Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

KONAMIとハドソン、E3にKinect用タイトルを3本出展

「DDR」が真のダンスゲームに進化した「DanceMasters」


6月15~17日(現地時間) 開催

会場:Los Angeles Convention Center



 今年のKONAMIブースでは、ハドソンのタイトルと合わせて3本のKinect対応タイトルが出展された。Kinectは今回初めて大々的にお披露目となったXbox 360用ジェスチャーコントローラー。このタイミングで3本を揃えてきているのは、かなりの力の入れようだ。




■ 「DDR」が真のダンスゲームに!「DanceMasters」

 「DanceDanceRevolution(DDR)」の流れをくむ、新作のダンスゲーム。「DDR」が足元のパネルのみで操作するのに対し、「DanceMasters」はKinectで全身を使ってリズムとポーズを取るゲームになっている。

 ゲームをスタートすると、画面上の3Dキャラクターが曲に合わせてダンスを始め、いくつかのアイコンが現われる。まずキャラクターの周辺に現われるリングは、外側の輪が縮まってきて内側の輪と重なるタイミングで、タッチする感覚で手足を伸ばせばいい。次に矢印つきのラインのようなものが出たときには、そのラインに沿って両手を動かしていく。

 さらに、キャラクターの横にポーズをとったシルエットが現われることがある。このシルエットがスライドしてキャラクターに重なるときに、そのポーズをとっていればOK。この他にも、難易度が上がると足をタップする動きも入ってくる。

 ゲーム的にはこれらの要素をこなしていけば得点となる。説明だけでは難しそうに聞こえるだろうし、実際にプレイしてみても要素が多くてなかなか頭が追いついていかないのだが、最終的にはさまざまな要素のことは考えず、画面に表示されるキャラクターと同じダンスを踊れれば間違いない。

 「DDR」の流れをくむ点で、全身を使って踊るゲームになったことには一定の価値がある。「DDR」は得点だけを稼ぐなら、足の動きだけに集中し、上半身の無駄な動きを減らすのがポイントになるので、“突き詰めていくとダンスにならない”というジレンマを抱えていた。ゲームとしてやっていることは、いわゆる音ゲーの文法に則ったものだが、結果的にちゃんと踊ることが答えになっているのは、KONAMIとしても念願叶ったりという気分ではないだろうか。

 ちなみにプロデューサーは「DDR」で知られるNAOKI氏。音楽にはNAOKI氏の楽曲がいくつも使われており、サウンド面で「DDR」ファンを裏切ることはないだろう。


とにかく画面のキャラクターのダンスと同じように踊ればいい。写真で踊っているのは、たまたまデモプレイをしていたNAOKI氏



■ 直感的かつカジュアルなスノーボード「Adrenalin Misfits」

 ファミリーをターゲットにしているというスノーボードゲーム。プレーヤーは半身になり、スノーボードで滑る時の体勢をつくる。ゲームがスタートすると、直立だとそのまままっすぐ滑っていき、左右に曲がりたいときにはその方向に体を倒せばいい。速度を上げたい場合は姿勢を前かがみに、落としたい場合は後ろにそらす。要するに、実際のスノーボードの体重移動と同じ事をやればいい。

 実際と異なるのは、ジャンプの動きだ。大きな段差がある場所では、踏み切り直前にタイミングよくジャンプすると、ゲーム内のキャラクターも大きくジャンプする。その後、体を回転させたり、前傾姿勢をとったりすると、ゲーム内のキャラクターがエアートリックを始める。うまくトリックが決まれば加点されるが、着地前に体勢を整えなければ転んでしまう。

 ゲームそのものは前述の通りファミリー向けのもので、操作が現実のスノーボードに沿っているというだけで、リアル志向ではない。滑るだけなら突っ立っているだけでいいし、スノーボードを知っていれば操作方法の説明もいらない。プレーヤーキャラクターは人間ではなく動物をモチーフにしたモンスターで、2人並んでの同時プレイも可能。ファミリーでKinectらしさを体感できるコンテンツとなっている。


とにかく操作が簡単なスノーボードゲーム。コースは雪面ばかりではなく、キャラクターもモンスターと、かなりファンタジーなデザインになっている



■ 直感的スポーツゲームシリーズもKinect対応「DECA SPORTS FREEDOM」

 ハドソンがWii向けに展開しているスポーツゲーム「デカスポルタ」シリーズのKinectバージョン。元々、Wiiリモコンを使って直感的に遊べるスポーツゲームだったが、Kinectによってコントローラーを持たずに遊べるゲームになった。収録しているゲームは、「テニス」、「ボクシング」、「アーチェリー」、「ペイントボール」、「ビーチバレー」、「ドッジボール」、「剣道」、「モーグル」、「スノーボードクロス」、「フィギュアスケート」の10種類。

 「テニス」では、まずサーバーは左手でボールをトスし、右手のラケットをスイングする……ように体を動かす。レシーバーは飛んできたサービスを見て、体を移動したい方に傾けてキャラクターを動かし、さらに右手でスイングする。スイングは手の動きによって、フォア、バック、ロブ、スマッシュと打ち分けられる。まったく見たままの遊び方で、説明不要な内容だ。

 わかりやすいスポーツが並ぶ中、「ペイントボール」だけは異色の存在。3Dのフィールドで色のついた弾を撃ち合うゲームで、体を前後左右に少し動かすとその方向に移動。銃を持ったつもりで腕を前に出し、「バーン」と撃ったつもりで腕を上げると弾が出る。こちらは直感的というより、操作のアクションそのものが楽しいゲームになっている。


「テニス」はラケットを持っているつもりでスイングするだけ。「ペイントボール」は銃を撃つモーションがユニークで楽しい

(2010年 6月 18日)

[Reported by 石田賀津男]