キュー、「エンジェル戦記」大型アップデート「巨神の塔」レポート
新エリア「天界」、「神兵武器」、2次職など高レベル向けのコンテンツを多数実装


8月9日取材

キューエンタテインメント分室


「エンジェル戦記」を担当するチーフディレクター諸星富展氏

 キューエンタテインメント株式会社は、サービス1周年を迎えたWindows/プレイステーション 3用MMORPG「エンジェル戦記」の3回目となる大型アップデート「巨神の塔」を発表した。実装日は8月18日の予定だ。

 「エンジェル戦記」は台湾のUserJoyが開発した2D見降ろし型のバトルアクションMMORPG。今回のアップデートでは新エリア「天空」と、そこを舞台とした様々なコンテンツが実装される。合わせてレベルキャップが現状の90から100に解放され、8つの2次職と新しい生産システム「神兵製造」が導入される。

 実装に先立って、キューエンタテインメントにお邪魔し、「エンジェル戦記」を担当するチーフディレクターの諸星富展氏に新要素の詳細を説明してもらった。スクリーンショットとともに各要素を紹介しよう。




■ 「オリンポス城」を脅かす巨神の塔「アトラス」を攻略せよ

「オリンポス城」にいる主神「ゼウス」
左に浮かんでいるのが「オリンポス城」、右にある塔が「アトラス」だ
「アテナの聖域」にいる「ライトコマンダー」が「オリンポス城」まで移動させてくれる

 新たに追加される「天空」は、主神ゼウスを初めとした神々が住む「オリンポス城」と、突然出現した「アトラス」という地上と天を結ぶ巨大な塔に分かれている。「オリンポス城」は冒険の起点となる街で、通常の街と同じように様々な施設が集まっている。「アトラス」は2つのEXフィールドを持つ9層構造のダンジョンだ。これにペット訓練所2マップと、インスタンスダンジョン「オラクルの門」などを加えた計17マップが新規に実装されることになる。

 「オリンポス城」へは、「アテナの聖域」マップにいるNPC「ライトコマンダー」に話しかけることで入れる。入場するには、1回ごとにゲーム内の通貨で10,000金貨が必要だ。レベル制限は30以上だが、推奨レベルは90以上という高レベル向けのコンテンツとなる。

 ダンジョンは誰でも入れる「街道マップ」と、インスタンスエリアの2つに分かれている。オリンポス城とアトラスの塔をつなぐ街道マップ「グリンロード」は、その名前の通り天空にまで延びた巨大な植物を道代わりに進む。その先に、もう1つの街道マップ「オリンポス山」があり、山の最も奥にアトラスの塔の入り口がある。

 アトラスの塔はギミックを解きながら上へと上がって行くダンジョン。ギミックには例えば、モンスターを全て倒すといったものから、四方に設置されたオブジェクトを動かすといったものなど階層ごとにいろいろな種類がある。3階の「闇の宮殿」と8階の「スカイホール」はカギを持っていなければ入れないEXフィールドで、中ボスキャラと闘うことになる。そして最上階「アトラス頂上」では巨人「アトラス」がプレーヤーを待ち受けている。

 アトラスは、戦闘中のキャラクターを異次元に飛ばして分断するという特殊攻撃を使ってくる。さらに強力な範囲攻撃も行なってくる強敵だ。これらボス以外にも、石像のような姿をしたモンスターやケンタウロスなど120体以上の新しい敵が登場する。


「闇の宮殿」のボスモンスター「ホーリービースト」「スカイホール」のボスモンスター「タイタンクレオス」ボスモンスター「アトラス」
雲を貫く巨大な植物の蔓でできた「グリンロード」虹を渡っていくファンタジックなマップ「オリンポス山」「アトラス」の1階部分「夢の宮殿」
豪華な装飾など下層とは雰囲気が一変する「アトラス上層」空中庭園を思わせる「スカイロード」天空エリアの最終マップ「アトラス頂上」




■ 完全クリアはかなりの難易度。タイムアタックダンジョン「オラクル門」

「オリンポス城」にいる犬の姿をした戦神「アレス」が「オラクルの門」の入り口

 「オラクルの門」はこれまで「エンジェル戦記」にはなかったパーティー単位で攻略をするインスタンスダンジョン。3人以上のパーティーで入り、制限時間20分の間に5つのエリアを攻略していく。

 エリアは3つのフィールドとボスエリア、報奨エリアに分かれている。最初に3角エリアで「水晶」を集めるとボスがいるエリアに入れるようになる。ボスを倒すと「オラクル宝箱」が手に入り、さらに報奨エリアへ進入可能になる。報奨エリアには「オラクル兵」というモンスターが大量に配置されていて、倒すと「オラクル宝箱」をドロップする。

 「オラクル宝箱」の中には「天空貢献カード」、「アンチジャイアントスピリット」、「アンチソウルスピリット」、「マキシポーション」、「マキシエーテル」のうちいずれか1つが入っている。「天空貢献カード」は集めてアイテムに交換するためのもの。2種類の「スピリット」は武器の横にあるスロットにセットして、攻撃1回ごとに1個を消費して攻撃力を上昇させるアイテム。巨神族に対して攻撃力を増加させる「アンチジャイアントスピリット」は「アトラス」のボス攻略に力を発揮しそうだ。

 おそらく多くのプレーヤーが何度も繰り返し挑戦することになるであろう「オラクルの門」には、クリアした回数によって手に入るボーナスも用意されている。250回と500回クリアには、ここでしか手に入らない観賞用ペットがもらえる。ほかにも50回、100回と区切りごとにかなり良いものがもらえるので、ぜひ頑張って入手したいところだ。


「オラクルの門」の内部は5つのエリアに分かれている

「オラクルの門」について説明してくれるNPCクリア250回でもらえる観賞用ペット「聖戦魔剣」クリア500回でもらえる観賞用ペット「聖戦の王」




■ 新生産システム「神兵製造」で★7の究極装備を作りあげろ!

クエストの起点となる鍛冶屋の神「ヘパイストス」
ほかのキャラクターから「生命の火」をもらう

 「神兵製造」は「オリンポス城」で受けることができる生産クエスト。このクエストをクリアすることで「神兵武器」という強力な武器を手に入れることができる。

 「神兵武器」には★1から★7まで品質に段階があり、どの品質になるかは製造時にランダムで決まる。★7になると、攻撃力増加はもちろん、ついているオプションステータスが増えたり武器強化の際に上昇率が高くなったりと性能に大きな差が出る。

 武器はアイテムレベルが40(装備可能レベル25)、60(45)、85(70)、100(85)の4種類がある。どれも半透明に輝くような独特の形状をしている。攻撃すると、一定の確率で専用のエフェクトが付いた特殊効果が発動する。例えば両手斧なら、鳥が飛ぶようなエフェクトとともに相手の回復量を減少させる効果が付く。

 「神兵武器」を作るためのクエストは「オリンポス城」にいる鍛冶の神「ヘパイストス」から受けられる。クエストはストーリー仕立てで「神々の試練」、「タイタンの呪い」、「伝説再び」の3章から成っている。

 「神々の試練」は戦闘が中心となるクエストで、6人の神が出す試練を達成してそれぞれの神からバッジをもらう。このバッジと交換に「弱まった鍛造の炎」というアイテムを入手できる。この炎を、50個の「生命の火」を集めて蘇らせるクエストが「タイタンの呪い」だ。

 「生命の火」は「弱まった鍛造の炎」を自分やほかのキャラクターに使用することで集められる。使用されたキャラクターは30分間、自分が「弱まった鍛造の炎」を使うことができなくなる。その代わりに状態異常への抵抗力が上がるステータスがつくので、これから戦闘に行こうとしている人にかけてあげると喜ばれそうだ。

 最後のクエスト「伝説再び」は、「生命の火」を集め終わって「ヘパイストス」に話すだけの簡単なクエスト。話せば武器を作ることができる。こうしてでき上がった「神兵武器」は取引が可能なので、ギルドで協力して新人用に武器を作ったり初心者向けに装備可能レベルが低めの武器を作ってバザーに出すこともできる。


3つのクエストを完了させれば、「神兵武器」が1つ作れるレベル85から装備できるようになる「神兵武器ウラノス」のシリーズ
クエストの過程は全て同じで、製作するときにどのクラス用の武器を作るかを選ぶことができる




■ より専門化した8つの2次職になる「転職」システム

 現在ある4つのクラスに上位職が登場する。上位職に就けるのはレベル80以上のキャラクター。「オリンポス城」にいるNPC「ホルン」に話しかけると、「天空の神殿」という転職専用のエリアに移動できる。このエリアには8人の神がいるので、自分のなりたいクラスの神に話しかける。それ以外の神に話かけると、怒られたり追い返されたりするのでそういうセリフを楽しみたい人は一通り話しかけてみると面白いかもしれない。

 選べるクラスは1つの系統につき2つ。1度片方を選んだ後に、もう一方に転職し直すには課金アイテムの「転職の印」が必要になる。転職し直すと、それまで覚えていた上位職のスキルは全てリセットされてしまう上に、スキルを強化するために使った技法経験値も戻って来ないので、慎重に考えてから転職した方がいい。

 転職すると、その時点でクラス固有のスキルを2つ覚えている。レベル100までの間にさらに1つ追加でき、計3つのスキルを新たに覚えることになる。スキルはほかにもあるのだが、習得制限レベルが100よりも高いので、4つめ以降のスキルは今後のレベルキャップ解放を待つことになる。もちろん今まで覚えた1次職のスキルは変わらず使うことができる。

・「ファイター」の2次職


【バーサーカー】

 両手武器と片手武器を操る近接攻撃の特化クラス。「ドレイン」や「ブラッド」という魔法を使って貯める「ドレインポイント」を消費することで、自分の物理攻撃力を上昇させたり強力なスキルを使うことができる。ただし、物理防御が下がってしまうというデメリットも。片手武器を2つ装備すると、ドレインポイントが貯まりやすくなる。対応NPC:「アレス」。

「ドレイン」
範囲攻撃。ドレインポイントが4ポイント上昇する
「ブラッド」
有効時間内、通常攻撃でも一定確率でドレインポイントが上昇する

【パラディン】

 盾を使ったスキルで敵を引き付け、パーティーを守る防御特化クラス。「シールドガード」は周囲に放った気で敵にダメージを与える技。発動中は移動ができなくなるかわりに、自身の防御力を極限まで高めることができる。また「フォーメーション」というパーティー全体に効果のあるステータス上昇スキルを使う。対応NPC:「アテナ」。

「シールドガード」
有効時間内、移動不可状態の代わりに、防御を極限まで高める。また、気を発して周囲の敵にダメージを与える
「アタックフォーメーション」
パーティーメンバーの攻撃力と魔攻が強まる



・「ハンター」の2次職

【ガストウォーカー】

 「ハンター」の正統進化と言えるクラス。トラップを使った攻撃を得意としており、トラップを踏んだ敵の周囲に火炎ダメージを与える「フレイムトラップ」や、その上位スキル「デストラクトトラップ」を使う。渦の中心に敵を引き寄せる「トルネード」は、直線的な弓攻撃を当てやすくするためのスキルだ。対応NPC:「セレネ」。

「フレイムトラップ」
設置したトラップを踏むと周囲に火炎のダメージを与える
「トルネード」
ターゲットの周囲の敵を渦の中心に引き寄せる

【シャドウ】

 ナイフ、カタール、スピアを使う近接型のクラス。スピーディーに敵と間合いをつめる「アサルト」や、強力な攻撃と共に相手を回復量減少状態にする「ミラージュ」など、単体の敵に対する攻撃に優れている。使いこなすにはプレーヤースキルが必要だが、特に対人には強力な力を発揮するクラスだ。対応NPC:「ヘカテー」。

「アサルト」
稲妻のような激しさで敵に近付いて攻撃する
「ミラージュ」
強力な攻撃と共に相手の回復量を減少させるステータス異常を起こさせる



・「ウィザード」の2次職

【アークメイジ】

 属性の範囲攻撃を得意とする純アタッカー。火柱で単体の敵を攻撃する「ジャッジメントファイア」や、「ジャッジメント」の効果中に使用することで追加ダメージを与える「ディヴァイン」などの強力な単体攻撃スキルと、範囲魔法攻撃を使う。対応NPC:「ゼウス」。

「ジャッジメントファイア」
足元から立ち上った火柱がターゲットを貫く。同時に自身にジャッジメントの効果が付く
「ディヴァイン」
光がターゲットを貫き、敵を消し去る。ジャッジメントの効果中に使用すると、属性ダメージを追加することができる

【ダークロード】

 オーブと片手剣を持って、近接攻撃と魔法を組み合わせて使う。敵を恐怖状態にする「ディスチャージ・トレンブル」など、敵の行動を妨害したり、敵を異常状態にして弱体化させる魔法を得意とする。対応NPC:「ハデス」。

「ディチャージ・トレンブル」
暗黒を開放し、周囲の敵を攻撃する。ダークネスシールドの効果中に使用すると、敵を恐怖状態にする可能性がある
「ダークネスシールド」
パッシブスキル。通常攻撃時、一定の確率で自身のMPを回復し、ダークネスシールドの効果を得る



・「プリースト」の2次職

【エクソシスト】

 「プリースト」の攻撃部分を強化した、攻撃と回復のハイブリッドクラス。敵を攻撃しながら味方を回復する「シャインアロー」や、敵の移動速度を下げる「シャインエフェクト」などの魔法を使う。対応NPC:「アポロン」。

「シャインアロー」
敵を攻撃すると同時に、自身と周囲の味方を治療する
「シャインエフェクト」
敵の移動速度を下げる

【ビショップ】

 回復や味方の強化に特化した「プリースト」の正統進化クラス。パーティーメンバーのHPを徐々に回復させる「ブレッシング」や、パーティーメンバーの通常攻撃に一定の確率で持続ダメージを追加する「ゴッドステイ」などを使って味方を支援する。対応NPC:「ヘパイストス」。

「ブレッシング」
神に祈って祝福を受ける。自身とパーティーメンバーのHPを徐々に回復させる
「ゴッドステイ」
パーティーの通常攻撃時、一定の確率で持続ダメージを与える効果をつける




■ 新スキル「召喚」で属性の範囲攻撃を行なう強い味方を手に入れよう

クールタイムが終われば、戦闘中MPを消費して何度でも呼び出すことができる

 今回のアップデートでは、キャラクターのレベルが90から100へと引き上げられる。それに合わせて、今ある4つのクラスに新しく「召喚スキル」が追加される。このスキルを使うと、プレーヤーと一緒に闘ってくれるNPCを呼び出すことができる。

 習得するには、キャラクターレベルが95以上、1次職の全てのアクティブスキルを習得した状態で、モンスターが落とす「スキル書」が必要になる。かなりの難関だが、それだけに覚えたときの満足感は大きいだろう。覚えてしまえばMP消費だけで1回90秒間、クールタイム3分を挟んで何度でも呼び出すことができるようになる。

 呼び出せるモンスターはクラスごとに決まっている。「ファイター」は炎属性の範囲攻撃を行なう「サモンヒーロー」、「ハンター」は氷属性の範囲攻撃を行なう「スカイシャウト」、「ウィザード」は雷属性の範囲攻撃を行なう「ミスティック」、「プリースト」は回復魔法で支援してくれる「コールエンジェル」をそれぞれ習得できる。

 また、レベルキャップ解放に合わせてレベル95用の武器屋防具が大量に追加されるのでその一部を紹介しよう。


ファイターの「サモンヒーロー」ハンターの「スカイシャウト」
ウィザードの「ミスティック」プリーストの「コールエンジェル」

レベル95以上の装備が追加される

レベル95以上が対象の武器


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(2010年 8月 11日)

[Reported by 石井聡]