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「刀ミュ」新作「坂龍飛騰」開幕! 初日会見&ゲネプロレポート

やり残した「坂本龍馬と陸奥守吉行」を描く

【「ミュージカル「刀剣乱舞 ~坂龍飛騰~」】
・開催日
東京:3月23日~3月30日(TOKYO DOME CITY HALL)
大阪:4月5日~4月26日(箕面市立文化芸能劇場 大ホール)
東京凱旋:5月2日~5月11日(TOKYO DOME CITY HALL )
・チケット料金
S席 12,500円
A席 9,500円(全席指定)

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 「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~坂龍飛騰~」が、本日3月23日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで開幕した。これに先がけ、初日会見と公開ゲネプロが行なわれたので、その様子をレポートする。

 刀剣シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原案とした「刀ミュ」シリーズは、今年で10周年を迎え、本作が12作目となる。「刀剣乱舞」では、歴史修正主義者率いる「時代遡行軍」に刀剣男士たちが立ち向かい、正しい歴史を守るというストーリーが大筋だ。

 今回上演される「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~坂龍飛騰(ばんりょうひとう)~」の舞台は幕末。坂本龍馬とその愛刀である陸奥守吉行を中心に描かれ、坂本龍馬に関わる歴史を守ることが刀剣男士たちの任務となる。

 出陣する刀剣男士は、陸奥守吉行を含め、肥前忠広、南海太郎朝尊、笹貫、後家兼光、大慶直胤の6振り。ストーリーには歴史上の人物として、坂本龍馬、西郷隆盛、久坂玄瑞、岡田以蔵、勝麟太郎などが登場する。

 初日会見には、陸奥守吉行を演じる田村心、肥前忠広を演じる石川凌雅、南海太郎朝尊を演じる塩田一期、笹貫を演じる福澤侑、後家兼光を演じる佐奈宏紀、大慶直胤を演じる大友至恩、そして演出の茅野イサムが登壇。

 田村心と石川凌雅は過去の刀ミュシリーズに出演したことがあり、今回は塩田一期、福澤侑、佐奈宏紀、大友至恩の4名が初出演となる。

 田村心は「僕個人として7年ぶりの本公演となり、かなり気合を入れて臨んでいます。しかし気合だけではどうにもならないこともあり、自分の未熟さと改めて向き合う稽古期間でした。その中で絶対に折れないぞという気持ちは忘れず、ひたすらに前を向き今日まで過ごしてきました。7年ぶりの陸奥守吉行の出陣、楽しみに待っていてください」と自信を見せた。

 石川凌雅は「今回の発表が元日1月1日にあり、そこから3カ月半、振り返ればあっという間ですが当時からは想像できないような感情を経験させてもらいました。ファンの皆様、スタッフの皆様、そして空の向こうできっと見守ってくださっている幕末の偉人の皆様にもお届けできるよう精一杯、刀剣男士として生き抜きたいと思います」と意気込みを語った。

陸奥守吉行を演じる田村心
肥前忠広を演じる石川凌雅

 塩田一期は「ここまで長かったのですが体感は1週間くらいで、とても充実した期間で一生懸命目の前の課題と向き合いました」と振り返る。

 また、実は日本史が苦手であることも明らかにし、「正直日本史がすごく苦手だったんですけど、この作品に携わせていただくことになり、改めて日本史を勉強しました。そして、こんなにも素敵なドラマが繰り広げられていたんだと、日本人で良かったと改めて感じ、見にきてくださるお客様にも、この作品を通して自分と同じように歴史を愛していただければと思います」と話し、演出の茅野イサムからは「いい挨拶だった」と称賛される。

 福澤侑は過去の刀ミュシリーズに振付・ステージングで関わったことがあるが、刀剣男士として出陣するのは今作が初となる。

 「今回出演者として参加させていただいて、その刀剣男士が持ってる性格や特質を皆と一緒に考えながら生み出していって、すごい深いなって思いました。皆すごく真面目に稽古に取り組んでいて、メンバーだけではなくアンサンブルの方だったりスタッフの方だったり、本当に関わっている全ての皆様がすごい熱量でやってるので、自分もそれにちゃんと応えなきゃと思い、とにかく必死でした。僕自身できることをすべてぶつけて参ります」(福澤)

南海太郎朝尊を演じる塩田一期
笹貫を演じる福澤侑

 佐奈宏紀は「はい! 愛の戦士、後家兼光役の佐奈宏紀です。皆さん、ごっちん(後家兼光の愛称)と呼んでください」と、佐奈宏紀らしいユニークな挨拶で場を盛り上げる。

 「本当に濃密な稽古期間で、役者人生の中で、刀ミュに触れなければ絶対にわからなかった役作りみたいなこともありました。新たな扉が開いている感覚がして本当に楽しみです。新刀剣男士として新たな風、そしてごっちんとしては皆様にたくさんの愛を届けられるように頑張ります」(佐奈)

 大友至恩は現在17歳と最年少刀剣男士で、意気込みを語る途中で言葉に詰まり、田村心から「緊張するね」と助け舟を出される場面も。

 先輩からの声掛けで緊張がほぐれた大友は「自分自身あまり経験がないのですが、今回2カ月という長くも短い期間の中でたくさん学ぶことがあり、時には自分のことを大丈夫なのかなって心配することもあったんですけど、ようやくここまでこれて、見てくださる主の方に幸せを届けられたらいいなと思っております」と胸中を明かした。

後家兼光を演じる佐奈宏紀
大慶直胤を演じる大友至恩

 演出家の茅野イサムは本作について、「今回はズバリ坂本龍馬と陸奥守吉行の物語です」とコメント。「前回むっちゃん(陸奥守吉行の愛称)が出陣したのが7年前の『結びの響、始まりの音』で、あの時は坂本龍馬が冒頭であっという間に死に、陸奥守吉行と坂本龍馬の物語に深く入り込むことができなかったので、僕としてはやり残してる感じがありました。あの時むっちゃんがなんであんなに悲しいものを背負っていたのかとか、なぜあんな強くなったのかということも、今作でしっかり描きたいな、何より僕が知りたいなということが大きく、それを主軸に描いていきました」と作品への思いを語った。

 また、座組について茅野が「挨拶を見てわかるようにすごく個性豊かで、こっち組(佐奈・塩田・田村)と、向こう組(石川・福澤・大友)とでちょっと色が変わるというか、真面目組と……」と話すと、すかさず佐奈が「こっちが真面目ですか」と切り込み、塩田は「嬉しい~」と相槌を打ち、カンパニーの雰囲気の良さも垣間見れた。

魅力的な楽曲と殺陣で刀剣男士の個性が光る

 公演は1部がミュージカル、2部がライブの二部構成で上演。1部は序盤から肥前忠広と後家兼光の手合わせや、刀剣男士と時代遡行軍の戦いなど激しい殺陣が繰り広げられる。

 田村心扮する陸奥守吉行は、今回の出陣では隊長を努めており、真っ直ぐで快活な立ちふるまいで刀剣男士たちを率いていく。明るい性格と土佐弁があいまって、困難や苦境に立ち向かう姿も頼もしく感じられる。

 石川凌雅扮する肥前忠広は、岡田以蔵が使用していたとされる脇差。石川凌雅自身の歌唱力の高さと所作の美しさが、肥前忠広の強さに納得感を持たせており、歌唱シーンも殺陣のシーンも鬼気迫るものがあった。

陸奥守吉行と坂本龍馬
肥前忠広
肥前忠広と後家兼光の手合わせ

 塩田一期扮する南海太郎朝尊は、学者然とした刀剣男士で、知識で審神者を助ける。作中でも「南海先生」と呼ばれるシーンがあり、知的なふるまいが他の刀剣男士と一線を画す。その一方で人斬りにふさわしい刀でもあり、交戦シーンではスマートに敵を斬っていく姿も印象に残った。

 福澤侑扮する笹貫は、鎌倉時代に活躍した刀工で、波平行安作の太刀。前述のとおり福澤侑は過去の刀ミュシリーズで振付・ステージングで携わっており、ダンススキルと身体能力の高さはお墨付きだ。殺陣のシーンでの剣さばきに、ソロ楽曲でのダンスパートと、何度でも目を奪われることに間違いない。

南海太郎朝尊
笹貫のソロ楽曲

 佐奈宏紀扮する後家兼光は、「愛の戦士」を名乗るだけあってやわらかく気さくな雰囲気が印象的だった。一方で交戦シーンや歌唱シーンでは、佐奈宏紀の魅力でもある重厚感のある低音ボイスが際立ち、その強さに説得力を感じさせる。

 大友至恩扮する大慶直胤は、時折発せられる「あるけみー」といった台詞から、科学の徒であった刀工大慶直胤作の打刀であることが特徴づけられている。演じる大友至恩は17歳とは思えないほどの立ちふるまいで、堂々とした演技と歌唱が圧巻。いたずらっぽい表情を見せたと思いきや、スッと大人びた表情をすることもあり、多様な表情が見られるのも本作の楽しみの1つとなるだろう。

 また、敵の狙いである坂本龍馬演じる上山竜治にも注目が集まる。上山竜治はこれまでにブロードウェイミュージカルなど数々の作品に出演する実力者俳優であり、その歌唱力はお墨付きだ。刀ミュシリーズは刀剣男士と歴史上の人物の関わりが見どころであり、本作もまた上山竜治扮する坂本龍馬によって作品に深みが生まれている。

大慶直胤と陸奥守吉行
坂本龍馬を囲む刀剣男士たち

 2部のライブパートは衣装や楽曲が変わり、1部とは異なる雰囲気で会場を盛り上げる。2部のみペンライトやうちわを持って応援ができるのも、刀ミュシリーズの醍醐味といえるだろう。刀剣男士それぞれの個性を活かした楽曲やパフォーマンスは、何度でも見たいと思わされるほど魅力的だった。

 なお、本作は動画配信サービス「DMM TV」にてライブ配信や、全国の映画館でライブビューイングも行われる。劇場に足を運ぶのが難しいという場合も、配信やライブビューイングでぜひ楽しんでいただきたい。

「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~坂龍飛騰~」公演概要

【公演期間・劇場】
東京:TOKYO DOME CITY HALL 3月23日~3月30日
大阪 :箕面市立文化芸能劇場 大ホール 4月5日~4月26日
東京凱旋:TOKYO DOME CITY HALL 5月2日~5月11日

【原案】
「刀剣乱舞ONLINE」より(DMM GAMES/NITRO PLUS)

【演出】
茅野イサム

【脚本・作詞】
浅井さやか

【音楽監督】
YOSHIZUMI

【振付・ステージング】
本山新之助/TETSUHARU/桜木涼介

【出演】
陸奥守吉行:田村心
肥前忠広:石川凌雅
南海太郎朝尊:塩田一期
笹貫:福澤侑
後家兼光:佐奈宏紀
大慶直胤:大友至恩

坂本龍馬:上山竜治

西郷隆盛:松本亮
久坂玄瑞:鈴木利典
岡田以蔵:兼松若人
勝麟太郎:日野陽仁

岩崎大輔 / 村中一輝 / 大野涼太 / 杉山諒二 / 花見卓也 / 齋藤駿 / 佐藤一輝 / 島田和哉 / 白濱孝次 / 塚田知紀 / 寒川祥吾 / 千葉恵佑 / 兵藤結也 / 松原海児 / 千大佑 / 河島樹来 / 田中蘭丸 / 末髙伊織 / 森本拓也 / 茶谷優太 / 二宮礼夢 / 南舘優雄斗

【主催】ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
(ネルケプランニング ニトロプラス DMM GAMES ユークリッド・エージェンシー)

【公式サイト】https://musical-toukenranbu.jp/
【公式X】 @musical_touken

配信情報

【配信公演】
・【東京公演初日】2025年3月23日(日)18:00公演
・2025年5月11日(日)12:30公演
・【大千秋楽】2025年5月11日(日)18:00公演

【販売期間】
・【東京公演初日】2025年3月23日(日)18:00公演
 2025年3月10日(月)13:00~3月27日(木)18:00まで

・2025年5月11日(日)12:30公演 /【大千秋楽】2025年5月11日(日)18:00公演
 2025年3月10日(月)13:00~5月15日(木)18:00まで

【販売価格】
各公演:3,800円

【ライブ配信時間】
各公演開始1時間前~ライブ配信終了まで(予定)

【見逃し配信期間】
・【東京公演初日】2025年3月23日(日)18:00公演
 2025年3月24日(月)18:00~3月27日(木)23:59まで

・2025年5月11日(日)12:30公演 /【大千秋楽】2025年5月11日(日)18:00公演
 2025年5月12日(月)18:00~5月15日(木)23:59まで

【配信ページ】
https://pictures.dmm.com/lp/toukenranbu-goods/

ライブビューイング情報

【開催日時】
2025年5月11日(日)18:00開演
※開場時間は映画館によって異なります。

【上映館】
全国各地の映画館
※大阪府では条例により16歳未満の方で保護者同伴でない場合、終映が19:00を過ぎる上映回にはご入場いただけません。予めご了承ください。

【チケット代】
3,800円(税込/全席指定)

【チケット販売スケジュール】
・公式ファンサイト プレミアム会員先行(抽選)
【申込受付期間】2025年3月1日(土)12:00〜3月23日(日)23:59
https://musical-toukenranbu.jp/about/membership

・ローソンチケット プレリクエスト先行(抽選)
【申込受付期間】2025年3月24日(月)12:00〜4月13日(日)23:59

https://l-tike.com/toukenranbu-spring2025-0511lv/

・一般発売(先着)
2025年4月26日(土)12:00~

https://l-tike.com/toukenranbu-spring2025-0511lv/

・劇場販売
2025年5月10日(土)~

(C)NITRO PLUS・EXNOA LLC/ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会