米Valve、Mac版「Steam」の配信を開始
Win/Mac版「Portal」を期間限定で無料配信


5月12日サービス開始(現地時間)



 米Valve Softwareは現地時間の5月12日より、世界最大規模のPCゲーム配信サービス「Steam」においてMac版タイトルの取り扱いを開始した。これに合わせプロモーションの一環として、同社のパズルアクションゲーム「Portal」のWin/Mac版の無償配信を開始。無償配信期間は5月24日までの期間限定で、同社の特設サイトよりダウンロードできる。

あの「Portal」が無料に。Valveのプロモーションプランは常にダイナミックだが、完全無料は珍しい。この機会にぜひ遊んでおきたい
「Portal」の続編「Portal 2」は2010年発売予定。Win/Mac両対応が予定されている

 「Steam」のMacへの対応は、2010年頭より順次実施されている「Steam」のリニューアルプランの一環となる。Mac版「Steam」は、WEBサイト、専用クライアント共に、従来の「Steam」とまったく同等のものがサービスされる。

 現時点でのタイトルラインナップは、今回Valveが新たにMacに対応させた「Portal」を除くと、「BRAID」や「World of Goo」などカジュアルゲームゲームが中心で、Valveの他の有力タイトルも含め、フルプライス系のタイトルは今しばらく待つ必要がある。

 Mac向けのゲームタイトルをSteamに提供するメリットは非常に大きい。世界最大のPCゲーム配信サービスが利用できるというだけでなく、これまでWindows PC向けのみに提供されてきたSteam配信に特化したゲーム開発環境「Steamworks」が利用でき、さらにSteamworksがサポートする「Steam Play」を活用することで、Steamで1度購入すれば、Windows版、Mac版の両方が遊べるようになるなど、メーカー、ユーザー双方に大きなメリットをもたらしてくれる。日本への影響は未知数だが、Steamというプラットフォームが魅力を増したのは間違いない。Macのシェアも微増ながら拡大傾向にあるため、今後Mac向けのゲーム開発が活発化する可能性もある。

 今回無料配信される「Steam」はMacのみならずWindowsでもプレイできる。ファイルサイズは約5GB。ゲーム自体はカジュアルゲームに準ずる規模のパズルアクションゲームとなっているが、2008年のGame Developers Choice Awardsで「Game of The Year」を受賞するなど、その実力は世界に評価されている。また今年は待望の続編「Portal 2」の発売も予定されているため、まだプレイしていないというゲームファンは是非この機会に1度プレイしておくと良いだろう。


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