堀井氏（左）、齊藤氏（右）

　株式会社スクウェア・エニックスは7月25日、東京のヒルトン東京 4階・菊の間にて、8月2日に発売を予定しているWii用RPG「ドラゴンクエストX　目覚めし五つの種族　オンライン」（ドラゴンクエストX）の完成披露発表会を開催した。

　「ドラゴンクエストX」は、パッケージゲームの全世界でのシリーズ累計出荷本数が5,900万本（2012年3月末現在）を記録する「ドラゴンクエスト」シリーズの最新作。オンラインゲームとなり、ネットワークに繋ぐことで自分と同じ冒険者のいる世界を冒険していく。もちろん、ほかのプレーヤーとパーティーを組むか組まないかは自由に選択できる。1人でオンラインの世界に繰り出し冒険を楽しむこともできる。

　当日は、「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親であるゲームデザイナーの堀井雄二氏、「ドラゴンクエスト」シリーズ エグゼクティブプロデューサーの三宅有氏、「ドラゴンクエストX」のプロデューサー齊藤陽介氏、スクウェア・エニックス 代表取締役社長の和田洋一氏が登壇。さらに、4作品連続で広告キャラクターを務める「SMAP」の木村拓哉さんが特別ゲストとして登場した。

　まずは三宅氏が登壇し、冒頭の挨拶として「『ドラゴンクエストX』がいよいよ8月2日に発売、サービス開始となります。今回は大丈夫そうです。今作はオンラインゲームということで、26年の歴史の中でも最大のチャレンジをさせていただいております。そして、ベータテストを通じて一緒にゲームを作り上げてきたテスターの皆さんに、この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうございました」とコメントした。

　そして、発表会の最後に和田氏が登場。「第1作目が世に出てから26年でオンラインゲームになりました。この26年常に、新しい遊びを考え続け進化し続けた結果、これだけ長い間皆さんに支えて頂けたのだと思います。これまではゲームをクリアしてレベルを最高まで上げると、ちょっと寂しく切ない気分になった方もおられるかと思いますが、今回はオンラインゲームですので長い時間『ドラゴンクエスト』の世界に浸ることができます。ユーザー同士でもいろいろなドラマが生まれ、毎日新しい発見があります。ゲームの中で友達とゲームのことを話しながら冒険できます。そういった今までになかった要素を楽しんで頂けると思います。しかしながら、25年以上支えて頂くことができたのは、“皆さんの『ドラゴンクエスト』”を開発スタッフがものすごく大切にしているからだと思います。いよいよ来週発売されます。私自身も非常に楽しみにしております。発売後も頑張って開発、運営していきますので、来週は勉強や仕事の手を休めて『ドラゴンクエスト』の世界に入って頂きたいと思います」と、シリーズで初めてのオンラインゲームとなる今作の発売を1週間後に控えた心境を語った。

三宅氏	和田氏

【「ドラゴンクエストX」の商品概要】

■ 堀井氏と齊藤氏がゲームの魅力を紹介。ツールや「元気玉」といった新情報も明らかに

　続いて、堀井氏と齊藤氏がステージに登場し、ゲームの内容紹介や今後の展開を発表した。ゲームの内容紹介では、最初にオープニングムービーが公開された。オープニングムービーは、お馴染みのBGMに合わせ、ゴーレムに襲われている人間（主人公）をオーガが助けるシーンなど、オンラインゲームとなりみんなで協力して強敵に立ち向かうという今作ならではの魅力が垣間見られる映像となっていた。

　オープニングムービー公開後、シリーズ最新作となる「ドラゴンクエストX」について堀井氏と齊藤氏は、それぞれ以下のようなコメントを残した。

堀井氏
「オンラインゲームということで、最初のうちは『どうなんだろう？』という不安の声が聞かれたが、実際、約30,000人のテスターにベータテストをプレイしてもらい、その結果『ああ、やっぱりドラゴンクエストだった、安心した』といった感想を頂けてとても嬉しかった」と述べ、続けて「これまでの『ドラゴンクエスト』では、1人でプレイし友達と『お前どこまで進んだ？』とか、『あそこでこんなことが起こった』など、会話で盛り上がるしかなかったが、今作では同じ世界で冒険できるということで、もっとワクワクする世界になると思います」

齊藤氏
「いろいろなプレーヤーと一緒の世界にいることを感じられることが重要だと思っています。何が何でも同じボスをみんなで倒すのではなく、ただ街でほかのプレーヤーキャラクターとすれ違うだけでも繋がっていると感じてもらえると思います」

　ゲームの内容紹介は、主に齊藤氏が進行。齊藤氏は、利用料金やキッズタイムといったすでに公開されている要素のほか、今作の冒険をサポートするニンテンドー3DS用ソフト「ドラゴンクエストX 冒険者のおでかけ便利ツール」の情報を発表した。なお、「ドラゴンクエストX 冒険者のおでかけ便利ツール」については、すでにこちらの記事で紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。

　また、新情報として、ゲームを中断している時間を有効に使うため「元気玉」という仕組みを導入していることが明らかになった。「元気玉」は、休めば休むほど溜まるようになっており、次にゲームを再開したとき、モンスターを倒した時の獲得経験値、ならびに獲得ゴールドが2倍になるため、連続でプレイするのではなく、自分のペースでゆっくりゲームを進めることができるという。

■ 最新TVCMを公開。SMAPの木村拓哉さんがCM撮影時のエピソードを披露

　そして最後に、齊藤氏が今回のプロモーションでもっとも注目して欲しいという最新TVCMが公開された。今作のTVCMは、「ドラゴンクエストVII」、「ドラゴンクエストVIII」、「ドラゴンクエストIX」に続きSMAPが出演。「新SMAP募集」篇と題しSMAPの5人が緊急記者会見を行なうという内容でストーリーが展開する。このTVCMは、7月26日より放送される。

　ここで、SMAPのメンバーから木村拓哉さんが参加。堀井氏、齊藤氏、木村さんの3名で、撮影エピソードの紹介を含むトークセッションが行なわれた。

　トークセッションで木村さんは、このTVCMについて「非常にインパクトのある内容になっていると思います。この発表会のような雰囲気で撮影させて頂きました。CMでは、記者会見のシーンが流れている間『※これはCMです』という注意書きが表示されているのが印象的だと思います」とコメントした。

　続いてCMのメイキング映像が公開された。木村さんは「CMの撮影現場とはいえ、緊急記者会見という状況が用意されていたのですごく驚きました。本当にたくさんの報道陣役のみなさんがすでにスタンバイしていたので、本当にびっくりしました。撮影に入る前、絵コンテに目を通させて頂いたときに、すでに面白いなと感じました」とCM撮影時の心境を語ってくれた。

　TVCMは、もう1つ別のバージョンがあるようでその内容を齊藤氏が紹介。「行くぞー」というかけ声に合わせてみんなで息を合わせて「オーッ！」と声を出す場面で、SMAPのメンバーが3つの部屋に分かれてゲームを楽しんでいるシーンなのだが、「通常はバラバラに撮影するところだと思うのですが、オンラインで一緒に遊んでいる雰囲気を出すために、同時にカメラを回して同時に撮影しています」と説明した。

　この撮影方法は、木村さんも体験したことがないといい「3つの部屋に分かれて撮影しましたが、監督が端の部屋にいるメンバーに何か伝えたいことがある場合は、監督がその部屋まで走って伝え、そのあとその部屋から1番離れた部屋のメンバーが『もう1回同じ事言えばいいですか？』と質問すると、その部屋まで監督が走っていって指示していました。たぶん監督が1番疲れていると思います」と、実は1番大変だったのは自分たちよりも監督だと話してくれた。

　最後に、8月2日に発売される「ドラゴンクエストX」を心待ちにしているファンへのメッセージとして木村さん、齊藤氏、堀井氏の3名は以下のようなコメントを残した。

木村さん
「SMAPがCMに参加させて頂きました。緊急記者会見ではないですが、世間のニュースになるゲームってあんまりないと思います。誰もが主役になれて、誰もが脚本家になれて、誰もが演出家になれる。本当に魅力のある作品だと感じました。8月2日を楽しみにお待ちください」。

齊藤氏
「この発表会を終えて、いよいよ来週発売されることが実感としてわいてきました。開発スタッフはユーザーさんが『ドラゴンクエストX』の世界にやってくるのを楽しみに待っています。8月2日にSHIBUYA TSUTAYAで発売カウントダウンイベントをやりますので、ぜひ足を運んでください。それに合わせて、8月2日の7時にサーバーを開放する予定です。そちらも楽しみにお待ちください」。

堀井氏
「あと1週間ほどで発売されるのですが、『ドラゴンクエスト』ということでこれまでオンラインゲームをプレイしてこなかった人たちがいっぱい遊んでくれると期待しています。今までオンラインゲームというと敷居が高いイメージがあったと思いますが、これをきっかけにイメージが変わっていって欲しいです」。

【TVCMのスクリーンショット】

【展示物】