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【特別企画】ついに登場! 変形芸術作品「超合金 太陽の塔のロボ」
2014年9月24日 00:00
オリジナル形態や、ロボの活躍ストーリーなど、“妄想”をふくらませて楽しんで欲しい!
――泉さんご自身が、「超合金 太陽の塔のロボ」で特に気に入っている部分はどこですか?
泉氏: 中央の“太陽の顔”ですね。観音開きで顔が開くと、中から顔のようにも見える「次元爆発砲」が現われる。やってしまえば納得ではあるんですが、中央に線の入った太陽の顔が2つに割れるという発想がまず良いと思いましたし、中から別の表情にも見える次元爆発砲が出てくるというのが楽しいですね。
――太陽の塔にひびが入る、というのもかなり思い切った判断だと思います。
泉氏: 変型するときにきれいに変わるのではなく、太陽の塔というガワを破って何かが出てくるときには、こういう乱暴な形になるのかなと。太陽の塔の白いコンクリートの表面に“卵の殻”のイメージを重ねている部分もあると思います。刃物で切ったように太陽の塔の表面が切れて手足が現われるのは、この赤錆びた手足には似合わないような気がしますね。
このロボット化は設計者が意図したものなのか、ひょっとしたら太陽の塔は内側の“何か”を封じるために作られていたんじゃないか……などなど色々イメージはふくらみます。バンダイはあえてそういった設定はしていないので、自由に考えていただければと思います。
――話を変えて、説明書では変型の手順だけでなく、変型を戻す手順も記載しているのが印象的でした。他の製品ですと戻す手順まで書いていないのもありますよね。
泉氏: 従来の超合金を買う方以外も「超合金 太陽の塔のロボ」を手にとっていただけるのではないかと言うことも考えての構成です。戻すときは手足がかっちりとはまっていく楽しさを感じて欲しいですね。収納時は、特に足がきれいに折りたたまれるところが気に入ってます。このように、ロボの手が外側になっているところで変型を止めると、また違った印象になります。
――ガンダムのモビルアーマー「α・アジール」みたいですね。
泉氏: 手の収納方式は、ゴッグっぽいところがありますよ。オリジナルの変型形態を追求するのも楽しいですよ(笑)。
――太陽の塔形態は、例えば左右の突起物の長さの割合とか、そういった部分も忠実に表現しているのでしょうか。また、こういった建造物を商品化する、というのはバンダイさんではこれまであまり例がなかったのではないでしょうか。
泉氏: 太陽の塔形態に関しては、ミリ単位までオリジナルに忠実かと言われると誤差が出てくるかもしれませんが、太陽の塔は実際に設計図もありますし、できるだけ忠実な形になっています。背中の黒い太陽の周囲の模様も本物は近くによると濃緑系の色であることがわかりますが、「超合金 太陽の塔のロボ」もそれを再現した濃緑色の塗装にしています。
建造物の商品化に関しては、私が関わった範囲では初めてです。なかなかなかった試みだと思いますね。架空のものが変型する商品や、新幹線のような乗り物が変型する商品はありました。戦隊ものでは、要塞が変型する、といったものもありましたが、実在の建造物というのは珍しいと思います。なにより、超合金が「太陽の塔」という“芸術作品”と組ませていただいたのは、初めての事です。
――この動きを受けての、次も芸術作品を、といった動きはどうでしょうか?
泉氏: 超合金はサンリオさんの「ハローキティ」や、藤子・F・不二雄さんの「超合金 超合体SFロボット 藤子・F・不二雄キャラクターズ」など間口を広げていますし、色々な企業さんからも提案が来るようになりました。私達も機会があればどんどんチャレンジしていきたいと思ってます。
――地方にも色々なモニュメントなどがありますし、そういったものが変形したら面白いですね。
泉氏: そうですね、太陽の塔のロボを発表したときに、「次は何の“塔”を出すの?」という“塔シリーズ”の提案も聞きましたよ(笑)。様々な方向でより多くの方に楽しんでいただける商品を企画していきたいです。
―― バンダイさんは、「超合金 太陽の塔のロボ」、「超合金 超合体SFロボット 藤子・F・不二雄キャラクターズ」、「超合金ハローキティ」など、“超合金40周年記念”ということで、従来と異なる試みをしている印象を受けます。この40周年記念というのは、超合金チームとして大きな動きをもたらしたのでしょうか?
泉氏: 巡り合わせ、という部分も大きいです。もちろん40周年だから力を入れているところもありますが、「超合金 太陽の塔のロボ」は40周年を意識して企画した作品ではなかったです。ただし、「40周年」というキーワードはこの商品を販売する機会としてとても良いきっかけになったのは間違いない。大胆なアプローチをしていこう、ということも意識しています。
バンダイでは“社内史”の年表を作ることがあるのですが、この40周年は記念すべき作品がたくさん出ますし、その中でも「超合金 太陽の塔のロボ」は重要な作品として書かれる可能性があるのではないか、と思いますね。
――泉さん今後のお仕事の予定などはどうでしょうか。
泉氏: まだ発表できませんが、更なるコラボレーション企画なども進行中です。これまでの路線の続編という声もありますが、やはりもっと違う、新しい何かを生み出していきたいと思っています。
路線を継続し、皆さんの期待に応えることはもちろんやっていきますが、我々は「おもちゃを使ったエンタテイメント企業」ですので、皆さんに驚いてもらえる超合金を作っていきたいと思います。そういう意味で今年は従来の、キャラクターロボットの商品化というラインから逸脱できる作品も生み出せたので、色々なものを作れる可能性は広がったかなと。
――その上で、フィギュアとは異なる超合金というのは何だろう? ということも改めて考えさせられます。
泉氏: 「超合金ハローキティ」はあえてねじ穴をふさがず、鉄の鋳物のような、ダイキャスト部分を多くして超合金のイメージを強調するような商品になっています。「超合金 太陽の塔のロボ」は変形のギミックや、関節のクリック感で超合金らしさを追求している。特にクリック感は、アクションフィギュアとは異なる、ポーズは少し限られるけど、関節のしっかりした感じを生み出しています。
また、固定のかっこいいポーズで飾っておきたいというフィギュア文化を受けて、補助パーツなども用意するといった方向での進化をさせる製品もあります。ダイキャスト(亜鉛合金)を使うということを基本にしつつ、超合金も様々な形に発展している、ということですね。
――では、「超合金 太陽の塔のロボ」を楽しみにしているユーザーへのメッセージを。
泉氏: 「太陽の塔」を題材とした、「超合金 太陽の塔のロボ」で超合金にはじめて触るという人も多いのではないかと思っています。太陽の塔のオブジェクトとしても、ロボットとしても楽しんでいただける商品です。この商品に込められた機構やギミックを楽しんでもらうと同時に、「太陽の塔のロボって、どんなロボなんだろう?」というストーリーの妄想もぜひふくらませてもらえるとうれしいです。
TARO OKAMOTO/(C)BANDAI