バンダイナムコ、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」
「ブロックNo.1チーム決定戦」第3週レポート
株式会社バンダイナムコゲームスは、稼働中のアーケード版「機動戦士ガンダム 戦場の絆」の地方イベント「ブロックNo.1チーム決定戦」を7月3日まで開催した(6月18日分はこちら、6月25、26日分はこちら)。
イベント3週目は7月2日と3日の日程で行なわれ、2日はCブロックのプラボ宇都宮、Fブロックの池袋ギーゴ、Hブロックのミリアンパーク厚木店、Iブロックの東京ガリバー松戸、Lブロックのニューヒカリ、3日はBブロックのnamcoイオンタウン郡山で激戦が繰り広げられた。各ブロックの結果は公式サイトで確認していただきたい。
大会ルールは最大8チームによるリーグ戦。ステージはニューヤークおよびニューヤーク(R)。まずチームリーダー同士によるじゃんけんが行なわれ、軍かステージを選択、負けた側は勝ったチームが軍を選択した場合はステージ、ステージを選択した場合は軍を選択する方式で行なわれている。なお、参加チームが少ない場合、軍を入れ替えての完全総当り戦も実施されることとなった。優勝チームには「特別カラーリングモビルスーツ」と「ブロック代表勲章」が両軍に支給される。
■ 各所でドキドキする展開が!?
第3週目は、松戸で行なわれたIブロックと、厚木で行なわれたHブロックにお邪魔した。
● 波乱のIブロック松戸大会
Iブロックの最終結果 |
東京ガリバー松戸で行なわれたIブロックはエントリーが8チームで実際に参加したチームが7となった。「脳筋野郎Jチーム」は1人欠席、さらにパイロットカードを紛失し再発行をかけたものの、大会に間に合わず、規定によりジオン公国軍だけ1人足りない状態で戦わなければならなかったのは残念だった。
さて、ジオン公国軍サイドでの編成を見てみると、
・「B.D.2号機(NS)」×2、「ザクII寒冷地仕様」、「ザメル」
これがもっとも多く、格闘型1機を「ザクII(S)」か「ケンプファー」、「ザクII寒冷地仕様」の代わりに射撃型で「ゲルググ(G)」、遠距離砲撃型に「ギガン」を取り入れているチームがあった。
今大会のレポートで何度もお伝えしているが、やはり「B.D.2号機(NS)」の足の速さと火力を軸にアンチ(タンク)を行ない、そして「ザクII寒冷地仕様」で1護衛というスタイルがもっとも多く、「B.D.2号機(NS)」を1枚減らす代わりに「ゲルググ(G)」の「ビーム・ライフル」、「ザクII(S)」のタックルダメージの高さを活かし、各チームメンバーに合わせて調整した結果がこの編成となっていると思われる。
拠点攻撃機体を「ザメル」にするか「ギガン」にするか、といったところも重要だが、進軍ルートから選択しているかと思いきや、中央ルートから右前に抜けるルートを使うか、定番の左ルートで通称「クレーター」付近からの砲撃というパターンがどちらの機体でも見られたので、練習での連度を重視したか、その場の司令塔の判断ということなのだろうか。
続いて今イベントでの注目ポイントの1つである地球連邦軍サイドの編成を見てみよう。
・前衛
「B.D.2号機」、「陸戦型ガンダム(ジム頭)」の2機体がたいていのチームに組み込まれており、格闘型には「陸戦型ジム」、「ジム・ストライカー」、「アレックス」が選ばれるチームもあった。対「B.D.2号機(NS)」用を考えてか「B.D.2号機」を2機というチームもあれば、「B.D.2号機」を1機にして「陸戦型ジム」、「ジム・ストライカー」、「アレックス」をチョイスするチームとラインナップがバラバラだったのは興味深い。
射撃型としては「B.D.3号機」と「ガンキャノン」を選ぶチームが1つづつ、また、近距離戦型の「ジム・カスタム」を組み込んだチームも1つあった。
格闘型2機+射撃型が主流で、格闘型1機+射撃型2機、格闘型1機+「ジム・カスタム」+射撃型などバリエーションが多く見られた。
・拠点攻撃機体
「量産型ガンタンク」、「ガンタンク」、「量産型ガンキャノン」の中からチョイスされていたが、これもチームによるバランサー性能、拠点攻撃性能、砲撃時の硬直やAP値(耐久力)を吟味しての結果だと思われる。
松戸大会でのキーポイントとなったチームは、「脳筋野郎Jチーム」と「蟹三昧」、「チーム葛飾の栄光」の6ポイントを取得した3組だろう。「脳筋野郎Jチーム」は、前述のとおりジオン公国軍側で不利となるため、じゃんけんで何とか勝利してチーム決定権を奪い、地球連邦軍をゲットしないといけないという状況の中、優勝した「坂戸・熊谷勢」チームに見事地球連邦軍で土をつけた。また、ジオン公国軍サイドで4対3という状況下、「ザクII(S)」、「ザクI(S)」、「ザメル」という編成で「本生☆熊本英利」を戦力ゲージ残り90まで追い詰め、会場を沸かせた。
「蟹三昧」は、ジオン公国軍サイドで2勝をあげ、「奥義Master」に地球連邦軍で勝利したものの、「本生☆熊本英利」、「坂戸・熊谷勢」戦で地球連邦軍サイドで敗れている。
「チーム葛飾の栄光」は、6戦中5戦を地球連邦軍サイドで戦い2勝をあげ、地球連邦軍サイドで勝たなければならない「脳筋野郎Jチーム」をジオン公国軍サイドで破ったが、「坂戸・熊谷勢」、「本生☆熊本英利」、「蟹三昧」に敗北している。
結局、「坂戸・熊谷勢」は6戦中1度も地球連邦軍サイドにまわることなく、ジオン公国軍で5勝という結果で優勝している。
2位に入った「本生☆熊本英利」チームは、優勝した「坂戸・熊谷勢」チーム以外に「のーりすぺくと」チームにジオン公国軍サイドで敗北したのが響いた格好となった。
● 優勝決定戦までもつれ込んだHブロック
Hブロックの最終結果 |
ミリアンパーク厚木店で行なわれたHブロックは、Iブロックにもまして混戦となり、8ポイントで「アルバトロス」、「どやカラー連合軍」が並び、「大和+和田」、「御無礼。ロンです」、「109でカブキ隊」の3チームが6ポイントという状況となった。優勝決定戦の結果、「アルバトロス」がブロックNo.1の座を手に入れた。
ジオン公国軍サイドではやはり「B.D.2号機(NS)」×2、、「ザクII寒冷地仕様」、「ザメル」という編成が多く、ほとんどのチームがこれを採用していた。戦術的にも「B.D.2号機(NS)」2機で相手の護衛+拠点攻撃機にプレッシャーをかけ、「ザクII寒冷地仕様」が1護衛というスタイルが主流となっていたようだ。
この編成のウィークポイントとしては、「ザクII寒冷地仕様」のAP値だろうか。地球連邦軍サイドのアンチ機体が格闘型2機になった場合など、「ザクII寒冷地仕様」が2アンチを見なければならない状況になると、AP値の低さが響いてくる。また、高火力機体を押さえきれない状況になった場合、いくらAP値の高い「ザメル」の装甲重視セッティングでも、ファーストアタックで拠点撃破という状況が難しくなる。そうなると、地球連邦軍側の拠点攻撃機体とのコスト交換となり、ジオン公国軍側が不利なカードを引くことになる。できれば「ザメル」のカバーが必須という状況になる前に、「ザクII寒冷地仕様」は相手のアンチ機体を削るだけ削って落ち、拠点撃破が見えた段階では「ザクII寒冷地仕様」を早めにアンチにまわし、撃破をコントロールしながら2拠点目を先に取りたいというのが本音だろう。
「アルバトロス」の地球連邦軍サイドでの編成は、「B.D.2号機」、「アレックス」、「ジム・カスタム」、「量産型ガンキャノン」が主力。「B.D.2号機」と「ジム・カスタム」での2護衛、アンチは「アレックス」単騎で行なうというものだ。対「B.D.2号機(NS)」を想定し、ニューヤーク(R)の場合、左ルートでさらにドーム裏を抜けるという進行ルートで、「ジム・カスタム」は主に削り役、「B.D.2号機」は積極的にインファイトを仕掛け、「量産型ガンキャノン」と「ジム・カスタム」を抜けさせることを重視する。
ジオン公国軍サイドの出方次第だが、「B.D.2号機(NS)」が早い段階で撃破を狙ってくるなら、「B.D.2号機」を落ち役とし、できれば「B.D.2号機(NS)」のEXAMを停止させるもしくは、できる限りアンチ機体のAPを削ってから落ち、リスタートで「アレックス」とともにアンチに転進。「アレックス」は相手護衛と「ザメル」をできるだけ削り、「B.D.2号機」合流後に護衛と「ザメル」のコスト回収を狙うという狙いだ。「量産型ガンキャノン」と「ジム・カスタム」は左へどんどん流れ、追いかけてくるアンチ機体を削っていければ、敵を左ルートに引っ張りつつ、有利な展開を作りやすいだろう。
ジオン公国軍サイドがゆっくりアンチする戦略の場合は、「B.D.2号機」と「ジム・カスタム」の連携でダメージを取り、「アレックス」はできるだけ拠点攻撃機体を削りながら、護衛のコストを回収、その後「ビーム・サーベルS」での格闘ループで拠点攻撃機体を撃破する流れを作る。安定度が重要な地球連邦軍サイドでの編成として練りこまれたものになっており、「アルバトロス」チームは地球連邦軍サイドで3勝している。
■ 大会のならでは面白さはやはり格別
「REV.2」での2回目の全国規模のイベントとなった「ブロックNo.1決定戦」。残念ながら事情により「2011オフィシャル全国大会」は中止となってしまったが、このような大会が行なわれることで、より連携のとれた、錬度の高い戦いを目の当たりにし、さらなる刺激を受けた人も多いだろう。
個人的な感想としては、コストパフォーマンスを背景に戦局を引っ掻き回すことを狙うジオン公国軍サイドと、安定感の高さでミスなく戦う地球連邦軍サイドという構図が今回のイベントでも多数見られたが、REV.2.52にいたるまで、多数の調整項目+新機体の導入により、戦場の主役となるモビルスーツラインナップが劇的に変わった半年間だった。そしてその戦局の変化にすばやく対応し、編成や戦略をフィットさせてきた出場チームの皆さんには頭の下がる思いだ。ただ、初めてのオンラインによる予選や、急遽決定した「ブロックNo.1決定戦」のスケジュール設定など、せっかくの機会にタイミングが合わず参加できなかった人も多いと思われるのが残念なところでもある。
しかし、「REV.2」から「プライベートマッチ」、「トレーニングモード」の模擬戦の導入により、環境が整備され「その場でしか見られない」戦いが増えたことは事実。その練習の成果を発揮する機会が次のリビジョンでも開催されることを願いたい。
(C)創通・サンライズ
(2011年 7月 6日)