Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

Bethesda、「Rage」、「Fallout New Vegas」など4タイトルを出展
「New Vegas」は10月19日に発売決定、「Rage」もいよいよ完成度がアップ!


6月15~17日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 Bethesda Softworksは、昨年同様、Westホールにブースを構え、子会社id Softwareの新作FPS「Rage」を筆頭に、「Fallout」シリーズ最新作「Fallout New Vegas」、ダークファンタジーアクションRPG「Hunted: The Demon's Forge」、そして英Splash Damageのアクションシューティング「Brink」の4タイトルを出展していた。

 Bethesdaについては「Bethesda Gamers Day 2010」と称したプライベートイベントを4月に開催し、弊誌でも詳しくレポートしたとおりだ(「Rage」編「Fallout: New Vegas」編「Hunted: The Demon's Forge」、「Brink」編)。E3レポートでは、これらのレポートの情報をベースに、最新情報をお伝えしたい。なお、発売プラットフォームはすべてXbox 360、PS3、Windows PCを予定。ただし、日本では基本的にXbox 360、PS3のみの発売となる見込みなのでご注意頂きたい。


【Bethesda Softworksブース】
各タイトルごとに工夫を凝らしたBethesda Softworksブース。試遊可能なタイトルの中ではやはり「Fallout: New Vegas」の人気が一番高かった



■ 一番注目はやはり「Rage」。「Fallout: New Vegas」は発売日が決定!

デモを行ってくれたのは、「Bethesda Gamers Day 2010」でも担当していたid SoftwareのTim Willits氏

 id Softwareが開発している次世代FPS「Rage」は、プライベートシアター形式でE3初出展されていた。デモンストレーションの内容は、前半が「Bethesda Gamers Day 2010」を若干シンプルにしたような印象で、後半が「Dam Facility」や「Dead City」といった新エリアでのボスバトルを見せてくれた。

 序盤の街であるWellspringでは街中でサイコロの出目で勝ち負けを決めるミニゲームをやっている人々がいて、プレーヤー自身もそれに参加できたり、Wellsprings Speedwayがオープンしているなど既存エリアにもいくつかの進化とブラッシュアップを感じられた。

 今回初めて見た「Dam Facility」は車の修理工場のような趣の屋内エリアで、廃車が至る所に転がり、最後に登場したボスも車両タイプだった。機関砲を備え、正面切っての戦いは分が悪い。ヒットアンドアウェイを繰り返しながら、また周囲のガスボンベ等の稼働オブジェクトを駆使しながらボスに挑んでいく。

「Dead City」は、「Rage」の作品性を決定づけるエリアで、ビルや高速道路といった大都市を構成する巨大建造物が降り崩れるようにして廃墟と化した“死の街”だった。「Dead City」周囲を見渡していると、突如廃墟の中から、ビルの高さにして5階分ぐらいはあろうかという巨大な人型のモンスターが、巨大なグレネードランチャーを携えて出現。グレネードをぶつけ合う激しいバトルが繰り広げられた。

 今回ふたたびデモを見て実感したのは、やはりFPSの大御所であるid Softwareの最新作だなということだ。打てば響くようなアクション要素の手応え、質感の高いグラフィックス、メリハリの効いた陰影、まるで人間のようなジェスチャー、バギーのクイックな操作性といった具合に、すべてがキビキビとしており、見ていて非常に気持ちがいい。「Rage」の発売時期は2011年を予定し、発売プラットフォームはXbox 360、PS3、Windows PC。

【Rage】
「Rage」の最新スクリーンショット。id tech 5の特徴であるメガテクスチャを最大限に活かした非常に質感の高いグラフィックスが印象的である



Bethesda Softworks President Vlatko Andnov氏と雑談を交わし上機嫌な日本法人のゼネラルマネージャーを務める高橋徹氏

 北米での発売日が10月19日に確定した「Fallout: New Vegas」は、年末商戦を視野に入れて大規模な試遊台を設置。1台ごとに担当者を配置し、説明を交えながら比較的自由に触らせてくれた。

 今回の注目点はなんといってもベガスの中心地であるストリップが初公開されたことだ。「New Vegas」におけるストリップでも複数のカジノが軒を連ね、現実のラスベガスほどではないが多くの人々が行き交っている。カジノの中ではもちろんゲーミングが可能で、スロット、ブラックジャック、ルーレットをプレイすることができた。いずれも年代物の機材がそのまま使われており、レトロな感覚が楽しかった。また時間帯になってはショウを見ることもできるようだ。

 もちろんストリップはギャンブルを楽しむだけが目的の場所ではない。様々な目的を持った人物達が潜んでおり、プレーヤーに様々な依頼をしてくる。この「New Vegas」の世界では3つの陣営が互いに勢力争いを繰り広げており、プレーヤーはいずれかに加担して、結果としていずれかの勢力伸長を手助けしていくことになる。

 「Fallout 3」がそうであったように、プレーヤーの行動によって好感度が上下し、それによって相手の対応がかわり、物語の進展にも変化が出てくるため、どの勢力の味方に付くかは慎重に考えたいところ。もっとも、複数回プレイして色んなパターンを楽しむというのが「Fallout」の魅力でもあるので、初回は何も考えずに思い切ってプレイしてみるのもいいかもしれない。

 気になる日本での発売時期については今回の時点では明らかにされなかった。すでにローカライズ作業に入っており、音声、テキストともフルローカライズを行なう方針だという。CEROレーティングはZで、「Fallout 3」同様に人体欠損表現はカットするなど、Zの枠内で可能な表現を入れていくという。価格は7,980円を予定。


【Fallout: New Vegas】
左下のスクリーンショットにあるLucky 38がカジノのひとつ。その右側にいるロボットは一種の警察で、悪事を働くと彼らと戦うハメになる



【Hunted: The Demon's Forge】
ダークファンタジーの世界観をモチーフにしたサードパーソンアクションゲーム。今回短い時間ではあったが実際にプレイすることができた。期待通りの感度の良いアクションゲームに仕上がっていた。メレー、レンジ、スペルの3つの攻撃手段を切り替えながら、場合によってはサブに回りながら2人1組で突き進んでいく。2010年秋の発売が予定されていたが、2011年に延期されたのが残念なところ

【Brink】
英国で開発されているヨーロピアンスタイルのサードパーソンアクション。オリジナリティの高いグラフィックス、アクションボタンを押したまま行きたい方向に走っていくだけで、壁を乗り越えたり、屈んでくれたりといったアクロバットアクションを行なってくれるなど、FPSの新しい形に挑んでいる作品だ。今回チュートリアルをプレイできたが、もともとの操作が難しい割に、結構シビアなアクションを要求する部分があり、全体的に難易度が高く感じられた。今後のチューンナップに期待したい。2011年4月発売予定

(2010年 6月 19日)

[Reported by 中村聖司 ]