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空飛ぶパワードスーツ! PvPvE型ルート&脱出シューター「EXOBORNE」を体験【TGS2025】

3つのロールで挑む文明崩壊後の世界

【EXOBORNE】
配信日:未定
価格:未定

 Level Infiniteブースに出展しているPC用脱出シューター「EXOBORNE(エグゾボーン)」は、Sharkmobが開発する新作。文明崩壊後の世界を舞台に、いくつかのロールに分かれたExo-Rigによるアクションが特徴的なルート&脱出型PvPvEタイトルだ。

 本作の特徴となっているのが、パワードスーツ「Exo-Rig」の存在だ。空中浮遊、光学迷彩、強力な突進攻撃など、SF的な能力によって戦場は3次元に拡張され、戦術の幅が広がる。

 今回は東京ゲームショウ2025の会場で本作の試遊版を体験できたので、その内容をお届けする。

【Exoborne Playtest 2 | Announcement Trailer】

荒廃した世界に残る文明の痕跡

 本作の舞台は、かつて栄えた文明が破壊された荒廃した世界。地上の建造物は大半が破壊されているものの、地下施設や一部の建造物は当時の姿のまま残されており、そこには貴重なアイテムも放棄されている。まだ動く車両も残されており、移動に使うこともできた。

 また、フィールドには攻撃的な敵も徘徊しており、非常に危険な世界だ。荒廃した世界とまだ残る文明の痕跡、そして危険な敵対勢力と、他のプレーヤーたち。このコントラストからなるポストアポカリプス世界を探索する。

荒廃した世界だが、荒らされていない地下室などもあり、このコントラストが本作の世界観を浮き立たせている
乗り込むことができる車も確認できた

 本作最大の特徴は、3人1チームでこの世界を探索することと、明確なロールシステムにある。試遊では「ケストレル」、「コディアック」、「ヴァイパー」という3つのロールを持ったExo-Rigを体験できた。

 ケストレルは偵察や機動力に特化したExo-Rigだ。空中でのホバリング機能と上昇気流生成能力を持ち、グライダーと組み合わせることで高い機動力を発揮する。チームの目となり、素早い移動で戦況を有利に導く役割を担う。

 コディアックはいわゆるタンク的な役割を持っている。ジャンプからのグラウンドスラムや突進攻撃を得意とする前衛タイプ。高い耐久力でチームを守りつつ、敵陣への強行突破も可能な存在だ。

 ヴァイパーは戦士的なポジションで、光学迷彩による隠密行動が可能。この光学迷彩はパーティメンバーにも適用可能だ。また、高い攻撃力を持った近接攻撃が得意だ。

 これらの異なるロールを持ったExo-Rigにより、リアル系シューターには登場しない非現実的なアクションで、ルート&脱出シューターを楽しめる。

今回のプレイでは3種類の異なるExo-Rigを体験できた。この3種類の組み合わせで戦術の幅が出るのが面白い

 1回の探索では約20分の時間制限が設けられており、これがゲーム全体の緊張感を演出する。しかも、残り4分を切ると自分たちの位置が敵チーム全員に公開されリスクが大きく上昇し。脱出できずに制限時間を過ぎると即死する。もちろん、死ぬとアイテムはそこに落としてしまう。

 この仕様により、ファーミング一辺倒の戦略は封じられている。ルートしたアイテムを持ち帰るためには、残り時間にも注意を払いながら、リスクとリターンのバランスを考えながら行動することが求められる。

マップを見るといくつかのロケーションがあり、それぞれに有利にファームができるポイントなどがある。だが、制限時間が大きなネックになる
制限時間内にフィールドから脱出する必要がある。なお、脱出ポイントは複数用意されているので、どこから脱出するかも重要なポイントだ

 例えば、マップに「タワー」と呼ばれる特別なスポットが存在している。ここには貴重で高価なアイテムが多く入手できるのだが、入るにはちょっとしたパズルを解く必要があった。このパズルを解くための探索にも時間がかかるため、制限時間とのバランス取りが重要だ。

 今回は開発陣のサポートがあったため、パズル自体は早めに解けたのだが、それでもファームのことを考えると、制限時間はかなり厳しかった。こういったハイリスクハイリターンな場所に挑戦するか否かの判断が勝敗を分ける要素となりそうだ。

今回は2回プレイできた。プレイ終了後にファームしたアイテムの価値に応じてスコアが表示されるのだが、タワーでファームした2回目の方が圧倒的にスコアが高かった

 また、天候システムもゲームプレイに大きな影響を与える。今回は「ストーム状態」の体験ができ、その状態の場合は常時グライダーでの飛行が可能になる。風が止むと高所から飛び降りるときにしかグライダーが使えないため、「ストーム状態」の移動のしやすさは心地よい。

 ほかの天候が存在すると別の効果も生まれるだろうし、天候と戦術のバランスで脱出へのアプローチも異なってくるかもしれない。

「ストーム状態」の時はいつでもグライダーが使える。これが移動に大きく影響を及ぼす

 試遊を通じて印象的だったのは、ロールが存在することによる戦術の多様性だ。それぞれのExo-Rigによる非現実的なアクションは戦術の幅をもたらし、移動の自由度が高く、戦闘システムとして非常に完成度が高い印象を受けた。

 長期的な楽しみという点では、今後追加されるマップやロールの種類、そしてルートアイテムの価値を決める経済システムの詳細が重要になってくるだろう。これらの要素がプレイヤーのモチベーション維持にどう影響するかが、本作の成功を左右する鍵となりそうだ。

 「EXOBORNE」は現在Steamでプレイテストを実施中。リリースタイミングは未定だが、今回プレイできたマップやベースのシステム、そして日本語翻訳のクオリティは十分な域に達していると感じた。今後の続報に期待したい。