先行レビュー
ギミック満載のボス戦! 「ボーダーランズ4」先行レビュー【後編】
「ラファ」の“自動攻撃”が使いやすくて便利
2025年6月22日 05:00
- 【ボーダーランズ4】
- 9月12日 発売予定
- 価格:
- 通常版:9,460円
- デラックス・エディション:13,860円
- 超デラックス・エディション:16,500円
「ボーダーランズ」シリーズ最新作となる2KのシューティングRPG「Borderlands 4(ボーダーランズ4)」。6月18日に公開済みのハンズオンプレビューの前編に引き続き、今回は後編をお送りする。
前編では、本ハンズオンプレビューにおけるフィールド内でのゲームプレイと、新たなヴォルト・ハンター「ヴェックス」の使用感などを紹介した。今回の後編では、もう一人のヴォルト・ハンター「ラファ」の使用感、そして試遊で体験できた「ヴォルトミッション」でのボスバトルなどについてお届けしていく。
なお「ボーダーランズ4」は9月12日発売予定で、対応プラットフォームはプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC/Nintendo Switch 2。価格は9,460円から。Nintendo Switch 2版のみ2025年発売予定。
新キャラ「ラファ」は自動攻撃が使いやすい
ハンズオンプレビューの後半では、ヴォルトミッションのボスバトルを体験することができた。このコンテンツでプレイできたキャラクターは、エクソスーツを身に纏ったヴォルト・ハンターの男性・ラファだ。ラファは低重力環境の中で生まれ育った人物で、身体にハンディキャップを持つため、通常の環境では生きられない。そんな彼は軍隊入隊後に新型のエクソスーツに適応する人体改造を施されたが、軍との軋轢によって1人逃亡している状況だ。
ラファの軍隊仕込みのコンバットスタイルは、プレイアブルキャラクターの中でも比較的クセが少なく、扱いやすそうな印象を受ける。アビリティを使うと、背中にマウントした2本のアームが、敵を自動で識別して一定時間射撃を行う。ボス敵への火力一点集中や、正面に複数の敵がいる場合にも有効に機能する。画面内に敵を捉えていれば、自動で攻撃し続けてくれるので、ラファ自身の火力も落ちにくいのが扱いやすい理由の一つだろう。
移動しながらドンパチで敵だらけの戦場を突破
「ヴォルトミッション」は、「ヴォルト」と呼ばれる空間の裂け目に入ってプレイするミッションの1つ。この試遊で体験したステージは、いくつかのエリアによって構成されていた。エリア内の敵を全て倒すと移動用のジャンプ台が出現し、これを経由することで次のエリアでまた戦闘を行う、といった具合だ。
そうして、最奥のボスエリアへの到達を目指していく。一つひとつのエリア範囲はそこまで広くないが、エリアによってはやや高低差が見られ、ジャンプに使えるガスが噴き出している箇所もある。岩石による凹凸が多めの地形なので、岩を弾除けとして使いつつ、敵の射線から身を隠しながら確実に削っていくことになる。
一人ひとりの敵はそこまで強くないものの、プレイ中に接近戦を仕掛けてくる敵がかなり厄介だ。比較的攻撃しやすいポイントから撃ち合っていると、知らぬ間に後ろへと回ってきていて、強烈な一撃を喰らう。反撃するため後退しながら戦うわけだが、恐れを知らぬソイツは、体力が尽きるまで執拗にプレーヤーを殴ろうと追いかけてくる……。
ミッション中はこの不意打ちを避けるためにも、ダブルジャンプやグライドといった移動系のアクションを絡めて、周囲の敵と距離を取りながら戦い続けなければならない。幸いにもラファのアビリティは、こういった移動しながらの立ち回りに相性ピッタリだ。また、出現する敵の数もそれなりに多く、たびたび弾薬が尽きてしまう場面もあった。ついバトルに気を取られがちだが、倒した敵から武器を拾い続けて何とかやりくりしていく。
ボス「インセプトゥス」登場! ギミック盛り盛りの厳しい戦いに
やがて最後のエリアに到達して、いよいよボス「インセプトゥス」戦だ。既に幾つかの戦いを経てきて、ゲームの操作もラファの立ち回り方にも慣れてきていたから、「流石に勝てるだろう」とたかをくくっていたら、これが全く勝てない。
「インセプトゥス」は巨大、かつ素早く飛び回る虫のような風貌を感じさせるボスモンスター。高い攻撃力に加え、中々削り切れないシールド値、そしてとにかく沸きまくる雑魚敵と広範囲の攻撃の数々を繰り出してくる。ただ避けて撃ち続けるだけでは、こちらがあっさりと倒されてしまう。数回のリトライを重ねて感じたのは、本作から追加された新アクションを大前提とした難易度になっている点だ。
ボスの攻撃は確かに広範囲。しかも攻撃動作まで素早く、発生を見てから回避行動を取るのではまず間に合わない。とりわけ手痛いのが、尻尾でプレーヤーを引き寄せた後に薙ぎ払う攻撃モーション。一撃貰うだけでこちらのシールド値が誇張抜きに9割持っていかれる(というレベルの設定だった)。
だが、よくよくボスを注視していると、その攻撃の予備動作が他と比べて分かりやすいことに気が付いた。尻尾で引き寄せる1段目のタイミングに合わせて、左右に「グライド」(回避)してしまえばなんてことはない。
またボスの体に「グラップル」で引っ張れる場所がいくつかあり、使用すると攻撃が通りやすくなる弱点が一定時間露出する。狙いをこの弱点に定めるのも、攻略のポイントとなっていた。
ワラワラと湧いて出てくる雑魚敵も、円周上のフィールドであることを活かし、ボスを中心にぐるぐると周り続けながらスルーしていればそこまで脅威ではない。むしろ、「ボーダーランズ」シリーズお馴染みのシステム「セカンド・ウィンド」(体力が尽きた際に雑魚敵などを倒すとその場で復活できる)を利用するため、即死級攻撃に備えた保険として活用するのがベターだろう。
ボスはまずシールド値を削り切ってから体力を減らしていかねばならないので、持久戦になりやすい。また、バトルが終盤になるとボス敵らしく、今まで使ってこなかった攻撃モーションを織り交ぜてくるのが嫌らしい。
ボスが天井にぶら下がり、プレーヤーのいる地表を毒ガスのようなもので満たす攻撃では、こちらが地面にいるだけでガリガリと体力が削れてしまう。一見理不尽だが、この時間はボスの周囲をグラップリングで飛び回ることができ、無傷でやり過ごせた。最終的には試遊時間のギリギリまで粘り続けて、なんとかボスを撃破するに至った。
今回の試遊で体験したボスバトルは、過去作と比較しても(そういうレベル設定だったとはいえ)相当に手強かった印象だ。本編で登場するボスが必ずしも皆そうではないと思うが、ヴォルトミッションといった特定のコンテンツでは、今回のプレイのように苦戦必死な強敵が登場するのも想像に難くないだろう。それこそ死んで覚える“死にゲー”を連想したのは事実だ。
しかし、プレーヤー側にもやれることは多いだろうし、協力プレイで遊べればこうした強敵は大いに盛り上がるはず。また、強敵を打倒するために、最強の武器を求めていく一つのモチベーションに繋がりやすい。強力な武器を集める収集の醍醐味と、困難を乗り越える達成感が絡み合うこと──。これこそが「ボーダーランズ」ゲームプレイと言えるだろう。「ボーダーランズ4」になり、ここがどれほど進化してくるのか。今回の体験はほんの一部だったが、ぜひ製品版に期待したいところだ。