殿を思わせる「ウォーターパレス」からは、灼熱の溶岩が流れる洞窟へとワープした。

 景色も音楽もガラリと変わり、まるで全く別のレースが始まったかのような興奮と驚きがあった。

1、3周目と2周目のゲームプレイは大きく異なる。この感覚が本作ならではの楽しさだ

 このシステムは、本作のプロデューサーである瀧隆一氏がキーワードとして語った“ワクワクする驚き”を完璧に体現している。さらに、1位のプレイヤーに「コース選択」という明確なアドバンテージを与えることで、攻撃を受けにくい後方で様子を見るのではなく、誰もが積極的にトップを狙う熱いレース展開が生まれやすくなっている。

 この発明により、全3ラップを通して常に新鮮な気持ちで走ることができ、戦略的にもゲームプレイ的にも、見事に“中だるみ”を解消しているのだ。

1位のプレイヤーにコース選択権を与える

自分だけの走りを追求する、奥深いカスタマイズ

 プレイヤーが長く楽しめる奥深いカスタマイズ要素もしっかりと用意されている。レーサーにはソニックやエッグマンといったお馴染みの顔ぶれに加え、「クリーム&チーズ」、「ザズ」、「ジェット」、「ウェーブ」、「ストーム」といったキャラクターの参戦も明らかになっている。

 レーサーを選び、さらにカートのタイプやガジェットを自由に組み合わせることで、自分だけの戦略を組み立てることが可能だ。

 また、今回のSummer Game Festで発表されたとおり、「マインクラフト」からコースやマシン、キャラクター、オンラインイベントが参入するコラボや、「初音ミク」、「ジョーカー」、「春日一番」といったキャラが登場するコラボも予定されている。

お馴染みのキャラクターから新登場のキャラクターまで豊富な顔ぶれが用意されている
マシンカスタマイズの幅も広い

 ガジェットには、被弾してもアイテムを落とさない防御的なものから、テクニカルなものまで様々。特に筆者が惹かれたのは「空中トリックが速くできる」ガジェットだ。これを使えば、通常は1回しかトリックを決められないような短いジャンプ台でも、複数回トリックを決めて着地ダッシュを稼ぐ、といったアグレッシブな走りが可能になるだろう。プレイスタイルに合わせてじっくりとガジェットの組み合わせを考える時間は、ゲーマーにとって至福の時だ。

 また、レース結果に応じて手に入るチケットで新たなパーツを解放したり、各コースの「レッドスターリング」を集める要素も確認できた。

プレイスタイルにあわせてガジェットを組み合わせる楽しさがある
「レッドスターリング」を見つけたり、レースの成績に応じてチケットが入手できる。入手したチケットはカスタマイズパーツの解放に使える

 「ソニックレーシング クロスワールド」は、レースゲームの根源的な楽しさである「爽快感」を極限まで高めつつ、「クロスワールド」という革新的なシステムで、これまでにない戦略性と驚きを生み出した見事な一作だと感じた。

 開発陣の狙いが結実した本作が、アクションレースゲームの新たな地平を切り開くことは間違いないだろう。ぜひ、この“新感覚の爽快感”をその手で体験してみてほしい。