先行レビュー

「龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties」先行プレイレポート。極化は“新作化”だ! キャスト変更と新コンテンツで生まれ変わる物語

【龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties】
2月12日 発売予定
価格:
スタンダード・エディション 8,990円
デラックス・エディション 11,440円

 「龍が如く」シリーズのリメイク作品群となる「龍が如く 極」シリーズだが、龍が如くスタジオはリメイクすることを“極化”と呼び、単なるリメイクに留まらない作品を提供してくれる。「龍が如く」シリーズの“極化”による進化は圧倒的で、極化を飛び越えて“新作化”と呼びたいほどだ。

 今回2月12日に発売されるPS5/PS4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/Steam用「龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties」のベースになったのは、2009年にPS3で発売された「龍が如く3」だ。“極化”の例に漏れず、グラフィックスの向上やシステム改善はもちろん、新規シーンの追加やサブストーリーの再構成、ガッツリ遊べる新コンテンツの追加など、オリジナルから大きく変化している。

 また、タイトルに含まれているとおり、シリーズの人気キャラクター峯義孝を主人公とした完全新作「龍が如く3外伝 Dark Ties」も収録され、両作をプレイすることでさらに物語やキャラクターを深く掘り下げられる。

 今回は、そんな「龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties」の一部を先行体験できた。本稿ではそのレポートをお届けする。

【『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』アナウンストレーラー【2026年2月12日発売】】

【龍が如く 極3】演者の変更が物語の印象を一新させる

 最初に、キャストの変更とそこから生まれる新たな魅力について語らせてほしい。ほかの極化作品でも感じたが、一部キャラクターの大胆なキャスト変更と、それによって生まれたキャラクターたちの新たな解釈は、ゲームに対する印象を変える大きなポイントだ。オリジナル版を遊び尽くしたプレーヤーにも全く新しい体験を提供する。

 変更されたキャストの例を挙げると、東城会直系浜崎組組長である浜崎豪がある。このキャラクターを演じるのは、俳優の香川照之さんだ。

 オリジナル版の浜崎はその風貌から、ゲーム内では「AV男優みたい」と言われることもあるキャラクターだった。だが、香川さんが演じる浜崎は、そうしたネタ的な要素を凌駕するほどの粘着質でいやらしいオーラを出している。

 香川さんの歌舞伎界や数々のドラマで培われた“怪演”とも言える圧倒的な演技力。それが浜崎という男に独特の“ネチっこさ”を与えているのだ。その表現は香川さんにしかできない演技だと感じた。

香川照之さんが演じる浜崎豪のネチっこさは素晴らしい

 一方で変わらない良さを見せてくれるのが、東城会若頭補佐であり、東城会直系「錦山組」で三代目組長である「神田強」。お笑い芸人の宮迫博之さんが続投している。

 神田強は、下品で、ゲスで、自分の欲望に忠実なキャラクターだ。このキャラクター造形は前作から変わらない安定感がある。本作に同梱される「龍が如く3外伝 Dark Ties」にも登場する彼だが、独特なテンションと小者感を演じきれるのは、やはり宮迫さんのお笑い芸人として培った経験と、持ち前のキャラクター性があってのことだろう。

変わらない安心感を見せてくれるのが宮迫博之さんが演じる「神田強」

 キャスト変更は東城会サイドだけではない。沖縄の「琉道一家」の面々も変更されており、劇的に印象が変わった。

 例えば琉道一家若頭の島袋力也は、オリジナル作品ではパンチパーマが似合う「昭和のチンピラ」的な熱血漢だった。しかし、笠松将さんが演じる力也は、「現代的なイケメン極道」といったイメージだ。

 同じセリフ、同じシーンであっても、笠松さんが演じることでそこにはスマートさを感じさせ、力也というキャラクターがより現代的になった。

島袋力也はグッとスマートに。かなり印象が変わった

 琉道一家組長の名嘉原茂もまた、キャスト変更により大きく印象が変わった。オリジナル版では、白髪にタンクトップ、そこから刺青が覗く、どちらかというとだらしなさのイメージが強いキャラクターだった。

 対して、石橋凌さんが演じる名嘉原は、作務衣を身にまとい、紳士的で渋い印象を受けた。さらに、あえて刺青を見せないことも名嘉原の印象を変えたのだ。

 笠松さんの力也と、石橋さんの名嘉原。この2人が醸し出すスマートで洗練された空気感によって、これまでは田舎のだらしない組という印象の「琉道一家」を大きく変えた。この変更は、物語全体の印象を大きく変えるファクターになりそうだ。

名嘉原茂の印象もかなり違う。より洗練された印象だ

暴走族から子育てまで、桐生の新たな一面を楽しめる追加要素

 キャスト変更により重厚な物語の印象が変わった一方で、「龍が如く」らしい遊び心あるコンテンツも追加された。それが「最強列伝 ツッパリの龍」と、「アサガオライフ」だ。

 「最強列伝 ツッパリの龍」は、レディースチーム「ハイサイガールズ」と共に敵と戦うバトルコンテンツだ。街中で仲間を集め、チームを編成して不良グループ「闘狂ナイトメア」と戦う。

 バトルによっては100人以上の敵と大乱闘を繰り広げるのだが、ハイサイガールズと共に桐生がバイクにまたがり、敵陣へ乗り込むビジュアルには思わず吹き出してしまった。元極道であり、それなりに年を重ねた桐生が、特攻服を身にまとい、バリバリの暴走族仕様にカスタムされたバイクで突っ込んでいくのである。このビジュアルのインパクトは読者も恐らく「桐生にこんなことをさせて良いんですか?」と言いたくなるだろう。

 とはいえ単なるネタコンテンツというわけではない。5人の仲間と一緒に戦う「ツッパリ喧嘩バトル」から20人の仲間を引き連れる大規模戦「血闘」まで、幅広いバトルが用意されているほか、仲間をスカウトしてチームを強くしていったり、バイクや特攻服のカスタマイズも楽しめる。自分だけのレディースチームを作り込む楽しさは「龍が如く」らしいやり込み要素である。

特攻服を着て敵対チームと戦う桐生。年も性別も関係ないのだ
敵対チームと乱闘を繰り広げるコンテンツ
レディースチームに所属する桐生を楽しんでほしい

 もう1つのコンテンツは「アサガオライフ」だ。このコンテンツでは、児童養護施設「アサガオ」で、桐生が子供たちのサポートを通じて「パパ」として成長していく姿が描かれる。こちらも単なるオマケではなく、異なるジャンルの遊びを詰め込んだミニゲーム集としてかなり作り込まれている。

  例えば、子供たちの宿題を見るクイズコンテンツ。これは、以前のシリーズ作品で登場した「資格学校」を彷彿とさせる4択クイズを楽しめる。今回は理科に挑戦したのだが、大人になって意外と忘れている問題の数々に悩まされた。

 料理パートでは、食材を混ぜたりアクを取ったりするアクション要素があった。今回プレイしたドラゴンカレーは簡単だったが、後半の料理は難易度が上がっていくという。

 ほかにも菜園に種を植え、作物を育てることもできる。収穫物は料理に使うほか、近隣住民と取引も可能だ。肉類などは取引でしか入手できないため、料理を極めるには取引も必須になりそうだ。

新人パパとしてアサガオでの生活をする

 これらのアサガオライフのコンテンツの中でも最も印象的だったのが「さいほう」というミニゲームだ。ミシンの針が固定された状態で、布の方を動かしてラインを縫っていく。このプレイ感覚は、自分の車が画面中央に固定され、前方から景色が流れてくる「昔のレースゲーム」を思わせた。コース取りをミスしないようスピードをコントロールしながら布を操る感覚が新鮮で面白かったし、ミシンを真剣に操る桐生の姿はそれだけでコミカルだ。

 そして、これらの活動を通じて桐生の「パパランク」が上がっていったり、子供たちとの絆ドラマが解放されていったりする。本編のシリアスな物語とは違った、ほのぼのとした桐生の生活を楽しめるコンテンツだ。

個人的にはレースゲームライクな「さいほう」が最も面白かった

【龍が如く3外伝 Dark Ties】峯義孝の二面性が生む、新たなバトル体験

 ここからは、「龍が如く3外伝 Dark Ties」について語っていく。

 まず面白いのは、「極3」と「3外伝」は同梱の2作でありながら、冒頭から色合いがはっきり異なることだ。

 「龍が如く 極3」における桐生一馬は、最終的に重々しい物語に巻き込まれていくとしても、沖縄でアサガオの子どもたちと穏やかな日々を送っている「元極道」だ。

 一方、「龍が如く3外伝 Dark Ties」で主人公となる峯義孝は、神田強の下に就く「現役極道」である。この立場の違いに加え、桐生と峯の性格やバックグラウンドの違いが、ゲーム全体のトーンを分けている。

2作品の対比に注目だ

 峯のバトルスタイルは、彼の人物像を見事に反映している。普段はクールで知性派として描かれているため、冷静に相手の隙を突くようなアクションが見られる。

 だが、「闇覚醒」をすると全く別の顔を見せる。バトルモーションは変わり、より非道なアクションに変わる。「龍が如く」らしい爽快感のあるケンカバトルというベースは変わらないが、これまでのシリーズ作品に登場したどのスタイルとも異なっており、峯の冷酷さを感じさせる。

 また、今回プレイできた範囲の中で印象深かったのは、松田賢二さんが演じる新キャラクター「碇新平」だ。このキャラクターがエビを豪快に食べるシーンがあるのだが、豪傑というよりは、クレイジーというか狂気的というか、そういう雰囲気を醸し出していた。この濃いキャラクターが峯とどんな掛け合いをするのか、そして、ストーリーにどう絡んでくるのか、楽しみでならない。

シュートボクシングをベースにしたバトルスタイルが特徴だ
碇新平のキャラクター性にも注目したい

多彩なサブコンテンツで広がる裏社会の物語

 「3外伝」にもメインストーリー以外に様々なコンテンツが用意されている。その1つが「神田カリスマプロジェクト」だ。神田の評判を上げるため、峯がさまざまなミッションに挑戦していくこのコンテンツは、信頼度を高めていくためのクエスト集のようなイメージを持ってもらえればと思う。そして、神田のカリスマが上がっていくと神田との絆ドラマが見られるのだ。

 そのクエストの内容は多岐にわたるが、神田も峯も現役の極道ゆえに「人を助けてハッピー」というような良い話ばかりではない。そういったダークな雰囲気は本作を通して描かれている。

 今回のプレイ範囲では、神田が峯を風俗店に連れて行ってくれる絆ドラマが見られたのだが、それは峯へのねぎらいというよりは、どの風俗嬢を指名するかで峯の女性の好みを知りたいという目的だったようだ。このように下品というかゲスというか――神田のそういう性格が改めて強調されていた。

神田の下品なところが表現されていて面白い

 また、もう1つの新コンテンツである、地下ファイトクラブで戦う「サバイバル・ヘル」もプレイできた。

 「サバイバル・ヘル」では過酷な環境の地下ダンジョンに挑戦し、生き延びて一攫千金を狙う。VIPはそれを見物しているという設定で、裏社会らしいブラックなバックグラウンドが用意されている。

 「サバイバル・ヘル」の特徴は、ローグライト的な設計にある。ダンジョンを攻略しながら賞金やアイテムを集めていき、宝箱からアイテムを拾う。これらのアイテムは次回のプレイに引き継がれ、峯をさらに強化できる。

 そうしてプレイを繰り返し、峯を強化したり、入手したお金で装備を整えたり、共に行動してくれるNPCを雇ったりする。そうすることで難易度が高いフロアを突破するというイメージだ。

 今回プレイできた範囲では、序盤の難易度はかなりイージーだったが、高難易度になると峯の強化やNPCを雇うことが必要になると感じた。お金を稼ぐ手段の1つでもあるので、繰り返しプレイすることになるだろう。

ローグライト的に何度も繰り返し楽しめるコンテンツになりそうだ

 ほかのプレイスポットを見ていくと、シリーズ定番のカラオケももちろん収録されている。峯が人気曲「ばかみたい」を熱唱するシーンは必見だ。普段クールな峯が全力で歌う姿は、キャラクターの新たな一面を垣間見せる。そして後半では、神田が登場する。こういった「なぜこのキャラが出ているんだ?」というツッコミどころはシリーズ作品共通で、今作でもきっちりと受け継がれている。

峯のカラオケもやはり面白い

 また、収録されているアーケードゲームと家庭用ゲーム機にも簡単に触れておきたい。この要素は「龍が如く 極3」と「龍が如く3外伝 Dark Ties」に共通する。今回は携帯ゲーム機「ゲームギア」が登場した。セガ作品はもちろん、バンダイナムコ(当時はナムコ)の「マッピー」などがプレイ可能だ。

 さらにアーケードゲームとしてセガの「救急車」なども収録されていた。「救急車」は、救急車を運転し、負傷者を救急病院に搬送するドライブゲームだが、個人的にゲームセンターでプレイしたことがある作品だったので懐かしかった。

収録されているゲーム作品も楽しい

【まとめ】“新作化”と言える出来。飽きやマンネリを感じさせない作品

 通して感じたのは、「龍が如く3外伝 Dark Ties」は、「龍が如く 極3」のおまけに留まる作品ではない、ということだ。峯義孝という魅力的な主人公を通じて描かれる、「龍が如く」シリーズの新作といえる作品になっている。

 神田カリスマプロジェクトの人間臭さ、サバイバル・ヘルのスリリングなバトル、何よりもゲスな神田とクールな峯の対比。これらが融合し、「龍が如く3外伝 Dark Ties」だけの魅力を生み出している。

 「龍が如く 極3」は「龍が如く3」をプレイしたプレーヤーにも飽きやマンネリを感じさせる作品ではない。開発元が何度も繰り返すように、確かに極化はリメイク作品ではなかった。それは“新作化”とも言える出来だ。

 実質新作になった「龍が如く 極3」に加えて、こちらも新作の「龍が如く3外伝 Dark Ties」がセットで遊べる。この2作品が1本のゲームを購入することで遊べるのだ。それだけでうれしい。しかもこの2作品は相互に作品の価値を高め合っている。

 なお、本作の体験版が近日中に配信予定だ。購入に悩んでいる方、いち早く本作をプレイしたい方はこちらで体験してみてほしい。

【先行プレイ映像で新キャスト・新要素を紹介!】