スクエニ、「FF XIV」発売記念イベント「エオルゼアプレライブ」詳報
田中弘道プロデューサーら6名の開発スタッフが最新情報を大公開


9月14日 開催

恵比寿ガーデンホール


イベントは平日の夕方から。にもかかわらず満員の人出で賑わった

 株式会社スクウェア・エニックスは、Windows/プレイステーション 3用MMORPG「ファイナルファンタジー XIV(FF XIV)」の初めてのオフラインイベント「エオルゼアプレライブ」を恵比寿ガーデンホールで開催した。

 イベントには、αテストやβテストに参加したプレーヤーの中から抽選で350名が招待された。平日にもかかわらず夕方の開場直後から大勢のファンが行列を作り、外国人プレスの姿も見受けられるなど、話題性の高さが見て取れた。

 イベントは、「FF XIV」のプロデューサー 田中弘道氏と、楽曲をすべて担当した作曲家の植松伸夫氏のトークで始まった。メインコンテンツは、声優の中村悠一さんが司会の開発スタッフによるトークショー、ほかにもオープニングムービーの上映、昼に発表されたばかりのTV用新CMの上映などが行なわれた。

 開発チームのトークショーでは、製品版以降の新要素や、現在問題とされている部分が製品版でどう変わって行くのかなど、多くの新情報が発表された。「FF XIV」は現在オープンβテスト(OBT)が行なわれているが、そこでプレーヤーから出た疑問や不満を中村さんが開発陣にぶつけ、それに開発陣が忌憚なく答えるというかなり腹を割った形でのトークショーとなった。

 質問に答えたのは田中氏を始め、ディレクターの河本信昭氏、バトルディレクターの岡田厚志氏、シナリオの佐藤弥詠子氏、コンセプトデザイナーの岩尾賢一氏、レベルプランナーの木越祐介氏の6名。イベントの様子は全世界にストリーミングでライブ中継された。




■ 田中氏と植松氏がフュージョンして中年トーク

「FF XIV」プロデューサーの田中弘道氏
作曲家の植松伸夫氏

 弦楽四重奏による「FF XIV」のテーマソング「Answers」の荘厳な演奏で始まったイベントは、田中氏と植松氏が登場するなり雰囲気が激変。作務衣にオレンジバンダナで登場した両名は、某漫画に出てくる変身ポーズ「フュージョン」を決めた後、ゲームとはあまり関係なさそうな近況報告の軽いトークを披露した。

 植松氏によると、「Answers」を歌っているSuzan Callowayさんは、11月に東京で行なわれる「Distant Worlds music from FINAL FANTASY」の日曜日の公演でも力強い美声を披露する予定だそうだ。「ぜひ皆さん行きましょう」と両氏。

 また植松氏は10月に東京・自由が丘で開催される「女神まつり」にもバンドとして出演する。「『FF XIV』の曲を昨日までやってみようと思っていたけれど、難しくて間に合いそうにないので、今回は別の曲を演ってみようと思っています」とのことだ。こちらも興味がある人は観に行ってみてはどうだろう。

 その後はしばらく病院通いの話で盛り上がった。植松氏はイベント前にも病院に言って酒と脂っこいものを止められたので「これから毎日お昼はソバにしよう」と宣言。「食わされると飽きるけれど、自ら各地にソバを食べに行ってうまいソバを見つければ飽きない」という作戦らしい。ちなみに今は昼間は毎日ラーメンだそうで、確かに体には良くなさそうだ。

 その後は、9月29日に発売になる「FF XIV」のサウンドトラック第1弾「FINAL FANTASY XIV / Field Tracks」と「FINAL FANTASY XIV / BattleTracks」をそれぞれ手にしての宣伝タイムとなった。

 今回のために、植松氏は80曲近くを作曲している。ゲーム内の全曲を担当するのは「FF IX」以来10年ぶりとなる。植松氏によると、作曲のコンセプトは特にはない。「10年振りなので、比較するものがなかったのです。だから以前のファイナルファンタジーを意識するよりも、今の自分が作る音楽で自由にやらせてもらおうかと」(植松氏)作曲したということだ。

 オンラインゲームは音楽を聴き続ける期間が長いので、短いワンコーラスを繰り返すよりもワンコーラスを長めにするよう意識して作った。そのため全ての曲をCDに収録すると「17枚組とかになるかも(笑)」(植松氏)。音楽のバリエーションは豊富で「何年か皆さんに遊んでいただいて、「FF XIV」単体のコンサートができるようになるといいですね」と話していた。


フュージョンのポーズで登場その後は近況を交えた雑談タイム




■ 正式後の「FF XIV」が見えた、開発スタッフトークショー

トークショーの司会は「FF XI」のコアなファンとしても有名な声優の中村悠一さん
中村さん(右)、スクエニの望月氏(左)、そしてプロデューサーの田中氏(中央)の3人が司会を務めた

 メインコンテンツのトークショーは、声優の中村悠一さんと田中氏、スクウェア・エニックスの望月氏が司会を務め、「FF XIV」の開発チームに「FF XIV」に質問するという形で進められた。

 中村さんは「FF XI」のファンとして有名で、「FF XI」の「リディル」という非常にレアなアイテムを所有していることから「リディル中村」と呼ばれることもあるほどのコアプレーヤーだ。「FF XIV」のテストにも参加しており、テスターを代表して開発スタッフに鋭い質問を浴びせた。

 質問に答えたのは、ディレクターの河本信昭氏、バトルディレクターの岡田厚志氏、シナリオの佐藤弥詠子氏、コンセプトデザイナーの岩尾賢一氏、レベルプランナーの木越祐介氏の5名。

 岡田氏は戦闘一般やバトルレジメンについて、佐藤氏は「FF XIV」のストーリーについて、岩尾氏は「FF XIV」の世界観や設定、登場するモンスターなどについて、木越氏は採集や製作についての質問にそれぞれ答え、それ以外について河本氏が解答した。

 最初は司会の田中氏へ、中村さんが質問を行なった。その中から判明した詳細は以下の通りだ。

・ハードウェアマウスは実装予定
・アーマリーシステムのアクションはクラスチェンジで外れなくなる

 田中氏によると、OBTで最も多かった意見はハードウェアマウスに対する要望とアーマリーシステムのUI。「『FF XI』にもあり、海外では当たり前になっているハードウェアマウスをサービスインのタイミングでは実装できるように頑張ってもらっている」(田中氏)。アーマリーシステムは、クラスを変えた時にアクションが外れずに切り替えて自分でカスタマイズしていけるような方向で検討しているそうだ。

・長期割引プランがある

 課金システムについては、「長期割引」というプランが新たに導入される。「FF XIV」では日本で3カ月、海外で3カ月と6カ月という長期割引プランが用意される。

・製品版のレベルキャップは「レベル50」

 「FF XI」もレベル50がキャップでのスタートだったが、だからという訳ではなく「FF XIV」のシステムとして50が目標になるのではないかという理由からレベル50にキャップが設定された。




■ 「FF XIV」の世界ハイデリンで起こる様々な物語

岩尾賢一氏は世界観などよろずコンセプトを担当
佐藤弥詠子氏はシナリオを担当
海洋都市「リムサ・ロミンサ」はアテネやベニスがモチーフ

 「FF XIV」の舞台となる世界はハイデリンと呼ばれている。プレーヤーたちが活躍することになるエオルゼアはアルデナード大陸と周辺の島々から構成されている地域の呼称。

 エオルゼアでは、古代ギリシアのポリスのように都市国家が点在していて、それぞれの都市はリムサ・ロミンサがアテネやベネチアをイメージとした海洋都市、ウルダハがパルミュラやイスタンブールをイメージした交易都市、グリダニアは日本の古都、奈良などをイメージした都市になっている。

 それぞれの都市国家では別々のストーリーが展開していく。シナリオの佐藤氏がそれぞれのストーリー概要と、そこに登場するNPCを紹介した。「製品版をプレイするための参考にしてください」(佐藤氏)。

 「FF XI」であった特定の民族と都市国家の組み合わせでもらえるアイテムのようなものは「FF XIV」には存在しない。「FF XIのような都市国家と民族の関係があると、どうしてもそれによってこのキャラクターをやるならこの都市でなければいけないという縛りが出来てしまうので、今回は敢えてはずしています」(田中氏)。

・リムサ・ロミンサ

 リムサ・ロミンサは伝説のお宝を巡って海賊の戦闘が激化している。「最終的に宝は誰の手に渡るのか? という展開になっております」(佐藤氏)。


「百鬼夜行」の頭領で冷血な海賊「カルヴァラン」と「紅血聖女団」の頭領で残忍な海賊の「ローズ」。2人はとても仲が悪い「ワワラゴ」は漁師ギルドの頭領。「ちょっと変わったキャラです。漁師ギルドに出てくるのですが、エロい」(佐藤氏)


「グリダニア」は日本の古都、奈良がモチーフ

・グリダニア

 プレーヤーは森の怒りに触れてしまい、禊を受けるためにグリダニアを訪れる。グリダニアの住人たちはよく精霊のことを口にするが、ここに住む少年「クリム」は精霊などいないと主張する。精霊は本当にいるのか、いないのかという答えをストーリーの中で探していく。

 「『FF XI』で言うウィンダスぽい場所なのですか?」という中村さんの問いには「確かに(ウインダスを)意識しています」(佐藤氏)との答え。


「エ・スミ・ヤン」は角が特徴で「角尊」と呼ばれる不思議な存在。精霊「モーグリ」は本当にふかふかで、「NPCの少女にも『さわりたい』と言わせています」(佐藤氏)。


・ウルダハ

 「金と興奮と欲望の都市」(佐藤氏)。冒頭のパレードで犠牲者が出てしまうが、その犠牲者はウルダハに何か不吉な知らせを持ち込んでいた。「ウルダハに訪れる危機とは何か、という展開になります」(佐藤氏)。


「ニエルフレーヌ」。「彫金師ギルド」のクエストで登場するキャラクター。「ちょっと展開的に面白いことになっていると思うので、続きを見ていただきたいなと思います」(佐藤氏)「ティティニン」は格闘士ギルドにいるキャラクター。「OBTでは余り登場していないので、楽しみにしてください」(佐藤氏)。「ネネッコ」は採掘師クラスクエストに登場するお嬢様キャラクター。「可愛くて、自分のイチ押しキャラクターです」(佐藤氏)

・イシュガルド

 地図中央あたりにある国。「とてもカッコイイ都市です。ここでは人々を取って喰らうドラゴン族と戦い続けています。その戦いが長く続き、今は、冒険者に門戸を閉ざしています」(佐藤氏)。


「イシュガルド」はエオルゼアの中央辺りにある。城に続く門は閉ざされていて、現在は入ることができない



・クラスクエスト

 「スタートする街は自分の好みで選んでいいのですか?」という中村さんの質問に、佐藤氏は「全てのギルドが全ての都市にあるわけではないので、そこは考慮した方がいいかも」と解答。「ある条件を満たすことで、クラスクエストというギルドで受けられるクエストが発生します。クラスクエストでは、その都市のもう少し深い部分まで話が判ったりもしますので、そこを見て欲しいと思います。後はクエストをコンプリートするといいことがありますね」(佐藤氏)。「ものですか?」と中村さんが詰め寄ると、佐藤氏は笑いながら「報酬も大事ですが、ストーリーも一緒に楽しんで欲しいです」と答えた。

・クエストの難易度

 「クエストの敵が強すぎると心が折れちゃいます」という中村さんの言葉に、河本氏が「それに関してはご安心ください」と解答。クエストはほとんどソロで進められるようなバランスで作られているということだ。


製品版からは、ソロで進行可能なクエストが追加される




■ バトルの未来形を岡田氏が解説。将来は大規模バトルや対人戦も

バトルディレクターの岡田厚志氏

 バトルに関する情報は、バトルディレクターの岡田氏がプレーヤーから集まった質問に答える質疑応答の形で行なわれた。

Q: パーティーバトルの敵対心のバランスを調整の予定はありますか?

岡田氏: もちろんあります。OBTでもバトルバランス調整の一環として、全ての魔法とアビリティによる敵対心を調整しました。これで全て終わったわけではなく、今後もコンテンツや装備品、アビリティやモンスターをどんどん追加していきますから、正式サービス後にアップデートがあった時に継続的に調整をしていくつもりです。

Q: MPを回復する手段を増やす予定はありますか?

岡田氏: これも多い質問です。「FF XIV」のコンセプトとして“MPの管理”を考えています。同時に“魔法は強いんだよ”ということを表現したいと思っています。小さくちょこちょこ撃つのではなく、「ドカーン」というものにしていきたい。ただ、今後もエーテライトや、魔法、アビリティでの回復などのバランス調整は行なっていきます。これで終わりではありません。


プレーヤーの要望として多かったものに岡田氏が答えた


バトルレジメンは不明な点が多く、OBTではあまり有効に活用されていなかった

Q: バトルレジメンの有用性がまだまだ低い印象を受けます。どのような方向性で調整されていきますか?

岡田氏: バトルレジメンには、パーティー時の戦略の幅を広げ、パーティーの組みにくさを緩和するという2つのコンセプトがあります。バトルレジメンは単純にダメージを与えるためのものではなく、物理体制の緩和、魔法体制の緩和など色々な効果があります。例えば物理攻撃が通りにくいモンスターには物理体制の緩和のバトルレジメンを使ったり、魔法が強いモンスターには魔法の詠唱速度ダウンのバトルレジメンを使う、といったプレイを想定しています。

Q: バトルレジメンの中の「行動適正アップ」はどういった効果があるのですか?

岡田氏: 「FF XIV」では別のクラスでも他のクラスのアクションをセットして使うことができますが、少し効果を制限しています。「行動適正アップ」を使えば、例えば幻術士で呪術士のアクションを使った時に、呪術士で使う時と同じ効果が得られます。


バトルレジメンの効果はOBTの段階で全て入っている。「1度やっていただくのが一番判りやすいかなと思います」(岡田氏)
バトルレジメンの組み合わせ一覧


「部位損傷」の詳細がようやく明らかになった

Q: 「部位損傷」とは?

岡田氏: 特定のウエポンスキルを特定のモンスターにある方向から使うことで「部位損傷」という状況が起きます。例えばモルボルであればつるとか、とかアルドゴート・ビリーの角とか、その辺りがぽろっと取れます。

Q: 損傷したものを素材として取れるということですか?

岡田氏: 戦って得た素材を生産する時に使ってもらいたいので、そういったことが効果的になるように考えています。後はそれぞれのモンスターは特殊な技を使う時に部位を使ったりもしますが、その場合技を使わなくなったりその部位を使う技が弱くなったりもします。

Q: 逆に角を壊さなければ、角の素材は取れないのですか?

岡田氏: 出ることもあります、という感じになります。

Q: 特定のウエポンスキルというのは?

岡田氏: 今は隠されていますね。例えばアルドゴート・ビリーに、格闘士の「コンカシブブローII」という格闘スキルを正面から当てていただくと、その部位のHPを減らすことができます。1発では無理でも何度かやって頂ければいつか取れると思います。それほど大変ではないです。近日中にいくつかは発表しますので、ぜひそれを見て挑戦して頂ければと思います。

Q: PvPがあるという噂ですが?

岡田氏: 「部位損傷」にしても、今実装されているアビリティの中で「これはなんだろうなあ」というものも、すべてPvPを意識して作っています。



 岡田氏への質問の後は、岩尾氏が「今ノートリアスモンスターがいないんです。でもご安心下さい」と「FF XIV」に登場するNM(ノートリアスモンスター)を紹介した。「FF XIV」のNMはコンビネーションを組んで攻撃してくるものが非常に多く登場するのが特徴。「これからも見た目の違いやストーリー性をNMに沢山持たせてみたいと思っています」(岩尾氏)。


【「FF XIV」のノートリアスモンスターたち】
大ヤギと呼ばれているアルドゴート。しかし更に巨大で禍々しい角のNMが存在しているアマルジャに飼育されたドレイク。人間の弱点を教え込まれた強力なドレイク
新型アーリマン。ほかのアーリマンと違って、非常に恐ろしい目をしている。魔族を指揮する存在かも?足輪がついてペイントが施されたウルフ。後ろにはコンビを組んで襲って来るミコッテがいる




■ 逸品を作るために、製作と採集の基本をおさらい

主に採集を担当していたという木越祐介氏

 製作と採集については、レベルデザイナーの木越氏が説明した。コンセプトは「製作や採集をすることで、自分が世界を作っているという実感を得られる」というものだが、実はもう1つ隠れたコンセプトがある。それは「人見知りの激しい人でもコツコツやっていけば、いつか報われるようなものがあってもいいのではないかという気持ち」(木越氏)。このコンセプトで開発を初め。今の形に仕上がった。


副道具を使った草刈り。採集できる場所はアクションでは探知できないが、採集自体はワンアクションで可能

・採集のおさらい

 ギャザラーの採集には、主道具を使ったものと副道具を使ったものの2つがある。主道具の採集は2つのスライダーを操作して、素材を集める。1つめのスライダーは位置でアイテムの出やすさが変わる。2つめのスライダーは正解の場所を選ぶとアイテムが入手できるというもの。木越氏は野球に例えて「1つめが球種を選んで、2つめはバッティングで芯に当てていくという感じの流れです」と説明した。副道具の採集はスライダー がなく「FF XI」のように自動で採集をしてくれるが、自分で採集場所を探さなくてはならない。

 採集量は他人と全く共有していないので、「FF XI」のような素材の取り合いは起こらないという。「ある仕掛けがあってそう見えてしまっているところがあり、誤解を与えている部分がありますが、安心して採集しまくってもらっても大丈夫です」(木越氏)。


鍛冶師によるカッパーインゴットの制作風景

・製作のおさらい

 「製作は一見複雑に見えますが、リスクを侵してリターンを得るのか、リスクを少なくしてそのぶんリターンを低くするのかというゲームになっています」と木越氏。模型製作が好きな木越氏は「実際の作業でも、突貫で行なうと結果的に質が悪くなります。工作などが好きな方なら分かっていただけると思います」と、現実の製作と同じ作りになっていることを説明した。

 バーだけではなく、球の色や製作中の火花などにも製作のヒントが隠されている。また、「モーションも凝っています。僕はやすりがけが大好きです」と木越氏。製作のUIにある「目標品質度」はこれが高いとハイクオリティアイテムになるというものだ。

 「採集と製作はぱっと見ただけではどうなのというところもあるかもしれませんが、1度試していただければ判ると思いますので、ぜひ遊んでいただきたいと思います」(木越氏)。

 製作できるアイテムに関しては「この世界に合致したものだけではなくて、世界観ギリギリを追求したような驚くようなもの、ちょっと恥ずかしいものなど、色々なものを考えていますのでご期待いただければと思います」(岩尾氏)と、なかなか気になる発言も飛び出した。


【今後クラフターが作れそうなものを紹介】
錬金術師の製作品鍛冶師の製作品
木工師は長物が多い調理師は料理やデザートなどが作れる
彫金師はアクセサリーだけではなく、武器や防具に飾りをつけていける革細工師。「個人的に大好きです」(岩尾氏)
裁縫師。今回最大のレシピを誇っている。「本当にファッションデザイナーになれるような気分を味わってもらえたらと思っています」(岩尾氏)


・交渉

 NPCと駆け引きをして、相手が欲しがるアイテムと物々交換をしてアイテムをもらうという遊び。ターン制で、自分と相手が交互にアイコンを選ぶ。それぞれのアイコンにはポイントが設定されており、やりとりした結果「目標値」を超えるとアイテムが交換できる。大きく越えるとオマケがつくこともある。「失敗しても持ち物をとられるということはありませんので、見つけたら気軽に遊んでみてください」(岡田氏)。

・マーケットとリテイナー

 リテイナーのバザーを導入したのは「ギャザラーやクラフターの方にも遊んでいただくために、競売所で画一的な値段で売られるだけではなく自ら市場を開拓して欲しいというコンセプトがあったから」と河本氏。ただ現状は、わかりにくいという声が多く、売っている場所を細かく分けるなどのアプローチを検討している。リテイナーのレスポンスが悪いことについては「OBTよりは軽くなるとお約束できると思います」(河本氏)と改善が予定されている。


【「交渉」のプレイ画面】
「交渉」のプレイ画面。街のどこかにいるNPCに話しかけるとコンテンツを遊べるようだ



製作に関してはレスポンスの悪さが指摘されているが、製品版では改善に向かうようだ
製作や採集だけでもフィジカルレベルを上げることができるが、ステータスとの関連性が明らかになっていなかった

・クラフター、ギャザラーについての質問

Q: 製作を始めるまでのステップを減らせませんか? アイテム一覧が表示されるまでのレスポンスが遅いのですが

木越氏: レスポンスは担当がチューニングをしている最中です。製品版では改善されているところもありますし、その後も改善していきます。問題としては重視しています。ステップの方も改善に向けて頑張っています。暖かく見守っていただければと思います。

Q: 製作や採集とPCのステータスは関係があるのでしょうか?

木越氏: 関係はもちろんあります。製作のフィジカルは品質に非常に影響を与えます。属性は「ゴッドセンド」というものの発動率や属性の安定など、属性がついている物に影響を与えます。採集ではフィジカルはアイテムを得られる数、属性はシャードを入手する数に影響が出てきます。例えば鍛冶師ならどれを上げればいいのかは、ゲーム中にいろいろとヒントを隠しているつもりですので、見つけていただければこんな感じかと判ると思います。




■ ギルドリーヴをクライアントクラッシュの後に再度受けられない理由とは?

ギルドリーヴの2日間縛りや、失敗後の再挑戦までに期間が必要な理由を河本氏が説明した

 OBTに参加している中村さんが「ギルドリーヴ」の最中にクライアント落ちしてしまうと再受諾できないことを指摘すると、会場から拍手が起こった。ギルドリーヴは2日に8枚しか受けることができないが、遂行中に回線が切断すると失敗扱いになってしまう。現状、ギルドリーヴ中にクライアント落ちする頻度が高く、プレーヤーの中でも問題視されている。

 この問題への対処は「我々も社内で検証しています。まず何よりも落ちないようにというのが最優先課題ですので、1つずつ潰している状況です」と河本氏。「製品版までには、皆さんに安定した環境で楽しんでいただけるように今も作業しています」(河本氏)。再挑戦させて欲しいという声は多いが、ギルドリーヴの敵は通常のモンスターよりも獲得できる修練値や経験値が多いため、ギリギリで回線を切断してわざと失敗させた後何度も繰り返すというプレイが可能になってしまい問題が多いために実装することができないというのが実情だ。

 ギルドリーヴを再発行するタイミングで、ギルドリーヴを発行するNPCに話しかけることで、同じ報酬のリーヴに再挑戦可能になるように調整中とのことだ。発行量については「敢えて少し足りないかなというくらいの量で出させていただいているのは、パーティーでもプレイして遊んでいただければと思って」(河本氏)。ただ枚数がもの足りないという声は非常に多く、そんなプレーヤーの要望を受けてギルドリーヴの発行間隔は短くする方向で検討中だそうだ。発行間隔が短くなると、街に戻る頻度が増えるので、「こちらも非常に声が大きい」(河本氏)テレポに必要なアニマの回復量も増える。

 高レベルになると、さらにルールが多彩になり、エリアやモンスターも増えていく。またファクションリーヴという難易度の高いリーヴもある。「報酬もいいものが隠されていたりしますので、併せて挑戦していただければと思います」。ギルドリーヴは今後「様々なタイプの物を増やして行こうと思っています」(河本氏)。NMと戦うようなものも用意される。またクラフターやギャザラーがファイターやソーサラーと協力して遊ぶようなコンテンツも登場してくるようだ。


【高レベルのファクションリーヴ】
「ファクションリーヴ」では、より強力なモンスターや変わった敵と戦うことができる




■ カンパニーで遊べる協力プレイを一部公開

田中氏がサプライズで将来の実装予定を紹介

 トークショーの最後には、田中氏によるサプライズ画像が発表された。映像には、少しずつバリエーションのあるテントのような建築物、その周辺に集う冒険者らしき人々。さらに2人のクラフターが共同で、大砲や船、ケーキなどを少しずつ作りあげていく画像。また船が別の船に接弦して鉤爪でお互いを固定しあう動画もあった。

 これらは長らく全貌が判らないままのコンテンツ「カンパニー」に関連した要素らしい。「カンパニーという言葉を宣伝などで使っていたりはするのですが、まだ発売日には隠しているような状況になっています」と河本氏。カンパニーは、みんなで協力して楽しむコンテンツで、ギャザラーやクラフターが時間をかけて遊べるようなコンテンツになると未来像を語った。


【「カンパニー」の要素】
コンセプトアートで紹介された、「カンパニー」用の建物らしきテント。種類や段階にバリエーションがあるようだ
クラフター2名が共同で大砲のような兵器を製作していく
共同作業で行なわれる船の製作
ケーキの製作。ケーキの飾りにはいくつかのバリエーションがある
まだまだ製作途中の、船の接弦シーン。カットシーンの一部なのか、それともリアルタイムに操作できるものなのかは現在のところ不明だ


 ルガディン、ヒューラン女性、ミコッテ、ララフェルの新髪型も発表された。中でもララフェルの新しい髪型は「FF XI」のタルタルにそっくり。河本氏によれば「我々はFF XIのアバターを引き継ぐということで全部用意したつもりでしたが、あれがないという声があちこちで聞こえたもの」がこのタルタル風の髪型というわけだ。これらの新しい髪型が実装される時には、既存のキャラクターの髪型を変更できるようなコンテンツも同時に実装されるようだ。


【新しい髪型】
新しい髪型が実装されると、既存キャラの髪型を変えることもできそうだ




 最後に開発スタッフからのコメントを紹介する。

木越氏:
「FF XIVの感想をTwitterや掲示板などで書かれていることが多く、開発者もかなり見ています。ヘコむことも多いですが、面白いとちょっとでも書いてあると仕事がはかどるような人種なので、面白いところがありましたら少しでいいので『面白い』と書いていただけると嬉しいです。もちろん不満なところもどんどん書き込んでください」

岩尾氏:
「紆余曲折ありましたが、いよいよエオルゼアの歴史に最初の1ページが記されようとしています。もちろん皆さんによって歴史は作られるのです。始まりは、やや混沌の時代で幕を開けてしまい恐縮ですが、これからも皆さんと共に歴史を作っていけたら幸いです」

佐藤氏:
「シナリオは先に進んでいて、ストックがある状態なので、これからも様々なシナリオやキャラクターを追加してエオルゼアを盛り上げていきたいなと思います。私はゲームが好きなので、製品版がスタートしたら皆さんと一緒に遊べればと思います」

岡田氏:
「ようやく皆さんにFF XIVを遊んでいただけるところまで来ました。今後大規模バトルであるとか、いろいろなコンテンツの追加を考えています。今後ともよろしくおねがいします」

河本氏:
「イベントの時にはいつも最後の挨拶だけは事前に考えないようにしているのです。テスターサイトなどで皆さんにいつも言っている言葉が『すみません』と『ありがとうございます』と『よろしくお願いします』です。そればかり言ってきた気がしますが、こうしてβからテストに参加して下さった皆さんを前にするとやはり『ありがとうございます』という言葉が一番大きいです。本当に今まで我々の方でもご迷惑をおかけしたこともありますが、まずは『ありがとうございます』。そしてその上で、これから製品版でもぜひエオルゼアをよろしくお願いします。みんなでいい世界にしていきたいです」

田中氏:
「いろいろありましたが、ようやくOBTが終わりまして来週の水曜日、22日から限定版の先行サービスが開始されます。日本時間の朝10時にサーバーがオープンする予定です。それよりも早く手に入るかもしれませんが、バージョンアップなどをしていただいて10時からなだれ込んでいただければなと。ぜひ新しいエオルゼアという世界を楽しんでいただきたいです」


いよいよ始まる「FF XIV」。コメントから開発スタッフの意気込みを感じることができた

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(2010年 9月 16日)

[Reported by 石井聡]