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【E3 2013】「Assasin's Creed IV: Black Flag」は超本格海賊ゲーに!

タブレット連動も実現した海戦、冒険、探索の魅力をチェック!

6月11日~13日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 Ubisoftの注目タイトル「Assasin's Creed IV: Black Flag」が、今回のE3ではプレイアブル出展。次世代機も視野に入れさらにスケールアップした本作の魅力に触れることができたので、本稿でご報告しよう。

 本作は今世代機(PS3/Xbox 360/Wii U)向けには欧米で10月31日に発売予定。次世代機のPS4およびXbox One、またPCに向けてはローンチ時期に合わせて発売予定だ。日本国内版については、欧米版のリリースからそう遠くない時期に発売できるよう準備中であるとのこと。

まさにカリブの海賊! 砲撃戦もこなす凄腕船長と化したアサシン

Ubisoftブース
8人でのマルチプレイ試遊コーナー
シングルプレイモードのイメージ
帆船同士の砲戦を完全再現!!

 Ubisoftブースでは本作のマルチプレイモードが一般来場者向けにプレイアブル公開されていたほか、プレス向けにはスタッフの手によりシングルプレイヤーモードのデモが披露されていた。

 公開されていたマルチプレイモードは、「Assasin's Creed Brotherhood」で実装された「ウォンテッド」モードと同様の内容で、人ごみのなかから指定されたターゲットだけを暗殺していくというもの。ルールは完全に同様でマップが違うだけという感じだが、PS4で動作する本作はフルHD、基本60fps動作でロードも速く、サクサクと快適に遊ぶことができたのが印象的だった。

 やはり目玉はシングルプレーヤーモードだ。海賊が跋扈するカリブ海を舞台とする本作では、船を操っての水上戦闘を大胆にフィーチャー。ある島の港町で暗殺依頼をうけ、最初は地上を移動していくのだが、ターゲットが船を使って逃げ出したらこちらも出航だ。

 プレーヤーの持ち船に飛び乗り、デッキに上がるといざ海原へ。遠くに見えるターゲットの乗る船を望遠鏡で補足して追いすがり、側舷を向けての砲戦が始まる。山なりに飛んでいく砲丸がきちんと命中する範囲に敵船を捉え、肉薄して一斉発射。完全に海戦シム風のゲームプレイだ。

 敵船に十分なダメージを与え船足を低下させたら横付けして切り込み開始。デッキの端から飛び込んでいく船員たちを横目に、主人公はマストによじのぼり、ロープを伝ってアクロバティックに敵船へと潜り込む。空中からの一撃でターゲットを撃破したら、ついでに敵船のお宝もゲットだ。

 切り込み戦闘に勝利すると船そのものやお金を略奪できるほか、弾薬や修繕用のパーツと見られる部材など大量の物資が手に入る。これらの物資は自分の船をアップグレードしていくために使えるという。船のマネジメントも重要性を帯びつつ、略奪が成長の基本となるあたり、なんとなく、名作「Sid Mier's Pirates!」のようなプレイの雰囲気だ。

 遠方ではイングランドの旗印を掲げたガレオン船が隊列を為していたりと、海の上もかなりにぎやかな印象。プレーヤーは航海中に見つけた島々に自由に上陸・探索することができ、ちょっとした陸地で宝の地図を発見することがある。

 地図には特徴的な地形が簡単なイラストで描かれており、これを頼りに近隣の島々に存在する遺跡を探索。途中、捕縛された海賊が見つかることがあり、これを開放すると自分の船に加えることができる。

 そして今回、非常に面白いのは、Ubisoftのコミュニティシステム「Uplay」を通じて、本作とタブレット端末をリンクして遊べることだ。タブレットにはリアルタイムマップが表示され、作中の探索を大いに助けてくれる。拾った宝の地図をタブレットに表示しておきながら、ゲームを進めることも可能だ。

 このほかにもタブレット端末には様々な連動要素が秘められているらしい。日本では「Uplay」のサービス提供時期は現在のところ未定だそうだが、ぜひ本作の発売に間に合わせ、胸が高鳴るようなカリブの海賊ライフを楽しませてもらいたいところだ。

砲戦から接舷、切り込んで敵船を奪取。これまでにないスケール感の略奪プレイに胸が踊る
宝の地図を頼りに名も無き島へ上陸。アサシンの能力を生かして敵対勢力を排除、スリリングな探索が続いていく
大荒れの海に揺さぶられ、船体にダメージを受けることも。寄港地での補給や欠員の補充など、船のマネジメントも重要になりそうだ

クリエイティブディレクター Jean Guesdon氏インタビュー

Jaen Guesdon氏
次世代機版では自然物も稠密に描かれる

 プレイデモに引き続き、筆者は本作のクリエイティブディレクターを務めるUbisoftのJean Guesdon氏にインタビューを行なうことができた。本作の時代背景や、次世代機での表現力向上のポイントなど、気になるテーマの質疑応答をお届けしよう。

─── 完全なる海賊モノとなり、前作から印象がガラリと変わりましたね。本作ではなぜ海賊をテーマとし、カリブ海を舞台としたのですか?

Jean Guesdon氏: これまでのシリーズの歴史を通じて、ようやく表現が可能となったからです。北米を舞台とした「Assasin's Creed III」で私たちは広大な自然、海、船舶を作ることができました。これらをすべて組み合わせることで海賊のゲームを実現することができます。それが大きな動機のひとつです。

 また、海賊モノの物語や世界観を多くの人が好んでいるという事実もあります。そのことを欧州でのリサーチで掴み、今回のような世界設定が新たな「Assasin's Creed」に最適であると結論付けることができました。

 そうして本作では、たくさんの象徴的なキャラクターが登場します。その上でヒストリカルなイベント、エキゾチックな雰囲気、冒険と探索、などなど素晴らしい要素を大量に詰め込んでいるんですよ。

─── 海戦がらみのゲームプレイからは「Sid Mier's Pirates!」のようなテイストも感じました。

Jean Guesdon氏: 偉大な作品ですね。Sid Meier氏は非常にプレイしやすく親しみやすい形で、クラシカルな海賊のゲームを実現しました。その一方で私達は、最新のテクノロジーを用い、まるで本物のように感じられる海賊のエクスペリエンスを実現しようとしています。この2つは全くの別モノですから、比較はできませんね。

─── カリブ海で海賊が跋扈した時代は、その時代背景そのものも面白さにあふれていると思いますが、そのあたりもゲームで感じ取れるようになっているのでしょうか?

Jean Guesdon氏: もちろんです。18世紀のはじめ、カリブ海ではイングランド、フランス、スペイン、ポルトガルといった王国の勢力だけでなく、数千もの独立した船乗りたち、つまり海賊たちがそれぞれの意思で行動していました。

 彼ら、彼女らは自由を求め、自分たちの定めたルールに従い、無政府状態を貫く存在でした。自由のために戦う個人たちの時代ということもできます。一方で、自由であるためには一定の秩序も必要です。その中に、イタリアの系譜に連なるアサシンという、特異な秩序に生きる存在がいたとしたら? ぜひゲームで見てください。

─── 本作は今世代機、次世代機の双方にリリースされますが、次世代機での大きな違いは何でしょうか?

Jean Guesdon氏: 映像表現や物理シミュレーションの要素を飛躍的に高めることで、ゲームプレイにも影響が及んでいます。例えば、草が群生する藪、海上に漂う霧、雲、などなど身を隠すために役立つものが、次世代機ではより良く濃密に描写されるようになります。

─── ゲームがタブレットと連動する機能が付加されましたが、これによってどんなメリットがありますか?

Jean Guesdon氏: このコンパニオンアプリはゲーム全体の体験を向上させるために作られています。ゲームを進めながらマップを見たり、宝の地図を表示する便利な機能。さらに、ゲーム内で奪取した船をコレクションに加えて、タブレット側で遊ぶこともできます。タブレット側で遊んだ結果は、きちんとゲーム内のリワードにつながりますよ。

─── 船のコレクションができるんですね。どんな船が出てくるんでしょうか?

Jean Guesdon氏: フィッシャーマンという小型の漁船から、スクーナー、ブリガンディン、ガレオン、フリゲートなどの大型船まで5種類の基本タイプがあります。プレーヤー自身が所有する船はゲームを通じてグレードアップしていくこともできますよ。

─── マルチプレイで海戦なども?

Jean Guesdon氏: 残念ながらそれは無しです。実現するとしたら非常に複雑なものになりそうですし、今回は、シングルプレーヤーモードをきちんと作りこむことにリソースを集中しましたからね。

─── 本作の開発におけるゴールは何でしょうか?

Jean Guesdon氏: プレーヤーに最大限の自由度をもたらすことです。つまり、異なる動機でプレイする全てのプレーヤーが、異なる選択肢を選びながら遊べるような、世界とルールを構築していくということです。これはシリーズ全体で常に大事にしていることですね。

 そして、さらに本作ではワクワクするような冒険の感覚を重視しています。シリーズの面白さを保ちながら、全く新しく、新鮮味のある体験を、本作を通じてプレーヤーの皆さんにお届けしたいとおもいます。

今回は「ウォンテッド」ルールのマルチプレイをプレイできた。海賊という設定を生かし、今後どのようなモードが搭載されるかも楽しみなポイントだ。

(佐藤カフジ)