先行レビュー
近未来サイバーパンクレースゲーム「Screamer」体験レポート
1995年の名作レースゲームが現代にリブート。アニメパートも魅力的
2025年12月12日 13:00
- 【Screamer】
- 2026年3月26日 発売予定
- 価格:8,910円
イタリアの老舗レースゲーム開発会社であるMilestone S.r.l.が開発するPS5/Xbox Series X|S/PC用レースゲーム「Screamer」の発売日が2026年3月26日と発表された。パブリッシャーはドイツのPLAIONが務める。
「Screamer」は1995年にMilestone(当時の社名はGraffiti)が北米・ヨーロッパを中心に発売した同名レースゲームをモチーフとしたリブート作品となる。今回のリブート版では、オリジナル版でも好評だったアーケードゲームの臨場感に加え、白熱の戦闘アクションの要素、さらにはアニメーションによる謎多きストーリーも楽しめるのが特徴となっている。今回のリブートにあたっては、日本のアニメーションスタジオ「ポリゴン・ピクチュアズ」がアニメーションシーンを担当している。
「Screamer」シリーズは1995年にMS-DOS版がリリースされた後、1996年には続編の「Screamer 2」のほか、1997年に「Screamer Rally」などの続編もリリースされており、当時としては最先端の3Dグラフィックと圧倒的なスピード感で世界中のレースファンを魅了した名作だったようだ。Milestoneはその後、よりリアル志向のバイクレースゲーム「MotoGP」シリーズや「Ride」シリーズなどをリリースするようになり、今回のリブートは1997年以来、約28年ぶりの新作となる。
今回は発売日が決定した「Screamer」リブートについて、開発中バージョンをプレイする機会が得られたので、最新作のプレイフィールを紹介するとともに、本作のアニメーションを担当したCGアニメーション制作会社ポリゴン・ピクチュアズのアニメーションディレクター、島村大輔氏ら制作サイドのインタビューもお届けする。
1995年のPCゲームとしては驚異のポリゴン! 初代「Screamer」のビジュアルをチェック
初代「Screamer」については、当時の日本における詳しい情報はあまり確認できなかったが、現在でもSteamにて初代「Screamer」が980円で購入できるので試しに購入して、その動作を見てみることにした。起動してみると、DOSウィンドウが立ち上がりゲームモードを選択できる。
起動前のメニューを見ていると、通常のソロプレイのモードが楽しめる以外に、オンラインでの対戦モードなども備えられている。ここでサーバーやクライアントの設定をし、ローカルネットワークの設定をすることで、今でもオンライン対戦が行なえるようだ。
実際のゲームとしては、オーソドックスな当時のアーケードゲームのようなフィールだった。レースゲームとしてはリアルな挙動というよりは、アクセル全開でドリフトやハンドル捌きでCPUの車を抜いて上位を目指すという仕組みで、複数の車両から選択して、シフトチェンジについてもオートマ/マニュアルがチョイスできるなど、当時のレースゲームとしてはなかなかに完成度が高い。
車両は全てポリゴンで描画されており、当時としては高額な「Pentium」CPUや、ビデオカード「S3 ViRGE」などを導入することで、より高速に動作する作りとなっていたようだ。レース終了後には様々な角度からのリプレイ映像が楽しめるなど、この辺りも当時の3Dレースゲームらしさが全開で面白い。
リブートで近未来SFレースゲームに大進化! 新たな「Echoシステム」で敵対車両をクラッシュ!
では、新たにリブートした「Screamer」の試遊での様子を見ていこう。今回試したのは開発中のバージョンのため、実際の製品とは異なる可能性はあるが、システム自体はかなり完成されている印象を受けた。
舞台は近未来で、ちょっとディストピアテイストの荒廃した世界となっており、プレイ可能な登場キャラクターたちは15人。多国籍なメンバーで編成されており、それぞれが母国語を発して会話が行なわれる。何も考えずに見ていると、英語での質問に対して日本語で答えるなど、ややカオスに見えるが、近未来の世界ということで、自動翻訳システムが今よりも遥かに発達しているのだと考えると、こうした会話ひとつ取っても、趣が深い。
なお、字幕表示があるので、言語設定を日本語にしてあれば、他国の言語については全て日本語字幕で表示される。近未来の雰囲気を楽しみつつ、物語も楽しめるようになっている。
本作は車両を選択するスタイルではなく、15人のキャラクターたちが3人1組のチームとなっており、チーム単位で選択してそれぞれの物語を楽しみつつゲームを進めるストーリーモードが用意されている。個々のキャラクターを選択して自由なコースでレースを楽しめるモードも用意されているので、今回は自由にレースを楽しむモードで、2つほどのコースをプレイした。
本作ではオーソドックスなレースゲームの要素に加えて、ドリフト操作が簡単に行なえる「ツインスティック」システムを採用。コントローラーに備える左アナログスティックは一般的なレースゲームと同様に左右移動を担うが、カーブを曲がる際などに右アナログスティックを同時に操作すればドリフトできるため、比較的スムーズにドリフト操作が行なえる。もちろんドリフトのタイミングが悪ければ曲がり切れないし、ドリフトしすぎて壁に激突してしまう場合もあるので、操作の慣れは必要だが、レースゲームにあまり馴染みのない人であっても、比較的スムーズにドリフトできそうなシステムだと感じられた。
そして、新たに搭載された「Echoシステム」も魅力的だ。画面内にはこれらに使用する2種類のゲージが用意されており、ゲージを溜めることで、ブーストを発動させたり、相手をクラッシュさせられるスキルが利用できるという何ともド派手なシステムが追加となっている。
本作に登場する車両はセミオートマを搭載しているとのことで、画面上に表示されるタイミングで意図的にギアを上げる「アクティブシフト」操作を行なうことで、加速を維持しながらよりスムーズにSYNCゲージを溜められるようになっている。そしてSYNCゲージを一定数溜めれば一気に加速するブーストが利用できる。
そして、ブーストを発動することでもう1つのENTROPYゲージを溜められ、こちらのゲージを溜めることでストライクという急加速による攻撃技が利用できるようになる。本作の車両は普通に衝突した場合は特にダメージなどが蓄積されることはないのだが、ストライクを使って、相手の車両に衝突すれば、相手の車両は問答無用で爆発するのだ!
ストライクの回避手段としてはシールドという防御機能が用意されており、ストライクされそうなタイミングで発動して防ぐことができる。ストライクで爆発した車両は「KO」扱いとなり、短時間のペナルティが発生する。
こうした近未来の舞台にピッタリの過激なシステムが本作のゲームプレイをさらにド派手に盛り上げていると言える。
キャラクターには、レース中に効果を発揮できる個性が設定されている。例えば、主人公的な立ち位置のヒーローチーム「GREEN REAPERS」のヒロシは、ブースト中に再度ブーストを発動できるスキルを持つ。またアイドルグループで編成されたチーム「STRIKE FORCE ROMANDA」のアカネなら、前述のゲージと異なる「HYPE」ゲージを持っており、これを溜めることで、SYNCゲージの消費なしでもブーストが発動できるという強力なスキルを持っているなどの個性がある。
全体的な操作感としては、車両の操作についてはあまり考えなくても普通に走行できる。一方でツインスティックによるドリフト操作は慣れが必要であるため、同じコースを何度か走り込み、どのくらいのスティック操作でどのくらいドリフトするかを見極めるのが重要になりそうだ。
今回は前述のヒロシとアカネに加えて、「STRIKE FORCE ROMANDA」のヒナも試したが、スキル発動でかなりレースが有利に立ち回れるので、自身のプレイスタイルと相性のいいスキルでキャラクターをチョイスしたり、見た目の好みでキャラクターを選んだりしてプレイするのが面白そうだ。
いずれにせよ画面上の表示に合わせて操作する「アクティブシフト」はより早くブーストを発動させるために必要なアクションとなっているので、画面上のゲージなどを常時確認しながら車両の位置やコースを確認する必要があり、この辺りはやや忙しい形になっている。その分、ブーストでうまく他の車両をぶっちぎったり、ストライクで他の車両をクラッシュさせる爽快感は圧倒的に気持ちいい体験だ。
イタリア人の日本アニメ感とのすり合わせに苦労
ここからは本作のアニメ―ションを担当したCGアニメーション制作会社ポリゴン・ピクチュアズのアニメーションディレクター、島村大輔氏及びCGスーパーバイザーを担当した伊東克承氏、ラインプロデューサーの田中志保氏へのインタビューの様子をお届けしたい。
まず、シナリオやキャラクターデザインなど、どのくらいをポリゴン・ピクチュアズが担当したのかを聞いてみると、島村氏は「シナリオについてはMilestoneから全てきちんともらっていたほか、キャラクターデザインについても原案はデザインを提供されていた」と答えた。続けて、「シナリオから絵コンテに起こす際に、物語が噛み合わない部分についてはこちらで調整しているが、基本的にMilestoneから提供されたものをベースに制作を行なった」とした。
Milestoneからは1990年代の日本アニメ風デザインが当初の要望としてあったため、リクエスト通りに日本のアニメっぽいテイストのデザインを提出したが、先方のイメージと合わずにやり直すこともあったそうだ。Milestone側の持つ日本アニメのイメージとのすり合わせに時間がかかったという。例えば、当初の先方からの案にあった日本人のキャラクターの1人に「オロチ」という名前のキャラクターがいたのだが、流石に日本人の名前で「オロチ」はちょっと違和感があるとこちらから提案を行ない、最終的に「ケイジ」に変更したというエピソードもあったという。
その代わり、デザインのすり合わせが終わった後は、あまり先方からの修正などはなかったという。「認識の齟齬はあまりなく、こちらがやりたかったことと、Milestone側がやりたいことがいい形で融合して昇華した映像に仕上げることができた」と、完成したアニメーションパートに自信を見せた。
また、Milestoneからは、CGっぽくない、作画で魅せるようなアニメーションをリクエストされていたという。映画レベルの一流の原画マンが描くような作画らしく見せるためにはかなり苦労があったが、その点はポリゴン・ピクチュアズの得意分野でもあったため、うまく制作できたと苦労を明かした。
リクエストのイメージとして挙げられた作品にはどのような作品があったのかを聞くと、2010年公開のマッドハウス制作のアニメ映画「REDLINE」や、ゲーム「Cyberpunk 2077」をアニメ化した「サイバーパンク:エッジランナーズ」辺りがあったという。それらのテイストを意識しつつ、1988年公開のアニメ映画「AKIRA」や1995年公開の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」など、サイバーパンクのイメージに合った作品の雰囲気などもミックスして盛り込んだとした。
また、PVなどでも登場する謎の仮面の男「アポロ」については、先方が「ガンダム」などの作品から着想を得ている可能性があると教えてくれた。
筆者が初めてこの仮面の男を見た時は、1967年放送のレースアニメ「マッハGoGoGo」における「覆面レーサー」や、1991年放送のレースアニメ「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」における「ナイト・シューマッハ」辺りが元ネタかと思っていたので、それら作品について影響などはあったか聞いてみると、島村氏は「あー、そういえばそういうのもありましたね。今回は全然意識していませんでした」としており、全く意識の中にはなかったと語ったのには驚いた。これがジェネレーションギャップか……。
ストーリーの内容における見どころについて聞いてみると、「今回選択できる5チームは、それぞれにストーリーが用意されている。しかもそれらストーリーは密接に絡み合っており、全体で見るとさながら群像劇のようなお話に仕上がっている」と解説。つまりは物語の全貌を知るためには全5チームそれぞれのストーリーをチェックする必要があるようだ。
続けて「サイバーパンクテイストの街並みなど、近未来SFが好きな人には馴染みのある世界観となっているので、アニメが好きな人にはとっつきやすい雰囲気に仕上がっていると思う。荒廃した世界において、虐げられた環境からチームメンバーたちが葛藤や悩みを乗り越えて勝ち上がるような展開になっているので、多くの人が楽しめるストーリーになっている」としており、ゲーム目的ではなく、アニメーションパートを目的にアニメファンがチェックするくらいのクオリティになっている可能性は高そうな印象を受けた。
ゲームの合間にカットシーンのようにアニメーションが挿入される演出について聞いてみたところ、インタビューを実施した現段階では、並行作業をしていたこともあり、まだゲームとアニメーションが融合した部分については確認できていないのだという。そのため、ゲームの合間にどのような演出でアニメーションがスタートするのか、見るのが楽しみだと伊東氏が語ってくれた。
島村氏に本作での好きなキャラクターについて聞いてみたところ、ヒーローチームと敵対するライバルチーム・Anaconda Corpに所属するガブリエル、ダーク、ホークの3人が好みで、3人とも深い人間味があったので面白かったとコメント。また、伊東氏はオーソドックスにヒーローチームの主人公、ヒロシともう1人の仲間のロイシンの2人の掛け合いが好みだとしており、「当初はいがみ合っている2人が、衝突を繰り返す中で段々とまとまってきて、最後に協力して勝利、といった成長物語のような雰囲気がよかったです」とした。
最後にGAME Watchを見ているゲームファンに向けてのメッセージを伺うと、島村氏は「『Screamer』はレースゲームなので、レースがより楽しめるようなストーリーを、Milestoneと協力してゲームがより捗るような映像を構築したつもりなので、アニメーションパートも楽しんでもらってゲームの楽しみの幅を広げてもらえればありがたい」とした。
また、伊東氏は「『Screamer』は重厚感のあるゲーム体験にアニメーションの要素が加わってより楽しめるゲームになっていると思う。プレイできる15人のキャラクターの中から好きなキャラクターを見つけて楽しんでもらえればうれしい」、田中氏は「今回、イタリアのMilestoneさんと日本のアニメ制作会社とのコラボで1つの作品を作っているので、本作をきっかけに海外の人が日本のアニメも楽しんでもらいたいですし、日本の人たちも海外のゲームをやりながら馴染みのある自分たちのアニメーションを見てもらうなど、全世界の人たちに響いたらいいなと思います」としてインタビューを締めくくる形となった。
ポリゴン・ピクチュアズは1983年設立で、同じ名前で現存している会社の中では最古のCGアニメーション制作会社だという。海外タイトルでは「スターウォーズ:クローン・ウォーズ」や「スパイダーマン:フレンドリー・ネイバーフッド」など、国内作品では2024年放送の「アイドルマスター シャイニーカラーズ」のテレビアニメ版や、2025年2月に公開された映画「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」を担当するなど、かなりの実力派なので、ストーリーモードについても期待できそうだ。
レースゲームとしてだけでなく、アニメパートも期待大
以上、「Screamer」を実際にプレイした感触と、アニメーションパートを制作したポリゴン・ピクチュアズのインタビューの模様を紹介した。
従来の「Screamer」のスピーディーなレース展開などは残しつつ、リアルな近未来の雰囲気に加えて、新たに追加された「Echoシステム」がゲームを盛り上げるいいスパイスになっており、完成度はかなり高いシステムに仕上がっていると感じられた。よりリアルなバイクレースゲームを数多く手掛けたMilestoneが、満を持して過去作をリブートしたという点も含めて期待値はかなり高い。
ゲームとして見ても、新たな近未来アニメとして見ても「Screamer」は2026年発売タイトルとして今から期待が高まる1本となっているのは間違いないと言える。
(C)2025 Milestone S.r.l.


















































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