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「DmC Devil May Cry」のメディア向けプレゼンテーションが開催
ダンテやリンボのデザインコンセプトなどを紹介。体験会も実施
(2012/12/17 10:00)
カプコンは、2013年1月17日に発売を予定しているプレイステーション 3/Xbox 360用スタイリッシュアクション「DmC Devil May Cry」(DmC)のプレス向けプレビューを開催した。このプレビューには、プロデューサーの江城元秀氏、アシスタントプロデューサーの内田洋平氏、そして、スーパーバイジングディレクターの伊津野英昭氏の3名が参加した。
プレス向けプレビューでは、まずプレゼンテーションが行なわれ、主に「DmC」のプロデューサーである江城元秀氏が、主人公のダンテやゲームの舞台「リンボ」のデザインコンセプトを紹介した。さらに、映画「アバター」などを手がけたことで知られるジャイアントスタジオで制作されたカットシーンでのキャラクターの動きについても、実際の作業風景を交えながら説明していった。
そのあと、プレス向けの体験会が実施された。体験会ではPS3版が用意され、ミッション1からミッション10までのミッションを自由に選んでプレイできるようになっていた。
ダンテやリンボのデザインコンセプトなどが説明された江城氏によるプレゼンテーション
江城氏によると、当初ダンテは“タバコ”をキーワードとして制作されていたという。実際に、何点か見せていただいたがほとんどのカットでタバコをくわえていた。しかも、いずれも上半身裸の過激な姿が描写されており、目つきや身体に刻まれたタトゥーなどからも「悪いけれども格好いい」、「世の中に対して葛藤がある」という江城氏の言葉通りの印象を受けた。なお、これらのカットは日本のイメージには合わないということで採用されなかったが、中には、今後ダウンロードコンテンツとして配信予定の追加コスチュームの、デザインの元になっているものがあるという。
このダンテのデザインについて伊津野氏は、サスペンダーにタトゥーというデザインを見た時に、あまりにショッキングで「あぁ、これ発表したらユーザーがひっくり返るなぁ」と感じるほどインパクトがあったようだ。続いて、ダンテのイメージであるロングコートに関しては、アクション映画やアクションゲームで、アクションを引き立たせるための、“動く衣装”として非常に優秀と述べた。赤い色をどこかに入れていくことも踏まえながら、デザインを決めていったようだ。
リンボは、実写のサンプル映像を交えながら紹介された。まずリンボ自体を巨大な生き物と捉えてデザインしているとし、壁面や地面などがリアルタイムに変化していく様子を生物的なイメージで表現している。街灯やバイクなどリンボに存在するいろいろなものが、無機的に壊れて有機的に変化していく。中には、逆の発想で作られている場所もあり、廃墟と化したダンテの生家が、ダンテが入ることによってフラッシュバックするように元の姿に戻っていく様子も映し出された。このような演出を随所に盛り込むことによって、リンボという世界が作り上げられたという。
また、カットシーンでのキャラクターの動きは、すべてCG映画「アバター」などを手がけたことで知られるジャイアントスタジオが制作。顔から足先までポイントマーカーがびっしりと付けられた役者の動きが、パフォーマンスキャプチャーしながら収録された。今回公開された映像では、役者の顔とCGアートの顔が同時に映し出されたが、その完成度は相当に高く、役者の細かい表情の動きをCGアートがそのまま表現していた。すべてのカットシーンを制作するためにモーションキャプチャーに費やした時間は約1カ月で、それが編集されゲーム内ではおよそ1時間にまとめられているという。そして最後に、3年間の制作期間を3分間で振り返る映像が公開されプレゼンテーションが終了した。
操作に慣れは必要だが空中コンボを極めればスタイリッシュプレイも!!
体験会では、最初のミッションから順に4つめのミッションまでをプレイした。各ミッションでは、ステージの途中で、実際にそのアクションを使う場面がきたときに、その状況を切り抜けるために必要なアクションのコマンドが画面下に表示される作りになっている。具体的には、デーモンパワーを司る斧「アービター」を手に入れた時に、デーモンモードへの移行や、武器をワイヤー状にして対象物をつかみ引き寄せるアクション「デーモンプル」を試せるといった具合だ。
これらのいわゆるチュートリアルは、「まずは、R2ボタンを押したままにして『デーモンモード』に移行し……」というような、ストーリーの進行を止めたり、ゲームプレイのテンションを下げてしまうような長い説明が入るのではなく、空中コンボに夢中でボタンを連打しているなど、ダンテの動きに集中してプレイしているとうっかり見逃してしまいそうになるほどあっさりしたものだ。実際に筆者は、広報さんに声をかけられなければコマンドが表示されたのに気づかずプレイを続けていたと思う。
広報さんのアドバイスを受けながらだが、ミッション3までゲームを進めることで、リベリオンやエボニー&アイボリーの基本的な操作法はもちろん、前述した「アービター」やエンジェルパワーを司る大鎌「オシリス」を使った、ゲームの進行に関わるアクションや、よりゲームを楽しむためのアクションの基本を学ぶことができた。
もちろん、アクションについてはまだ体験していないものもあるが、「DmC」ではコントローラーのすべてのボタンを使うため、思い通りにアクションを繰り出せるようになるには慣れや練習が必要になる。これは、「DmC」だけでなくすべてのアクションゲームに当てはまることで、ひたすら繰り返し練習するしかない。でも、ゲームによってはメインメニューの1つとして用意されている「トレーニング」モードで行なうことが多く、練習している間ゲームの進行が止まってしまい、なかなか本番で上手く使えないこともある。
それが「DmC」では、ステージに点在する「時空神像」というオブジェクトにアクセスすると、武器を強化させるところで新たに覚えた技を繰り返し練習できる「道場モード」へ移行できるようになっている。もちろんいつでも止めることができ、すぐにゲーム本編へ戻ることができる。チュートリアル以外にこういった部分でも、ユーザーフレンドリーな作りを感じることができた。
ユーザーフレンドリーな作りといえば、ステージのギミックについてもそうで、例えば「デーモンプル」を使って対象物を引き寄せなければならない場所では、その対象物がデーモンパワーを象徴する赤い色で表示されている。このような配慮のおかげで、操作を覚えてしまえば、かなり直感的にその場面で必要なアクションを出せるようになると思う。スコアアタックでも助けになるはずだ。という具合に、「デビル メイ クライ」シリーズを初めてプレイする人にとっては、「これでもか」というくらい親切丁寧な作りになっている。
今回は時間に限りがあったのでなかなか思い通りに操作できなかったが、それでもステージを移動する際に使用する「デーモンプル」、「エンジェルリフト」、「エンジェルブースト」などのアクションは、スムーズに出せるようになったと思う。さすがに、空中コンボに「デーモンプル」、「エンジェルリフト」を織り交ぜて、スタイリッシュなプレイをするまでにはいたらなかったが、それでも「A」評価がもらえる程度のコンボはできるようになった。前方に敵の集団がいる時は「デーモンプル」で敵を1体引き寄せて空中コンボに持ち込み、そこから状況に応じて「デーモンプル」と「エンジェルリフト」を使い分けられるようになったらと思うとワクワクせずにはいられない。筆者は「デビル メイ クライ 2」以降、プレイするのをやめてしまったが今作を機にまた遊んでみようと思う。
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