ゼニマックス・アジア、PS3/Xbox 360「Rage」メディア向け体験会を開催
初公開のバギーマルチと、2つのミッションを体験!


5月28日開催

場所:富士ソフトアキバプラザ



 ゼニマックス・アジア株式会社は、5月28日、東京の富士ソフトアキバプラザにて、プレイステーション 3/Xbox 360用FPS「Rage」のメディア向け体験会を開催した。今回の体験会では2つのステージと、バギーレースのマルチプレイを体験することができた。

 「Rage」は、「Doom」や「Quake」を手がけたid Softwareの最新作で、北米では9月13日に発売予定だ。日本での発売は未定だ。id SoftwareのJohn Carmack氏が手がけた最新ゲームエンジン「id Tech 5」を採用した美しいグラフィックスと、世界観が魅力だ。今回の体験会のビルドは、4月に行なわれたプライベートショウ「BFG 2011」で出展されたものと同じものということだが、改めて筆者の感想を交えてレポートしていきたい。

 なお、「Rage」の詳細については、4月に行なわれたBFG 2011でのプレビューインタビュー。さらに、さらに昨年の「BFG 2010」レポート「E3 2010」レポートでも取り上げているので、ぜひ合わせてご一読いただきたい。



■ 「こええ!」思わず叫んでしまう“音”の演出。探索も楽しいミッション「Locate Research Date」

ゼニマックス・アジア ゼネラルマネージャーの高橋徹氏
体験会では高橋氏をはじめ、ゼニマックスのスタッフがフォローしてくれ、様々な要素を楽しめた

 今回体験できたのは、「Locate Research Date」と、「Sponsorship Needed」の2つのミッション、そしてバギーレースのマルチプレイだ。「BFG 2011」ではさらに3つのミッションが体験できたのだが、こちらは前回の記事を参照して欲しい。今回は3つの要素をより細かく伝えていきたい。

 イベントの最初に挨拶をしたのはゼニマックス・アジア ゼネラルマネージャーの高橋徹氏。高橋氏は、「『Rage』は、これからドンドン押していきたいタイトルの1つです。今日は早速デモに入っていただいて、ゲームを触ってみてください」と語った。

 「Rage」は、荒廃した未来世界が舞台となる。ある時、巨大隕石が地球に迫り、人類の生き残りをかけ、「アーク」という乗り物に限られた人を乗せ、地中深く打ち込んだ。主人公はアークの乗員の1人だ。隕石衝突後も実は人類は滅びず生き残った人々は独自の文化を創り出していた。しかし地上はミュータントの跋扈する危険な場所になっていた。主人公はまず生き残るために戦うことになる。

 「Rage」はジャンルはFPSだが、探索が楽しめる自由度の高さも併せ持っている。プレーヤーはストーリーを進める上で、いくつかの街を巡っていくことになる。街では様々なNPCがいて、彼らと話しjob(クエスト)を請け負う。jobはストーリーを進めるものから、サブクエスト的なものもある。

 下水道や廃墟など、クエストで向かう場所でFPSのステージ風にゲーム性が変わる。ここでも探索が重要になる。弾薬はもちろん、jobの目標となるアイテムや、持ち帰り街で売ることで、資金になるアイテムもある。資金は、武器のアップデートに使える。資金稼ぎのための、繰り返し挑戦できる要素もあるという。

 「Locate Research Date」はミュータントが待ち受ける廃墟を進んでいく。ミュータントは身体能力が高く、廃墟の屋根に登ったり、壁にしがみついたりトリッキーな動きをして、プレーヤーの死角をねらってくる。

 ミュータントは音に関しては、こちらを威嚇するようにわざと大きくたててくる。うなり声や地面をひっかく音、足音など、姿は見えないのに音がプレーヤーを取り囲む。「うわーこええ!」と思わず気持ちが声に出てしまう。

 さらに巨大ミュータントがドスドスと地面を揺らして登場してくる。巨大ミュータントは粘液を発射しこちらの視界を奪う。視界がきかない状態で、巨大ミュータントが突進してくる足音、ミュータントのおいすがってくる音に囲まれ、パニックになってしまう。プレーヤーを追いつめる演出が見事だと感じた。

 「Locate Research Date」は中盤のステージということで、プレーヤーの武器は、アサルトライフルにショットガン、ロケットランチャーと豊富だった。いくつもの武器を持ち歩くゲーム性のようだ。さらにサブウェポンとして、手榴弾や、ブーメラン、ラジコン型の爆弾、設置できるタレットなどもあった。これらのサブウェポンは材料を手に入れて作るという。壊れなければ、回収して再利用も可能だ。

 このステージでは、ミュータントだけでなく、空飛ぶ揚陸艇から降下してくるボディアーマーに身を包んだ一団の襲撃を受ける。彼らは、オーソリティと呼ばれる元の政府の人たちで、独自の思惑で主人公に介入して来るという。様々な要素がかいま見えるステージだった。


巨大隕石衝突後の世界。人々は滅亡を逃れ、独自の世界を作っている。知能は低そうだが、常人を遙かに超える身体能力を持っているミュータントが地上を闊歩している
独自の動きを見せるオーソリティ。元政府の人々で、この世界ではっきり違う高いテクノロジーを持っている。彼等の思惑は?



■ 遊園地風の血みどろ闘技場「Sponsorship Needed」、そして爆炎渦巻くバギーレース

最大6人でできるバギーレース。今回は4人で対戦した

 もう1つのミッションの「Sponsorship Needed」はある街で受けることができるサブクエストだ。この時代、生き残った人々は、独特の文化を築いている。この街にはTV局があり、ミュータントと戦う血みどろの番組が人気だという。

 プレーヤーは金を稼ぐためにこの競技に参加できる。スポンサーは太った醜悪な男だが、芝居っ気たっぷりのおしゃべりが楽しい。ミュータントと戦う闘技場はアメリカの遊園地風のどぎつい色使いだが、血塗れだ。音楽が明るいのが逆に怖い。

 ここでは様々な環境で戦うことになる。床一面に穴があいていて、そこから針が飛び出してきたり、刃物を体の回りで回転させる人形が周囲を回っていたり、危険きわまりない。自分に当たれば大ダメージだが、うまく活用することで有効な武器にもなる。このほかにもドクロマークが当たると敵が大量に襲いかかってくるスロットマシーンもあった。

 このミッションはブラックユーモアの中に、この世界に生きる人のエネルギーと、滅び、歪んでしまった文明の哀しさがある。この“空気”は、続いて体験したマルチプレイにも活かされていた。「Rage」のマルチプレイは、シングルプレイのステージを利用し、本編とは別のストーリーが楽しめる協力プレイと、バギーレースがある。

 バギーのレース最大6人でプレイできる。今回は4人での対戦を行なった。レースではトップを走るプレーヤーの前にチェックポイントが設定され、このポイントを取っていく。バギーには、ショットガンや、マシンガン、ミサイルなどが装備でき、他の車を攻撃できる。サブウエポンには地雷やシールドなどもある。爆炎が終始上がる凄惨なレースバトルだ。

 このレースは独得の駆け引きがある。トップの前にポイントが設定されるため、ただ走ってるだけだと良い的になるだけなので、スピンターンを決めて正反対の方向に設定するのも有効だ。レースに慣れていない場合は目の前の敵をただ撃ってしまうが、下位でつぶし合えばトップは有利になるばかり。また敵を撃破するとポイントが得られるが、何個かチェックポイントを通過したターゲットを破壊すると高得点が得られる。このため、わざとトップを“育てる”戦略もあるという。

 ちなみにバギーはシングルプレイでも乗ることができ、街と街の移動に使えるほか、賞金稼ぎのレースにも参加できる。資金を貯めてアップグレードが可能で、こだわりのマイカーを作ることができる。育て上げた車でオンラインレースにも参加できる。

 体験会の後の質疑応答では、高橋氏がメディアからの質問に答えた。現在未定の発売日に関しては、「なるべく北米版発売から近い時期に実現したい」とのこと。日本語版は吹き替えとなる。有名声優の起用と言うよりも、オリジナルの濃いキャラクターをきちんと再現する方向にしたいと高橋氏は語った。

 ゲームデザインは基本的には1本道だが、生き残っている人々、元政府達の勢力、そしてミュータントと、様々な要素が絡み合っていく。主人公はストーリーが進むに従い、5つの街をまわっていくが、いつでも前の街に戻れる。そして、闘技場やレースなど賞金稼ぎのコンテンツをプレイできる。標準的なプレイ時間はクリアを急いで15時間、やり込むことで、倍以上に楽しめる。

 最新ゲームエンジンid Tech 5によるメガテクスチャーにより、広大な世界を60フレームで表現できるようになった。メガテクスチャーの膨大な容量を詰め込むため、Xbox 360版はDVD3枚組みになったが、これまでにないクオリティのグラフィックスを実現させた。id Tech 5は今後のBethesdaのタイトルにも活用を検討していく。「Rage」では、id Tech 5の力を体感して欲しいという。

 高橋氏は最後に、「これからE3でも新しい情報が出ますし、北米での9月の発売に向け、ドンドン情報を出していきます。よろしくお願いします」と語った。


左は、闘技場でのミュータントとの戦い。右はバギー。プレイヤーの愛機となるカスタマイズが楽しみだ

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