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任天堂、決算説明会資料を公開

年末から展開のNFC内蔵フィギュア「NFP」は複数タイトルに対応し、3DSでもリーダー/ライターを開発中

5月8日 発表

 任天堂は、5月8日、決算説明会における、岩田聡社長による説明資料を公開した。3期連続の赤字となり、「4期連続の営業赤字は許されることだとは考えていない」とする2014年度は、収支バランスの回復を優先する年と位置づける。その方針説明の中からいくつか新しい情報が公開されているので、まとめてお伝えする。

Wii U

「Wii U」

・「Wii U GamePadがあるからこそ実現できるソフトタイトル」

 具体的な進捗については、6月のE3で発表される。

・Wii Uの「高速起動メニュー」

 システムへの組み込みはほぼ終了。公式サイトに動画が掲載されている。夏までに予定している次の本体更新にて実現予定。

・経営環境の変化に対応する「新たな取り組み」

 来期に事業化を計画している「QOLを楽しく向上させる」新事業領域への挑戦など、中期的なテーマにしているものについては、年内に、具体的な内容について発表される。

・スマートデバイスの活用

 「任天堂がスマートデバイスをどのように活用するのか」を具体的に示すアプリの最初のバージョンを年内にリリースする予定。

 また、Wii U「マリオカート8」において、自分のレースのハイライトシーンの映像を投稿し、インターネット上で共有できる「マリオカートTV」の機能に対応したWebサービス「マリオカートTV(仮称)」を「マリオカート8」の発売と同時期に展開する。この機能はニンテンドーネットワークID(NNID)がなくてもスマートデバイスで利用可能だが、NNIDでログインすることで、自分のランキング、自分のフレンドの共有した動画、自分の参加している動画などを簡単に探すことができる。

・デジタルビジネスの拡大

「Wii U GamePad」に内蔵されているNFCリーダー/ライター部

 「Wii U GamePad」に搭載されているNFC機能とJR東日本のSuicaを利用した決済を今年の夏に予定している本体更新で実現予定。Suicaと相互利用ができるPASMOやICOCAなども同じく利用可能になる。これは日本が先行して実現されることになる機能という。

・NFC機能内蔵フィギュア

 キャラクターIP資産を活用した事業の1つとして、ビデオゲームと連動する、NFC機能を埋め込んだフィギュア群を年末商戦から投入する。「NFC Featured Platform」もしくは「Nintendo Figurine Platform」という言葉に由来する「NFP」という開発コード名で呼ばれているこのフィギュアは、任天堂が今後展開していく複数の対応ビデオゲームと連動するようになり、その対応ゲームを順次増やしていくことを目指す。

 NFPには、読み込みだけでなく、書き込みの機能もあり、「どのフィギュアがWii U GamePad上に載せられたのかがわかる」だけではなく、「ゲーム固有のコンパクトなデータを読み書きすることも可能」。これにより、自分のNFPをカスタマイズして、自分だけの任天堂キャラクターを育成する、というようなことが可能になっていく予定。具体的な対応ソフトや、展開するNFP商品の展示をE3で行なう予定。

 また、3DSにおいても赤外線で接続できるNFCリーダー・ライターを開発中。来年にはNFPに対応していく予定。

ニンテンドー3DS

・「ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア」

 「ポケットモンスター ルビー・サファイア」をニンテンドー3DS向けにフルリメイクした「ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア」を今年11月に世界で発売予定。夏に発売予定の「大乱闘スマッシュブラザーズ for NINTENDO 3DS」、そして海外では「Tomodachi Life」(トモダチコレクション)を初めて投入。「モンスターハンター4G」などソフトメーカータイトルも含め、国内で人気のタイトルを海外で展開するなどし、3DSタイトルビジネスは本格収穫期として発展させていくとした。

(佐伯憲司)