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【特別企画】「S.H.Figuarts トライドロン」レビュー

実車モデルを経て設計されたことで生まれる“本物の雰囲気”

企画担当のMR氏。イラストでの紹介
トライドロンは裏面まで細かく作り込まれており、“実車の雰囲気”を追求している

 今回話を聞いたのは、S.H.Figuartsのスタッフブログにも登場している企画担当のMR氏。「S.H.Figuarts トライドロン」に込めた想いを語ってくれた。

 「S.H.Figuarts 仮面ライダードライブ」シリーズは、これまでの新ライダー同様“劇中のスーツ”を参考に作られている。「S.H.Figuarts」は番組が始まったのと同時には商品を展開せず、少し時間が空くのはこのためだ。「S.H.Figuarts」は撮影が始まった時点で設計を行ない、実際に劇中に登場するライダーの雰囲気をきちんと再現するというコンセプトで商品化を行なっているという。

 「S.H.Figuarts トライドロン」の発売に関しては、開発スタッフ間でも議論が行なわれた。大型の、しかも車という前例が少ないテーマで、どこまでの高額商品になるかも予想ができない。しかし、ユーザー視点に立って考えてみると、「S.H.Figuarts仮面ライダードライブ」を手にしたお客様はやはりトライドロンが絶対欲しくなるだろうと考え、それならば商品化にチャレンジしよう、ということになった。そして作るからには徹底的に凝ろうということになった。

 「S.H.Figuarts トライドロン」も実際に撮影に使われたトライドロンを元に設計されてており、「S.H.Figuarts トライドロン」はこういったディテールも活かしつつ、撮影用のトライドロンにできるだけ近づけて再現している。撮影用のトライドロンは、自動車が持つ“リアリティ”をきちんと持っている。トライドロンの商品を開発するにあたり、開発チームはとんでもない凝った手法をとったとMR氏は語った。実在の市販車を商品化ができるレベルまで細かいデータを作り、そのデーターを活用してトライドロンの設計を起こしていったのだという。

 「細かいディテール、本物感は、やはり本物、実車を再現しないと出ないと思うんです。フォルム、車体のライン……これらは最初からトライドロンを作ろうと思うとと実際の車からかけ離れてしまう。全体のバランス、フォルムは実車を再現することで生まれています。もっとも、S.H.Figuartsは通常の人間の体型より足が長いので、少しアレンジは加えていますが、データ上で実車を作るという段階を経ることで、“実車の雰囲気”をもたらしていると思っています」とMR氏は語った。

 ちなみに、トライドロンは劇中では3つの形態に変形するが、「S.H.Figuarts トライドロン」は「トライドロン タイプスピード」を再現しており、変形機能は搭載されていない。このギミックは低年齢層を対象としボーイズトイ事業部から発売されている「仮面ライダードライブ 三段変形 DXトライドロン」で再現している。こちらは変形遊びを中心にしており、本来は2人乗りのトライドロンを1人乗りにしていたり、劇中よりも小さいサイズになっているといったディフォルメが加えられている。商品のコンセプト・テーマで大きな違いがあるのだ。

 変形というギミックはないが、“遊びごたえ”は別のベクトルで実現している。ルーフが外れ作り込んだ内部をきちんと確認できる、そしてコクピットブロックのみが外れるのは“内装をディスプレイして楽しんでもらう”という「S.H.Figuarts トライドロン」の最大のセールスポイントをアピールするためだ。内部を見やすいギミックを盛り込んだのは、「S.H.Figuarts 仮面ライダードライブ タイプスピード」を座りやすくさせるとともに、細かく作り込まれたフィギュアの出来をキチンとアピールしたいという想いもあるからだという。

「ヒーローと乗り物のフィギュアというのはいくつかありますが、車の場合、乗せるとヒーローが隠れてしまい、のぞき込まないと見えてこない。このためディスプレイする際は車の横に立たせたりするのですが、乗った姿で両方の魅力をアピールしたい、ということを考えました」とMR氏は語った。コクピットブロックの分離は、さらにカッコイイ台座を用意することで、コクピットだけで飾る楽しさも追求している。

関連商品のボックスを並べてみた。非常にリッチな雰囲気だ
コクピット分離ギミックは、“遊びごたえ”を追求したギミック

 チャレンジという点では、“実車らしさ”へのこだわりという所も面白いポイントだ。「S.H.Figuarts 仮面ライダードライブ タイプスピード」に付属するパンフレットは実際に車販売店に置いてあるものに近づけている。また、PVに関しても車好きのスタッフが、車のプロモーションビデオを徹底的に研究し、外装、内装のアピール、構図や見せ方などを研究してPVに取り入れている。「『S.H.Figuarts トライドロン』はやはり高価な商品なので、実車を買うような気持でお客様に購入に踏み切って貰いたいです」とMR氏はコメントした。

 大型アイテムであり、電池を使った発光ギミックなど、「S.H.Figuarts トライドロン」はS.H.Figuartsシリーズとしては前例が少ない仕様となっているため、苦労した点は多かった。特に強度面では、シャーシにダイキャストを使うことで確保している。しかし本作製作でのノウハウは今後に活かされるという。

 「ただ車のスケールフィギュアを作ったのではなく、S.H.Figuarts、つまり、アクションフィギュアとしてしっかり遊べることを意識して作りました。車という素材で、どこまで遊べるか。タイヤコウカーンなどの劇中の再現はもちろん、発光ギミック、ルーフの取り外し、コクピットブロックの分離など、できるだけアイディアを盛り込みました。飾るだけでなく、“遊べる”という挑戦をしました」とMR氏は語った。

 MR氏個人のお気に入りは、“車外から見える内装”だという。窓から車をのぞき込んだとき、足下のマットのチェック柄まで確認できるその情報量は、実車の内装を見ている感覚に限りなく近い。ちらりと見えるマットのチェック柄は、全長40cmというS.H.Figuarts史上最大級サイズの大きさの“ミニチュア”だからこそ実現できた風景であり、MR氏はよく車内をのぞき込んでしまうという。実際の車の内装をのぞき込んで憧れる感じを、「S.H.Figuarts トライドロン」はきちんと再現しているのだ。

 最後にMR氏は読者へのメッセージとして、「しっかりいいものができましたので、やはりまずPVを見て欲しいですし、『S.H.Figuarts 仮面ライダードライブ タイプスピード』に同梱されているパンフレットを見て、『S.H.Figuarts トライドロン』のこだわりポイントをお客様の目で確認して欲しいです。もし気に入っていただければ購入後、手にとって思いっきり遊んで欲しいです」と語った。

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