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気だるげ女子のカフェ経営&ローグライク「HIPS N NOSES」に注目!【G-STAR2025】

独特のアートワークが目を引く世界。カフェと悪夢を行き来する不思議体験

【G-STAR 2025】
開催期間:11月13日〜11月16日
会場:BEXCO(韓国・釜山)

 「G-STAR 2025」にて、PC用カフェ経営&ローグライク「HIPS N NOSES」が出展されている。アートワークが独特で目を引くほか、実際に体験して興味深い内容だったので、本稿にてご紹介する。

【HIPS N NOSES 1st PV】
「HIPS N NOSES」ブース。試遊する人たちで賑わっていた

 「HIPS N NOSES」は、「眠らないこと」が当たり前であり、眠る=異常な行動とされる世界を舞台としたカフェ経営&ローグライクアクションゲーム。開発は韓国のPepper Stones。主人公は眠る“病気”にかかっている少女「メラ」で、ストーリーはメラがカフェ「HIPS N NOSES」を訪れるところからはじまる。

 カフェで待っていたのは、同じ“眠る”体質を持つ女性の「ベリ」。この時点では詳細が伏せられているが、2人とも頭から若葉が生えており、これが「眠る人」の特徴であるようだ。眠る病気を治したいと話すメラに、ベリはカフェ経営をしてみないかと提案する。いろいろと秘密が隠されていそうな、気になる展開だ。

デモのオープニング。すでに雰囲気がいい
同じ「眠る」体質を持つベリ。何かいろいろ知っていそうなそぶり

 カフェ経営パートでは、来客者の注文を受け、ドリンクメニューをつくって提供することで資金を稼いでいく。開店前にコーヒー豆や牛乳などの材料を用意しておいて、作成時はメニューを指定するだけ。あとは材料を入れて大釜で煮込むことで、(なぜか)メニューが完成する。客に持っていって確定すれば、提供成功だ。

 やることはシンプルだが、客は具体的なメニューを指定しないこともある。「温かい◯」「柔らかい×」などの好みだけが提示される場合があり、好みに該当する(あるいはしない)メニューをこちらで考えてつくらなくてはならない。

カフェパートの画面

 客が待ってくれる時間には制限があり、客が1人ならゆっくり考えて対応できるが、人数が増えて同時に考える必要が出てくると、これがなかなか混乱してくる。ゲームが進めば要素はもっと増えていくようなので、かなりやりごたえがある。

 またメラはちょっと雑なところがあるようで、提供時、ドリンクをトレーで客に叩きつけるというミニゲームが発生することがある。そんなことして大丈夫かと思うが、タイミングよく叩きつけると、メニューの制作スピートが上がったり、客の制限待ち時間が伸びたり、いろいろとメリットがある。よく考えると理屈が不明だが、勢いがあるし、そんなメラの姿がかわいらしくて良い。

カフェパート終了時のリザルト画面

 カフェは夜には閉店となるが、本作のポイントはここから。メラがベッドで眠ると、悪夢パートがスタートする。

 悪夢パートでは視点が変わり、見下ろし型の2Dローグライトアクションが始まる。攻めてくる敵を倒すと経験値を得る玉をドロップし、これを取って一定数溜まればレベルアップ。攻撃速度上昇やクリティカル率アップなど、能力を上げる報酬がランダムに3種類提示される。これを繰り返し、敵に倒されるまで続けていく。できる限り生き延びることが目標だ。

 倒されると“起床”となり、その回のプレイは終了。内容に応じて頭に花が咲き、こちらが報酬となる。花は、カフェパートでドリンクをつくる際の燃料に使用できる(とにかくそうなっている)。より多くの花を咲かせて燃料を稼ぎ、カフェでどんどん客を捌いて売上を上げていく……といった感じでゲームは進んでいくようだ。なお、悪夢パートでの能力ベースを上げるスキルツリーの画面も見ることができた。

悪夢パート。「ヴァンサバ」のようなローグライトアクションがはじまる
倒されると起床。頭に花が咲く

 提供メニューや買うべき材料は増えていくし、カフェにも普通の客だけでなく迷惑客や、ボス客が登場するなど、一筋縄では行かない要素がまだまだあるという。謎が多い、しかしどこかゆるい世界観で話が進んでいくところが本作の魅力だろう。

 本作はアーリーアクセス版を2026年第1四半期に配信予定。本作は東京ゲームショウ2025でも試遊版を出展しており、日本語がすでにバッチリ収録されていた。11月にはSteamにてプレイテストを実施する予定。最新情報を楽しみに待ちたいと思う。

悪夢パート用のスキルツリー
材料は購入して揃える。仲間は悪夢にて一緒に戦ってくれる